
ダイエット中でも、1日3食規則正しく栄養バランスのよい食事を摂ることが大切。とくに夜は食事からとったエネルギーを消費しにくいため、食事には十分に気を遣う必要がある。
本記事では、ダイエット中の夜ごはんの気をつけるポイントや取り入れたい食材、おすすめの低エネルギーメニューなどをご紹介。ダイエット中の夜ごはんに悩んだら、ぜひ参考にしてみよう。
この記事の監修者

坂本ひかるさん
管理栄養士
ダイエット中は夜ごはんを抜いてもいいの?
ダイエット中に夜ごはんを抜くと、一時的な体重減少は期待できるかもしれないが、長期的に見るとデメリットは大きい。疲れやだるさを感じるなど、不調やストレスにつながる可能性も。
また、食事からのエネルギーが不足すると筋肉を分解してエネルギーを作り出すため、筋肉量が低下して基礎代謝量が下がるといったデメリットも。さらに、空腹時間が長くなると、脳が飢餓状態だと錯覚して、エネルギーをため込みやすい身体になってしまう。
現代において、食事のエネルギー摂取比率は朝:昼:夜が「2:3:5」になっていることが多いが、夜は脂肪が蓄積しやすい時間帯。そのため、できるだけ「3:4:3」もしくは「3:3:4」といった偏りがないバランスを心がけたい。
夜ごはんを完全に抜くのではなく、今より量を控えめにしたり、低エネルギーの食品を選ぶようにしよう。

朝ごはん、昼ごはんはきちんと食べ、夜ごはんの量を控えめにすることはダイエットの観点からおすすめです。夜は活動量が少なくなるため、あまりエネルギーを必要としません。そのため、食べ過ぎた余分なエネルギーは中性脂肪として蓄積されてしまいます。
ダイエット中の夜ごはんで気をつけたいポイント
夜は1日の中でもエネルギーが消費されにくい時間帯。朝ごはん、昼ごはんに比べ、夜ごはんのメニューはとくに気を遣う必要がある。ダイエット中の夜ごはんは、以下の8つのポイントを意識してみよう。
- なるべく就寝の3時間前までに済ませる
- 味付けは薄味にする
- よく噛んで食べる
- 脂質の摂り過ぎに気をつける
- 炭水化物はほどほどにする
- エネルギーバランスを意識する
- 食べる順番を意識する
- 仕事で夜ごはんが遅くなるときは分食をする
なるべく就寝の3時間前までに済ませる
就寝の3時間前までに食事を済ませるのが理想とされている。
食べたものの消化吸収は約3~6時間かかるので、就寝直前に食べてしまうと、身体は休息よりも消化吸収を優先してしまい、睡眠の質が下がってしまう可能性がある。
また、夜は活動量が少ないため、摂取したエネルギーが脂肪として蓄積されやすくなる。

仕事で遅くなる等、夜遅くに食事を摂ることがやむを得ない場合は、食事を夕方と夜に分ける「分食」という方法もおすすめです。夕方にサンドイッチやおにぎりなどの軽食を食べておき、帰宅後にサラダやスープを食べるなど2回に分けることで、胃腸への負担も軽減できますし、活動量が多い時間帯に食べる方がエネルギー消費量も期待できます。
味付けは薄味にする
夜ごはんの味付けは薄味にするのがおすすめ。濃い味付けの料理は調味料が多く使われており、食塩の過剰摂取はむくみの原因になる。
さらに、味の濃いものは食欲を増進させる傾向があるため、食べ過ぎにつながる恐れも。

味の濃いものを食べ続けると食塩の過剰摂取となり、体内の浸透圧のバランスが崩れることでむくみの原因にもなります。
また、外食や中食等の味の濃いものは脂質も多い傾向にあり、翌朝の胃もたれ、だるさにつながります。そうなると朝食が食べられず、昼にドカ食い・・・と悪循環となり、ダイエットの妨げになる恐れがあります。
よく噛んで食べる
よく噛んで食べることで、満腹中枢が刺激されて食べる量を抑えられる。食事のペースも落ち着くため、食べ過ぎ防止につながる。また、噛むこと自体にもエネルギー消費の効果が期待できる。
痩せやすい身体を目指すのであれば、常に腹8分目を心がける習慣が大切。満腹を感じるまでにはある程度時間を要するため、早食いをすると満腹に気づきにくく、食べ過ぎてしまう原因に。

