栄養価が高く、さまざまな健康・美容効果が期待できる果物。ダイエットにも嬉しい効果がたくさんあり、日頃から果物を食べる機会が少ない人は、日々の食事に果物を取り入れる習慣をつけるのがおすすめ。
本記事では、果物のダイエット効果やおすすめの果物をご紹介。あわせて、ダイエット中に果物を食べるときの注意点や、食べ過ぎに注意が必要な果物も紹介するので、ぜひ参考にしてみよう。
この記事の監修者
坂本ひかるさん
管理栄養士
ダイエット中に果物は食べてもいいの?
果物は糖質が多いため、ダイエット中は避けたほうがいいと思われがちだが、栄養価が高く身体に必要な栄養素を補えるため、ダイエット中でも積極的に取り入れたい食材。
偏った食事だと不足しがちな、ビタミンやミネラル、食物繊維が含まれているため、ダイエット中に限らず1日約200gを目安に取り入れよう。厚生労働省が示している健康づくりの指標「健康日本21(第3次)」でも20歳以上の1日あたりの摂取量の目標値が200gと定められている。
一方で、果物は適量であれば取り入れた方がいいが、糖質量が多いものもあるのでダイエット中の食べ過ぎには要注意。あくまでも1日200gを目安とし、適度に果物を楽しもう。
果物摂取量の目安は1日約200gですが、日本人の平均摂取量は100g程度。100g未満の人は6割ほどもいるのが現状です。普段果物を食べる習慣がない人は、健康維持のためにも積極的に食べていただきたいですね。ぜひ旬の果物を味わってみてください。
果物を食べることによるダイエット効果
果物にはさまざまな健康・美容効果がある。果物の種類によっても異なるが、一般的な果物のダイエット効果についてみていこう。
- ビタミンや食物繊維が摂れる
- 腸内環境が整う
- 血糖値の急な上昇を防ぐ
ビタミンや食物繊維が摂れる
ビタミンにはさまざまな種類があるが、果物から摂れる代表的なものはビタミンC。レモンや柑橘系の果物をはじめ、イチゴやキウイにもビタミンCが多く含まれている。
また、食物繊維が多い果物として、キウイ、アボカド、ラズベリー、ブルーベリーがあげられる。とくにグリーンキウイには1個あたり約2.6gの食物繊維が含まれている。成人女性の1日の目標量は18g以上だが、令和元年の国民健康栄養調査によると、平均摂取量は約15.9g。グリーンキウイは不足分を補うのにもぴったりな食材。
キウイは色によって含まれている栄養素がやや異なり、ゴールドキウイはビタミンCが多く、グリーンキウイは食物繊維が多い。摂りたい栄養素によって選ぶキウイを変えるのもおすすめ。
ゴールドキウイは1個食べるだけで1日に必要なビタミンCを取ることができます。皮をむくだけで手軽に食べられるので、朝食などにも取り入れやすいですね。
腸内環境が整う
前述した通り、果物は食物繊維を摂るうえで優秀な食材。
食物繊維は腸内環境を整え、排便をスムーズにするなどダイエットのサポートにも働く。さらに、バナナなどに含まれるオリゴ糖は、腸内の善玉菌を増やす作用がある。
善玉菌が増えると便通がよくなるだけでなく、免疫機能を維持したり、血清コレステロールが低下するなど、様々な健康効果が期待できる。
血糖値の急な上昇を防ぐ
血糖値が急激に上昇すると、脂肪を溜め込みやすくなるため、ダイエット中は血糖値の上がりやすさを示す数値である「GI値」の低い食材が向いている。
果物は食物繊維を多く含んでいることから、血糖値の上昇を抑える作用がある。そのため、果物はお菓子や甘い飲み物に比べると血糖値が上がりにくい傾向にあり、GI値が低いものが多い。中でもGI値が低い果物として、りんご、グレープフルーツ、オレンジなどがあげられる。
一方でマンゴーやパイナップル、バナナなどは果物の中でもGI値が高いため、食べ過ぎに注意しよう。
ドライフルーツは果物から水分を抜き、成分が濃縮しているため、生の果物よりも100gあたりの糖質量が多くなります。ドライフルーツばかりを大量に食べると糖質の過剰摂取となり、血糖値が急激に上がることもありますので、ダイエット中は量に気をつけて楽しみましょう。
ダイエット中におすすめの果物7選
