
さまざまな調理法ができ、手軽にタンパク質の摂取ができる卵は、身近な定番食材の1つ。そんな卵に対して、「ダイエット効果はあるのか」「1個あたりのカロリーは高いのか」「かえって太るのでは」など気になっている人も多いはず。この記事では、卵に含まれる栄養素やその効果、ダイエットに取り入れるときのポイントを解説。忙しい日でも簡単に作れる卵レシピも紹介しているので、ぜひ参考にしてみよう。
この記事の監修者

金丸利恵さん
おうちごはん研究家 管理栄養士
卵がダイエットに効果的な理由
卵は「完全栄養食」と言われるように栄養のバランスに優れた食品。ここでは、卵がダイエットにおすすめの理由を紹介。
- 低糖質・高タンパクで腹持ちがよい
- 不足しがちな栄養素もしっかり補給できる
- 代謝が向上しやすくなる
- 悪玉コレステロール値を下げられる
低糖質・高タンパクで腹持ちがよい
糖質は「筋肉」や「脳」のエネルギーとして使われる炭水化物の一種だが、とりすぎると肥満の原因になる。その点、卵1個あたりの糖質量は「約0.2g」と少なく、ダイエット中に糖質やタンパク質のバランスが気になる人でも安心して食べられる。
また、卵のおもな栄養素であるタンパク質は消化に時間がかかるため、ダイエット中の空腹感対策にもおすすめ。満腹感が長く続くことで、間食や食べすぎを抑えられる。
不足しがちな栄養素もしっかり補給できる
食事制限をともなうダイエットでは、「ビタミン」や「ミネラル」などさまざまな栄養が不足しやすい。その点、卵はダイエット中の「栄養不足」「ストレス」「疲労感」を軽減し、健康的な減量をサポートしてくれる。
卵にはとくに、脂質やタンパク質の代謝をサポートする「ビタミンB群」や、骨や歯の健康をサポートする「ビタミンD」、抗酸化作用のある「ビタミンA」「ビタミンE」などがバランスよく含まれている。適度に卵を食べることで必要な栄養素をしっかり補給して、無理なく健康的なダイエットを目指そう。
代謝が向上しやすくなる
卵に含まれる「ビタミンB1」は炭水化物の代謝を、「ビタミンB2」は脂質の代謝をサポートしてくれる。
痩せやすく太りにくい身体づくりには、筋肉量を増やして基礎代謝を向上させることも必要。卵には、筋肉の維持・増加をサポートする「BCAA」も含まれているので、運動と組み合わせて筋肉量を高めよう。
悪玉コレステロール値を下げられる
一般的に卵はコレステロール値を上げると思われがちだが、実はその逆。卵の黄身に含まれる「レシチン」には、動脈硬化の引き金となる悪玉コレステロールを抑える働きがある。
また、卵には不飽和脂肪酸の一種である「オレイン酸」も含まれている。血液中の悪玉コレステロールを下げる働きがあり、血液をサラサラにしてくれる効果が期待できる。
抗酸化作用のある「アマニ油」「えごま油」などと組み合わせるとさらに健康効果が高まるので、ダイエット中はもちろん、生活習慣病が心配な場合にもおすすめ。