噛む回数が増えると消化液の分泌量も増え、消化がスムーズになるので、30分など時間を決めてゆっくり味わいながら食べてみましょう。
脂質の摂り過ぎに気をつける
夜は活動量が低下するため、食事からとったエネルギーが消費されにくく、余分なエネルギーが中性脂肪として蓄積されやすい。とくに1gあたりのエネルギー量が高い脂質の摂り過ぎには気をつける必要がある。
厚生労働省が行う国民健康・栄養調査においても、脂質の摂取量が多い傾向であるとわかっている。脂質の摂り過ぎは肥満を招き生活習慣病のリスクも高くなる。総エネルギーの20~30%を目安として、揚げ物や脂身の多い肉類を食べ過ぎないように心がけたい。
肉類を選ぶ際は、脂身の少ない鶏むね肉や、豚肉・牛肉のヒレ肉、もも肉などの赤身がおすすめ。豚バラ肉や牛サーロインなど脂身の多い部位はなるべく控えめにし、脂身の部分をカットしたり、茹でて脂身を落とすなどの工夫をするのもよい。

蒸す・茹でるといった調理方法は油を使用せず、肉の余分な脂をカットすることもできます。とくに豚バラ肉は低価で取り入れやすいですが、可食部100gあたり約366kcalと高エネルギーな食材です。選び方や調理法を工夫して、適度に脂質を摂りましょう。
炭水化物はほどほどにする
夜遅くに摂取した炭水化物はエネルギーとしてあまり使われず、中性脂肪として蓄積されやすいため、ごはんやパン、麺類など、炭水化物の量はほどほどにおさえよう。
ただし、炭水化物を極端に制限すると、栄養バランスが崩れたり、筋肉量が減少する恐れもあるので、まったく食べないのは逆効果。
ごはんであれば茶碗1杯、麺であれば1人前程度を目安にしよう。おにぎりとカップラーメンといった主食の重ね食べやごはんのおかわりはなるべく控えめに。
エネルギーバランスを意識する
ダイエット中は、1日の消費エネルギー量が摂取エネルギー量を上回るよう保つことが大切。理想的な朝昼夜の食事配分は「3:4:3」や「3:3:4」で、夜ごはんに偏らないように意識しよう。
体重の変動はエネルギーの収支バランスによるものであるが、食事からの摂取エネルギー量を抑えるだけでなく、身体を動かして消費エネルギー量を増やすことが理想的。食事量だけを減らすと、体脂肪だけでなく筋肉量が低下してしまうため、日常生活でもなるべく身体を動かすことを意識しよう。

忙しい毎日を送っていると朝・昼と食事をする時間が少なく、夜ごはんで1日分のエネルギーを摂っているケースも少なくありません。
しかし、1日の総エネルギー摂取量が同じでも夜ごはんの比重が大きいと脂肪が蓄積されやすく、血糖コントロールも不安定になることが明らかになっています。夜ごはんをたっぷり食べるのではなく、日中に十分なエネルギーや栄養素を補給するよう心がけましょう。
食べる順番を意識する
空腹時にいきなりごはんなどの主食をたくさん食べてしまうと、血糖値が上がりやすいため、ダイエット中は食べる順番も意識したい。
野菜から食べることで血糖値の上昇は緩やかになるが、食事の順番にこだわりすぎて食事自体を楽しめなくなるのは本末転倒。野菜をしっかり食べて、主食を食べ過ぎない、よく噛んで早食いをしないことが大切。
仕事で夜ごはんが遅くなる時は分食をする
どうしても帰りが遅くなる日は、夕方にごはんやサンドイッチなどの炭水化物を食べ、帰宅後に野菜や肉、魚などのおかずを食べるといった、「分食」という食べ方がおすすめ。
夕方に軽く食事を摂ることで、遅い時間帯の食事摂取量が減り、脂肪の蓄積を抑えることができる。
また、昼ごはんと夜ごはんの間隔が開きすぎると、夜ごはんでドカ食いしやすく、結果としてエネルギーの過剰摂取につながる。夜ごはんが遅くなりそうなときには「分食」を取り入れ、脂肪をため込みにくい食べ方を心がけよう。
ダイエット中に心強い!夜ごはんにおすすめの食材
ダイエット中は何を食べたらいいのかわからず、献立作りに悩んでしまうもの。ここでは、夜ごはんに取り入れたい、ダイエット効果が期待できるおすすめ食材をご紹介。
- 野菜
- 鶏むね肉
- 魚
- 豆腐、厚揚げなどの大豆製品
- きのこ類
- 卵
- 海藻類
野菜
ダイエット中の夜ごはんには、野菜を積極的に摂取しよう。野菜は食物繊維が豊富で低エネルギーながら、ビタミンやミネラルが豊富に含まれている。
また、最初に野菜を食べることで、糖質の吸収をゆるやかにできるほか、満腹感を得やすくなるためダイエットの心強い味方になる。
野菜にはビタミンやミネラルのほか、ポリフェノールやカロテノイドといった抗酸化作用のある機能性成分も含まれており、生活習慣病予防など健康維持や増進に役立つ働きをもつ。

