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「一日一食ダイエット」は危険?正しいダイエットのやり方やNG行動も紹介

「一日一食ダイエット」とはその名の通り、一日の食事回数を一回のみにするダイエット法のこと。一日一食にすると、自然と摂取カロリーが少なくなって消費カロリーを下回ることから、体重減少効果が期待できるといわれている。本記事では、そんな「一日一食ダイエット」についてくわしく紹介。

この記事の監修者

古谷 彰子さん

博士(理学) 管理栄養士

博士(理学) 管理栄養士
愛国学園短期大学 家政科 准教授、早稲田大学 ナノライフ創新研究機構 招聘研究員、(株)アスリートフードマイスター 認定講師、発酵料理士協会特別講師としても勤務。
「時間」という観点から、医学・栄養学・調理学の領域にアプローチすることを専門とする。科学的根拠を基にしたライフスタイルへのアドバイス、実体験を基にした食育活動や講演活動、料理教室も開催している。『食べる時間を変えるだけ! 知って得する時間栄養学』(宝島社/2022)、『10時間空腹リセットダイエット』(主婦の友社/2023)、他多数の書籍を執筆。

【所属】
愛国学園短期大学 家政科 准教授
早稲田大学ナノ・ライフ創新研究機構 招聘研究員
あきはばら駅クリニック 非常勤管理栄養士
アスリートフードマイスター認定講師
発酵料理士協会特別講師

 

目次

一日一食ダイエットは危険って本当?専門家が警鐘をならす理由

一日一食の食事法は血糖値が急上昇しやすく、急な眠気臓器への負担糖尿病のリスクが高まるなどのリスクがある。女性だとホルモンバランスの乱れによる月経不順が起こることも。

また、一日一食にするとどうしても一日に必要とされる栄養素が不足しやすいことも気になる点。とくに、タンパク質の摂取量が減ると筋肉量が減るため、一時的に体重が減ったとしてもリバウンドしやすい身体になるといわれている。さらに、筋肉量が減ると代謝も低下し、痩せにくく太りやすい体質になってしまう可能性がある。

血糖値や筋肉量、腸内環境など、健康に生活するために必要な要素は体重だけでは判断できないことも多い。ダイエット中は体重の数値ばかりにこだわらず、心身が健康的な状態であることを心がけよう。どうしてもすぐ痩せなくてはならないとき以外は、「一日一食」など極端に食事量を変えるようなダイエットは避けるのが無難。

将来的に痩せやすい身体を作るためには、食事を極端に制限するよりも、持続可能なダイエットを目指すことが大切です。単なる数字の増減にこだわらず、体型や健康的な身体を維持することを心がけましょう。

また、食べても不必要な栄養を体外に排出できるように腸内環境を整えるなど、我慢して食事量を減らすよりも本質的にダイエットに役立つ食事法はたくさんあります。

以下では3食食べてOKなダイエット方法を紹介しているので、気になる人はチェックしてみよう。

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一日一食ダイエットは本当に痩せる?

本当にそのダイエット方法に効果があるのかは、ダイエットをしたい人なら誰もが気になるポイント。

ここでは、一日一食ダイエットで痩せることはできるのか、健康への影響はあるのかなどをご紹介。一日一食ダイエットに挑戦しようか迷っている人は、ぜひチェックしてみよう。

  • 一日一食で減量自体はできる
  • 一日二食のダイエットでも効果は出る
  • 一日三食の生活は食べ過ぎ?
  • 【実験データ】「夜だけ1食」と「1日3食」では3食の方が体重が減る

一日一食で減量自体はできる

一日に食事をする回数を減らすことで、自然と摂取できる食事の量が減る。摂取エネルギー量が少なくなることで体内に蓄積されている脂肪などをエネルギーに変換し、日々の消費エネルギーを補うため体重減少につながるというのが一日一食ダイエットで痩せる原理。