果物といっても、種類によって特徴や栄養素もさまざま。ここでは、数多くある果物の中から、ダイエット中におすすめの果物を7種類ご紹介。
ただし、その時の身体の状態や、食べる量・食べ方によっておすすめかどうかも変わってくる。あくまでも目安として捉えるようにしよう。
また、果物の特徴や食べるときの注意点について解説しているので、ぜひ参考にしてみて。
- イチゴ
- ラズベリー
- ブルーベリー
- グレープフルーツ
- キウイフルーツ
- スイカ
- 洋梨
イチゴ
イチゴは果物の中でもビタミンCが多く含まれていて「100gあたりの糖質量は約5.9g」。甘いイメージのあるイチゴだが、果物の中では比較的低糖質・低エネルギーで、ダイエット中にもおすすめ。
練乳をかけるとエネルギー量が増すため、ダイエット中は何もかけずに、そのままの味を楽しもう。
ラズベリー
ラズベリーには食物繊維が多く含まれていて「100gあたり約4.7g」ほど。食物繊維は腸内環境を整え、便通をよくしたり、コレステロール値が上昇するのを防いだりする効果が期待できる。また、抗酸化作用があるポリフェノールも多く含まれている。
1粒が小さい果物でも、食べる量を考えずに大量摂取すれば、糖質の過剰摂取につながる恐れがあります。あくまでも適量を心がけましょう。
ブルーベリー
ブルーベリーには、抗酸化作用があるポリフェノールや、ビタミンC、ビタミンEが豊富。ポリフェノールの一種であるアントシアニンは、活性酸素を取り除き、酸化の働きを抑える作用が期待できる。
大量に食べれば健康効果が得られるというわけではなく、過度な摂取は糖質の摂りすぎにつながるため、目安量を守りほかの果物とバランスよく摂取するように心がけて。
ブルーベリーも1粒が小さいからこそ、食べ過ぎには注意が必要です。適量を心がけ、偏りのない食生活を送ることが重要です。
グレープフルーツ
グレープフルーツの糖質量は「100gあたり約7.3g」と決して少ないわけではないが、食べ応えがあり満足感を得やすいため、ダイエット中におすすめ。
ピンクグレープフルーツと果肉が黄色のグレープフルーツでは、栄養成分やエネルギー量に大きな差はないが、ピンクグレープフルーツには抗酸化作用のあるβカロテンが多く含まれている。
ダイエットの観点からは、ピンクグレープフルーツと黄色のグレープフルーツに差はありませんが、抗酸化作用が期待できるピンクグレープフルーツを選ぶのも一案です。比較的甘みのあるものが多いため、ピンクグレープフルーツを好む人も多いようです。
キウイフルーツ
キウイフルーツは、ビタミンCとビタミンE、食物繊維、カリウムなどが豊富に含まれていて、ダイエット中におすすめの果物の1つ。食物繊維が多く、血糖値の上昇がゆるやかなため、間食としても最適な果物。
グリーンキウイとゴールドキウイは、エネルギー量に大きな差はないもののビタミンCの含有量はゴールドキウイの方が約2倍多い。一方でグリーンキウイは食物繊維をより多く含んでいる。
ビタミンCが足りていないならゴールドキウイ、食物繊維が不足気味ならグリーンキウイを選ぶなど、自分の食生活に合わせて取り入れてみて。
キウイは、半分に切るだけで食べられる手軽さも魅力です。1個100円程度と、果物の中では比較的安価で、コストパフォーマンスにも優れています。ダイエット中の果物選びに迷ったら、栄養価の高いキウイから取り入れてみてはいかがでしょうか。
スイカ
スイカは約90%が水分で、「100gあたり約41kcal」と低エネルギーな果物。水分とカリウムを多く含むので、利尿を促しむくみを防止する効果が期待できる。腸内環境を改善する働きがある食物繊維も豊富。水分が多く含まれているため満腹感を得やすく、食べ過ぎを抑えてくれる。
塩をかけると、塩味との対比により甘みを強く感じられ、よりおいしく食べることができる。しかし、塩分の過剰摂取はダイエットに限らず健康面で好ましくないため注意が必要。
スイカはそのまま食べても十分な甘みがあります。日本人は食塩を摂り過ぎている傾向があるため、健康面を考えると塩はかけずに自然のおいしさを楽しむのがよいでしょう。
洋梨
洋梨は、低エネルギーで食物繊維を多く含む。