コレステロールを多く含む食品を食べても、血中コレステロール値には影響がないことがわかっています。実際、厚生労働省は2015年に日本人の食事摂取基準からコレステロールの上限値を撤廃しました。また、そもそも体内のコレステロールの約7割は体内で生成されており、食事由来のものは約3割です。
食べすぎはよくありませんが、1日1〜2個であれば問題ないので、「野菜」「海藻」「きのこ」などの食物繊維が豊富な食材と一緒にバランスよく食べましょう。
ダイエット時に知っておきたい!卵の主な栄養素
- タンパク質
- 必須アミノ酸
- 飽和脂肪酸・不飽和脂肪酸
- ビタミンB群
- ミネラル類
タンパク質
卵は身体の細胞や筋肉、組織の材料となる「タンパク質」が豊富で、代謝を高めてくれる。
卵1個に含まれるタンパク質量は「約6g」で、必須アミノ酸とタンパク質のバランスを示すアミノ酸スコアは最高値の「100」。タンパク質の吸収率はアミノ酸スコアが高いほど上がるため、卵は効率的にタンパク質を補給するのに最適。
必須アミノ酸
必須アミノ酸とはタンパク質を構成するアミノ酸のうち、体内で生成できない「9種類のアミノ酸」のこと。必須アミノ酸は食事から摂取する必要があるが、卵はこれらをすべて含んでおり、良質なタンパク源として知られている。
とくに、「ロイシン」「バリン」「イソロイシン」「BCAA(分岐鎖アミノ酸)」が豊富に含まれている。
BCAAは必須アミノ酸の中でも、筋肉の合成・維持に関与しており、運動を組み込んだダイエット中に摂取したい成分。筋肉量を効率的に増やすサポートができるので、身体の引き締めなどに役立つ。

タンパク質内のアミノ酸は、食材によって含有量が異なります。肉や魚もアミノ酸スコアは100点ですが、卵はこれらに比べて脂質が少なく、消化しやすいのがメリットです。また、ビタミン類を豊富に含んでいるのも魅力的ですね。
飽和脂肪酸・不飽和脂肪酸
卵は1個あたり「約6gの脂質」を含んでおり、必須脂肪酸である「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」のバランスがよい。
飽和脂肪酸には、エネルギーを作り出す役割があり、一方で不飽和脂肪酸にはコレステロール値を下げる役割がある。どちらもバランスよく摂取するのが大切だが、とくに不飽和脂肪酸は不足しがちな栄養素なので、積極的に摂取したい。
なお、ダイエット中は脂質を制限する人も多いが、適度な脂質摂取は空腹感を抑え、食事の満足度を高めるのに役立つ。過剰な摂取は控えつつ、卵のように良質な脂質を含む食材を優先的に摂取しよう。

1日の目標摂取カロリーが1600kcalの場合、「脂質は20~30%程度」が適量です。たとえば、25%で考えた場合は400kcal分、脂質量にすると「44.4g」は摂取してよいことになります。ダイエット中に卵を食べるときは1日1~2個を目安に、肉や魚などもバランスよく摂取しましょう。
ビタミンB群
卵には「ビタミンA・B・E」などのさまざまなビタミンが含まれている。
また、ビタミンB群の働きにより、必要な栄養素をとり込むことができる。疲労回復のほか、「健康的でハリのある肌を保つ」「体内時計を整えて睡眠のリズムを整える」など、ビタミンB群に期待できる効果は多い。
ミネラル類
卵は「カルシウム」「マグネシウム」「亜鉛」「セレン」などのミネラルが多いのも特徴。
カルシウムは脂肪の代謝を促進し、筋トレのパフォーマンスを向上させる効果が期待できる。また、マグネシウムにはインスリンの働きを促し、糖の代謝をサポートする作用も。糖の代謝が活性化すると蓄積される脂肪の量が減り、結果として減量につながる。
食べるならどっち?卵の黄身と白身の違い
卵の栄養価や味わいは、黄身と白身で大きく異なる。より効率的に栄養を摂取するには、どちらも一緒にとるのがおすすめ。栄養は複合的な作用で働くため、卵は丸ごと食べた方が体内の利用効率が高まる。ここでは、卵の黄身と白身のエネルギーや栄養価の違いを解説。
- 卵1個のカロリー(黄身と白身)
- 卵白と卵黄の栄養価の違い
卵1個のカロリー(黄身と白身)
卵1個あたりのエネルギーは「約80kcal」で比較的低エネルギーな食材。その大半のエネルギーは黄身に含まれている。
黄身のエネルギーは「約55kcal」なのに対し、白身のエネルギーは「約17kcal」とかなりヘルシー。全体の8割程度のカロリーが黄身に集中しており、同じ量を食べても摂取エネルギーは白身より黄身の方が高くなる。