ただし、一日一食で体重が落ちる際には脂肪だけでなく筋肉量や骨量の減少も伴う可能性が。エネルギーの消費を食事で補えない状況では、多くのエネルギーを消費する筋肉が不要となって落ちやすくなる。さらに、不足するカルシウムなどのミネラルを補うために骨が分解されることも。

筋肉量が減ると体内で消費できるエネルギーが減る分、一日一食をやめて食事量を戻した時に、これまで食べてきた食事のエネルギーを消費しにくくなる。消費できないエネルギーは脂肪として蓄積されてしまうため、「リバウンド」という負のスパイラルに陥ってしまうことも。

食事回数が減って栄養が十分に摂取できなくなることで「体重」自体は落ちるが、身体に必要な筋肉や骨も分解される可能性があることは理解しておこう。

一日二食のダイエットでも同じような効果は出る

一日の食事を三食から二食にすると、摂取エネルギーが自然と少なくなり、結果としてダイエットにつながる。これは上記で紹介した一日一食で体重が減少するのと同じ原理。

ただし、一日一食だと一度の食事で必要な栄養素をすべて補うのは難しいが、二食であれば栄養バランスを維持しやすく、栄養不足やリバウンドのリスクを下げやすくなる。

さらに、一日二食の場合、一食あたりの満足感も得られやすく、無理なく続けやすいのも魅力的。多少の空腹感はあるものの、極端な空腹感に耐える必要がないため、安定したダイエット効果を得たい人にもおすすめ。ただし、朝食を抜く一日二食は体内時計の夜型化を引き起こしたり、夜間の高血糖を引き起こしたりする可能性がある。一日二食にする場合は朝と昼に食事を摂り、夜の食事を減らす方が身体に負担が少ないダイエットができる。

一日二食のダイエットをおこなうときは、タンパク質を意識して摂取しましょう。不足しがちな栄養素は食事のおにぎりやサラダなどを分食や補食で取り入れて補うのが理想です。また、朝食に食物繊維を取り入れると腸内環境が整いやすくなり、痩せやすい身体につながります。

ただし、いきなり食事量を減らすのはおすすめできません。一日の食事回数を減らすときは、夕食の炭水化物量を減らすなど継続できる方法で、なるべく身体への負担が少ない方法を選びましょう。

一日三食の生活は食べ過ぎ?

現代人の生活は運動不足であり、一日三食が「食べ過ぎ」だという意見もあるが、摂取エネルギーが必要以上に多くなっているわけではない。食べ過ぎは、胃腸や内臓に負担をかけ、肥満や高血糖、さらには老化を促進するリスクを高める。

一日一食ダイエットは、食べない時間を長く設けることで身体のリセットし、体内の不調をケアしやすくするといわれている。ただし、この方法がすべての人に効果的であるとは限らないため、個々の健康状態やライフスタイルに応じた適切な食事計画を考えることが大切。

一日一食の生活から急に一日三食に変えると、身体は一食分の量を記憶しているため胃が大きくなってしまっており、必要以上にたくさん食べてしまうことも。

一日の総カロリー摂取量は同じかそれ以上でも、朝昼にきちんと食事をとり、夕食を少し少なめにしたり、糖質を減らすことで、無理せずにダイエットできる。ダイエットのために一日一食にすることは本当に必要なのか、一度考えてみよう。

【実験データ】「夜だけ1食」と「1日3食」では3食の方が体重が減る

1日1食と1日3食では、食事時間による血糖値の影響が異なる。朝食にウェイトをおいた食事を摂るとインスリン分泌が良好で血糖値の急上昇が抑えられるが、夕食メインだとインスリン感受性が低下しやすい。1日1食の場合は、とくに夕食のみだと血糖値の変動が大きくなり脂肪蓄積が進みやすい。朝食の欠食や,夜食の摂取は,肥満になりやすいことが知られており,文部科学省でも規則正しく朝食・昼食・夕食を摂取するために,「早寝,早起き,朝ごはん」運動の取り組みがなされている。
参考:古 谷 彰 子,柴 田 重 信(2019)『時間栄養学と調理科学との融合』日本調理科学会誌 

私たちがおこなった実験では、夜にまとめて一日一食の食事を食べていた普通体型の人が、一日分の食事量を三分割にして食べるようにし、とくに朝食を多めにしたところ、10日間で体重が2㎏近く減っただけでなく、朝目覚ましがいらなくなった、スカートのボタンが緩くなった等の事例も。

夜は糖質の嗜好性が高まることも報告されているため、とくに過食しがちです。さらに、一食しか食べていない場合は胃の容量が大きくなっている場合があります。まずは適切な一食量を身体に覚えさせることから始めるのもよいのではないでしょうか。

絶食することにメリットってあるの?