また、果物の中でもビタミンC、マグネシウム、銅、カリウムなど様々なビタミン、ミネラルが含まれているが、それぞれの含有量はそれほど多くはない。
ダイエット中、食べすぎに注意したい果物9選
健康や美容におすすめの果物だが、中にはエネルギー量や糖質量が多いものもある。ダイエット中に食べる際は、量や栄養バランスに注意しながら取り入れよう。
- りんご
- バナナ
- マンゴー
- 柿
- さくらんぼ
- ぶどう
- アボカド
- 桃
- パイナップル
りんご
りんごには食物繊維やポリフェノールなどの機能性成分が含まれている。また、カリウムを多く含むため、むくみを和らげる効果が期待できる。噛み応えがあるため満腹感を得やすく、自然と食べる量を抑えられる効果も期待できるので、ダイエット中は適度に取り入れるのがおすすめ。
ただし、ほかの果物に比べて糖質量が多いため、摂取量には注意すること。糖質を制限している場合は、ほかの低糖質な果物を選ぶのがおすすめ。
りんごは不足しがちな食物繊維やビタミンやミネラルが摂取できるので、ダイエット中でもおすすめです。ただし、りんごだけを食べるようなダイエットには要注意。また、果物も食べ過ぎれば糖質の過剰摂取につながりやすいため、1日1個までにしておくのがよいでしょう。
バナナ
バナナは食物繊維を豊富に含み、ダイエット中におすすめの果物ではあるものの、糖質量が多くエネルギーが高い。糖質量は「100gあたり約18.5g」と果物の中でもトップクラス。エネルギーは「1本あたり約93kcal」と、そこまで高くないが、糖質の摂りすぎにならないように注意が必要。
自分が目安とする摂取エネルギー量の範囲以内で食べるようにし、運動前のエネルギー補給や、お菓子の代わりにダイエット中の間食として取り入れるようにしよう。
バナナは糖質量が比較的多いため、1日の摂取本数は1~2本程度までにするのが望ましいです。ダイエット中は、1日の総摂取エネルギー量と栄養バランスを考えることが大切。バナナだけに偏らず、他の果物と組み合わせてバランスよく取り入れることが健康的なダイエットへの近道になります。
マンゴー
マンゴーには抗酸化作用のあるβカロテンや葉酸、カリウムが含まれている。エネルギーは「100gあたり約68kcal」とそこまで高くはないものの、糖質量は「100gあたり約13.4g」と果物の中でも多い。
ダイエット中は少量にとどめておき、糖質を摂りすぎないように注意しよう。
柿
柿はビタミンCやβカロテン、食物繊維が多く含まれるほか、タンニンという渋味成分であるポリフェノールが豊富。糖質が「100gあたり約13.1g」と果物の中でも高めなので、ダイエット中は摂取量に注意。
さらに、水分を抜いた干し柿になると、その分100gあたりの糖質量は増えるため摂取量には注意しよう。
さくらんぼ
さくらんぼにはカリウムや葉酸が多く含まれる。エネルギーは「100gあたり約64kcal」と高くはないものの、糖質量は「100gあたり約14.2g」とやや高め。
1つ1つが小さいので、つい食べ過ぎてしまいがちだが、糖質の過剰摂取にならないよう少量を楽しむようにしよう。
ぶどう
ぶどうはポリフェノールを多く含むことが知られているが、そのほとんどが種と皮に存在し、熟した果肉は水分と炭水化物で約99%を占めている。糖質量が「100gあたり約17g」と多めなので、食べ過ぎには注意。食べる量は調整しやすいため、ダイエット中は適量を心がけて。
水分を抜いたレーズン(干しぶどう)になると、糖質量が「100gあたり約60.3g」と極めて高くなる。果物だからといって食べ過ぎないように気をつけよう。
アボカド
アボカドは「世界一栄養価の高い果物」としてギネスブックにも認定されているほど、不飽和脂肪酸やビタミンEをはじめ、健康や美容に重要な栄養成分を多く含む。
ただし「1個あたり約250kcal」と、果物の中では非常に高エネルギー。「森のバター」と言われるほど脂質が多いため、健康的だと思って頻繁に取り入れると、知らず知らずのうちにエネルギーや脂質を摂りすぎる可能性がある。
アボカドを食べる際はほかの料理の油の使用量を控えめにするなど、調理や食べ方の工夫が必要。