手軽に購入できて調理しやすい冷凍野菜やカット野菜もおすすめです。冷凍野菜は野菜が足りないときのちょい足し食材としても便利で、トッピングや炒め物など幅広い料理で活用できます。必要な分だけ使えるので、1人暮らしの人でも取り入れやすいですね。
鶏むね肉
肉類の中でも、鶏むね肉は100gあたりタンパク質が約20gとれる食材。皮が多いと、その分エネルギー(脂質由来)が高くなってしまうため、ダイエット中であれば皮なしを選ぶとよい。また、蒸す・茹でるなどの調理法は油を使わないため、脂質が抑えられる。
魚
魚はタンパク質を多く含む食材で、夜ごはんのメインおかずとしてもおすすめ。体内で合成できない必須アミノ酸がバランスよく含まれており、良質なタンパク質源として優れた食材。また、魚に含まれるDHAやEPAなどの不飽和脂肪酸も体内で合成することのできない必須脂肪酸の1つで、健康の維持には欠かせない。
とくに青魚はDHAやEPAが多く含まれているので、さば・あじ・いわしなどを積極的に摂取しよう。お刺身にすれば加熱調理よりも油の酸化を防ぐこともできる。
白身魚は青魚と比べるとDHAやEPAの含有量が少ないものの、低脂質でエネルギーも少ないのでダイエット中にも最適。

魚の下処理が面倒であればさば缶やツナ缶がおすすめ。味付けの種類も豊富な缶詰を活用すれば、簡単に魚料理を楽しめます。
豆腐、厚揚げなどの大豆製品
タンパク質が豊富な食材として知られている豆類の中でも、厚揚げは、絹ごし豆腐や木綿豆腐よりもタンパク質が多い。
副菜としてだけでなく、主菜として炒め物などに取り入れるのもおすすめ。食べ応えもあるので、肉の代わりにしても満足感が得られやすい。
ただし、加工過程で揚げているため、絹や木綿に比べると脂質は高いので注意しよう。
きのこ類
きのこ類は、低エネルギーで、便秘予防に効果的な食物繊維が多く含まれている。腸管でのカルシウム吸収率を上げるビタミンDや、エネルギー代謝を助けるビタミンB群も豊富。
ビタミンやミネラルには一部水に溶け出す性質があるため、水に溶け出した栄養素も摂取できる汁物などがおすすめ。
卵
卵は1個あたり約6gのタンパク質が含まれており、手軽にタンパク質補給ができる便利な食材。タンパク質不足の食事のときに、意識的に卵をプラスしてみよう。
油で調理するとエネルギー量はその分高くなるが、調理法によって栄養価が変わることはない。ゆで卵ばかりではなく、好みの食べ方で取り入れよう。
ただし、卵には脂質も適度に含まれているので、摂り過ぎるとエネルギーが過剰になったり、悪玉コレステロールを上げる原因になる可能性も。1日に1~2個を目安にしてみて。
海藻類
わかめをはじめとする海藻類には、食物繊維が多く含まれており、排便をスムーズに促したりと整腸作用が期待できる。糖や脂質の吸収を抑えてくれる効果も。
低エネルギーだがかさもあるため、満腹感が得られやすいのもダイエット中には嬉しい。
サッと水で戻すだけで使える乾燥カットわかめを利用すれば、調理も簡単で時短になる。
【自炊する人向け】ダイエット夜ごはんメニュー3選
- 豆腐と鶏ひき肉のハンバーグ
- 鮭ときのこの豆乳クリーム煮
- ポトフ
豆腐と鶏ひき肉のハンバーグ

