ダイエットに成功するには、単に食事量を減らすだけでは不十分。痩せやすい体質をつくるためには、栄養バランスの取れた食事をすることが欠かせない。
本記事では、痩せやすい身体をつくる栄養素や、ダイエット中の食べ物の選び方、摂りすぎに注意したい食べ物について解説。ダイエット中の食事で悩んでいる人はぜひ参考にしてみよう。
この記事の監修者
坂本ひかるさん
管理栄養士
痩せやすい身体をつくる3つの栄養素
ダイエット中におすすめの食べ物を紹介する前に、まずは基礎知識として、ダイエット中に意識して摂取したい栄養素を解説。
痩せやすい身体作りをサポートする3つの栄養素の特徴とその働きについてみていこう。
- 筋肉の材料となる「タンパク質」
- エネルギーの変換を助ける「ビタミン・ミネラル」
- 糖の吸収を緩やかにする「食物繊維」
筋肉の材料となる「タンパク質」
タンパク質は、筋肉をはじめ、肌・髪・内臓などをつくる材料となる。ホルモンや酵素といった身体を調整する成分としても重要であり、健康の維持には欠かせない栄養素。
筋肉量が減ると基礎代謝が低下し、太りやすい体質になってしまうため、タンパク質をしっかり摂取し、筋肉を維持・増強することがダイエットの鍵。
肉、魚、卵、大豆製品といった主菜にはタンパク質を作るのに欠かせない「必須アミノ酸」がバランスよく含まれており、質のよいタンパク質を補給することができる。食べる時間がないときなど、昼食に主菜を摂ることが難しい場合はプロテインなどのサプリメントで補うのもよい。
タンパク質は筋肉量の維持に欠かせない栄養素ですが、摂り過ぎれば脂肪になります。身長や体重、運動量によっても必要量は変わりますが、日本人の食事摂取基準における1日の推奨量は成人男性で65g、女性は50g程度。1食あたり20g前後を目安にしましょう。
エネルギーの変換を助ける「ビタミン・ミネラル」
ビタミンとミネラルは、3大栄養素のエネルギー変換を助ける重要な役割を担っている。
ビタミン、ミネラルはどちらも身体を調整する役割があるため、すべて必要不可欠だが、ダイエット中に意識して摂りたいものを強いてあげるならビタミンB群。摂取した糖質や脂質、タンパク質のエネルギー代謝を助ける働きがある。
サプリメントは特定の栄養素を濃縮したものなので、過剰摂取に注意し、用量は必ず守るようにしよう。
健康的に生きるために必要なビタミンは13種類、ミネラルは16種類もあります。単独で機能するのではなく、代謝の中でそれぞれが複雑に作用しあっているため、全て必要な栄養素です。
特定のビタミンやミネラルではなく、全体の栄養素をバランスよく摂れているかどうかを意識しましょう。無理な食事制限を行うダイエットは栄養素が偏りやすくなります。女性には必要量の多い鉄はとくに不足しがちです。貧血の原因となりますので注意しましょう。
糖の吸収を緩やかにする「食物繊維」
食物繊維には糖や脂質の吸収を抑えて排泄を促したり、血糖値の上昇をゆるやかにする働き、便通を良くするなどの効果があるので、ダイエット中は不足しないように心がけよう。
食物繊維には水溶性と不溶性の分類があるが、それぞれに多様な化合物が含まれるので、いろいろな食品から食物繊維を摂取することが推奨されている。ごぼうやこんにゃく、きのこや海藻、穀類など幅広い食品に含まれている。毎食食べる米やパンといった穀類にも食物背には含まれており、便秘解消に一役買っている。
食物繊維は咀嚼回数が増えることや消化の段階でかさが増すことから満腹感が得られやすいのもポイント。便秘解消、血糖コントロール、食べ過ぎ防止など、ダイエットに嬉しい効果が期待できる。
食物繊維が添加された健康食品も多いですが、いろいろな食材からバランスよくとることが大切です。
ダイエット中の「脂質」と「糖質」は厳禁?
