
ダイエット中の食事といえば、まず野菜を思い浮かべる人も多いのではないだろうか。野菜は「低エネルギー」で「食物繊維を豊富に含む」ものも多いが、実はダイエットに適していない野菜もある。この記事では、野菜のダイエット効果やおすすめの野菜、食べ方・レシピを紹介。ダイエット中に野菜を食べる際の注意点も解説するので、これから取り組もうと思っている人は参考にしよう。
この記事の監修者

古谷 彰子さん
博士(理学) 管理栄養士
野菜がダイエットに効果的な理由
ここでは、ダイエットに野菜が効果的な理由を解説。まず基礎知識としておさえておこう。
- 低エネルギーで栄養価が高い
- 食物繊維が豊富で腸内環境を整う
- ビタミン・ミネラルが代謝を促進し体調を整える
- 水分含有量が多く満腹感を得やすい
- 抗酸化性の物質が多い
低エネルギーで栄養価が高い
野菜は低エネルギーでありながら、栄養価が高いのが特徴。多くの野菜は「100gあたり20〜30kcal程度」で、同量の肉や穀物と比べて圧倒的に低カロリー。
一方で、野菜には「ビタミン」「ミネラル」「食物繊維」など、身体に必要な栄養素が豊富に含まれている。
野菜を多く食べることで、エネルギー量を制限しながらも必要な栄養素を効率的に摂取できる。ダイエット中の栄養不足を防ぎつつ、体重管理をおこなうこともできるのが野菜の魅力。
食物繊維が豊富で腸内環境を整う
野菜に含まれる食物繊維には「水溶性」と「不溶性」があり、どちらもダイエットにおすすめ。
「水溶性食物繊維」は、腸内で水分を吸収して膨らみ、満腹感を与える。また、糖質の吸収を緩やかにし、血糖値の急上昇を防ぐ効果がある。一方で「不溶性食物繊維」は、腸内細菌のエサになり、腸の働きを活発にして便通を改善する効果が期待できる。
また、腸内環境を改善することによって過食を防ぎ、エネルギーの吸収効率が高まるので運動と組み合わせたダイエットにもぴったり。
ビタミン・ミネラルが代謝を促進し体調を整える
野菜に含まれる「ビタミン」「ミネラル」は、身体の代謝を促進し、全体的な健康状態を整える役割を果たす。とくに、「ビタミンB群」「ビタミンC」「カリウム」「マグネシウム」などが豊富に含まれている。
ビタミンB群は、「糖質」「タンパク質」「脂質」の代謝を助け、エネルギー産生を促進する。また、「ビタミンC」は脂肪を燃焼する際に必要な栄養素で、不足すると脂肪燃焼が滞る可能性がある。
ほか「カリウム」「マグネシウム」は、筋肉の機能を維持し、代謝を高める働きがある。そのため、「ビタミン」「ミネラル」をバランスよく摂取することで、身体の代謝機能が活性化される。

野菜を「効果的に食べるための調理法」「食事の中での上手な取り入れ方」は目的によって異なります。たとえば、多くの量を摂取したい場合は、加熱調理が適しています。加熱することにより野菜のかさが減り、より多くの量を食べられます。
栄養素の吸収効率を上げたい場合は、野菜ジュースを取り入れるのもひとつの手段です。ただし細胞壁が破壊されているため、一部の栄養素が損失している可能性があります。
水分含有量が多く満腹感を得やすい
野菜の多くは水分含有量が高い傾向にある。水分を多く含む食品を食べると、胃が膨らみ少量でも満腹感を得やすくなる。
たとえば、「キュウリ」「レタス」「トマト」などは90%以上が水分で構成されている。水分を多く含む野菜を食事の最初に食べることで、その後の食事量を自然と抑えられる。
また、水分を多く含む食品は咀嚼回数が増えるため、ゆっくり食べることにつながる。ゆっくり食べることで、満腹中枢が刺激されるまでの時間が確保され、結果的に食べ過ぎを防ぐことができる。