卵単体で見れば低エネルギーですが、「調理法」「組み合わせる食材」「使う調味料」などによっては、総摂取エネルギー量が増えてしまうため、ダイエット中は注意しなければいけません。たとえば、マヨネーズは大さじ1杯で卵1個分のカロリーに相当するため、サンドイッチや卵サラダなどに使う際は、量に気をつける必要があります。
また、「スクランブルエッグ」や「ベーコンエッグ」なども油脂が多く、脂質の過剰摂取につながりやすいでしょう。ダイエット中はカロリーが適正内に収まっているか常に意識し、なるべくヘルシーな食事を心がけることが大切です。
卵白と卵黄の栄養価の違い
卵の黄身はタンパク質に加え、「ビタミン」「ミネラル」「脂質」など多くの栄養素を含んでいる。
なかでも、「脳の働きを活性化する」「脂肪の分解をサポートする」といった働きを持つ「コリン」は黄身特有の栄養素。高コレステロール血症や動脈硬化、脂肪肝の予防・改善にも役立つと言われている。
一方、白身の大部分はタンパク質で構成されており、筋肉の合成・維持に役立つ。また、白身に含まれる「セレン」という物質には「悪玉コレステロールの酸化を抑える」「免疫力を正常に保つ」などの働きがある。一緒に味わってこそ卵の健康効果は高まるので、丸ごと1個食べるようにしよう。
ダイエットに卵を取り入れる際のコツ
ダイエットだけでなく、健康面でもさまざまな効果がある卵。卵の栄養をより効果的に摂取するには、適切な摂取量と調理法をおさえておくことが大切。
- 1日1~2個を目安に食べる
- タンパク質の補給なら生卵か半熟がおすすめ
- 満腹感の維持にはゆで卵もおすすめ
- 主菜を卵だけに置き換えるのは避ける

うずらの卵は小さいですが、「亜鉛」をはじめとした不足しがちな栄養素が豊富に含まれている優秀な食材です。鶏卵1個の量に対して、うずらの卵は3~4個程度に相当します。栄養のバリエーションを増やすためにも、卵は鶏卵だけに限定するのではなく、うずらの卵を上手に活用するのもおすすめです。
1日1~2個を目安に食べる
健康な成人の場合、1日の卵の摂取量は「1~2個程度」が最適。卵は味が淡白なため、油と組み合わせて摂取することで肥満につながることも。そのため、マヨネーズやドレッシングのかけすぎに気をつけ、「ゆで卵に塩を振る」などのなるべくヘルシーな食べ方を意識しよう。
なお、糖尿病や心臓病など健康面で不安がある人は、念のため適切な量を医師に確認するのがおすすめ。全体の栄養バランスが乱れないよう、野菜や果物もしっかり食べよう。
タンパク質の補給なら生卵か半熟がおすすめ
タンパク質は加熱すると構造が変化し、消化吸収率がやや下がってしまう。そのため、タンパク質を効率的に摂取したい場合は、「生」か「半熟」の状態で食べるのがおすすめ。
ただし、生卵にはサルモネラ菌などのリスクがあるため、不安な場合は少し加熱して「温泉卵」などにして食べるとよい。おかずに肉や魚が少ないときや、一品料理の際のトッピングとして活用しよう。