牛肉や豚肉のハンバーグはジューシーでおいしいですが、意外と高エネルギー。あっさりとした低脂質な鶏ひき肉に変え、豆腐でかさましすればボリュームたっぷりで満足感のあるおかずになります。大根おろしを添えれば、ビタミンや食物繊維も補えます。
鮭ときのこの豆乳クリーム煮

豆乳は牛乳と比較して、脂質や炭水化物、エネルギーが少ないことが特徴。きのこは食品の中でも食物繊維が多く、腸内環境を整える働きがあります。低エネルギーなためたっぷり食べてもエネルギーの摂りすぎになりにくく、ダイエットにおすすめの食材です。
ポトフ

ポトフは野菜とお肉を一緒に煮込むことから、栄養バランスも整いやすい料理です。野菜は加熱するとかさが減り、量も食べやすくなります。ウインナーで作るポトフも多いですが、鶏もも肉や豚もも肉など脂身の少ないお肉で作ればエネルギーも抑えられます。じっくりと煮るだけで食材本来のおいしさを味わえ、アレンジもしやすいのでおすすめです。
【夜遅い人向け】カロリーが低いヘルシーな夜ごはんメニュー4選
- 白身魚と野菜のレンチン蒸し
- 煮込みうどん
- トマトとベーコンのリゾット
- 鯖味噌煮缶のたまごとじ丼
白身魚と野菜のレンチン蒸し

カット野菜に魚をのせてお酒をふり、ラップをかけてレンチンするだけのスピードメニュー。蒸し料理は油を使わないので、エネルギーを抑えることができます。1皿で主菜、副菜が揃うので、ごはんと一緒に食べれば栄養素のバランスも整います。お好みのたれやソース、ポン酢、お好みの味付けでOK。
煮込みうどん

鍋に水とめんつゆ、うどん、お好みのトッピング(たまご、鶏肉、油揚げ、ネギ、きのこなど)を煮込めば、炭水化物に偏りがちなうどんの栄養価がアップします。夕食が遅い時間になっても、消化のよいうどんなら胃腸に負担がかかりにくく、翌朝の胃もたれも防げます。
トマトとベーコンのリゾット

冷凍ごはんとトマトジュース、冷凍枝豆、ベーコン、コンソメ、チーズ、バターを耐熱容器に入れてレンチンするだけでできる簡単リゾット。トマトジュースはトマトのうま味が凝縮されており、料理にも活用できます。不足しやすい野菜はトマトジュースやトマト缶で補うのもおすすめ。脂質割合が高く、ダイエットの敵だと思われがちなバターやチーズは最低限の量にしてコクをプラスします。
鯖味噌煮缶のたまごとじ丼

食べにくい魚も缶詰を活用すれば日常的に取り入れることができます。さばやたまごはタンパク質が多く、調理も比較的楽なのでダイエット中のごはんにもおすすめ。ごぼうやニラ、玉ねぎを一緒にとじたり、小ネギを散らせば野菜不足も解消できます。
スーパー・コンビニ惣菜のダイエット夜ごはんメニュー3選
- 焼き鳥
- 餃子
- お刺身
焼き鳥

肉類の中でも比較的低エネルギーな鶏肉はダイエットにもおすすめ。レバーや砂肝は脂質が少なく、もも肉よりもビタミン類も多い傾向にあり、タンパク質もしっかりと摂ることができます。そのまま食べてもおいしいですが、親子丼や炒め物などアレンジもしやすいです。
餃子