最近ではファスティングや8時間ダイエットなど、「食べない」にフォーカスした健康法も見られる。ここではそんな「絶食」をすることによるメリットを紹介する。

  • オートファジーによる健康維持効果
  • 腸内環境の調整ができることも

オートファジーによる健康維持効果

食べる時間をきちんと決めたダイエットを続けるメリットとして、アンチエイジング効果がある。これはオートファジーという細胞の自己修復メカニズムが活性化されるため。オートファジーは、16時間以上の空腹状態があるとより効果的に機能し、細胞の古い部分を取り除き、新しく健康な細胞を生成する過程を促進する。

食べない時間、つまりは空腹時間をある程度設けることは、老化の遅延免疫力の向上病気予防など、健康維持になることも。ただし、食べていない時間が長い場合、血糖値の急激な上昇、急降下が起こり(血糖スパイク)臓器に損傷を与えてしまう可能性もある。

ある程度の絶食時間を設けてオートファジー効果を高めるためには、一日一食の食事よりも、食事をしない時間を規則正しく作れるかどうかが大切。毎日バラバラの時間に食事を摂ると効果が薄れてしまったり、体内時計の乱れにつながったりする危険性もある。

【オートファジーの研究情報】
一部の研究では、オートファジーの活性は午後〜夜間にかけて高まりやすいことがわかっている。これはBMAL1、CLOCK、PERなどの時計遺伝子とオートファジーの関連によるもの。つまり、夕方〜夜間の断食(早めの夕食・夕食抜き)や、夜間の適度な運動がオートファジーの活性を最大化してくれるので、朝に絶食するよりも夜の絶食の方が効果を発揮しやすいことがわかる。
参考:Matt Ulgherait,Adil M Midounほか(2021)『Circadian autophagy drives iTRF-mediated longevity』Nature(2021 10/29)

オートファジー効果を高めるには夕食を19時にとり、朝食を7時にとるような夜間10~12時間の絶食期間を設けるだけでOKです。朝お腹が空いて起床し、食べられる状態は「オートファジーの効果が出ている状態」ともいえます。

16時間以上など、極端に長く断食を続ける必要はありません。オートファジーは美容や健康によい影響を与える一方、食事の栄養バランスも重要です。身体は食べたものでできているので、食事時間を空けてオートファジー効果を高めても、美容や健康によい影響を与える栄養素がバランスよく体内に入っていなければ十分に効果を発揮することはできません。

腸内環境の調整ができることも

食事をとらず消化器官を休ませることで老廃物の排出を促し、血液の浄化腸内フローラの多様性を維持するのに役立つと言われることも。ただし、一日一食しか食べられないからといって一回の食事で大量に栄養を摂取してしまうと、かえって胃腸に負担をかけてしまう。

腸内環境の改善は「断食」でも見られる効果だが、断食では断食をおこなう前の準備食や、断食中の栄養補給、断食後の回復食など、胃腸に負担をかけない食事を徹底しておこなうのが一般的。

一日一食ダイエットのデメリット

一日一食ダイエットを実践する上では、上記で説明してきたように血糖値の急上昇や急降下などのリスクがある。ダイエットをおこなう際は、しっかりとデメリットも理解したうえで実践しよう。

  • 空腹が長くストレスが溜まりやすい
  • 筋力が低下しやすい
  • 便秘になりやすい
  • 血糖値スパイクが起こる
  • リバウンドの可能性が高い
  • 痩せにくく太りやすい身体になる
  • 食事が楽しくなくなる可能性がある
  • 栄養不足になる可能性も