野菜中心の献立にする際は、栄養バランスを意識することが大切です。単に野菜だけを食べるのではなく「タンパク質」「炭水化物」も適切に取り入れる必要があります。たとえば、葉物野菜の「グリーンサラダ」だけでなく、「コブサラダ」のようにサーモンやチキンなどのタンパク質源や、「グラノーラ」などの炭水化物を含むものであれば、バランスの取れた食事になります。
抗酸化性の物質が多い
抗酸化性の物質とは、体内で発生する活性酸素などを中和することで、細胞の酸化を防ぐ働きを持つ物資のこと。「老化」「生活習慣病」の予防に役立つ。とくに抗酸化作用のある栄養素と代表的な野菜は以下の通り。
【ビタミンC】
- 成分: アスコルビン酸
- 含有野菜:ピーマン、ブロッコリー、カリフラワー、キャベツ
【ビタミンE】
- 成分: トコフェロール
- 含有野菜:アボカド、ほうれん草、ブロッコリー
【カロテノイド】
- 成分: ベータカロテン、リコピンなど
- 含有野菜:にんじん、トマト、かぼちゃ、ほうれん草
【ポリフェノール】
- 成分: フラボノイド、アントシアニンなど
- 含有野菜: 赤たまねぎ、茄子、赤キャベツ
【セレン】
- 含有野菜: ブロッコリー、にんにく、たまねぎ
このようなさまざまな野菜に抗酸化物質は含まれているが、一般的に「色の濃い野菜」や「緑黄色野菜」に多く含まれる傾向がある。また、色の濃い野菜はもちろん、色の薄い野菜もバランスよく食べるようにしよう。
ダイエットおすすめの野菜10選
ここではダイエットに最適な野菜を紹介。それぞれの野菜に含まれる栄養素についても解説するので、自身の目的に合った野菜を選ぼう。
- ブロッコリー
- トマト
- キャベツ
- ほうれん草
- きゅうり
- 大根
- 小松菜
- アスパラガス
- ゴボウ
- モロヘイヤ
ブロッコリー
- 100gあたり33kcal
ブロッコリーは、「食物繊維」「タンパク質」を豊富に含む野菜。食物繊維は満腹感を与え、タンパク質は「脂肪燃焼を促す」「筋肉の量を維持する」などの効果があるため、ダイエットにおすすめ。
さらに「ビタミンC」「カリウム」も豊富なため、代謝を促進してむくみ解消にも効果的。「茹でる」「蒸す」などさまざまな調理法で楽しめて、毎日の食事に取り入れやすい。
トマト
- 100gあたり18kcal
トマトは、低エネルギーかつ栄養価の高さからダイエットに最適な野菜のひとつ。「リコピン」「ビタミンC」「カリウム」などの栄養素が豊富に含まれ、抗酸化作用や代謝促進効果がある。水分含有量も多く、満腹感を得やすい。
また、リコピンには美肌効果があり、ダイエット中の肌トラブルを予防する。生食はもちろん、加熱調理することでリコピンの吸収率が上がるため、さまざまな料理に活用できる。
キャベツ
- 100gあたり23kcal
キャベツは、低エネルギーながら「ビタミンU」「ビタミンK」「食物繊維」が豊富。ビタミンUは胃腸の粘膜を保護し、消化を助ける効果がある。食物繊維は腸内環境を整え、便秘解消にも効果的。
キャベツの食感は咀嚼回数を増やし、満腹感を持続させる。「生食」「炒め物」「スープ」など多様な調理法があり、主菜の付け合わせとしても手軽に取り入れやすい。
ほうれん草
- 100gあたり23kcal
ほうれん草は「鉄分」「ビタミンA」「ビタミンC」「葉酸」が豊富。とくに鉄分は貧血予防に効果的で、ダイエット中の栄養不足を補う。ビタミンCは脂肪燃焼を促進し、代謝を高める働きがある。
食物繊維も豊富で、腸内環境を整え代謝向上に貢献。「おひたし」「ソテー」など、和洋問わず活躍する。
きゅうり
- 100gあたり14kcal
きゅうりは水分量が多く、低エネルギーなのが特徴。95%以上が水分で構成され、食べ応えがありながらもエネルギー摂取量を抑えられる。「食物繊維」も豊富で、腸内環境を整える効果がある。
また、「カリウム」が豊富に含まれており、むくみ解消や血圧調整にも効果的。生食はもちろん、「浅漬け」「サラダ」などさまざまな形で調理でき、手軽な副菜にも最適。
大根
- 100gあたり18kcal
大根は、低エネルギーで多くの栄養素を含んでいる。「水分」「食物繊維」が豊富で、満腹感を得やすく、腸内環境の改善に効果的。「ビタミンC」「カリウム」も含み、代謝促進やむくみ解消にも役立つ。
また、大根に含まれる「消化酵素」は、タンパク質や脂肪の消化を助ける。焼き魚に大根おろしが添えてあるのも大根の消化酵素が消化をサポートしてくれるため。「生食」「煮物」「サラダ」など多様な調理法があるのも魅力。
小松菜
- 100gあたり14kcal
小松菜は、低エネルギーでありながらも「ビタミンA」「ビタミンC」「カルシウム」「鉄分」が豊富に含まれている。とくに「カルシウム」の吸収率が高く、骨密度の維持に効果的。ビタミンKも含んでいて、血液凝固や骨代謝に重要な役割を果たす。
食物繊維も豊富で、腸内環境を整えて代謝促進に寄与する。「お浸し」「炒め物」「スムージー」などさまざまな調理法で楽しめる。
アスパラガス
- 100gあたり20kcal
アスパラガスは「食物繊維」「葉酸」「ビタミンB1・B2」が豊富。とくにアスパラギン酸は、疲労回復や代謝促進に効果がある。また、利尿作用がありむくみ解消にも役立つ。
食感がよく、咀嚼回数が増えることで満腹感が持続するのも嬉しい。「茹でる」「グリル」「炒め物」などの調理法で楽しめて、メイン料理のつけ合わせにも最適。
ごぼう
- 100gあたり65kcal
ごぼうは、ほかの野菜よりもエネルギー量が若干高めだが、栄養価が高い。とくに「不溶性食物繊維」が豊富で、腸内環境の改善や便秘解消に効果的。また、「イヌリン」という水溶性食物繊維も含み、血糖値の急上昇を抑える働きがある。
ほかの野菜に比べて、咀嚼回数が増えやすく満腹感が長続きする。「きんぴら」「煮物」「サラダ」など副菜として活躍する。