痩せやすい身体を作る栄養素とは反対に、ダイエットを成功させるためには摂取量に注意しておきたい栄養素もある。ダイエット中に気をつけたい栄養素と食事制限の注意点をみていこう。
- 「脂質」と「糖質」は摂りすぎに注意
- 極端な制限ダイエットは逆効果
「脂質」と「糖質」は摂りすぎに注意
糖質や脂質を多く含む食品は、エネルギー量が高くなりがちなので、ダイエット中は、摂取量に注意しよう。
過剰に摂取した糖質は、活動エネルギーとして消費されない場合、体内で中性脂肪として蓄積される。脂質も同様に、摂り過ぎれば中性脂肪となって蓄えられる。血液中の中性脂肪や悪玉コレステロールが増加し、善玉コレステロールが減少すると、生活習慣病のリスクも高まる。
しかし、単に脂質や糖質をカットするのではなく、全体の摂取エネルギーをPFCバランス(タンパク質、脂質、炭水化物のバランス)に注意しながら調整することが大切。
体脂肪1kgをエネルギーに換算すると約7200kcal。計算上1ヵ月で体重2kg落とすためには約14400kcalを消費する必要があるので、1日あたりにすると480kcalを消費しなければなりません。脂質と糖質だけでエネルギーカットするのではなく、PFCバランスを保ちながら減らすといいでしょう。
極端に制限したダイエットは逆効果
糖質と脂質は摂り過ぎると太る原因になるが、生命活動に欠かせない栄養素でもある。極端に制限したり、完全に避けたりするのは危険。
無理な糖質制限は、集中力の減少や疲労感、低血糖による頭痛や眠気などの症状を引き起こすこともあり、筋肉量の低下やリバウンドのリスクも高まる。
摂取するエネルギーが自身の基礎代謝量を下回らないよう、1日の必要量を把握し、無理のない範囲で調節しよう。タンパク質は総エネルギー摂取量の13〜20%、炭水化物は50〜65%、脂質は20〜30%で摂取することが目安とされている。1日3食バランスよく食べ、今より多く動くことを意識しよう。
計算しながら食べるのは難しいので、まずは主食、主菜、副菜を揃えることを意識しましょう。食べなければ一時的に体重は落ちますが、身体が飢餓状態となり筋肉量も減ってしまいます。
痩せるものは?ダイエット中の食べ物の選び方
ダイエット中の食べ物の選び方についてご紹介。しっかり食べて健康的に痩せられるよう、3つのポイントを意識してみよう。
- エネルギーが少ないもの
- タンパク質が多いもの
- 整腸作用があるもの
エネルギーが少ない食べ物
太る原因の多くは、食事から摂ったエネルギーを使い切れていないこと。ダイエットの鉄則は、「消費エネルギー量が摂取エネルギー量を上回る」こと。
ダイエット中は、1日に必要なエネルギー量から逸脱しない範囲内で摂取エネルギー量を減らすことがポイント。ただし、極端なエネルギー制限は体調を害しやすく、栄養不足や体力の低下につながる。痩せる必要がない体重の場合、無理なダイエットは避け、減量するなら1ヵ月に1~2kgを目標にしよう。1ヵ月に1kg減を目標とする場合は1日-240kcalを目安に。
ストレスを感じずに食事を楽しめる範囲でバランスよく食事量を減らしていくのが望ましい。運動も健康的なダイエットを行う上で重要で、食事とバランスを取りながらヘルシーな身体を維持しよう。
また、本当にダイエットが必要なのかどうかも考えるようにしよう。極端なダイエットによって引きおこる「やせ」も現代の大きな問題。とくに女性の「やせ」は骨粗しょう症のリスクを高め、摂食障害のリスクや将来生まれてくる子どもの生活習慣病リスクを高めるともいわれているので、本当に痩せる必要があるのか?をまず確認するようにして。
健康的な身体づくりには、まず自分に適した体重をBMI(BodyMassIndex:肥満度を表す指標)を参考に把握することが大切です。また、人によって健康でいられる体重は違います。体調がよく、毎日健やかに過ごせる身体を維持するようにしましょう。
タンパク質が多い食べ物
