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睡眠とダイエットの関係は?専門家に聞いた適切な睡眠時間や良質な睡眠を取る方法を紹介

ダイエットをするために、運動や食事管理はもちろん重要だけど、実はしっかりと睡眠を取ることもとても大切。

今回は、眠りとお風呂の専門家であり、SleepLIVE株式会社代表の小林 麻利子さんにダイエットと睡眠の関係性や良質な睡眠を取るためのポイントについて聞いた。

良質な睡眠を取るためには朝と夜の習慣を整えるのがポイント。睡眠がしっかり取れていないと感じる人はぜひ参考にしてみて。

この記事の監修者

小林 麻利子さん

公認心理師

睡眠改善インストラクター

SleepLIVE株式会社 代表取締役社長。科学的根拠のある最新データや研究を基に、睡眠や入浴を中心とした生活に合った無理のない実践的な指導が人気を呼び、3,000名以上の悩みを解決。「良質な睡眠で社会を健康に」をポリシーに、睡眠改善のためのスリープカウンセリングSleepLIVEの全国展開をおこなっている。近著1日10分のお風呂習慣 小林式マインドフルネス入浴法(MdN)

目次

睡眠不足がダイエットに悪影響をあたえる理由

睡眠不足がダイエットに悪影響をあたえる理由は、自律神経やホルモン分泌の乱れが原因といわれている。これにより、食欲が増し摂取カロリーが増える、エネルギー消費量が低下し体重が増加すると考えられている。

睡眠不足は交感神経を活発にする

睡眠時間が短いと自律神経の交感神経のはたらきが大きくなる。

自律神経は、内臓・代謝・体温などをコントロールする働きをもっていて、交感神経が優位にはたらくと、消化が抑制されてしまう。

消化が抑制されると腸の働きが悪くなり、便秘や下痢の原因にも。

睡眠不足はストレスホルモンのコルチゾールを増加させる

睡眠時間が短いと、夕方以降にストレスによって分泌されるホルモン「コルチゾール」の値が増加する。

コルチゾールが増加すると血糖値が上昇する。夜間はエネルギー消費が少ないため、血糖が脂肪に変化してしまう。

短時間睡眠は食欲に関係するホルモンの分泌を乱す

睡眠時間が短くなると、食欲を抑制するホルモン「レプチン」が低下し、食欲を増加させるホルモン「グレリン」が増加する。

このようにホルモンバランスが乱れると、必要以上に食欲が増加してしまい、食べ過ぎの原因に。

良質な睡眠を取るために大切な夜の習慣

一般の人の適切な睡眠時間は7〜8時間ほど。ただし、睡眠には時間だけでなく質のよい睡眠を取ることが非常に大切。

睡眠時間が長くても睡眠の質が悪く肥満度が増加してしまう可能性も。

まずは自分の睡眠の質を知るところから

時間だけで睡眠を取れていると考えずに、睡眠の質を高めていくことが重要。睡眠の状態を知るために下記の項目をチェックしてみよう。

寝起き起きてしばらく経ってから「満足感」があるかどうか
寝つき・ストレスなく寝つけるかどうか(かかる時間は関係ない)
・10分で眠れたとしても睡眠導入に課題があるのは良質な睡眠とはいえない
何度も目が覚めたりしていないか・途中で起きたとしてもすぐに眠れるのであればOK
・2回以上起きる・起きた後再度入眠に時間がかかるのはNG
午前中の眠気・お昼ごろの眠気は生理的なものなので問題ない
・午前中に眠くなる場合は前日の睡眠課題がある可能性が高い

ただし、主観評価(自分の間隔)と客観評価は必ずしもイコールではない。正確に調べるためにはちゃんと計測する必要があるので、あくまで参考程度に。

しっかりと湯船に浸かる

深部体温のコントロールがより良質な睡眠へのカギとなる。そのためにはお風呂の入り方が重要。

自動設定したお湯の温度は実際の温度と1~2度の差があることも。水温をしっかり計りたい人は水温計を使ってみて。

40度のお湯に15分浸かる【深部体温を上げる】

深部体温の下降スピードをあげると、良質な睡眠を得られることがわかっている。そのためには、お風呂に浸かり一時的に深部体温を上げよう。

40度のお湯に15分浸かることで、深部体温が約0.5度上昇する。

また、一度平熱に戻り、その後急激に深部体温が下がりはじめるタイミングで入眠することで、睡眠持続時間が長くなるという研究報告も。気温差や個人差はあるが、ポイントは、必ず寝る1時間前にお風呂からあがること。