根菜類は、ほかの野菜と比べて糖質含有量が多い傾向にあります。しかし、GL値(グリセミックロード)は低いため、気にしすぎる必要はないです。
GL値が低いということは、血糖値の急激な上昇を引き起こしにくいことを意味します。そのため、量や回数を限定する必要はなく、食事に取り入れても問題はありません。根菜類は「食物繊維」「ビタミン」「ミネラル」などの栄養素も豊富に含んでおり、ダイエット中のバランスの取れた食生活に重要な役割を持ちます。
モロヘイヤ
- 100gあたり23kcal
モロヘイヤは、栄養価が高くダイエットに適した野菜。低エネルギーであることはもちろんのこと、「ビタミンA・C・E」「カルシウム」「鉄分」が豊富に含まれている。とくに「ビタミンA」「ビタミンC」は抗酸化作用があり、美容効果も期待できる。また、食物繊維が豊富で腸内環境の改善にも効果的。
さらに、「ビタミンB1」も含まれており、糖質の代謝を促進する。「茹でる」「炒める」「スープ」に入れるなどさまざまな調理法で楽しめて、夏バテ防止にもおすすめ。
ダイエット中に注意したい野菜5選
野菜はヘルシーな印象があるが、中には「高エネルギーなもの」「糖質量が高いもの」もある。ただし、絶対に食べてはいけないわけではないため、ダイエット中は「食べる量」「調理法」に気をつけながら取り入れよう。
- じゃがいも/とうもろこし/かぼちゃ
- にんじん/たまねぎ

エネルギーが高めの野菜をダイエット中に取り入れる際は、まず適量を守ることが大切です。エネルギー量だけに注目するのではなく、総合的な栄養価を考慮しましょう。
じゃがいも/とうもろこし/かぼちゃ
- 100gあたり76kcal
【とうもろこし:カロリー】
- 100gあたり96kcal
【かぼちゃ:カロリー】
- 100gあたり45kcal
「じゃがいも」「とうもろこし」「かぼちゃ」は、ほかの野菜に比べてエネルギー量が高い野菜。これらの野菜は、「炭水化物」が多く含まれており、食べ過ぎると血糖値の急上昇を招く可能性がある。
ただし、必要な栄養素も含まれているため、完全に避ける必要はない。「摂取量」「調理法」を工夫して、ダイエット中も上手に取り入れよう。