ダイエット中の食事メニューは、異なる種類のタンパク質を組み合わせることが大切です。たとえば、「焼きそば」や「うどん」など炭水化物がメインの料理では、タンパク源が不足しがちです。そんなときは半熟卵を1つトッピングすると、タンパク質を手軽に補足できます。
満腹感の維持にはゆで卵もおすすめ
卵のタンパク質はゆでると固まり、消化吸収にかかる時間が長くなる。その結果、「生」や「半熟状態」よりも胃の中に長くとどまり、満腹感が長く続くという特徴がある。とくに固ゆでのゆで卵は食べ応えがあり、咀嚼回数も多い。よく噛むと脳の満腹中枢が刺激され、さらに満腹感を得やすくなる。
また、ゆで卵は油を使わずに作れるため、余計なエネルギー摂取を抑えられるのも魅力。夜ゆでておいて朝に食べたり、お弁当のおかずとしても持ち運びしやすくなるので活用してみよう。
主菜を卵だけに置き換えるのは避ける
主菜を卵に置き換えると1食あたりの摂取エネルギーは抑えられるが、栄養バランスが偏る可能性がある。
主菜の役割は、「タンパク質」「脂質」「ビタミン」「ミネラル」などの栄養素をまんべんなく摂取すること。卵は完全栄養食と言われる食材だが、単体では1日に必要な栄養素をすべて摂取するのは難しい。
主菜は卵だけに限定するのではなく、「肉」「魚」「大豆製品」などと組み合わせるのがおすすめ。卵はあくまで主菜の一部として取り入れ、それだけを食べるのは避けよう。
卵と組み合わせると効果的な食材・おすすめの食べ方
卵には人の身体に必要な栄養素が多く含まれているが、なかには足りないものもある。そのため、卵単体で食べるよりも相乗効果のある食べ物と一緒にとるのがおすすめ。ここでは、卵と組み合わせたい食材とおすすめの食べ方を紹介。
- ブロッコリー
- 鶏むね肉
- 豆腐

栄養バランスを整えるなら、「炭水化物」「食物繊維」「ビタミンC」が豊富な食材と組み合わせるのがおすすめです。たとえば、「海藻」「きのこ」「野菜」などですね。
また、肉や魚、納豆などの大豆製品は、卵の効果を高めたいときの組み合わせに最適です。さまざまな食材を組み合わせて、栄養バランスの整った食事を心がけましょう。
ブロッコリー
ブロッコリーには「ビタミンC」「食物繊維」が豊富に含まれていて、卵に足りない栄養素の補給にもぴったり。ビタミンCにはタンパク質の吸収を助ける働きがあり、効率的な筋肉の合成・成長に役立つ。
また、ブロッコリー自体にもタンパク質が含まれていることから、より満腹感が長く続きやすいのも嬉しい。
調理する際は、「ゆでたブロッコリー」と「卵」でサラダにしたり、刻んだブロッコリーを卵に入れてオムレツにするのがおすすめ。酸味のあるものと一緒に食べると胃酸の分泌が活性化するので、ドレッシングは「お酢」や「レモン汁」を使おう。
鶏むね肉
鶏むね肉は卵と同じく、「低脂肪・高タンパク」な食材。必須アミノ酸をバランスよく含んでいて、「筋肉量アップ」や「基礎代謝向上」の効果が期待できる。また、鶏むね肉に含まれる「ビタミンB6」にはタンパク質代謝をサポートする働きがあり、ダイエット効果を高めてくれる。
調理法はなるべくシンプルに、ゆでた鶏むね肉と卵のサラダや、卵とじなどがおすすめ。脂質や糖質の量に気をつけながら満足感を得やすいレシピを選んで、ダイエット中の間食やドカ食いを防ごう。
豆腐
豆腐と卵の組み合わせは、良質なタンパク質をバランスよく摂取できる食べ方。豆腐は「植物性タンパク質」、卵は「動物性タンパク質」が豊富に含まれている。腹持ちがよい分、間食やドカ食い防止にも役立つ。
また、豆腐に含まれる「イソフラボン」は卵のビタミンEと相乗効果があり、代謝向上や細胞の健康促進も期待できる。炒め物やスープ、卵焼きなどいろいろなアレンジを楽しんでみよう。
簡単お手軽!卵の栄養素を逃さない調理法
ひとくちに調理法といってもさまざまな種類があるが、ダイエット中に卵を食べるなら以下の方法がおすすめ。ダイエットを楽しんで続けるためにも、卵の調理法は好みや料理に合わせて最適なものを選ぼう。
- 電子レンジで加熱(半熟卵、温泉卵など)
- ゆでる(ゆで卵など)
- 焼く(目玉焼きなど)
- 「ちょいのせ卵」で手軽に栄養補給
電子レンジで加熱(半熟卵、温泉卵など)
「半熟卵」や「温泉卵」は、卵の消化率や栄養の吸収率がとくに高い食べ方。半熟卵は、「ビタミンB群」「鉄分」など水溶性ビタミンを豊富に含んでいる。とくに、黄身に豊富に含まれている「ビタミンD」「ビオチン」は半熟状態で吸収効率が向上する。
半熟卵と固ゆでの卵では、消化吸収にかかる時間が1時間も違うと言われている。栄養をなるべくすばやく、身体にやさしい状態でとりたいときは、半熟状態の卵を優先的に取り入れよう。