ダイエット中は、食事量が減ってタンパク質も不足しがち。タンパク質が足りないと、筋肉量が減少し、基礎代謝が低下してしまう。痩せやすい身体を作るには、タンパク質をしっかり摂ることが大切。肉や魚、大豆製品など、タンパク質を多く含む食品を意識的に選ぼう。食事だけで不足する場合、プロテインやBCAAなどのサプリメントで補うのも1つの手。
ただ、タンパク質も過剰に摂取しないように注意しよう。身長や体重、運動量によって必要な量は異なるが、1日の摂取量は体重1kgあたり1g程度を目安に。肉や魚であれば1食あたり片手にのるくらいの量で充分。
タンパク質も摂るだけで痩せるわけではなく、食べ過ぎればもちろん脂肪になります。日本人の食事摂取基準(2020年版)で示されているタンパク質の推奨量は18~64歳の成人男性で65g、女性は50gです。1食20g前後を目安にしましょう。
整腸作用がある食べ物
腸内環境を整えることは、ダイエット効果を高める上で重要。腸内の悪玉菌が多いと、痩せにくい体質になってしまう。ヨーグルトや納豆などの善玉菌を含む発酵食品、整腸作用のある食べ物を積極的に取りいれるようにしよう。
食物繊維は腸内環境を整える働きがある。野菜や海藻、きのこ類など、食物繊維の豊富な食材を食事に取り入れるとよい。
自身の腸内環境を知るためには、便の硬さ、排便の頻度をチェックするのがよく、1日1回表面がなめらかなバナナ状の排便があるのが理想的。
揚げ物や洋菓子など高脂質なものばかり偏って食べていると、腸内に悪玉菌が多くなりガスもたまる傾向があります。発酵食品や善玉菌の餌になる食物繊維をとるように意識しましょう。
ダイエットにおすすめの食べ物5選【低エネルギー・低GI編】
ダイエット中の食事では、摂取エネルギーが過剰にならないように注意することに加え、血糖値の急上昇をできるだけ避けるのがおすすめ。低カロリーの食べ物、血糖値の上昇がゆるやかな低GI食品を5つ紹介。
- こんにゃく
- 玄米・全粒粉
- そば
- もやし
- もずく
こんにゃく
こんにゃくは「100gあたり約5kcal」と食品の中でもとくに低エネルギーの食材。原料は芋だが、ほとんどが水分からできている。
主菜や副菜のおかずに取り入れるのはもちろん、麺の一部をこんにゃく麺に置き換えたり、白米にこんにゃく米を加えてかさ増ししたりすることで、主食のエネルギーや糖質の量を抑えることができる。
玄米・全粒粉
白米や小麦粉と比べてエネルギー量は大きく変わらないが、玄米や全粒粉には食物繊維が多く含まれ、血糖値の急上昇を抑える効果がある。糖質をエネルギーに変えるビタミンB1も豊富。
ただし、白米や小麦粉よりも消化が悪いので、よく噛んで食べるように注意しよう。
そば
そばは麺類の中でもタンパク質、食物繊維、ビタミン、ミネラルが多い食材。うどんやラーメンと比較すると、GI値が低く血糖値の上昇が緩やかなのも大きな特徴。
そばつゆは糖質や食塩が多いため、ダイエット中はつけすぎないように。そばの単体食べはせず、副菜などをプラスして、バランスよく栄養素を摂ることを心がけよう。
もやし
もやしは野菜の中でも低エネルギーで、手頃な価格で1年中手に入る便利な食材。大豆もやしの場合であれば、タンパク質やビタミンB1、カルシウムなどもより多く含まれる。
味にクセがないため、いろんなレシピに取り入れやすく、おかずのかさまし食材として活用するのもおすすめ。
もずく
もずくは低エネルギーで食物繊維が豊富な食材のひとつ。カルシウム、マグネシウムなどのミネラル類も効率的に摂取できる。
小分け包装で手軽に食べやすいもずく酢は、1パックあたり約3kcalでダイエット中には嬉しいが、砂糖や醤油、酢などで味付けされ、食塩が多い商品もある。食べ過ぎると食塩過剰でむくみの原因にもなってしまうので、注意しよう。
ダイエットにおすすめの食べ物6選【高タンパク編】
痩せやすい身体作りに必要な栄養素のひとつが「タンパク質」。ダイエット中は、高タンパク質の食材を取り入れることで、効率的にタンパク質を補給できる。
日々の食事に取り入れやすい、高タンパク質の食べ物を6つ紹介。
- 鶏むね肉
- 卵(たまご)
- ブロッコリー
- サバ(魚類)
- 厚揚げ(豆類)
- 枝豆
鶏むね肉