空腹が長くストレスが溜まりやすい

一日一食ダイエットは食事回数を大幅に減らすため、とくに三食ご飯を食べる習慣のある人にとっては相当なストレスになる。空腹時間が格段に長くなることで、慣れるまでは飢餓感に耐えることが苦痛に感じることも。

一日一食ダイエットだけではなく、それまでの過食気味の食習慣を適切なものに変える初期段階では、ストレスの蓄積が反動となって暴食に走る可能性もあり、ダイエットの持続が困難になるケースが多い。

空腹時は、テレビを見たり寝転がっているとさらにお腹が空いてしまいがち。反対に、仕事で忙しいときや通勤中は、脳が別のことに集中しているため、お腹が空いていることに気づかないことも。

これは、運動しているときにグレリンという食欲を抑えるホルモンが分泌されることが関わっている可能性が高い。空腹を感じたら、ジョギングまでいかなくとも、お皿洗いや片づけなど、とにかく身体を動かすことで気を紛らわすのがおすすめ。

食欲増進作用があるホルモンを分泌させる要因の一つに寝不足があげられます。

一日一食ダイエットをおこなわなくても、十分な睡眠をとることや、小腹が空いたら運動や家事などで身体を動かして空腹を紛らわす意識を持つと、太りにくくなる習慣が身につきます。

筋力が低下しやすい

食事を一日一食にすることで、筋肉を維持するために必要なタンパク質が不足したり、脂肪だけでなく筋肉も分解されることも。

筋肉量が減ることで基礎代謝も下がり、消費できるカロリーが減ってしまう。ダイエットをおこなう際は、タンパク質をしっかりと摂る意識づけをおこなうとともに、こまめな運動を心がけるなど、筋肉を維持する工夫をしよう。

便秘になりやすい

一日一食ダイエットによって食事量が減ると、便の生成と排出に必要な水分や食物繊維も自然と少なくなるため、腸の動きが悪くなってしまうことも。

ダイエットによる便秘対策のためには、水溶性の食物繊維マグネシウムを積極的に摂取することが大切。食物繊維とマグネシウムを一緒に摂ると、大腸の善玉菌が増えて、腸内環境が整いやすくなる。栄養バランスを保つことが難しい一日一食ダイエットだからこそ、栄養素の組み合わせを意識しよう。

血糖値スパイクが起こる

一日一食ダイエットは食事の間隔が長くなるため、空腹時と食後の血糖値の差が大きくなりやすい。このような状態を「血糖値スパイク」と呼び、血管や臓器を傷つけ、生活習慣病のリスクを高める原因になることも。

とくに一日一食ダイエットでは、長時間の空腹のあとに一食で一日分の大量の食事を摂るため、血糖値の急激な上昇を招く危険性が高い。

食事を一日一食にすると、血糖値スパイクは避けては通れないリスクになってしまいます。

血糖値スパイクを抑えるためには、あまりにも長い時間、空腹を作り過ぎないことが大切です。また、長時間何も食べない時間が長くなりそうな場合は、分食をおこなうことがおすすめです。

食物繊維を多く含む食品や、ある程度糖質を含む食品を選び、血糖値の上昇をできるだけ緩やかにするよう意識しましょう。また、主食と主菜は時間をおいて分けて食べるなど、食べ方の工夫をすることもひとつの方法です。

リバウンドの可能性が高い

リバウンドが起こる原因は、身体の恒常性(ホメオスタシス)によるもの。

身体は一定の体重を維持しようとする性質があり、急激に体重が減少すると生命の危機だと認識してしまい、元の体重に戻ろうと脂肪を蓄えてしまう。そのため、リバウンドを防ぐためには、ゆっくりと体重を落としていくことが大切。

月に1~2kgのペースで減量するのが理想的であり、身体が減量に適応するには約6ヶ月かかるといわれている。一日一食で数日間頑張れても、我慢の限界などで二食以上の食事回数に戻してしまうと、摂取カロリーが急増し、体重が元に戻るかそれ以上に増加するリバウンドにつながりやすい。