日中の運動習慣がない人やデスクワークで身体を動かす機会がない人はできるだけ継続してほしいが、そうでない人は週に2回程度でも十分。

40度以下のお湯で全身浴をする【リラックス効果を高める】

リラックス効果を高める目的の場合、40度以下のたっぷりのお湯に浸かろう。

この入浴法では、深部体温を上げるのではなく、リラックスして副交感神経を優位にさせることが目的。ポイントは4つ。

  • 首の後ろに隙間を開けない。浴槽のコーナーの縁などを利用して頭をあずける
  • たっぷりのお湯で、肩まで湯船に浸かる
  • 精油が使われているバスミルク、バスオイルで嗅覚刺激を取り入れる
  • ゆっくり呼吸をする(「1呼吸を10秒で、呼吸に集中してリラックス」の見出しを参照)

こうすることで、呼吸をするたびに浮力と精油の香りを感じ、リラックス効果を最大限に引き上げられる。また、全身をお湯に浸かることで血流がよくなり、深部体温の低下を促進し、よく眠れる。身体全体に圧がかかり、むくみ防止効果も。

23:30までに眠りにつく

23時30分までには寝るのがおすすめ。夜中は生命維持に不可欠なホルモンをつくる臓器である、副腎が休む時間帯。

また、眠ってから30分ほどで最初のノンレム睡眠(深い眠り)が始まり、疲労回復やホルモンバランスを調整する成長ホルモンを分泌し出す。

副腎が休んでいる状態で成長ホルモンが分泌されることで、細胞の回復効果が高まるとされている。

お水を1杯飲む

寝る前に水分を取ると血流がよくなり身体の内側の熱(深部体温)が放熱される。

人間は深部体温が下がり、身体の末端が温かくなることでよく眠れるようになるため、寝る前の水分摂取によって睡眠の質の向上が見込める。

ストレッチやマッサージを取り入れる

ストレッチやマッサージを取り入れることで、睡眠の質が上がる。

深部体温を下げ、良質な睡眠を促す

ストレッチやマッサージには深部体温を下げる効果がある。

深部体温は日中に上昇し、夕方から下降するというリズムがあり、良質な睡眠のためには、深部体温を下げることが大切。

ストレッチやマッサージをすると、血流がよくなり、身体の内側の熱(深部体温)を放熱ししやすくなる。つまり、ストレッチやマッサージをすることで、深部体温が低下し、眠りを誘発してくれる効果が期待できる。

※深部体温:脳や内臓など身体の内部の温度

「気持ちよさ」がリラックスにつながるホルモンを分泌

「気持ちよさ」は、交感神経を抑制し、オキシトシンなどのホルモン分泌を促すため、リラックス効果や副交感神経を優位にする作用が期待できる。

ゆったりと呼吸を繰り返しながら、頭皮マッサージなどをおこなうのがおすすめ。

寝る前はスマホを触ったりゲームをしたりしない

睡眠を保持・安定させてくれるホルモン「メラトニン」は、光を浴びないことに加え、脳活動量を低下させることで分泌が増える。

寝る1時間前にはスマホ・テレビを見るのを止めて、15分前には電気を消して。1日の内で一番リラックスできる時間にしよう。

しっかりと寝る準備を整えてから眠りに就くことが大切。

何も考えない時間を作る

何も考えない時間をつくることで、脳を休めて睡眠の準備をしよう。

とはいえ、仕事や悩みごとで頭がいっぱいになっているときは、考えていることを否定せず、自身の呼吸やアロマなどの香りに意識を向けてみよう。

1呼吸を10秒ほどかけて、呼吸に集中してリラックス

吸って・吐くの1呼吸を10秒ほどかけておこなうことを基準として、吐く時間を長くすると、よりリラックス効果が高まることが研究でわかっている。

しかし、無理をして息苦しくなると、交感神経が高まるので逆効果になるという報告もある。

「4秒吸って・6秒吐く」、「3秒吸って・2秒息を止めて・5秒吐く」など、無理のない範囲で試してみよう。息を止めることで吐いた後に筋肉が脱力しやすくなる。寝る前やお風呂の中でおこなうのがおすすめ。