半熟卵は電子レンジで簡単に作れます。耐熱容器に卵を割り入れ、爪楊枝で黄身に1ヶ所穴を開けたら、大さじ1杯の水を入れてラップをし、600wで30~40秒ほど加熱します。忙しい朝でも手軽に作れるので、ぜひ試してみてください。
ゆでる(ゆで卵など)
ゆで調理は加熱温度が低く、卵の栄養価が失われにくいのが特徴。殻ごとゆでるため、「ビタミンA・D」などの脂溶性ビタミンや多くのミネラルが減らずに残る。
また、白身と黄身を混ぜずに加熱・摂取できることで、皮膚や粘膜の健康維持に役立つ栄養素「ビオチン」の吸収もスムーズになる。そのため、美髪や美肌効果も期待できる。中までしっかり火を通すと食べ応えが増すので、ダイエット中の空腹感対策にも活用しよう。

ゆで卵は持ち運びしやすく、外出先でも食べやすいのが魅力です。塩だけの味付けに飽きてしまったときは、「ポン酢」や「お酢」に漬けた味付け卵や、台湾風の八角煮卵など、いろいろなアレンジを試してみてください。
焼く(目玉焼きなど)
加熱調理は調理時間が短く、熱に弱い栄養素の損失を抑えやすい。加えて、白身のタンパク質が適度に変性することで、消化吸収率も向上する。「白身」と「黄身」、両方の栄養素を余さず摂取できる。
また、目玉焼きを作るときは食材がこびりつきにくいノンスティック加工のフライパンを使うと、油の使用量を少なくできるため、余計なカロリー摂取を抑えられる。全粒粉トーストに乗せたり、蒸し野菜をトッピングしたりと、ダイエット中でも満足できる工夫を探してみよう。
「ちょいのせ卵」で手軽に栄養補給
卵はどんな食材や調味料とも相性がよく、幅広い料理に活躍する。そのため、忙しいときや料理が面倒なときは、サッと卵をトッピングする「ちょいのせ卵」がおすすめ。
サラダにゆで卵を乗せたり、スープに卵を落としたりするだけで、「タンパク質」「ビタミン」「ミネラル」などの1日の摂取量を満たしやすくなる。ダイエット継続の秘訣は、無理なく楽しんで続けること。難しく考えすぎず、まずは今日の食事に卵を1つ取り入れることから始めてみよう。
ダイエットにおすすめの簡単卵メニュー3選
ダイエット中の食事は低カロリー・高タンパクで、少量でも満足感を得られるものがおすすめ。卵は調理時間が短いので、忙しい朝や疲れて帰った夜でも手軽に取り入れやすい。ここでは、ダイエットにおすすめの卵を使った簡単レシピを紹介。
- レンジでハムエッグ
- 豚肉とトマトの卵炒め
- 冷凍炒飯卵トッピング
レンジでハムエッグ
ハムを容器に敷き、その上に卵を割り入れて電子レンジで加熱するだけの簡単なメニュー。爪楊枝で黄身に穴を開けておくと、爆発せずに仕上がる。チーズや牛乳を少し入れたり、溶き卵にして調理することで、ふんわりとした食感が楽しめる。
豚肉とトマトの卵炒め
卵に豚肉とトマトを合わせて炒めた、お手軽主菜メニュー。バラ肉は脂質量が多いため、赤身の肉を使うのがおすすめ。また、トマトのリコピンは油に溶けやすい性質があるので、少量の油で炒めてもOK。
冷凍炒飯卵トッピング
疲れた夜でも作れる、市販の冷凍炒飯に卵をトッピングしたメニュー。溶き卵を乗せて電子レンジで加熱すれば、手軽にタンパク質を摂取できる。余裕があるときは目玉焼きを作ってトッピングしたり、野菜サラダもプラスしよう。
ダイエット効果を高める!卵を食べる最適なタイミング
卵は朝昼晩いつ食べても構わないが、最適なタイミングで食べるとより高い効果が期待できる。ここでは、ダイエットに卵を取り入れるときのベストタイミングと避けた方がよい時間帯を解説。
- 基本は朝食に食べるのがおすすめ
- トレーニング前後なら筋肉量向上に役立つ
- 就寝3時間前はなるべく食べないように
基本は朝食に食べるのがおすすめ
朝に卵を食べると睡眠中に減った栄養が補われ、1日のエネルギー代謝が高まり、脂肪が分解されやすくなる。
さらに体内時計がリセットされることで昼食時の血糖値が急上昇しにくくなり、脂肪の蓄積を防ぐのにも役立つ。腹持ちのよさから、昼食時の食べすぎや間食防止にもおすすめ。
また、卵のタンパク質は肉類に比べて消化吸収に優れているため、完全に目覚めていない消化器官にも負担が少ない。朝は何かと忙しいが、健康やダイエットのためには1日3食しっかり食べることが大切。卵を使った朝食で脳と身体をすっきり目覚めさせ、1日を気持ちよくスタートしよう。