餃子は1つで主食、主菜、副菜がそろう万能なおかずのひとつ。1人前6~8個程度ですが、タンパク質や野菜がやや不足しやすいので豆腐や卵、野菜の入ったスープなどをプラスすると、よりバランスが整います。餃子を鍋や汁物に入れ、具材のひとつとするのもおすすめ。
お刺身

赤身のマグロや白身魚は低脂質でダイエットにも理想的。魚類に多く含まれるDHAやEPAは加熱するより、生で食べた方が調理による損失がないことから、効率よく栄養素を摂取できます。お刺身は器に盛るだけで豪華な1品にも。調理に手間がかかりやすい魚料理もお惣菜であれば簡単に取り入れることができます。
ダイエット中に注意したい夜ごはん
ダイエット中にできるだけ避けたい夜ごはんについて紹介。たまにご褒美として食べる分にはよいストレス解消にもなるが、頻度が多くならないよう注意しよう。
- 脂っこい食事
- 単品もの
- お菓子だけの食事
- お酒を一緒に摂る食事
- 脂質や糖質をカットしすぎた食事
脂っこい食事
夜は食事から摂ったエネルギーを消費しにくく、余分なエネルギーは脂肪として蓄積されやすい。油っぽい食事はなるべく控え、肉や魚はできるだけ脂身の少ない部位を選ぶようにしよう。
国民健康・栄養調査によると、1日に摂取している脂質量の約3割が肉類由来で、調理油よりも多いことがわかっている。そのため、脂身の多い部位ばかりにならないように、脂身の少ない赤身肉を選んだり、調理の際に脂身を取り除くなどの工夫を。たとえば牛肉ならカルビよりモモ肉、豚肉ならバラ肉よりヒレ肉やモモ肉を選ぶことで、脂質量を抑えることができる。

お肉も部位の選び方や調理法を工夫することで、脂質の量を調整することができます。上手に脂質を摂るために、お肉の種類によってどのくらい脂質が含まれているのかを把握しておくこともポイントです。
単品もの
カレーライスや丼物など、一品だけで完結するごはんは、野菜不足になりやすい傾向がある。また、脂質や炭水化物の過剰摂取につながる恐れがあるので、食べ方を工夫するなど注意が必要。
一品ものを食べる際は、野菜のトッピングをしたり、サラダなどの副菜を組み合わせることで栄養バランスが整いやすくなる。
更に野菜を炭水化物より先に食べれば、血糖値の上昇をゆるやかにする効果も期待できるので、一品ものだけにならないように心がけよう。
お菓子だけの食事
夜ごはんをお菓子だけで済ますのはダイエットの大敵となる。
一般的にクッキーやケーキ、スナック菓子は糖質や脂質が多く、高エネルギーのものばかり。ビタミンやミネラルなどの微量栄養素もさほど多くは含まれていないことが多いため、食事の代わりにするのはダイエットに限らずおすすめできない。また、空腹を満たせないため、食べ過ぎてしまう可能性が高い。
とくに夜遅い時間帯は脂肪をため込みやすいので、高エネルギーのお菓子をたくさん食べればその分太りやすくなる。
夜にお菓子が食べたい場合には、食事の代わりにするのではなく、食後のデザートとして食べるようにしよう。ただし、生クリームやバターがたっぷりと使われたケーキなどの洋菓子は消化に時間がかかり、睡眠の質を低下させてしまう可能性がある。
どうしても食べたい場合は、早い時間帯に少量で留めることがポイント。