呼吸は10分ほど繰り返すことで心臓と呼吸の速さが共鳴して、心臓の鼓動が落ち着いてくるという研究報告もある。

リラックス効果のある香りを取り入れる

良質な睡眠に効果的な香りとして代表的なのはラベンダー。ラベンダーに含まれる「リナロール」という成分は、ストレス抑制効果があるという研究結果が出ている。

ラベンダーの香りが苦手な人は、オレンジ、バニラ、シダーウッドなど、ほかの香りとブレンドされているものがおすすめ。

また、グレープフルーツに含まれる「ヌートカトン」という成分にはダイエット効果があるが、交感神経を刺激するため眠りの質を低下させてしまう可能性が高い。グレープフルーツのアロマを取り入れるのは、夜ではなく朝にしよう。

ダイエット成功のために朝起きてからした方がいいこと

睡眠の質を高めるには夜の習慣だけでなく、朝の行動も非常に大切。朝から活発的に行動することが、夜に眠りやすい状態を作りやすくなる。

起きてすぐに光を浴びる

朝起きたら、すぐにカーテンを開けて、電気をつけよう。体内時計の司令塔である視交叉上核(しこうさじょうかく)は、目から光を感じることでリセットされる。

太陽の直視は避け、できれば1分ほどは光を浴び続けるようにしよう。

起きてから2時間以内に太陽をあびる

起きてから2時間以内に太陽の光をしっかりあびよう。脳がより強烈に朝を感じ、午前中からどんどん深部体温を上昇させてくれ、体温のメリハリが生まれる。

また、ストレスを軽減させるホルモン「セロトニン」を増やし、眠気を引き起こし、睡眠を保持・安定させてくれるホルモン「メラトニン」を減らすことができる。

通勤や通学がない人は、散歩やベランダでのスクワット、珈琲を買いに行くなど理由を作って外に出る習慣をつけよう。

お腹がすいた状態で起きるようにする

ダイエット効果を高めるためには、午前中の深部体温をしっかりと上げることが大切。

深部体温を上げることで、筋肉や脳の働きがよくなり、免疫力の向上、脂肪燃焼、成長ホルモンの分泌も助ける。そのためには、おなかがすいている状態で、しっかりとご飯を食べること。

朝の空腹状態を作るために、夜は寝る4時間前には食事を終える。または、量を少な目にして寝る3時間前には食べ終わるようにしよう。

ダイエットしている人が気になる睡眠に関するQ&A

仕事で寝るのが遅い人が良質な睡眠を取るには?

A:忙しいときこそしっかりとお風呂に浸かってから寝よう

時間がないときこそ、眠りの質にこだわることが、疲労回復や翌日のパフォーマンスアップには不可欠です。忙しいときこそ、お風呂に浸かることをおすすめしています。40度以下のお湯での全身浴とラベンダーの精油などを使った嗅覚刺激で、副交感神経を優位にすることで、睡眠の質を向上することができます。
また、悩みごとが頭から離れないとき、どうしても寝る直前まで仕事をしなくてはいけないときは、身体の力を抜き、意識的にゆっくり動いたりしゃべったりすることで、脳が休むモードに切り変わるのです。

就寝時間は固定したほうがいい?

A:基本的には毎日同じ時刻に寝て、起きるようにしよう

同じ時刻に寝ることによって、深部体温が上下する時間などの体内リズムが整い、良質な睡眠をとることができます。「今日は早く帰れたから、早く寝よう」など、仕事や予定によって寝る時間を変えると、疲労回復やホルモンバランスを調整する成長ホルモンの寝始め直後の分泌量が減少してしまうという研究報告もあります。

昼寝にはどのような効果がある?

A:昼寝は脳疲労を解消し、仕事のパフォーマンスレベルを上げる効果が期待できる

【昼寝は10分~15分程度がベスト】

ノンレム睡眠のステージ2を3分間出現させることで、「眠気の軽減」「仕事のパフォーマンスレベルの向上」が見込めることが研究でわかっています。
通常、ノンレム睡眠のステージ1が4~6分ほど出たあとステージ2に移ります。そのため、寝つくまでの時間を考慮すると、昼寝の時間は10~15分がベストです。

【昼寝は机でうつ伏せになって】

昼寝は机に突っ伏す(つっぷす)か、ソファで寝るなら身体の角度が30度以上になるように(エスカレーターの角度がだいたい30度)にするのがおすすめです。
それよりも身体の角度が低くなると、血圧が下がり、眠りが深くなってしまいます。日中に深い眠りが得られると短時間で昼寝を切り上げることが難しくなり、夜の眠りの質は格段に悪くなってしまい、認知症や生活習慣病のリスクが高くなることもわかっています。
自宅でベッドに横になれる環境だったとしても、昼寝の場合は避けるようにしましょう。

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