ジムで運動していても体重がなかなか減らないと「やり方が間違っているのか」「運動しても効果がないのでは?」と焦ってしまうことも…。
今回は「ジムに通ってもなかなか痩せない原因」と「痩せるための身体づくりとして大切なこと」をパーソナルトレーナーのつむら みおさんに伺った。
思ったよりダイエットの成果が出ない人や、今以上に身体を絞りたい人はぜひ参考にしてみて。
この記事の監修者
つむら みおさん
パーソナルトレーナー
ダイエットは体脂肪率や見た目の変化に注目しよう
痩せることを目的にしている人は体重の増減を気にしてしまうが、トレーニングをして筋肉量が増えると体重が増えることもある。しかし、体脂肪率が落ちていれば、トレーニング効果が出ているので、ネガティブに考えなくても大丈夫。
💡ワンポイントアドバイス
トレーニングを始める前の写真を撮っておき、どういうふうに身体が変化していくのかを比較すると、数字では現れにくい見た目の変化に気づきやすくなります。モチベーションアップにもつながりやすいおすすめの方法です。
ジムに通っていてもなかなか痩せない原因
ジムでトレーニングしていても痩せない場合は、いくつかの原因が考えられる。
- 継続期間が短い
- 食事管理をしていない(方法が間違っている)
- トレーニングの強度や負荷が不適切
- トレーニングフォームが誤っている
- ジムに通っている頻度が少ない
- 空腹状態でトレーニングをしている
- 有酸素運動をしていない(時間が短い)
トレーニングの負荷やフォーム、メニュー、食事管理など “原因は一人ひとり異なる” ので、心当たりのありそうなものからチェックしてみて。
継続期間が短い
継続期間が短いとトレーニングの効果は実感しにくい。筋肉量の増加や体重・体脂肪の減少などの効果を感じるには、3ヵ月以上の継続が必要。
短期間で体重を減らすために、ハードな食事制限をするのはおすすめしない。体重は減ってもやつれて見え、不健康な印象を与えるので、理想の体型とはほど遠くなる。
食事管理をしていない(方法が間違っている)
食事を正しく管理できないことが原因で痩せない場合もある。基本的に一汁三菜を心がけ、バランスのよい食事をとろう。
摂取カロリーが消費カロリーよりも多いと、余ったエネルギーは体脂肪として蓄積される。極端な食事制限や好き嫌いによる偏食があると、身体に必要な栄養が不足して、トレーニング効果が出にくくなる。
また、ある程度効果が出た際に、一気にもとの食生活に戻さないことも重要。制限は少し緩くしてもよいので、バランスのよい食事はできるだけ継続しよう。
リバウンドを避けるために、好きなものを好きなだけ食べるチートデイは設けないほうがよい。普段の食事との差が大きいほど、チートデイをきっかけにして食生活が乱れる可能性がある。
ただし、過剰に我慢しすぎなくても大丈夫。会食や友達と会うときくらいは、ダイエットを忘れて楽しむことも重要。
「筋トレをしている人が積極的に摂取した方がいい栄養素」については以下の記事で解説しているので、食事管理を始めようと思っている人はチェックしてみて。
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トレーニングの強度や負荷が不適切
トレーニングの回数を多くこなしても、身体への負荷が軽すぎると筋肉量は増えない。ダイエットだと筋肉量は不要では?と思うかもしれないが、筋肉量が増えて基礎代謝が上がることで「消費カロリー」を増やすことができる。
一方、いきなり負荷をかけ過ぎてしまうとケガにつながる。目安としては10~15回くらいで限界を迎えるくらいの負荷に設定しよう。自分だけで適切な負荷を判断するのは難しいので、最初はトレーナーに相談しながらメニューを組んでもらうのがおすすめ。
そこまで筋肉を大きくしたくない場合は、20~30回できるくらいの低負荷で回数をこなすやり方でもOK。負荷に慣れ過ぎても効果が出なくなるので、3ヵ月に1回くらいは見直しをしよう。
初心者におすすめのトレーニングメニューを以下の記事で紹介しているので、筋トレメニューを見直すための参考にしてみて。
ジム初心者におすすめの筋トレメニュー23選!トレーニングする前に知っておくべきことも紹介
初心者はジムでどんなメニューから始めるといい? 基本的にトレーニングは、気になる部位だけでなく、身体全体をまんべんなくバランスよく鍛えることが大切。 とはいえ初.....