トレーニング前後なら筋肉量向上に役立つ
トレーニング前に卵を食べると、運動中のエネルギー源としてタンパク質が効率的に利用される。これにより筋肉の分解が抑えられ、脂肪燃焼を促進する効果が期待できる。
また、運動直後は体内のタンパク質合成能力が高まっているため、筋肉量を増やしたいときはこのタイミングで卵を食べるのもよい。卵の疲労回復効果を使って、次回のトレーニングでもしっかり運動できるように準備をしよう。
就寝3時間前はなるべく食べないように
卵をはじめ、就寝直前の食事は胃に負担をかけるため避けるべき。また、消化に時間がかかることで質の高い睡眠が妨げられ、代謝の低下やホルモンバランスの乱れを引き起こす可能性もある。
快眠のためには、就寝の3時間前に食事を済ましておくのが理想。難しい場合は「夕方」と「遅い時間」の2回に食事をわける「分食」で、血糖値の上昇をゆるやかにさせることが大切。
卵アレルギーがある人も安心!卵の代替品3選
優れた栄養価の卵だが、なかにはアレルギーで食べられないという人もいるはず。卵が食べられないと食事の制限が多くなり、効率的なタンパク質摂取が難しいと感じるかもしれない。ここでは、卵が食べられない人や卵を切らしてしまった人向けに、卵の代用品になる食材を紹介。
- 肉・魚
- 大豆製品
- アボカド
肉・魚
肉や魚は卵と同じく、動物性タンパク質を豊富に含む食材。アミノ酸スコアも最高値の100であり、効率的な筋肉の維持・成長に役立つ。とくに、鶏むね肉や白身魚は「低脂肪・高タンパク」で、ダイエットの強い味方。
また、肉や魚は卵と同じくらい調理法が多いのも魅力。ダイエット中は食事メニューがマンネリ化しがちなので、飽きずに食べられる食材は貴重。「グリル」「ソテー」「蒸し料理」など、低カロリーな調理法で効果的にダイエットを進めよう。
大豆製品
豆腐や納豆などの大豆製品は、良質な植物性タンパク質を豊富に含んでいる。とくに、豆腐は低カロリー・高タンパクで、ダイエット向きの食材。水切り豆腐をスクランブルエッグのように調理すれば、卵のような食感を楽しめる。
また、納豆も食物繊維が豊富で腸内環境を改善し、代謝を促進させる効果が期待できる。さらに、豆乳やおからなども卵の代替品として活用可能。スムージーやデザートを作るときは、卵の代わりに使うと風味豊かに仕上がる。

