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筋トレの前後にストレッチは必要?その効果や正しい順番も紹介

筋トレの効果を高めたり、ケガを防いだりするためにも筋トレ時のストレッチはとても大切。

今回はYouTubeチャンネル『ストレッチ整体師とも先生』こと木下先生に「筋トレ前後でおこなうストレッチの目的」や「正しいストレッチのやり方」について話を伺った。

ストレッチ方法は「筋トレ前後で部位別に紹介」しているので、1部位につき20~30秒ほどを目安にチャレンジしてみて。

この記事の監修者・アドバイザー

木下 智博さん

柔道整復師・鍼灸師・あんまマッサージ指圧師

腰痛専門の整体師。滋賀県草津市「整体院 智-TOMO-」院長。サッカー選手や騎手など幅広く施術している。著書には「バナナ腰を治せば、体の不調は消える!」(小学館)がある。登録者数35万人超のYouTubeチャンネル『ストレッチ整体師とも先生』では、腰痛改善や健康寿命を伸ばすためのセルフケアを発信している。

書籍:https://honto.jp/netstore/pd-book_31959449.html

目次

筋トレをするならストレッチも必要?

筋トレをするなら、前後でストレッチを取り入れよう。ストレッチすることで、トレーニング中や後に体を痛めてしまうリスクを軽減できる。

腰やひざなどに痛みを抱えている場合も、ストレッチをすることで痛みを軽減できる。

筋トレの前には体をあたためる動的ストレッチ、筋トレの後には筋肉をのばす静的ストレッチが効果的。

筋トレ前は動的ストレッチ+準備運動で身体を温める

筋トレの前には身体を温めたり、可動域を広げるためのストレッチをするとよい。
ストレッチをすることで、ケガの予防や柔軟性・代謝の向上などの効果が期待できる。

軽く身体をほぐしたあとは、軽いウォーキングやメインでおこなう筋トレの50%ほどの負荷で身体を動かしていく。

ストレッチの目安としては1部位につき20~30秒ほど。トータルで10分ほどかけておこなうのが理想。

10分だと長いと感じる人は5分くらいからスタートしても大丈夫。大きな筋肉が多い股関節まわり、たとえばお尻、太ももの前、太ももの後ろなど、このあたりを優先的にストレッチしよう。

筋トレ後には静的ストレッチで筋肉をほぐす

静的ストレッチには筋肉を緩ませたり、伸ばしたりする効果がある。疲労回復や筋肉痛・むくみを抑える効果が期待できる。

またトレーニング後にストレッチをしてほぐさないと、筋肉が縮んで硬くなってしまう。せっかくトレーニングをしても硬くて質の悪い筋肉になってしまいやすい。

ほかにも、筋肉が硬い状態だと姿勢が崩れる原因となり、最悪の場合は痛みに発展してしまう恐れも…。

静的ストレッチも動的ストレッチと同じく、1部位につき20~30秒ほど。全体で5~10分ほどかけて全体をほぐしていこう。

筋トレ前の静的ストレッチはあまりおすすめしない

筋トレ前に静的ストレッチをすると、筋肉が緩んでしまい、筋トレのパフォーマンスを低下させてしまう原因となる。

筋トレは筋肉を縮める動きが基本。静的ストレッチは逆に、筋肉をのばす効果がある。静的ストレッチで筋肉をしっかりのばした後に筋トレをしても、筋肉がのびきっているため効果がでにくい。

また、のびきった筋肉を収縮させようするとうまく筋肉が働かず、肉離れを起こすリスクも高まる。

筋トレ前に静的ストレッチをおこなうと可動域を広げられるメリットはあるものの、トレーニングの効率を高めるという意味では、筋トレ前の静的ストレッチはおすすめできない。

