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「アップライトロウ」で肩幅を広く!三角筋に効かせるやり方やコツも紹介

「アップライトロウ」は肩周りを鍛えるトレーニングで、ダンベルやバーベル、ケーブルマシンなどを使ったさまざまなやり方がある。本記事では「アップライトロウ」で鍛えられる筋肉、それぞれのやり方と正しいフォーム、効果を高めるコツなどを詳しくご紹介。おすすめの重量や便利なトレーニングアイテムも紹介しているので、参考にしてみよう。

この記事の監修者

中野ジェームズ修一さん

フィジカルトレーナー

アメリカスポーツ医学会認定運動生理学士として、運動の大切さを広める活動を行っている。2014年からは青山学院大学駅伝部のトレーナーも務めており、東京神楽坂にある会員制パーソナルトレーニング施設「CLUB100」で一般の方やアスリートを指導。「科学的根拠に基づき、必ず結果を出す」が合い言葉で熱意のある指導を常に心がけている。

目次

「アップライトロウ」はどこに効く?鍛えられる2つの部位

「アップライトロウ」で鍛えられる筋肉は以下の2つ。

・逆三角形のフォルムをつくる「三角筋」
・冷え性・頭痛改善にもつながる「僧帽筋(そうぼうきん)」

どちらも首周りにある筋肉で、鍛えることで肩のラインを作ったり、肩こり防止など嬉しい効果がある。ここでは、この2つの筋肉について、効果も含めて詳しく解説。

逆三角形のフォルムをつくる「三角筋」

三角筋は肩を覆う大きな筋肉で、上半身の中でも大きな筋肉のひとつ。「前部」「中部」「後部」に分かれている。

「アップライトロウ」は、三角筋の「前部」と「中部」に対して、直接刺激を与えるため、美しい肩のラインを作ってくれる。肩幅が広がることで、相対的にウエストが細く見え、理想的な逆三角形の身体になることが期待できる。

また、肩周りの引き締め効果も期待でき、全体的にすっきりとした印象に。

冷え性・頭痛改善にもつながる「僧帽筋(そうぼうきん)」

僧帽筋は、首から肩(鎖骨や肩甲骨の内側)にかけて身体でもっとも面積が大きい筋肉のひとつ。「頭を支える」「肩を上げる」「肩を回す」動作に関与していて、主に首周り・肩甲骨の動きを支えている。

僧帽筋を鍛えることは、肩こりの予防や改善、姿勢の改善につながるほか、首や肩周りの血行を促進し、冷え性や頭痛の改善も期待できる。さらに、視覚的な効果としても、肩や背中の筋肉が発達することで後ろ姿が美しくなる。

「アップライトロウ」の種類と正しいやり方

「アップライトロウ」には様々な種類がある。ここでは、そんなアップライトロウのバリエーションを紹介。気になる人はトレーニングの参考にしてみよう。

・ケーブルアップライトロウ
・ダンベルアップライトロウ
・バーベルアップライトロウ

ケーブルアップライトロウ

<やり方>

  1. ケーブルマシンにストレートバーハンドルを設置する
  2. ハンドルは肩幅程度の幅で握り、足は腰幅程度に開いて立つ
  3. 肩や首への負荷を避けるため、肩甲骨を意識しながらハンドルを引き上げる
  4. 引き上げはひじが肩の高さをわずかに超えるまでとし、ひじが過度に高くならないよう注意する。その後、ゆっくりと初期の位置に戻す

ダンベルやバーベルを使用した「アップライトロウ」と比較すると、ケーブルマシンは動作中のバランスを取りやすいため、とくに初心者にとって安全かつ効果的な方法。また、ロープやバーなどハンドルの種類も豊富。負荷の調整もしやすく、それぞれのレベルに合わせたトレーニングの強度に変更できるのもポイント。

ひじを後ろに引いて上げるイメージで、ひじが肩よりも高い位置にくるまでハンドルを引き上げましょう。この際、ひじをしっかりと後方に引き上げることで、背中上部と肩の筋肉にしっかり刺激が加えられます。フォームを意識し、ゆっくりとコントロールしながら動作をおこなうことで、筋肉へ適度な負荷がかかり効果が高まります。

ダンベルアップライトロウ

<やり方>

  1. ダンベルを順手で握り、肩幅で足を開いて立つ
  2. 胸を少し張り、ダンベルを太もも前で保持する
  3. ひじを外に開きながら、ダンベルを上方向へスライドさせるように持ち上げる
  4. ダンベルが鎖骨の高さまで到達し、ひじが肩の高さに達したら、そこで2秒間停止する
  5. ひじを伸ばしつつダンベルをゆっくりと下げていく