トレーニングフォームが誤っている
トレーニングフォームが誤っていると、鍛えたい部位と違うところに効いてしまったり、身体に余計な力が入ってしまったりして、ケガをする危険性もある。
また、スタート時は正しくできていても徐々に自己流になってしまい、フォームが崩れていく場合も…。
トレーナーをつけて、フォームが崩れていないか定期的に確認してもらう習慣をつけよう。
ジムに通っている頻度が少ない
効率よく痩せるためには、週に2~3回以上はジムに通ってトレーニングをしよう。
厚生労働省は、1回30分以上で週に2回以上の運動の習慣を、健康づくりのための活動基準としている。健康維持には週に2〜3回くらい、体力向上には週4回以上の運動が理想的。
どうしても時間を作るのが難しくジムに通うのが週1回になってしまう場合は、宅トレを取り入れて日常的に運動する習慣を作るようにしよう。
空腹状態でトレーニングをしている
空腹状態で筋トレをすると、筋肉が減って基礎代謝が落ちてしまう。
運動のエネルギーとなる糖質を摂取するのがおすすめ。脂肪分が多いものは一般的に消化が悪く、胃もたれする場合もあるため、筋トレ前には避けるようにしよう。
有酸素運動の場合も、基本的に軽く食事をしたあとでおこなうのがおすすめ。空腹状態は血液中の糖質が少なく、脂質を消費して体脂肪を減らしやすい状態ではあるが、低血糖を引き起こす可能性がある。
健康を維持しながら痩せるには、空腹状態の有酸素運動は避けたほうがよい。
筋トレも有酸素運動の場合も、トレーニングをする1時間半~2時間くらい前には食事を済ませるようにしよう。
有酸素運動をしていない
有酸素運動には脂肪を燃焼させる効果がある。筋トレだけでは脂肪燃焼効果があまり期待できないので、ダイエット目的でジムに通う場合は、筋トレと有酸素運動を組み合わせよう。
順番としては、筋トレをしたあとに有酸素運動をやるのがおすすめ。筋トレをすることで、基礎代謝が上がり、脂肪の分解効果も高まる。その状態で有酸素運動をすることで効率よく脂肪を燃焼することができる。
有酸素運動の時間が短すぎる
脂肪を燃焼して内臓脂肪が燃焼されるには20分くらいかかる。そのため、20分以上は有酸素運動を続けるのが理想的。ただし、スタート直後から脂肪自体は燃焼されているので、20分以内でやめても効果がないわけではない。
いきなり20分がきついと感じる人は10分を数回繰り返すとかでもOK。
1回のトレーニング時間は30分〜1時間を目安にするのがおすすめ。日常生活の中に無理なく取り入れ、長期的に継続できるように取り組もう。
最大心拍数(回/分)=220-年齢(40歳の場合、220-40=180回/分)の60~80%(40歳の場合、108~144)が脂肪燃焼に効果的な心拍数になる。スマートウォッチなどで心拍数を測定しながら、負荷を調節していこう。
痩せる身体を作るために大切なこと
痩せる身体を作るには目標を明確にし、基礎代謝を高めるために筋肉量を増やすことが重要。また、身体の変化を把握してモチベーションをアップさせ、睡眠を十分にとって疲労を回復させよう。
目標に対してやるべきことを明確にする
目標の設定は、トレーニングへのモチベーションアップにつながる。「体重を〇キロ落としたい」よりも、「きつくて着られなくなってしまった服をもう一度着たい」「夏にノースリーブの服を着て海に行きたい」のように、行きたい場所やしたいことなどを細かくイメージしよう。
具体的な目標を立てることは、トレーニングの内容や頻度を明確に設定するうえでも重要。目標が明確にあると、そこから逆算して、どのようなトレーニングを週に何時間くらいやったほうがいいのかを決めることができる。
基礎代謝を上げるために筋肉量を増やす
基礎代謝とは心臓を動かし、呼吸して酸素を取り込むなど、生きていくうえで最低限必要なエネルギーのこと。筋肉量が多いほど基礎代謝は高くなるため、ダイエット目的であっても有酸素運動だけに偏らず、筋トレをして基礎代謝を上げることからスタートするのがおすすめ。
気になる箇所だけを集中して鍛えるのではなく、バランスよく全身を鍛えて身体全体の筋肉量を増やしていこう。
何から始めたらいいかわからない人は、全身の筋肉のおよそ7割を占めている下半身の筋肉を増やすために、スクワットを取り入れるのがおすすめ。
身体の変化をしっかりと把握する
普段から自分の身体の状態と向きあう習慣を身につけ、変化を感じ取ろう。以前はできなかったことができるようになったと実感すると、モチベーションアップにつながる。
また、身体だけでなく、気持ちの変化を感じ取ることも重要。ポジティブな気持ちだけでなく、ネガティブな気持ちにもしっかり向き合おう。
トレーニングをスタートしてしばらくすると、前向きになれないときが出てくる場合がある。その際は自分と向き合い、「どのようなことがあれば継続できるか」「何をすれば目標を見失わずにいられるか」などを考えて実行すると、トレーニングを続ける原動力となる。
睡眠をしっかりとる
筋肉量を増やして代謝を上げ、痩せやすい身体を作るには睡眠も大切。一般的に、7~8時間の質のよい睡眠が必要とされる。
質のよい睡眠とは、「寝つきがよいこと」「ぐっすり眠ること」「寝起きがすっきりしていること」などの条件を満たし、心身の疲労を十分に回復できる眠りのこと。成長ホルモンの分泌を促して、脂肪を効率よく燃焼しやすい状態にする。また、十分な睡眠は、食欲抑制効果のあるレプチンの分泌も促すため、食べ過ぎを防げる。
一方、睡眠不足では疲労を回復できず、筋肉量を増やして代謝を上げることができない。さらに、自律神経がバランスを崩して血管を収縮させると、代謝が下がって脂肪をためやすい身体になる。
「睡眠の専門家に聞いた良質な睡眠をとるためのポイント」について以下の記事で解説しているので、寝つきが悪い人や睡眠の質を高めたい人はチェックしてみて。
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ハーティネス株式会社代表
フィットネス勤務から独立し、現在はダイエット迷子に正しい知識を伝えるためのオンライングループレッスン運営中。
コンプレックスを強みに変える!ボディメイク運動指導やリバウンドなしで、理想の体を手に入れる食事指導をおこなっている。
2チャンネル目となるYouTube「みおGYM」にて週2回エクササイズ配信中
著書4冊/各種雑誌、テレビ出演
JBBF 日本ボディビル・フィットネス連盟 2年連続優勝経験を持つ