筋トレ前におこなう動的ストレッチの方法

股関節のストレッチ

まずは股関節からほぐしていくのがおすすめ。股関節をのばすとその下の太腿やお尻ものばせるので、効率的に筋肉を温めることができる。

【HOW TO】

  1. 腰に手を当てて右足を浮かせる
  2. 股関節を内側・外側それぞれ3回ずつまわす
  3. 左足も同じようにまわす

外回しからストレッチをして、その次に内回しに入ろう。股関節は外側の方が可動域が大きいので、ストレッチ効果も高い。

うまくバランスがとれない場合は、壁に手をついても大丈夫です。転倒しないように気をつけましょう。

ふくらはぎのストレッチ

【HOW TO】

  1. 右足を前に出して、体重を乗せる
  2. 左足のかかとを小さく10〜20回バウンドさせる
  3. 次に左足を前に出して、体重を乗せる
  4. 右足のかかとを小さく10〜20回バウンドさせる

ふくらはぎは第2の心臓とも呼ばれる部位で、血流改善に重要な役目を担っている。股関節の次にストレッチをすると、血流の改善効率をアップできる。

ふくらはぎの硬さを感じる方は、足首も回しておくとふくらはぎの血流がさらにアップします。

首のストレッチ

首は身体の中でも繊細な部分。無理に力を入れないようにリラックスしながらおこなうのがポイント。

【HOW TO】

  1. 頭を前後、左右にゆっくり10回ずつ倒す
  2. 右回り、左回りに大きく5回ずつまわす

右、左と1回ずつ交互に回すよりも、5~10回ずつ同じ方向に回すようにしよう。交互に首を回すと、筋肉の収縮が入って首に負担がかかってしまう。

首には小さく細い筋肉が多いので、少し負担がかかっただけでも寝違えたときのような痛みが出やすくなってしまいます。上を向く動作は少し首に負担がかかりますので、上を向く際はある程度の範囲でOKです。

肩のストレッチ

【HOW TO】

  1. 指先を肩につけて、肘で円を描くように大きく回す
  2. 前回し、後ろ回しをそれぞれ10回程度おこなう

肩も首と同様、1回ずつ交互にやるのではなく、まず前からおこない、終わったら後ろ回しをおこなう方がリラックスしてできるのでおすすめ。

とくに重要なのは、前回しよりも後ろ回しの動きです。「巻き肩」といって前や内側に肩が丸まってしまっている人が多いので、そういった場合は前から後ろに肩を回していった方が効果は出やすいです。

お腹のストレッチ

【HOW TO】

  1. 両手を腰に当て、後ろを見るように上体だけひねる
  2. はじめは小さく、次第に大きく10回程度ひねる

お腹はできるだけ立った状態でストレッチをしよう。

座った状態だと股関節から上の部分しか動かせません。立った状態で全体的に股関節や骨盤を動かすことで、血流もよくなります。

背中のストレッチ

【HOW TO】

  1. 両手を高く上げる
  2. 肩甲骨を引き寄せるように両腕を下げる

背中は両手にタオルを使ってストレッチするのがおすすめ。

自分の力で筋肉を動かすよりも、タオルを使うと可動域が大きくなるため、効果はアップします。痛みがでないかどうか注意しながらおこないましょう。

腰のストレッチ

【HOW TO】

  1. 前屈・後屈を5セット繰り返す
  2. 腰に手を当てて右回り・左回りに回す

前屈と後屈はどちらから先でも大丈夫。自分のやりやすい方からスタートしよう。

ポイントとしては、少しだけつま先を外側に開くと骨盤周りの力が抜け、リラックスしながらストレッチできます。

手首・足首のストレッチ

手首が硬いと持ち上げる動作、足首が硬いとしゃがむ動作をするときに支障をきたす可能性があるので、しっかりとほぐしておこう。

【HOW TO】

  1. 手首・足首をブラブラさせたり、くるくる回したりして動かす

20~30秒(1set)を目安におこなう。

手首・足首を振るときは、そこまで力を入れる必要はありません。リラックスしながらやってみましょう。手首を振るときに肩に力が入ることがあるので、肩の力も抜けているかどうか確かめながらやってみてください。

筋トレ後におこなう静的ストレッチの方法

股関節のストレッチ

【HOW TO】

  1. あぐらをかいて座り、両足の裏を合わせる
  2. 上半身を少しずつ前に倒す

身体が硬い人はどうしてもつらい体勢になってしまうので、もし痛みを感じるなら、できる範囲で大丈夫。

クッションを使うのも1つの方法です。お尻と床の間にクッションをはさんで骨盤を支えれば、体を前に倒しやすくなります。とくに体が硬く、あぐらをかいたときに後ろに倒れてしまうような人におすすめです。