ひじより手首が高くなることを避け、ひじを常にダンベルより上に保つことがポイントです。背中を丸めずに胸を張ることを意識するようにしてください。

バーベルアップライトロウ

<やり方>

  1. 足元に置かれたバーベルを両手で掴んで立つ
  2. 手の位置は、肩幅よりもやや狭めにし、身体の軸に力を集中させる
  3. お尻の筋肉を引き締めて、身体の揺れを最小限に抑える
  4. ひじを使ってバーベルを持ち上げ、ひじが肩の高さに達するまで上げ続ける
  5. この際、バーベルに身体が持っていかれないれないよう注意深くおこなう
  6. バーベルは前に振り出さず、身体に寄せた状態で上げる
  7. 最高点で一時停止し、三角筋に負荷がかかっていることを感じた後、ゆっくりとバーベルを下ろし、開始位置に戻す

バーベルはダンベルに比べ、重量が調整しやすい一方で、フォームの乱れや負担が大きくなってしまいがちです。初心者は重量よりも正しいフォームでできているかを意識しながらおこなうようにしましょう。

「アップライトロウ」で役立つ器具の使い方

ここでは、アップライトロウで使うトレーニング器具をご紹介。

動かし方などを画像と動画で解説するので、参考にしながら正しく使えるようにしよう。

「ケーブルマシン」の正しい使い方

「バーベル」の正しい使い方

「アップライトロウ」の効果を高める4つのコツ

ここでは、「アップライトロウ」を効果的におこなう4つのポイントを紹介。

・ひじを上げることを意識する
・反動を使わない
・首や肩をすくめず背筋を伸ばす
・動作のスピードにメリハリをつける

トレーニングをおこなう上で、正しいやり方と適切な負荷でおこなうことはとても大切。気になる人はチェックしてみて。

ひじを上げることを意識する

ダンベルを持ち上げる際に注意したいのが、腕の力で上げようとしてしまうこと。腕の力に頼らず、ひじで上げることを意識しておこなおう。

腕の力で上げてしまうと肩甲骨の動きが制限され、肩こりやケガのリスクを高めてしまう。正しいフォームを掴むまでは、鏡の前で練習して、ひじが腕よりも高くなるよう意識することや、軽い重量から始めるのがおすすめ。

反動を使わない

「アップライトロウ」を高重量でおこなう場合や疲労が溜まってくるとつい反動を使ってしまいがち。反動を使うと、肩がすくみ、身体の背部や腰部まで力が入り、腰への負担が増えてしまう。

ケガのリスクを避けるためにも、反動に頼らず、筋肉に意識を向ける。また、ピンポイントで三角筋と僧帽筋に負荷をかけるためには、身体の安定も重要なポイント。

首や肩をすくめず背筋を伸ばす

ダンベルを持つときは、肩幅よりやや狭い握りで、胸を張り、背筋を伸ばし、腹筋にも意識を向けよう。姿勢をキープしながら、ダンベルを胸の高さまで持ち上げ、下げるときはゆっくりと元の位置に戻す。

とくに、背筋が曲がってしまうと、腰への負担が増える。真っすぐ立っておこなうトレーニングであり、支えがないため、背筋をしっかりと伸ばし、体幹を安定させることが重要。

首や肩をすくめずにおこなうことで、肩周りの不要な緊張がほぐれ、効率よく鍛えることができる。持ち上げる動作と同時に「息を吐き」、下げるときに「息を吸う」、という呼吸をするのがおすすめ。

動作のスピードにメリハリをつける

ダンベルを上げ下げするスピードにはメリハリが重要。上げる際は「少しだけ速く」、下ろす際は「ゆっくりと」。時間の目安は、持ち上げるときは2秒、下ろすときは4秒程度に。

このリズムでおこなうことで、筋肉への刺激が増し、より効果的にトレーニングができる。

「アップライトロウ」の重量と回数の目安

無理をすると肩などを痛めるリスクがあるため、アップライトロウをする際は、目的(筋肥大・ダイエットなど)に併せて回数や重量を設定するのがポイント。以下にて、男性・女性別のおすすめ回数を紹介しているので参考にしてみて。