一見エネルギー量が高くても栄養素が豊富に含まれているため、適切に摂取することで健康的なダイエットにつながります。理想は食材の栄養成分を自分で確認し、個人に合った許容範囲を設定すること。エネルギー量や糖質量が高くても、それに見合う栄養素が含まれているのであれば、うまく取り入れていくなど、総合的な視点で判断して野菜を選びましょう。
にんじん/たまねぎ
- 100gあたり33kcal
【たまねぎ:カロリー】
- 100gあたり37kcal
「にんじん」「たまねぎ」は、上記のようにカロリー自体は低めだが糖質量が多い野菜。にんじんには「約8.4g」、たまねぎには「約8.8g」の糖質が含まれている。栄養素として、「ビタミン」「食物繊維」が豊富に含まれている側面があるため、適量であれば健康的なダイエットに役立つ。

野菜の種類によっては糖質が多く含まれることがありますが、ダイエット中に特定の野菜を避ける必要はありません。基本的に野菜はダイエット中に積極的に摂取すべき食材で、重要なのは「食べ過ぎないこと」「調理法に注意すること」です。塩分量や脂質量の少ない調理法にすることで、摂取エネルギーをコントロールしつつ必要な栄養素を摂取できますよ。
ダイエットに効果的な野菜の食べ方
食べ方のポイントをおさえることでより効率的にダイエットをおこなうことができる。「食べる順番」「調理方法の工夫」など、どれも手軽に実践できる内容なのでぜひ取り入れてみよう。
- 朝・昼・夜でバランスよく食べる
- 野菜からゆっくりと食べて血糖値の上昇を抑える
- 生野菜と温野菜はそれぞれの利点を活かす
- スープやスムージーで手軽に多くの野菜を摂取する
朝・昼・夜でバランスよく食べる
「朝食」「昼食」ではとくに野菜の種類にこだわらず、積極的に摂取しよう。「夕食」では、デンプン質の多い野菜を主食の代替として活用するのもよい。
各食事で異なる栄養素を持つ野菜を取り入れれば、一日を通じて「代謝促進」「満腹感の維持」「むくみ解消」などの効果が期待できる。「1日350g以上」の摂取を目標に、色とりどりの野菜を組み合わせることで、「ビタミン」「ミネラル」の偏りを防ぎ、効果的なダイエットにつながる。