リバウンドせずダイエットしたい場合は、バランスのよい食事と適度な運動を続けていくことが必要です。一日一食ダイエットをはじめよりも、まずは夜の主食を分食に変えるなどの小さなステップからスタートしていきましょう。

痩せにくく太りやすい身体になる

一日一食ダイエットは、長期的に見ると痩せにくく太りやすい体質になるリスクがある。

身体は、食事を制限することで飢餓状態になったと認識してしまうと、筋肉を分解してエネルギーにしようとする。さらに、エネルギーを消費してくれる筋肉の量が減ることで、基礎代謝が下がり、脂肪が燃焼しにくい体質になってしまう。

痩せやすい体質をつくるためには、筋肉の元になるタンパク質をしっかりと摂取する必要があり、タンパク質を合成するために必要なエネルギーとなる炭水化物もバランスよく摂るようにしよう。

一日一食をやめて通常の食事に戻すと、インスリンの感受性が変化し、血糖値が急上昇と急下降を繰り返すようになり、リバウンドのリスクも高まります。また、将来的に見て代謝が悪く、太りやすい身体になってしまう可能性もあります。

そのため、一日一食ダイエットは見た目の速効性に魅力を感じるものの、健康的な体重管理とは異なる結果になってしまうことも。こまめな運動で基礎代謝を上げ、栄養バランスの取れた食習慣を維持していくことを意識しましょう。

食事が楽しくなくなる可能性がある

一日一食ダイエットは、その名の通り一日一食しか食べられないため、逆に「今日は何を食べようか」という意識で一日中頭がいっぱいになってしまうことも。

また、家族や友人など、大切な人との団らんの時間を減らしたり、我慢することにつながる可能性がある。とくに、食事やおいしい食べ物が好きな人は「食事が1回しかできない」ということ自体が苦痛に感じる場合も。

人生百年時代といえど、健康に食べたいものを食べられる期間は半分程度。誰かと食べる食事や自分の好きな食べ物を食べる幸せな時間をつくるためにも、我慢のし過ぎは禁物。

誰かと一緒に食事を摂ることで、栄養素の吸収率が高まったという実験結果があるほど、人と楽しみながらご飯を食べることは心身にとってメリットが多いことです。

極端に糖質や食事量をカットしなくても、朝、昼のご飯をしっかり食べて夕飯の糖質を減らすだけでもダイエットはできます。ご飯を減らすよりも、「どうしたら楽しく食事ができるか」「長く健康的にご飯を楽しめるか」を意識してみるのもおすすめです。

栄養不足になる可能性も

一日一食のダイエットでは、タンパク質ミネラル食物繊維など、さまざまな栄養素が不足しがち。栄養不足の状態が続くと、筋肉量の減少基礎代謝の低下髪や爪がもろくなる肌のハリが失われるなどのトラブルが起こりやすくなる。

このように、一日一食のダイエットは短期的には体重が落ちやすいものの、長期的にみると栄養不足のリスクが高く、続けるのが難しい。ダイエットは長期的な目線で取り組み、栄養不足になるような極端な食事制限は避けるのがおすすめ。

一日一食の食事では栄養素が全体的に減りやすくなります。とくにタンパク質やビタミン、ミネラルの摂取量が不足しがちに。さらに、食物繊維は1日3回食事をしていても意識的に摂取しないと不足しやすい栄養素なので、日頃から積極的に摂りたいですね。

一日一食よりも効果的?正しいダイエットをおこなう6つのポイント

ここでは効果的なダイエットのやり方をご紹介。食事のタイミングや水分摂取、必要な場合の間食のとり方など、正しいやり方について理解してからダイエットに挑戦しよう。

  • 水分は水かお茶
  • 間食を上手に取り入れる
  • よく噛みゆっくり食べる
  • 就寝3時間前までに食事を終える
  • 食事の栄養バランスに気を配る
  • 日常的に運動をおこなう