肉類の中でも、鶏むね肉は100gあたりタンパク質が約20gとれる食材。皮が多いと、その分エネルギー(脂質)が高くなってしまうため、ダイエット中であれば皮なしを選ぶとよい。また、焼く、蒸す、茹でるなどの調理法を選ぶと、油を使わないため脂質が抑えられる。ただし、鶏むね肉は長時間の加熱でパサつきやすい傾向があるので、加熱しすぎないよう注意。
卵(たまご)
卵は1個あたり約6gのタンパク質が含まれており、手軽にタンパク質補給ができる便利な食材。タンパク質不足の食事のときに、意識的に卵をプラスしてみよう。
油で調理するとエネルギー量はその分高くなるが、調理法によってタンパク質量が変わることはない。ゆで卵ばかりではなく、好みの食べ方で取り入れよう。
ただし、卵には脂質も適度に含まれているので、摂り過ぎるとエネルギーが過剰になったり、悪玉コレステロールを上げる原因にも。1日に1~2個を目安にしてみて。
ブロッコリー
ブロッコリーは、野菜の中ではタンパク質が多く含まれる食材。肉や魚などの食材と比較すると劣るものの、エネルギー代謝を助けるビタミン、ミネラルなども多く含んでいるのが魅力。
茹でるだけの簡単調理でも美味しく食べられるので、あと1品足りないときに副菜として取り入れるのもおすすめ。
サバ(魚類)
魚の中でサバはタンパク質が豊富な食材。良質な脂質も含まれており、不飽和脂肪酸のDHAやEPAは、血液の健康をサポートする働きも期待できる。
現代人の食生活では、魚は不足しがちな傾向にあるが、手軽に食べられる鯖缶を常備しておくと調理いらずで食卓に取り入れられる。一方で、脂質は多いため、食べすぎには注意しよう。
厚揚げ(豆類)
タンパク質が豊富な食材として知られている豆類の中でも、厚揚げは絹ごし豆腐や木綿豆腐よりもタンパク質が多い。
副菜としてだけでなく、主菜として炒め物などに取り入れるのもおすすめ。食べ応えもあるので、肉の代わりにしても満足感が得られやすい。
ただし、加工過程で揚げているため、絹や木綿に比べると脂質は高いので注意しよう。
枝豆
枝豆は野菜の中でも、タンパク質が豊富な食材のひとつで、食物繊維やビタミンも多く含まれている。
加熱解凍するだけですぐに食べられる冷凍枝豆などの商品も多く販売されているので、1品足したいときにもぴったり。
ダイエットにおすすめの食べ物7選【整腸作用編】
ダイエット中は腸内環境を整えることも大切。ここでは、整腸作用が期待できる7つの食べ物を紹介。日々の食事にプラスして、腸内環境をしっかり整えていこう。
- 納豆
- キムチ
- わかめ(海藻類)
- しめじ(きのこ類)
- 味噌・味噌汁
- さつまいも(焼き芋)
- ごぼう
納豆
発酵食品の代表格ともいえる納豆は、食物繊維がバランスよく含まれており、腸内環境を整える効果が期待できる。納豆に含まれる納豆菌には、乳酸菌などをサポートをし、腸内環境を正常に保つ働きがあるうえ、胃酸に強く、大腸まで届くのが大きな特徴。
キムチ
キムチは腸内環境を整えてくれる乳酸菌を多く含む発酵食品。排便をスムーズにし便秘を解消してくれるだけでなく、コレステロールの低下、免疫機能を保つといったさまざまな効果が期待できる。
ただし、漬物は食塩が多いため、食べすぎると食塩の過剰摂取になってしまう可能性も。1回あたり小鉢一皿分を目安にしよう。
また、キムチに含まれる乳酸菌は熱を加えすぎると死滅するが、死んでしまった菌でも腸内の中で善玉菌をつくる成分として有用な働きをすることが期待できる。
わかめ(海藻類)
わかめをはじめとする海藻類には、食物繊維が多く含まれており、排便をスムーズに促したりと整腸作用が期待できる。糖質や脂質の吸収を抑えてくれる効果も。
低エネルギーなので、気にせず安心して食べられ、かさもあるため満腹感が得られやすいのもダイエット中には嬉しいポイント。
サッと水で戻すだけで使える乾燥カットわかめなどを常備しておけば、調理もラクになる。
しめじ(きのこ類)
きのこ類は、低エネルギーで、便秘予防に効果的な食物繊維が多く含まれている。腸管でのカルシウム吸収率を上げるビタミンDや、エネルギー代謝をサポートするビタミンB群も豊富。
ビタミンには一部水に溶け出す性質があるため、水に溶け出した栄養素も一緒に摂れる汁物などがおすすめ。