お菓子だけで必要な栄養素はとれないため、夜に限らずお菓子を食事の代わりにするのはおすすめできません。もちろんダイエット中でもご褒美としてデザートを食べるのは問題ありませんが、栄養成分表示を確認して適量を心がけることが大切です。
お酒を一緒に摂る食事
アルコールは「1gあたり約7kcal」のエネルギーがあるが、身体にとって必要となる栄養素はほとんど含まれていない。さらにお酒にはアルコールだけでなく、甘味料が含まれているものもあるため、エネルギーだけでなく糖質も多くなりやすい。
お酒をたくさん飲むと、肝臓に負担がかかって代謝がうまくいかなくなったり、食生活が乱れやすくなることが懸念される。
また、アルコールは食事から摂った脂質の代謝を抑制し、肝臓での中性脂肪の合成を促すため、飲みすぎには気をつけよう。
脂質や糖質をカットしすぎた食事
脂質は細胞膜やホルモンの材料となるほか、脂溶性ビタミンの吸収率をあげる、体温を維持するといった役割があるため、健康を維持するために欠かせない栄養素。また、糖質は脳や身体を動かすための重要なエネルギー源となり、不足すると集中力の低下や疲労感につながる。
脂質・糖質は極端に制限するのではなく、摂りすぎないようにコントロールすることが大切。
日本人の食事摂取基準においても1日の総エネルギー摂取量のうち、脂質は20~30%、糖質は50~65%摂ることが目標とされている。
ダイエット中の夜ごはんに関するQ&A
食べ過ぎてしまった次の日は朝ごはんを抜いてもいい?
A:なるべく抜かずに昼ごはんや夜ごはんで調整を。朝ごはんを食べることで1日のリズムが整いやすくなる。

朝ごはんを食べることでエネルギー消費量が上がる、体内時計を整える、1日を活動的に過ごすための栄養補給の機会になる、排便のリズムも整うなど、メリットはたくさんあります。胃もたれなどで食欲がなければ、牛乳や豆乳などの飲み物でも大丈夫です。朝ごはんを食べることで脳や身体を起こし、1日を元気にスタートさせましょう。
前日食べ過ぎた分は、次の日の昼ごはんや夜ごはんの量を控えめにして調整するのがよいでしょう。
昼ごはんを食べなかった場合は夜ごはんを多めにしたほうがいい?
A:食事量を無理に増やさなくても大丈夫。

昼ごはんを食べられなかった場合、夜ごはんの量を無理に増やす必要はありません。
夜ごはんまでの間に間食ができるなら、そのタイミングでおにぎりやサンドイッチなどの軽食を食べることをおすすめします。夜の時間帯は脂肪をため込みやすいので、無理に量を増やすことで余分なエネルギーが脂肪に代わってしまいます。なるべく早い時間に食事を摂るように心がけましょう。
お腹がすいて夜眠れない場合は?
A:胃に負担が少なく消化のよいもの食べるように。

どうしてもお腹が空いて夜眠れない場合は、胃への負担が少なく消化のよいものを食べるのがいいと思います。野菜スープやおかゆ、茶碗蒸しなどがおすすめです。
寝る直前であれば、ホットミルクや豆乳など飲み物で空腹感を紛らわせるのも1つの方法です。
逆に、寝る直前に脂質が多い食事を摂ると、消化に時間がかかり、睡眠による休養感が低くなる可能性があるので注意しましょう。
ダイエット中の食事をより楽しくするための方法は?
A:食べ方や量さえ気をつければ何を食べてもOK。ダイエット=無理な食事制限ではない。

ダイエット中の食事=楽しめない、おいしくない、味気ないといったイメージがありますが、実際には選び方や食べ方次第で我慢せず減量をすることはできます。
まずは食事量を少なくするのではなく、間食やジュース、お酒などで余分なエネルギーを摂取していないかをチェックしてみましょう。
また、ダイエットだからといって毎日サラダチキンやキャベツ、ゆで卵、ブロッコリーなど同じ食べ物ばかり食べると栄養バランスが偏ってしまいます。特定の食品にダイエット効果を期待せず、適量の範囲内で様々な食品を摂るようにしましょう。
健保組合にて栄養相談や特定保健指導、企業の健康経営サポート事業に従事。セミナー講師や健康教育を行い、働く人の健康づくりを支援する。食を通して心も体も豊かに、笑顔を届けるお手伝いがしたいという想いからフードコーディネーターの道へ。
現在は株式会社 Smile meal で若年層や料理初心者でもチャレンジしたくなる簡単な料理の提案や、女性のダイエット、痩せの課題解決に向けても活動中。
【保有資格】
管理栄養士、フードコーディネーター、健康経営アドバイザー、東京糖尿病療養指導士