アボカドはヘルシーなイメージがありますが、脂質が多いので食べ過ぎれば、脂肪として蓄積してしまいます。健康そうだからといって毎日食べていると、エネルギー過剰になりやすいので要注意。適正なエネルギー量の範囲内で取り入れましょう。
桃
桃は低エネルギーで食物繊維、カリウムが含まれている。糖質の吸収を穏やかにし、血糖値の急上昇を抑えてくれる食物繊維の1つ「ペクチン」が多く含まれていて、腸内環境を整える働きもあるので便通改善にも効果が期待できる。
ただし、缶詰の桃はシロップ漬けされているため、生よりも糖質量が多い。糖質を摂りすぎる原因になるため、ダイエット中は生の桃を食べるのが理想的。
黄桃の方が抗酸化作用のあるβカロテンが多いという特徴はありますが、ダイエットにおいては黄桃と白桃のどちらかがとくにおすすめということはありません。旬の時期に新鮮でおいしい桃を選びましょう。
パイナップル
パイナップルには、食物繊維やビタミンC、カリウムをはじめ、ブロメラインというタンパク質分解酵素が含まれていて、タンパク質の消化を助ける効果がある。
糖質量は果物の中でも比較的多いため、食べ過ぎには注意が必要。1日の摂取エネルギー量や糖質量を意識しながら、適量を心がけよう。
フルーツダイエットとは?おすすめできない理由も紹介
果物を取り入れたダイエット方法には、朝ごはんを果物だけにする「朝フルーツダイエット」や、数日間の食事をすべて果物にする「果物だけダイエット」などがあるが、果物だけでは栄養バランスが偏る。そのため、身体に必要な栄養素を十分に摂ることができず、体調不良の原因となる可能性も。
ダイエットをする際は、栄養バランスのよい食事が重要で、食事が果物だけに偏るのは望ましくない。果物だけで食事を済ませず、主食・主菜・副菜が揃った食事を基本にし、脇役として果物を摂るようにしよう。
普段、朝ごはんを食べていないという人は、朝ごはんを摂る習慣をつけるために、「朝に果物を食べる」というところから始めてみるのはおすすめ。元々きちんと朝ごはんを食べている人が、朝ごはんを果物だけに変えるのは、健康面からみると逆効果になる可能性があるので注意しましょう。あくまでも栄養バランスのよい食事の中で、果物を楽しむようにしてくださいね。
フルーツダイエットのデメリット
果物だけを食べるダイエットでは、「栄養不足になる」「筋肉量が減る」「お腹が空く」「リバウンドしやすい」などのさまざまなデメリットがある。
果物からビタミンや食物繊維を摂ることはできるが、タンパク質や脂質など、身体を作る材料となる栄養素が不足してしまう。筋肉量が減り代謝が下がることで、太りやすい体質になってしまうだけでなく、栄養バランスが崩れて、疲れやすさやだるさにつながることも。
フルーツダイエットをおこなうことで一時的に体重が減り、ダイエットに成功したように見えるが、単に食べる量が減り水分や筋肉量が減ったことによるもので、普通の食事に戻すとすぐにリバウンドしてしまうことがほとんど。
果物だけを食べるダイエットは栄養バランスが偏り、むしろ痩せにくい身体になったり、体調を崩してしまったりする可能性もあります。1つの食材にダイエット効果を期待するのではなく、主食・主菜・副菜が揃った食事に果物をプラスするイメージで取り入れるようにしましょう。
ダイエット中に果物を食べるときの注意点
皮を剥いたり、そのまま食べたり、果物にはさまざまな食べ方がある。ジュースや缶詰などの加工品も販売されているが、ダイエット中にはどのようなものを選ぶのがいいのだろうか。ここでは、ダイエット中に果物を食べるときに意識したい6つのポイントをご紹介。
- 生のまま食べる
- 皮ごと食べる
- 果物だけを食べるのは避ける
- 缶詰やドライフルーツ、ジュースなどの加工品は避ける
- 摂取量に要注意!食べ過ぎは厳禁
- 果物を食べるのは「朝」がおすすめ
生のまま食べる
ダイエット中は、果物を生のまま食べるのがおすすめ。ビタミンや食物繊維など、調理によって失われがちな栄養素も、生で食べることで効率よく摂取することができる。また、生の方が水分量が多く、かさもあるため満足度が高い。