このほか、大豆ミートもタンパク質が豊富な食材です。大豆ミートは、大豆や大豆加工品を肉のような食感・風味に加工したもので、卵と同じく多くのタンパク質を摂取できます。大豆ミートは肉そぼろの代わり、また豆腐を乾煎りし、ターメリックで味付けすれば炒り卵の代わりになり、ダイエット中でも罪悪感なく食べられるそぼろ丼の完成です。
アボカド
アボカドの滑らかな食感は卵の黄身によく似ている。そのため、卵不使用で滑らかな食感を出したいときは、つぶしたアボカドを代用するとよい。
なお、アボカドは良質な脂質と食物繊維が豊富で栄養価が高い食品。アボカドに含まれる一価不飽和脂肪酸は中性脂肪が合成されるのを抑え、血中の中性脂肪を減らす効果が期待できる。
また、食物繊維によって腸内環境が整うことで、便秘解消やさらなる代謝向上の効果も。ビタミン類が多く、ダイエット中の体調管理にも役立つ。
卵ダイエットに関するQ&A
筋肉をつけるのに卵は効果的?
A:卵は高タンパク・低脂質で、筋肉づくりに適した食材

卵はタンパク質が豊富ながら脂質控えめで、効率的な筋肉づくりに役立ちます。栄養素の効率もよく、筋肉質で引き締まった身体を目指す人にはおすすめの食材といえます。
ただし、いくら栄養豊富だからといって卵ばかり摂取していると、ほかの食材に含まれる栄養素の不足につながります。前述しましたが、卵は「1日1~2個」を目安に、ほかの食べ物とバランスよく取り入れることを心がけましょう。
卵は毎日食べてもいい?食べすぎは卵アレルギーになる?
A:毎日たくさん食べ続けると、アレルギーのリスクが高まる可能性はある。

卵に限らず、食物アレルギーの原因物質は食べ物に含まれるタンパク質です。そのため、毎日過剰に食べ続けた場合は卵アレルギーになる可能性も考えられます。とくに、腸内環境が荒れているとアレルギーのリスクは高まるので注意が必要です。
1995年給食会社に入社し、給食管理、レシピ開発などの業務に携わる。出産を機に退職し、育児中は特定保健指導員として生活習慣改善の支援をしながら、料理教室を主宰し、地域で食育活動を広げる。2020年に分子栄養学認定カウンセラー取得。オーソモレキュラーの特徴である個体差を重視した栄養指導でダイエット、体調不良改善のカウンセリングを行う。コロナ禍を機にオンラインにて、料理教室、栄養講座、社内研修などに関わる。オンライン料理教室「4品×4人分作れる!管理栄養士のカラダが喜ぶ絶品おうちごはん」は、3年間で受講者1900人を超える。執筆活動は、WEB媒体にレシピ・コラムの掲載、会員誌、ムック本など。料理のプロが教えるサイトE・レシピに料理家登録して866人のファンを集める。野菜とスパイスを活用したレシピに定評がある。
【資格】
・管理栄養士
・分子栄養医学研究会 認定指導カウンセラー
・臨床分子栄養医学研究会 PNTトレーナー
・ナチュラル&ミネラル食品アドバイザー
・食生活アドバイザー2級(FLAネットワーク協会認定)
・国際薬膳食育師3級(国際薬膳食育学会認定)
・スパイスコーディネーターマスター(SCA認定)