味噌・味噌汁
味噌には乳酸菌や酵母などの微生物が多く含まれており、腸内の善玉菌の増加を促して腸内環境を整える働きが期待できる。
しかし、味噌には食塩が多く含まれている。味噌汁に使用する程度の量であればそこまで気にする必要はないが、毎食味噌汁を飲んだり、味噌を多く使う料理などは注意しよう。
摂りたい栄養素を含む食材を入れて味噌汁にすれば、簡単に栄養バランスの調整ができるので、ぜひ活用してみて。
さつまいも(焼き芋)
さつまいもにも食物繊維が多く含まれており、整腸作用が期待できる。また、カリウムも豊富で余分なナトリウムを排出し、むくみ対策にも効果的。
とくに、皮に食物繊維が多く含まれるため、食物繊維を効率よく摂るためには、皮ごと食べるのがおすすめ。
さつまいもを積極的に取り入れるダイエット法も流行したが、糖質も多い食材なので食べ過ぎには要注意。
ごぼう
ごぼうは野菜の中でも食物繊維の量がトップクラスで、「100gあたり5.7g」含まれている。
皮の黒い部分には、体脂肪の蓄積を抑える効果が期待できる「クロロゲン酸」が含まれるため、ダイエット効果を意識するなら、ごぼうの皮は軽くそぐ程度にすることがポイント。
ダイエットにおすすめのおやつ・間食10選
ダイエット中のおやつとしておすすめの食べ物をご紹介。
ダイエット中の食事制限も、無理をするとストレスが溜まってしまい、継続できなくなることも。そのため、小腹が空いたり、おやつを食べたいときは、適度に間食を取り入れよう。
- ヨーグルト
- 高カカオチョコレート
- アーモンド(ナッツ類)
- チーズ
- 果物
- プロテインドリンク・プロテインバー
- 干し芋
- はちみつ
- グラノーラ
- ドライフルーツ
ヨーグルト
ヨーグルトはタンパク質やカルシウムが含まれており、栄養補給としてもおすすめの食材。整腸作用を促す乳酸菌も豊富で、免疫機能のサポートにもなる。
さまざまな種類のものがあり、基本的には自分が美味しく食べられるものを選んでよいが、ギリシャヨーグルトはタンパク質を多く含むことから、ダイエット中にも向いている。
ヨーグルトはできれば甘味料の入っていない無糖のものがおすすめ。全体の食事バランスを考慮して、選ぶようにしよう。
高カカオチョコレート
砂糖が多く加えられた甘いチョコレートに比べ、糖質が少なく食物繊維が多いので、血糖値が上がりにくいという特徴がある。また、カカオには抗酸化作用のあるポリフェノールが多い。ただし、脂質は多く含まれているので、食べすぎないように。
アーモンド(ナッツ類)
ナッツには、ビタミンやミネラル、食物繊維といった栄養素が多く含まれている。糖質も少ないので血糖値が上がりにくく、よく噛むことで満足感が得られるため口寂しいときにもぴったり。
ついつい食べ過ぎてしまうが、脂質の量が多く、エネルギー量高め。袋から直接食べるのではなく、小分けにして1回の量を決めるなどの工夫を。間食として取り入れるなら、1日ひとにぎりの量を目安にしよう。
チーズ
牛乳の栄養素が濃縮しており、タンパク質やカルシウムが多く含まれる。チーズに含まれる短鎖・中鎖脂肪酸は、エネルギー源として代謝されやすいため、脂肪になりにくいのが特徴
ただし、食塩や脂質の量は多いので、間食として取り入れる場合は、1日1~2個程度を目安にしよう。
果物
果物は、種類によって含まれる栄養素は異なるが、水分やビタミン、カリウム、食物繊維の補給に役立つ食材。不足しがちな栄養素を補えるので、ダイエット中のおやつにもぴったり。適度な甘味もあるので、満足感も得られやすい。
果物が不足している人は多いので、積極的に取り入れるようにしよう。
プロテインドリンク・プロテインバー
日々の食事から十分にタンパク質が取れていない場合や、欠食してしまったときのタンパク質補給としておすすめ。商品によっては、タンパク質以外にもダイエットや美容に効果的な栄養素がたくさん含まれている商品もある。
砂糖など甘味料を多く加えたものは、糖質を摂りすぎてしまう可能性があるので注意。購入前に栄養成分表示を確認し、気になる人は低エネルギー・低糖質タイプを選ぼう。