男性の場合

男性かつ筋肥大させたい場合、「8〜12回」が限界となる重量で設定しよう。ダイエットが目的の場合は、「15〜20回」が限界となる軽めの重量で設定。

「ダンベルを使ったアップライトロウ」の重量の目安は、初心者の場合で片手あたり「5kg〜12kg」、経験者の場合は「12kg以上」。

トレーニング頻度の目安は、初心者の場合で「2〜3セットを週1〜2回」、経験者の場合は「3〜4セットを週2〜3回」。重量を増やす際には、無理なく徐々に増やすよう注意しよう。

女性の場合

女性かつダイエットが目的の場合、「ダンベルを使ったアップライトロウ」の重量の目安は、初心者の場合で片手あたり「2kg〜5kg」、経験者の場合は「5kg以上」。1セットあたりの回数は15~20回が理想的。

トレーニング頻度は、初心者の場合で「3セットを週1〜2回」、経験者の場合は「3~4セットを週2~3回」がおすすめ。また、身体が反ると腰痛につながるため、体幹を意識してトレーニングしよう。

「アップライトロウ」と「サイドレイズ」の違いは?

扱える重量

どちらも三角筋を鍛えられるトレーニングだが、「サイドレイズ」はダンベルを両手に持ち、身体の横から持ち上げる動作で、主に三角筋の中央部を刺激する。

一方、「アップライトロウ」はバーベルなどを使用し、重量を身体の前で持ち上げる。三角筋のほか、僧帽筋上部も効果的に鍛えることができる。

三角筋の特定の部位に焦点を当てたい人には「サイドレイズ」がおすすめ。より広範囲の筋肉に負荷をかけたトレーニングをしたい人には、「アップライトロウ」がおすすめ。

使われる筋肉量

「サイドレイズ」は肩関節を中心としたフォームで、デリケートな肩の筋肉を細かく鍛え上げるのに適している。

一方、「アップライトロウ」では肩関節、肩甲骨、肘関節など、「サイドレイズ」に比べ、より多くの関節を動かし広範囲の筋肉を刺激できる。「アップライトロウ」は筋肉量の多いトレーニングを求める人や、全体的な肩の強化を目指す人に向いている。

下記の記事では、「サイドレイズ」の効果ややり方を詳しく紹介しているので、興味がある人はあわせて参考にしてみよう。

サイドレイズ(ラテラルレイズ)の正しいやり方は?効果を高めるコツや重量、回数を徹底解説

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「アップライトロウ」をおこなう際に便利なアイテム

パワーグリップ

トレーニングの回数やセット数を重ねると、三角筋や僧帽筋よりも前腕に疲労がたまり、しっかり握れなくなることもある。

その場合、「パワーグリップ」で握力をサポートすることで、安全にトレーニングができる。とくに、重量の高い重りを使うときや握力が足りないと感じる人におすすめ。

トレーニングベルト

「トレーニングベルト」を利用することで、腰を保護するだけでなく、腹圧が高まることで筋出力がアップする。

腰の負担からのケガを予防してくれるため、より重い重量に挑戦したい人におすすめ。しっかりと身体をサポートできる自分のウエストサイズに合ったものを選ぼう。

リストラップ

パワーリフティングやボディビルディングをはじめ、手首に負担がかかるトレーニングをおこなう人におすすめなのが「リストラップ」。

「アップライトロウ」で「リストラップ」はを使うケースは少ないが、手首をしっかりサポートし不安定さを抑え、過度な負荷から保護してくれる。

「アップライトロウ」に関するQ&A

「アップライトロウ」はケガをしやすい?

A:肩のインピンジメント(肩関節を動かす際に関節付近でほかの骨や筋肉との衝突が生じる)を起こしやすい動きになっている

肩の痛みやケガのリスクを下げるためにも、肩甲骨の動きを意識し、肩甲骨を上方回旋させながら腕を上げることがポイントです。とくに柔軟性が乏しい人は注意が必要で、無理な負荷を避けるためにも適切なフォームでおこなうようにしましょう。

肩が痛いと感じたときの対処法は?

A:まずは「フォームの見直し」「重量の見直し」が大切

とくに、バーベルを上げる際、手首がひじよりも下がりすぎていないか、背中が丸くなっていないかなどを確認しましょう。トレーニング中に肩に痛みを感じた場合は、無理をせずほかの種目で三角筋や僧帽筋を鍛えるようにしましょう。「サイドレイズ」や「フロントレイズ」などであれば、肩にかかる負担を軽減しつつ、同じ筋群を効果的に鍛えることができます。

もし、長期間にわたって肩の痛みが改善されない場合は、専門家に相談するようにしてください。

下記の記事で「サイドレイズ」「フロントレイズ」のやり方や効果について詳しく解説しているので、種目の変更を検討している人は参考にしてみて。

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