ふくらはぎのストレッチ

【HOW TO】

  1. 壁に両手をつき、右足を後ろに下げる
  2. ふくらはぎとアキレス腱を伸ばす
  3. 次に左足を後ろに下げて、ふくらはぎとアキレス腱を伸ばす

壁がなくてもうまくバランスをとれる人でも、できれば壁に手をついてストレッチしよう。壁に手をつくと、より重心が前にいくことでアキレス腱をしっかり伸ばせる。

手で支えていることで、体全体に余計な力が入らずリラックスしながらできるので、壁に手をつくことを習慣にすることをおすすめします。

首のストレッチ

【HOW TO】

  1. 手で軽く頭を押さえながら、頭を右にゆっくり倒す
  2. 左手で軽く頭を押さえながら、頭を左にゆっくり倒す

首は細い筋肉が多いので、運動後にも痛めないようしっかり休ませよう。

左右どちらからでも、好きな方から始めて大丈夫です。なるべく力を抜いてゆっくりと動かすのがポイントです。

肩のストレッチ

【HOW TO】

  1. 右腕を左側に伸ばし、左腕で身体に引き寄せる
  2. 左腕を右側に伸ばし、右腕で身体に引き寄せる

肩も左右どちらから始めてもOK。無理に力を入れずじっくりとほぐしていくのがポイント。

伸ばしている肩の角度を変えることで、筋肉の伸びる場所が変わるので、硬いと感じる角度でやるとより効果的です。

お腹のストレッチ

【HOW TO】

  1. うつ伏せに寝て、肘をつき上体を上げる
  2. 手のひらを床につき、さらに上体を伸ばしてキープする

腰や骨盤などに不調を抱えている人は無理のない範囲でストレッチすることが大切。

基本的に筋肉をほぐしたり、やわらかくしたりする目的なら20~30秒しっかりキープするのがおすすめです。しかし、お腹を反らせる動きは腰や骨盤などに負担をかけてしまうので、痛みが出るのが不安な人は、10秒×2~3セットと小分けにしてみてください。

背中のストレッチ

【HOW TO】

  1. 四つん這いの姿勢から手を前に伸ばし床につける
  2. お尻の高さは保ち、胸を床に近づけ背中を反らせる(20~30秒キープ)

長時間キープするのが難しいなら、短い時間から無理のない範囲で始めて、徐々に時間を伸ばしていこう。

手を前に伸ばして床に着く、バンザイの角度を変えることで伸びる筋肉の場所が変わるので、より硬く感じる角度でやってみるのがおすすめです。

腰のストレッチ

【HOW TO】

  1. 床に座り、右足を伸ばし左足をかける
  2. 左足側に身体をひねる
  3. 左足を伸ばし右足をかける
  4. 右足側に身体をひねる

腰をひねって止めた状態でじっくりとキープするのがポイント。

どの筋肉にも言えることですが、今伸ばしてる筋肉がどこなのかをイメージすることで、ストレッチの効果は高まります。

お尻のストレッチ

【HOW TO】

  1. 椅子に座り、右の足首を左の太ももにのせる
  2. 息を吐きながら体を前に倒してキープする
  3. 次に左の足首を右の太ももにのせ同様に前へ倒す

お尻の筋肉をストレッチするには、椅子に座るか仰向けに寝た姿勢で足首をもう片方の太ももにのせ、「4」の字のように組むのがおすすめ。

腰に負担をかけたくない方は、仰向けに寝ておこなうストレッチがいいです。

太もものストレッチ

【HOW TO】

1.正座をした状態から、右足を曲げて上体をゆっくり後ろに倒す

2.寝そべった状態でキープする

3.次に左足を曲げて上体をゆっくり後ろに倒す

4.寝そべった状態でキープする

もし完全に体を倒してキープするのが難しいなら、後ろに手や肘をついて支えてもよい。慣れてきたら少しずつ、全部倒せるようにしていこう。

両足同時におこなうより、片足ずつやる方がおすすめです。正座した状態で両足を曲げて後ろに倒すと、腰が反ってしまう。片足ずつやったほうが腰を反らしすぎて体を痛めるリスクが少なくなります。

筋トレ時のストレッチに関するQ&A

最後に筋トレ時にストレッチをするメリットや、ストレッチをする順番などを木下先生に伺った。

ケガの予防以外で筋トレ前後にストレッチをするメリットは?