干し芋
干し芋は比較的脂質が低いため、ダイエット中で脂質が気になる人にはおすすめ。さつまいもは食物繊維を多く含むため、血糖値の上昇も緩やかで、腸内環境を整えてくれる効果も。
携帯性に優れた小分けパックの干し芋も販売されており、オフィスや出先での間食にも取り入れやすい。
はちみつ
はちみつは砂糖よりも低エネルギーなので、砂糖の代わりとして使用するのがおすすめ。砂糖より甘さを感じやすいので、ヨーグルトに少しかければ、十分甘くて贅沢なデザートに。
ただし、糖質は高いので、低エネルギーだからといってかけすぎには注意して。
グラノーラ
グラノーラは、食物繊維やビタミンが豊富なものも多い。牛乳と一緒に食べるとタンパク質も摂ることができる。噛み応えもあるので、少量で満足感もあり、小腹が空いたときにおすすめ。
様々なタイプの商品が販売されているが、ダイエット中であれば、できるだけ砂糖や油が添加されていないグラノーラを選ぶとよい。
ドライフルーツ
ドライフルーツは、果物の栄養素が凝縮されており、食物繊維が多く含まれるほか、ビタミンやミネラル類も豊富。ただし、凝縮されている分糖質も多いので、摂りすぎないように1日の間食で2~3個を目安にしよう。
ダイエット中に注意したい食べ物
ダイエット中に食べてはいけないものはないが、食べすぎには注意が必要。ダイエットは継続することが大切なので、極端に制限するのではなく、全体のエネルギー量と栄養バランスを調整しながら取り入れよう。
- デザートなど糖質が多いもの
- 揚げ物など油が多いもの
- 加工食品(ハムやベーコン、ウインナーなど)
デザートなど糖質が多いもの
使われなかった糖質は、体内で中性脂肪として蓄積されるため、ダイエット中は、糖質の摂り過ぎに注意。デザートだけでなく、お酒やファストフード、スナック菓子、フルーツジュースなども糖質が多めの傾向があるため食べ過ぎないように意識しよう。
甘いものが食べたくなったら、なるべく無糖ヨーグルトや寒天ゼリーなど、糖質や脂質、エネルギー量が低いデザートを選ぼう。ダイエット中は糖質や脂質を摂りすぎないよう注意したいが、量とバランスに気をつければ、食べても問題ない。間食は「1日200kcal」を目安にしよう。
和菓子は洋菓子よりもバターや生クリームが使われることが少ないため、低脂質なものが多く、ダイエット中の間食に好む方もいらっしゃいます。しかし、糖質は高い傾向にあり、血糖値も上がり易くなるため、糖質の摂りすぎにならないよう注意しましょう。
揚げ物など油が多いもの
代謝しきれない脂質は、体内で中性脂肪として蓄積されてしまうので、取り過ぎには注意。揚げ物や、油を多く使った料理は控えめにするのがよい。パンやクッキー、ケーキなどにも、バターやマーガリンなどが多く使われている。
肉を選ぶ際は脂身の少ない部位を選ぶのがポイント。調理の際は脂身を取り除いたり、使用する油を控えめにしたりするのもおすすめ。蒸す、茹でる、焼くなど、油を使わない調理法にするのも一つの手。
身体によいとされる油もあるが、どんな油も1gあたり約9kcalのエネルギーが含まれるので摂りすぎはNG。
脂質の多い食事をした場合は次の日の食事で油の使用量を控えるなど、1日~1週間単位でバランスを整えるようにしましょう。
加工食品(ハムやベーコン、ウインナーなど)
ハムやベーコン、ウインナーなどの加工食品には、食塩や脂質が多く含まれている傾向がある。食塩の摂り過ぎは身体に水分が溜まり、むくみの原因にもなるため、ダイエットには不向き。
また、食塩が多い食べ物は濃い味付けになりがちで、濃い味に慣れてしまうと、食事全体の量が増えてしまう可能性もある。
加工食品を完全に避ける必要はないが、食品の裏面に記載されている食塩相当量をチェックして、摂り過ぎてしまわないよう注意。
厚生労働省が示している日本人の食事摂取基準(2020年版)では、摂取量の減少を目指すものとして位置づけられており、目標摂取量は「男性1日7.5g未満」、「女性は6.5g未満」と設定されています。意識せずに食事をしていると食塩は過剰に摂取してしまいやすいため、できるだけ減塩を心がけましょう。