「ジャガイモ」「サツマイモ」などの根菜類は、夜に摂取すると血糖値の上昇が緩やかになる特性があります。夕食の主食代わりにすることで、通常の主食の量を無理なく減らすことができます。
野菜からゆっくりと食べて血糖値の上昇を抑える
コース料理のような1品1品がゆっくり出てくる食事では、野菜から食べ始めることを意識しよう。野菜に含まれる食物繊維が糖質の吸収を緩やかにし、血糖値の急上昇を抑制する。
食物繊維は胃内で膨張し満腹感を与えるため、その後の「主食」「主菜」の摂取量を自然と抑えられる。また、野菜から食べることで咀嚼回数が増え、唾液の分泌が促進されて消化吸収を助ける。
ただし、一般的な食事の場合は「三角食べ」をしても血糖値の上昇に変化がないことが多いので、必ずしも野菜を先に完食する必要はない。
生野菜と温野菜はそれぞれの利点を活かす
ダイエットに効果的な野菜の食べ方として、「生野菜」「温野菜」をバランスよく取り入れることが大切。それぞれに特徴があり、上手に組み合わせることで栄養価を最大限に引き出せる。
生野菜は「ビタミンC・B群」「酵素」が豊富。とくに、サラダやスムージーとして摂取することで、ビタミンや酵素を効率的に体内に取り込める。
一方、温野菜は加熱により食物繊維が柔らかくなり、消化吸収が促進される。また、トマトの「リコピン」、ニンジンの「βカロテン」など、加熱することで吸収率が上がる栄養素もある。生野菜と温野菜を組み合わせることで、さまざまな栄養素をバランスよく摂取でき、ダイエット効果を高める。
スープやスムージーで手軽に多くの野菜を摂取する
「スープ」「スムージー」は手軽に多くの野菜を摂取でき、忙しい朝や小腹が空いたときにも活用できる。
スープは、野菜の栄養素を逃さず摂取でき、温かいため満腹感も得やすい。具沢山のスープは、食事の最初に食べることで、その後のエネルギー摂取を自然と抑えられる。スムージーは、生野菜の栄養をそのまま摂取でき、食物繊維を丸ごと取り入れられる。
ただし、スムージーに果物を入れすぎると糖質過多になる可能性があるため、野菜中心のレシピを心がけること。また、スープもスムージーも、食事の置き換えではなく、補助的に活用するのが望ましい。
運動と組み合わせる際の野菜の食べ方
食事と運動を組み合わせたダイエットでは、とくに「ビタミンB群」「タンパク質」を豊富に含む野菜を摂取すると効率のいいダイエットにつながる。ここでは、「運動と合わせてどのような野菜を食べるのがよいか」「各栄養素の働き」について解説。
- 筋トレ時は「タンパク質」を分解する野菜を食べる
- 「ビタミンB群」が豊富な野菜は運動と合わせると効果的
筋トレ時は「タンパク質」を分解する野菜を食べる
筋肉の修復と成長を促進し、ダイエット効果を高められるタンパク質。タンパク質はそのままの形では分子サイズが大きすぎて直接体内で吸収できないため、消化酵素によって分子サイズの小さい「ペプチド」「アミノ酸」という形に分解される。
とくに「ショウガ」「マイタケ」「玉ねぎ」などの野菜にはタンパク質の分解に関わる「プロテアーゼ」を含み、タンパク質の消化吸収に役立つ。
そのほかにも、米などに含まれるデンプンの分解に関わる「アミラーゼ」は大根やキャベツに、脂肪分解に関わる「リパーゼ」はカブや山芋などに含まれている。体内で効率的に栄養素を利用するためにも、分解酵素を含む野菜を積極的に食べよう。
「ビタミンB群」が豊富な野菜は運動と合わせると効果的
ビタミンB群が豊富な野菜を運動と組み合わせると、ダイエット効果が高まる。ビタミンB群は体内のエネルギー代謝を促進し、運動効率を向上させる。
「ほうれん草」「ブロッコリー」「アボカド」などはビタミンB群を豊富に含む。ビタミンB群を運動前・運動後に摂取すると以下のような効果がある。
- 運動前:エネルギー生産がスムーズになり、パフォーマンスが向上する
- 運動後:疲労回復、筋肉の修復を助ける
また、ビタミンB群は「水溶性ビタミン」であるため、たくさん摂取しても尿として排出される。過剰摂取を心配せず、積極的な摂取を心がけたい。
ダイエット中におすすめの野菜レシピ3選
ここでは野菜を使ったダイエット中におすすめのレシピを紹介。野菜を多く食べることができるよう工夫しているので、参考にしてみよう。
- 脂肪燃焼を促進!野菜スープ(2人前)
- 油を控えたヘルシー野菜炒め(2人前)
- 野菜と果物のスムージー(1人前)
脂肪燃焼を促進!野菜スープ(2人前)
- キャベツ:200g
- 玉ねぎ:1/4個
- にんじん:1/4本本
- セロリ:20g
- トマト:中1個
- にんにく:1かけ
- コンソメ:大さじ1
- 水:400ml
- 黒こしょう:好みの量
- オリーブオイル:大さじ1/2
【レシピ】
- セロリは筋を取り除いておく。キャベツ、玉ねぎ、にんじん、セロリは厚さ5mmの色紙切りにする。トマトは1cm角切り、ニンニクはみじん切りにする。
- 鍋にオリーブオイルと1のにんにくを入れ、弱火で炒める。香りが出てきたら残りの1を入れて中火で炒める。
- しんなりしてきたら水、トマト、コンソメを入れて中火で10分ほど煮る。
- 野菜に火が通ったら好みで黒こしょうを加える。
編集部コメント