一方で、果物を使用したお菓子やジャムなどの加工食品は、砂糖などの甘味料がたっぷりと加えられていることもあり、糖質の過剰摂取になることも。果物は食材本来の自然な甘味があるので、そのままでも十分おいしく食べられる。
皮ごと食べる
とくに果物の皮には、食物繊維やポリフェノールがたくさん含まれている。栄養素を効率よく摂取したいのであれば、皮のまま食べられる果物はむかずに丸ごと食べるのがおすすめ。
農薬が気になる場合は、よく洗うか、無農薬の果物を選ぶとよい。ただし、果物によっては皮が固く、苦味を感じることもあるので、果物のおいしさを味わいたいならむいて食べるのもOK。
ざくろなど、皮に毒性がある果物もあるので、一般的に皮をむいて食べる果物は、皮ごと食べないように気をつけよう。
皮をむかずに食べられるりんごやぶどうなどはそのまま食べてもよいですが、バナナなど一般的に果肉を食べるような果物はまるごと食べないように。果物を取り入れるときは、栄養素だけを重視するのではなく、おいしく食べるようにしましょう。
果物だけを食べるのは避ける
果物はビタミン、ミネラル、食物繊維の供給源にはなるが、すべての栄養素をバランスよく摂取できるものではないため、食事を果物だけにするのはおすすめできない。
また、水分量が多いため、食べた直後はお腹が満たされやすいが、すぐに空腹を感じやすい。そのため、ほかの食べ物と組み合わせたり、アレンジして調理するのがおすすめ。
チーズや牛乳などの乳製品と果物は、酸味と甘みのバランスがよく、相性抜群の組み合わせ。モッツァレラチーズと果物を合わせたフルーツサラダや生クリームを使ったフルーツサンド、パンにクリームチーズを塗り、果物をトッピングするなど、普段の料理にも活用してみよう。
キウイやオレンジなどをソースにして、ソテーした肉や魚と一緒に食べるのもおすすめです。キウイやパイナップルにはタンパク質分解酵素が含まれていて、一緒に漬けおくとお肉が柔らかくなる効果もありますよ。
缶詰やドライフルーツ、ジュースなどの加工品は量に気をつける
「缶詰のフルーツ」や「ミックスフルーツ」などは、シロップ漬けで砂糖や甘味料が添加されている分、糖質量も多くエネルギー過剰になりやすい。
スムージーやジュースにすると飲みやすいが、生の果物に比べると「食物繊維」や「ビタミン」、「ポリフェノール」や「カロテノイド」などの機能性成分の含有量が少ないので、果物の完全な代わりにはならない。
ドライフルーツは水分を抜いているため、生の果物に比べて重量あたりの糖質とエネルギー量は多くなる。果物の1日の目標摂取量が200gだからといって、ドライフルーツも同じ200gを食べると糖質、エネルギーの過剰摂取になってしまう。食べる量には注意して取り入れよう。
ドライフルーツを食べる場合は、片手のひらに乗るくらいが1日の目安量です。商品よっては個体差がありますが、間食として食べるのであれば1日200kcal以下になるように心がけましょう。
摂取量に要注意!食べ過ぎは厳禁
果物は健康によいからといって、食べ過ぎは禁物。さまざまな健康効果が期待できる果物でも、食べ過ぎればエネルギーや糖質の過剰摂取になり中性脂肪が増大し、肥満を引き起こす恐れがある。
ダイエットの鉄則は適量を心がけること。果物だけに限らず、1日の摂取エネルギー量に対して、消費エネルギー量が多くなるように意識して食事をすること。
果物は糖質を含むため、食べ過ぎには注意が必要ですが、日頃果物を食べていないという人は、ぜひ健康維持のためにも果物を積極的に取り入れてみてください。普段お菓子を多く食べる人は、果物に変えるだけでもエネルギー量を抑えられる上、必要な栄養素も補えますよ。
果物を食べるのは「朝」がおすすめ
果物に含まれる糖質は効率のよいエネルギー源となるため、活動量の多い日中や運動前に食べるのがおすすめ。またエネルギー補給として、朝ごはんに果物を取り入れることも効果的。
夜は活動量が減り、食べたものをエネルギーとして消費しにくくなるので、果物に限らず夜は食べすぎないよう心がけよう。
ダイエット中の果物に関するQ&A
お腹にたまりやすい果物は?