ダイエット中の外食・コンビニごはんの選び方
外食やコンビニごはんで食事を済ませる場合、ダイエットを意識するなら以下の2点に気をつけて選んでみよう。
- 単品食べは避ける
- 低エネルギー・低糖質の食べ物を選ぶ
単品食べは避ける
外食やコンビニで単品メニューを選ぶと、栄養素のバランスが偏りがち。パンだけ、丼もの、麺類だけでは、糖質や脂質の摂り過ぎにつながる可能性もある。
ダイエット中は、主食、主菜、副菜をバランスよく組み合わせることを意識しよう。たとえば、サンドイッチなら卵やチキンの入った具だくさんなものを選び野菜たっぷりのサラダを一緒に。牛丼なら、味噌汁と小鉢のおかずをプラスするなどの一工夫を。
おにぎりや麺類だけではエネルギーはとれても、身体の材料となるタンパク質やエネルギー代謝に欠かせないビタミン類が不足して、不調が出やすい身体になっててしまう。主食、主菜、副菜3つのそろった選び方でバランスを整えよう。
コンビニでは食塩摂取量が多くなりやすいので、栄養成分表示を見て確認してみよう。
お昼が外食やコンビニの場合でもなるべく主食・主菜・副菜のそろったメニューを選びましょう。どうしても偏ってしまった時でも、朝と夜で1日全体のバランスを整えれば問題ありません。
低エネルギー・低糖質の食べ物を選ぶ
余分な糖質は、体内で中性脂肪として蓄積されるため、外食やコンビニでは糖質の摂り過ぎに注意が必要。
メニューを選ぶ際は、低エネルギーや低糖質の表示を参考にするのもよく、豆腐や白身魚といった低脂質なタンパク質源を選ぶのもおすすめ。脂肪分の少ない肉や魚を選べば、エネルギーオーバーを防ぐこともできる。
また、野菜やきのこ、海藻類は低エネルギーなので積極的に取り入れよう。サラダやスープなど、毎食欠かさずに副菜を取り入れる習慣を。
ロカボマークがついた商品はダイエットによいといわれていますが、すべての人にとって健康的なものではなく、普段糖質を摂りすぎている人にはおすすめできます。また、一見ヘルシーに思える商品でも、食塩や油脂が多く含まれているケースもあるので、気をつけましょう。
ダイエット中の食べ物に関するQ&A
食べ物の「食べ方」で気をつけることは?
A:1日3食バランスよく食べること、主食・主菜・副菜を意識しよく噛んで食べること
食事の感覚が空くと、空腹時間が長くなり、1食で食べ過ぎてしまう可能性があります。1日3食規則正しい時間に食事をとるのが大切です。
また、パンや丼もの、麺類など単品メニューでは糖質や脂質に偏りがちなので、主食・主菜・副菜を意識して組み合わせるのが理想的。
食事の際は、食べるスピードが速いと満腹感が得られにくいため、よく噛んで食べるようにし、腹8分目までで抑えるように心がけましょう。
栄養補給はサプリメントで補っても大丈夫?
A:サプリメントはあくまでも栄養補助食品であり、バランスのよい食事の代わりにはならない。過剰摂取のリスクもあるので、利用の際には医師や管理栄養士のアドバイスを受けることが望ましい
サプリメントは特定の栄養素を濃縮したものであり、日々の食事でバランスよく栄養素を摂取できていれば、基本的には必要ありません。通常の食事にサプリメントをプラスすると、過剰摂取のリスクがあるため、用量を守ることが重要です。
栄養成分の多くは単独で健康効果を発揮するわけではなく、複数の成分が複雑に関わることで機能しています。食品には様々な栄養素が少量ずつ含まれているので、過剰摂取の心配もほとんどありません。サプリメントに頼るのではなく、できるだけ3食バランスよい食事を心がけましょう。
健保組合にて栄養相談や特定保健指導、企業の健康経営サポート事業に従事。セミナー講師や健康教育を行い、働く人の健康づくりを支援する。食を通して心も体も豊かに、笑顔を届けるお手伝いがしたいという想いからフードコーディネーターの道へ。
現在は株式会社 Smile meal で若年層や料理初心者でもチャレンジしたくなる簡単な料理の提案や、女性のダイエット、痩せの課題解決に向けても活動中。
【保有資格】
管理栄養士、フードコーディネーター、健康経営アドバイザー、東京糖尿病療養指導士