野菜スープは低カロリーでありながら、栄養価が高く満腹感も得られます。主な材料は「キャベツ」「玉ねぎ」「にんじん」「セロリ」「トマト」など。野菜にコンソメや塩こしょうで味付けし、水を加えて煮込むだけで完成。
野菜の種類や量は自由に調整できます。野菜スープは食物繊維が豊富なので、腸内環境を整えて代謝を促進するのにもおすすめ。低カロリーなので、空腹時の間食の代わりにも最適です。
油を控えたヘルシー野菜炒め(2人前)
【材料】
- にんじん:1本
- 玉ねぎ:1個
- ピーマン:1個
- もやし:1袋
- キャベツ:1/4個
- にんにく:1かけ
- 鶏がらスープの素:大さじ1~2
- 塩こしょう:少々
- ごま油:適量
【レシピ】
- にんじんは短冊切り、玉ねぎは薄切り、ピーマンは細切り、キャベツはざく切り、にんにくはみじん切りにする。
- フライパンに底が隠れるくらいの水を入れ、もやし、玉ねぎ、キャベツ、ピーマン、にんじん、にんにくの順で入れる。蓋をして弱火で10分ほど蒸す。
- 全体がしんなりしたら中火で炒めながら水気を飛ばす。
- ごま油を回し入れて全体になじませ、鶏がらスープの素、塩こしょうで味付けをする。
編集部コメント

ダイエット中でも満足感のある野菜炒めを楽しむコツは、油の使用量を抑えること。フライパンに水やだし汁を少量入れ、蒸し焼き風に調理するのがポイント。主な材料は「もやし」「ピーマン」「にんじん」「玉ねぎ」など。野菜を細切りにし、水分を飛ばしながら炒める。味は塩、コショウで軽く整えましょう。
野菜の食感と旨味を活かすことで、少ない油でもおいしく仕上がります。タンパク質源として「鶏むね肉」「豆腐」を加えるのもおすすめです。
野菜と果物のスムージー(1人前)
【材料】
- 小松菜:1株
- バナナ:1本
- りんご:1/4個
- 無調整豆乳:150ml
- プレーンヨーグルト:50g
- レモン果汁:大さじ1
- はちみつ:大さじ1
【レシピ】
- 小松菜は根元を切り落とし、2cm幅に切る。バナナも2cm幅に切り、りんごは皮をむいて4等分に切る。
- ミキサーに1と残りの材料を入れてなめらかになるまで攪拌する。
編集部コメント

野菜と果物を組み合わせたスムージーは、手軽に栄養を摂取できるダイエットレシピ。「ビタミン」「ミネラル」「食物繊維」を効率的に摂取できます。果物の自然な甘みで飲みやすく、野菜が苦手な人にもおすすめ。朝食や間食として活用し、空腹感を抑えながら必要な栄養素を補給できます。
ダイエット中に野菜を食べる際の注意点
野菜はダイエットをおこなう上で欠かせない食材である一方で、食べ方に注意が必要なこともある。とくにサラダのドレッシングには油が含まれているため、意図せず高エネルギーになってしまう場合も。ここでは野菜を調理する上での注意点や代替案を紹介。
- 揚げ物・油の多用に注意する
- 栄養バランスが偏らないようにする
- サラダドレッシングはエネルギー量と栄養バランスに注目して選ぶ
揚げ物・油の多用に注意する
ダイエット中に野菜を食べる場合、揚げ物や油の多用には注意が必要。野菜そのものは低カロリーでも、調理法によってはエネルギー量が大幅に増加する。
たとえば、100gあたり14kcalのなすが、「天ぷらにすると約120kcal」に跳ね上がる。油で調理すると、野菜の栄養価は高まる反面、エネルギー量も増加するため、適度な使用を心がけよう。
そのため、揚げ野菜の代わりに「蒸し野菜」「茹で野菜」「グリル野菜」などを取り入れるのがおすすめ。オーブンで焼く場合も、少量の油で風味豊かな野菜料理を作れる。
栄養バランスが偏らないようにする
ダイエット中は栄養バランスの偏りに注意しよう。特定の野菜に偏ると、必要な栄養素が不足する可能性がある。
「緑黄色野菜」「淡色野菜」「根菜類」などをバランスよく摂取することで、幅広い栄養素を効率的に摂取できる。たとえば、緑色野菜は「鉄分」「ビタミンK」、赤や黄色の野菜は「βカロテン」「リコピン」が豊富。
また、野菜だけでなく、「タンパク質源」「炭水化物」とのバランスも大切。野菜中心の食事を心がけつつ、適度な量の主食と主菜を組み合わせることで、健康的なダイエットができる。
サラダドレッシングはエネルギー量と栄養バランスに注目して選ぶ
ダイエット中のサラダには、ドレッシングの選び方が大切。高エネルギーのドレッシングは、せっかくのサラダの低エネルギー効果を相殺してしまう。
一方で、適度な油分は「脂溶性ビタミン」の吸収を助けるため、「オリーブオイル」「アマニ油」をベースにしたドレッシングがおすすめ。
また、ドレッシングは簡単に手作りできる。とくに「オリーブオイル・酢・レモン汁」を使ったビネグレットは、低エネルギーで塩分のコントロールもしやすい。使用量は大さじ1杯程度を目安にしよう。
ダイエット中の野菜に関するQ&A
野菜ジュースはダイエットに効果的?
A:ジュースにすることで吸収されやすくなる栄養素もあるが、糖質量に注意