A.食物繊維や水分量が多いりんごや梨などの果物は、かさがあり食べ応えがあるのでお腹にたまりやすい傾向がある。
食物繊維と水分が豊富な果物を選び、しっかり噛んで食べることがポイントです。
果物全般にいえることですが、よく噛めば食べ過ぎを抑えることができ、満腹感を得やすくなります。噛み応えのあるりんご、梨に加え、バナナも比較的食物繊維が多く、お腹にたまりやすい果物です。
ダイエット中に果物を食べるなら朝と夜どっちがいい?
A. 朝がおすすめ。日中活動するためのエネルギー、水分を補える食材としてもOK。
朝ごはんに果物を食べることで、1日の始まりに身体に必要なエネルギーを補給することができます。果物は準備に時間もかからず食べやすいので、朝ごはんを食べない人でも取り入れやすいと思います。
また、果物には水分が多く含まれるため、水分の補給にもつながります。一方で夜は身体を動かす量が少なく、摂取した食べ物が脂肪として蓄積されやすい傾向があるため、果物に限らず食べ過ぎには気をつけましょう。
コンビニやスーパーにある冷凍フルーツでもダイエットに効果的?
A. 生の果物と比べて栄養価はほとんど変わらないため、ダイエットにも効果的。
冷凍フルーツは、スーパーやコンビニでも手軽に購入でき、必要な分だけ使えるのが魅力ですよね。最近の冷凍技術は進歩していて、旬の時期に収穫した果物を瞬時に冷凍処理し、鮮度と栄養が保たれているため、生の果物と栄養価がほとんど変わりません。
冷凍庫にストックしておけば、いつでも好きなタイミングで果物が食べられますし、一人暮らしの人などにもおすすめです。また、冷凍のままヨーグルトに混ぜて食べたり、スムージーの材料に活用したりと、アレンジも楽しめますよ。
果物を食べるのがしんどいときはスムージーにしてもOK?
A. スムージーにしてもOKだが、飲みすぎには要注意。
スムージーにすることで、果物を手軽に楽しむことができますが、果物を多く入れたり、飲みすぎてしまえば糖質の摂取量が増えてしまいます。中性脂肪が増えてダイエットの妨げにも。
スムージーに入れる果物の量も200g程度を目安にして、1日に何杯も飲まないように気をつけましょう。さらに食物繊維の多い野菜もプラスするなど、バランスを考えた食材選びを心がけるといいですね。
市販のフルーツヨーグルトって甘いけどダイエット中は避けた方がいい?
A. 避ける必要はないが、砂糖や甘味料を含むため、生の果物とは栄養価が異なることを理解して取り入れよう。
カットした果物に無糖のヨーグルトをかけて食べることが理想ですが、スーパーやコンビニで手軽に済ませたい場合は、市販のフルーツヨーグルトを食べても問題ありません。ただし、市販のフルーツヨーグルトには、果物の甘みだけでなく、砂糖や甘味料も加えられているため、糖質・エネルギー量が高くなってしまいます。ダイエット中は、その点を理解した上で取り入れてみてください。
クッキーやケーキなどのお菓子に比べると、タンパク質やビタミン、ミネラルも摂れるため、ダイエット中の間食にはおすすめです。
健保組合にて栄養相談や特定保健指導、企業の健康経営サポート事業に従事。セミナー講師や健康教育を行い、働く人の健康づくりを支援する。食を通して心も体も豊かに、笑顔を届けるお手伝いがしたいという想いからフードコーディネーターの道へ。
現在は株式会社 Smile meal で若年層や料理初心者でもチャレンジしたくなる簡単な料理の提案や、女性のダイエット、痩せの課題解決に向けても活動中。
【保有資格】
管理栄養士、フードコーディネーター、健康経営アドバイザー、東京糖尿病療養指導士