水分は水かお茶

ダイエット時の水分補給は、無糖の水またはお茶がおすすめ。水やお茶は、食事制限中も摂取カロリーを気にすることなく水分摂取できるほか、空腹感を抑え、身体の代謝を支える効果もある。

つい口寂しくなって、ダイエットコーラなどを飲みたくなるかもしれない。ただし、ゼロカロリー飲料には人工甘味料が使われており、同量の砂糖の数百倍の甘さがあるからこそ、含まれている糖質量は少量でも甘いということを忘れずに。

エネルギーは取らなかったとしても甘いものを摂る習慣は抜けきることができないと、いつでも甘いものを食べたい気持ちが抑えられなくなってしまう。

しかも、人工甘味料に含まれる糖質量自体は少ないので血糖値が上がらず、満腹感が得にくいのも注意したいポイント。食べ過ぎの悪循環にならないよう、水分摂取の目安として「体重×50cc」の水やお茶を毎日摂ることを心がけよう。

普段ジュースなどの甘い高エネルギー飲料に慣れている人は、はじめは水やお茶の味に慣れず、物足りないと感じることも多いかもしれません。

そのような場合は、「1週間だけお水やお茶で我慢する」など目標を立ててみましょう。最初は苦痛に感じても、1週間続けるだけで自然と水やお茶の味に慣れていきます。

また、お茶は利尿作用が強いことも念頭にいれ、最終目標としてはできるだけお水を飲む習慣づけができるといいのかなと思います。

間食を上手に取り入れる

ダイエットを続ける際、過度の空腹感がストレスとなり、暴飲暴食に繋がることも。空腹感があまりに強いときには夕食までの間に適切な間食を取り入れよう。ただし、間食をすると歯止めが利かなくなることもあるので、量を決めてお皿に出してから食べるのもポイント。間食の目安としては、「150〜200kcal」程度におさめよう。

それでも空腹感がまだ解消されない場合は、りんごやおにぎりなどを食べることで、過剰なカロリー摂取を防ぎつつ、空腹によるストレスを軽減してダイエットの成功率を高められる。ただし、夕食後はデザートや間食を食べないことが大切。

間食は、なにもおやつだけではありません。夕食が遅くなってしまう場合には、おにぎり1個(約200kcal)を先に食べ、その2時間後にメインや副菜を食べるなど、主食を先に食べる「分食」をおこなうことで血糖値の急上昇を抑え、太りにくい食事ができます。

よく噛みゆっくり食べる

ダイエットの効果を高めるためには、三食よく噛んでゆっくり食べることが重要。

よく噛むことで、食べ物を細かくし消化酵素との接触面積が増えて消化が助けられるほか、満腹中枢が刺激されて過食を防ぐことにつながる。また、消化にかかる時間が長くなることで空腹感を感じにくくなるため、食事の間隔が長い一日一食ダイエットよりも有効。

なお、1回の食事に30分以上かけてゆっくり食べること自体は問題ないが、ダラダラと食べてしまうのは避けたいところ。

一食で一日に必要な栄養を摂るのは難しく、無理に摂ろうとすると食事の量が多くなりすぎる可能性があります。そうすると、かえって胃袋が大きくなってしまい、リバウンドの原因にもなりかねません。

食事を分食するなどの方が賢い食べ方になることもあります。

就寝3時間前までに食事を終える

食事は就寝の3時間前までに済ませるのがベスト。寝る時間は胃腸の吸収が高まる副交感神経が優位になる時間。そのため、身体は昼間以上に消化・吸収が進む。

また、寝る前に血糖値を上げることで睡眠の質が低下してしまうことも報告されていて、夜遅い食事は夜型を助長することも研究でわかってきている。

食べてから寝るまでに2~3時間以上の間隔を開けることで、良質な睡眠を促進するようにしよう。とくに夜に食事を摂る場合は、消化にかかる時間と睡眠の質を考慮して、夕食はできるだけ早い時間に済ませるように。