A:筋肉痛やむくみ改善、反り腰の改善も期待できる

トレーニング後なら、筋肉痛やむくみを抑える効果も期待できます。また、反り腰の改善にも役立ちます。反り腰は文字通り腰が反ってしまう状態のことを指しますが、骨盤が歪み前に倒れても、後ろに倒れても反り腰になる可能性があるんです。
反り腰により腰は前にカーブが大きくなるので、バランスを取るために背中の骨は後ろにカーブが大きくなり背中は丸まります。それが猫背の原因です。
筋肉が硬いと骨盤が前に倒れたり後ろに倒れたりして反り腰になるので、硬くなった筋肉をストレッチすれば反り腰も改善できます。

ストレッチをする順番は決まっている?

A:大きい筋肉からほぐすと効率がいい

基本的には股関節や背中、お尻、太ももなど大きい筋肉からストレッチを始めることをおすすめします。
また、大きい筋肉からストレッチを始めることで効率よく血行をあげることができます。

ストレッチをしていて痛いと感じた場合は?

A:痛みを感じたら無理に続けない

ストレッチをしていて痛いと感じる場合は、その時点でストップしましょう。そのまま続けていると余計に悪化させてしまう原因になります。
筋肉を伸ばしていると伸ばしている痛み(伸張痛)はある程度感じこともありますが、痛気持ちいいと感じる以上の無理はしないようにしてください。
角度によって痛みが生じる場合は、別の角度に変えてみたり、角度を浅くしてみたりなどの工夫をしてみましょう。

静的ストレッチはお風呂後にしたほうがいい?

A:基本的には筋トレ後におこなうほうがいい

ストレッチだけで痩せるのは難しいですが、ストレッチで「基礎代謝を上げてダイエットの効率をアップする」土台作りの効果はあります。
たとえば、筋肉がやわらかい状態で歩いた方が、歩幅も広がるなど大きく体を使えるという意味で基礎代謝は高くなります。

お風呂上りは血流が良くなっていて筋肉も緩まりやすいので、日常的におこなうストレッチという意味ではおすすめです。

ただし、筋トレ後は身体が温まっている状態でストレッチをし、筋肉を硬くしないことが重要なので、トレーニングをしたあとはなるべく早くストレッチをしましょう。

筋トレとストレッチの違いは?

A:負荷をかけるかどうかがおもな違い

筋トレは筋肉に負荷をかけて筋肉を肥大化させるためのトレーニング。ストレッチは筋肉を緩ませたり、関節を柔らかくして身体をほぐすためにおこなうのが一般的です。
また、ストレッチは負荷をかけない状態でおこなうのが基本となります。もしストレッチで痛いと感じるなら、負荷をかけすぎていると考えましょう。

ストレッチで痩せる効果はある?

A:ダイエットの効率を上げるための土台は作れる

ストレッチだけで痩せるのは難しいですが、ストレッチで「基礎代謝を上げてダイエットの効率をアップする」土台作りの効果はあります。
たとえば、筋肉がやわらかい状態で歩いた方が、歩幅も広がるなど大きく体を使えるという意味で基礎代謝は高くなります。

A:姿勢がよくなると代謝が上がり、見た目もすっきり見える

筋肉が硬いことによって猫背になると代謝が悪くなりやすく、使える筋肉も少なくなりがちです。ストレッチによってよい姿勢に近づくと、より代謝が上がってきます。
また、猫背や反り腰の人がストレッチで姿勢を改善することで、ぽっこり出たお腹が引っ込み体重が変わらなくても痩せて見えるといった視覚的な効果が期待できます。

 

「ダイエット効果を高めるためのトレーニングメニュー」について、以下の記事で解説しているので、ダイエット目的でジムに通っている人はチェックしてみて。

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