野菜ジュースの中には「糖質量が3g程度のもの」があり、糖質量の少ないものに限ってはダイエット中に取り入れやすいです。一方、サラダは「ドレッシングだけで3g以上」「サラダ自体にも4g程度」の糖質を含むものがあり、ドレッシングの塩分量なども考慮すると、野菜ジュースの方がダイエットに適している場合もあります。
また、栄養素の吸収効率の観点では、トマトの「リコピン」、にんじんの「βカロテン」は、ジュースにした方が吸収率が高くなることがわかっています。ただし、糖質量が20gを超える野菜ジュースもあるため、栄養表示を見てから選ぶのが大切です。
続けやすさを考えるなら自分の好みに合った味の野菜ジュースを選べるといいですね。サラダを食べる時間がない場合は、野菜ジュースを補助的に利用するのも1つの方法です。
冷凍野菜でも栄養素に変化はある?
A:食材によっては栄養素が増えるものがある

キノコ類は冷凍することで「ビタミンD」が増加する傾向にあります。また、基本的に冷凍によって栄養素が失われることはありません。一方で、冷凍というよりかは、食材の加工過程で「ビタミンC」など一部の栄養素が損失する可能性はあります。たとえば、コンビニのカット野菜は長時間の水洗いでビタミンが流出していることも考えられます。
しかし、栄養素が失われていても摂取量を調整することで十分に補うことができます。たとえば「通常100g摂取するところを150g摂取する」など、少し多めに食べる工夫をすれば問題ありません。
国の推奨する「野菜摂取量は1日350g以上」ですが、最低限の目安に過ぎません。350g以上摂取しても問題はなく、むしろ摂取量を増やす方向で活用していきましょう。
コンビニで買えるおすすめの野菜やメニューは?
A:カット野菜や野菜チップ、スムージーがおすすめ。まずは野菜を食べる習慣づけを

コンビニの商品を利用して手軽に野菜を摂取する方法はたくさんあります。おすすめとしてあげられるのは「ミックスされたカット野菜」です。単一の野菜ではなく、複数の野菜が混ざったものを選べばより多くの栄養素を摂取できます。
また、「野菜チップス」「スムージー」でも野菜を十分に摂取できます。手軽に買える商品、自分の好みに合うものを選び、まず野菜を摂取する習慣をつけましょう。毎食小鉢を付ける必要はありませんが、たとえば「ラーメンを食べた後に野菜ジュースを買う」など、野菜不足を補う習慣をつけることが大切です。
博士(理学) 管理栄養士
愛国学園短期大学 家政科 准教授、早稲田大学 ナノライフ創新研究機構 招聘研究員、(株)アスリートフードマイスター 認定講師、発酵料理士協会特別講師としても勤務。「時間」という観点から、医学・栄養学・調理学の領域にアプローチすることを専門とする。科学的根拠を基にしたライフスタイルへのアドバイス、実体験を基にした食育活動や講演活動、料理教室も開催している。『食べる時間を変えるだけ! 知って得する時間栄養学』(宝島社/2022)、『10時間空腹リセットダイエット』(主婦の友社/2023)、他多数の書籍を執筆。
【所属】
愛国学園短期大学 家政科 准教授
早稲田大学ナノ・ライフ創新研究機構 招聘研究員
あきはばら駅クリニック 非常勤管理栄養士
アスリートフードマイスター認定講師
発酵料理士協会特別講師