もし就寝までの時間が1時間しかない場合は、無理に食事をするよりも、そのまま寝てしまうのもひとつ。食事をすると身体が起きてしまいかえって眠れなくなることがあるほか、夜は糖質を欲する傾向があるので、過食や暴飲暴食になってしまう可能性もある。

どうしてもお腹が空いて寝つけないという場合は、寝る前の環境を整えることも大切です。雰囲気のよいレストランのような明るさの間接照明にする、リラックスする音楽を聞くなど、寝るための準備をしてみるのがおすすめです。

気づいたら朝になっていることもあり、空腹感と一緒にスッキリ目覚めれば、朝食からいい生活リズムをつくることができます。

食事の栄養バランスに気を配る

ダイエットでは、1日分の必要な栄養をしっかりと摂取できるバランスの取れた食事を毎食心がけることが大切。一汁一菜を基本とし、筋肉量を減らさないよう、とくに朝食ではタンパク質と糖質の組み合わせを意識して摂取するようにしよう。

ただし、一食で必要なタンパク質量やほかの栄養素を摂るのは実際には難しいところ。一日一食が難しければ、朝昼の二食に栄養素のバランスを重視して夜はかなり軽めにする方法でも減量効果が期待できる。また、夕方に運動をプラスすれば、さらに高い効果が得られる。

朝昼は仕事や学校、家事などで忙しく、ゆっくりと食事を楽しむ時間が確保しづらいので、その場合は一食量を考えた上であらかじめ食べるものを分けておくこともおすすめ。夜だけ食べること、朝昼に欠食した分をドカ食いしてしまうリスクも伴うので、注意が必要。

一日三食にすると食べすぎてしまうという人は、自分が食べている量を正確に可視化できていないことも。

たとえば、職場でいただいたお菓子をパクッと一口食べてしまった、口寂しいので飴やチョコを無意識に食べていた、子どもが残したご飯がもったいないので口に入れてしまったなど…一日に自分はどのくらい食べているのか、まずは「これを今から食べるぞ!」と意識して食べることも大切かもしれません。

また、栄養指導をしてきた人たちによくあるのが、大皿料理からよそって食べているケース。自分がどのくらい食べたのかを把握しづらくなるので、ダイエットのときこそ「食べる量」を盛りつけてから食べる習慣づけが必要ですね。

日常的に運動をおこなう

ダイエットでは、有酸素運動や筋トレの頻度よりも、日常生活の中に運動を取り入れることが大切。生活の中に、無理なく続けられる簡単な運動習慣を作ることが、長期的なダイエット成功の鍵になる。

たとえば、トイレに行ったらスクワットを5回する、信号待ちの時間にお腹に力を入れてへこませるドローインなどの運動を習慣にするなど。大切なのは、日常動作の中にトレーニングを組み込んでいくこと。「週に○回、○時間トレーニングする」と決めておこなうのが苦手な人は、自分なりのルールを決めて、習慣化していくのがおすすめ。

とくに食事制限によるダイエットは、筋肉量が減少しやすい。意識したタンパク質の摂取や、筋肉を合成するために必要な糖質の摂取に加えて、日常生活に紐づいた運動を継続しておこなうように。

適切な食事制限と運動を組み合わせることで、健康的で無理のないダイエットができます。ただし、激しい運動は夜遅すぎると体内時計を夜型にずらしてしまう危険性があります。夕方までには運動も終わらせてしまうことも大切です。

夜に運動をおこなうときはゆっくりとリラックスできるようなストレッチなどがよいでしょう。何事もバランスを大切にしながら、自分に合ったダイエット方法を見つけていきましょう。

 

一日一食ダイエットに関するQ&A

一日一食ダイエットを夕食のみでおこなうと糖尿病になりやすくなる?

A:リスクは高まる

血糖値の急上昇・急降下は糖尿病の原因であるインスリンの過剰摂取を引き起こしてしまう可能性があり、臓器に悪影響を引き起こします。生活習慣病のリスクが高まる可能性も。食事の時間がバラバラになることも生活習慣病のリスクを高めることがわかっています。

一日一食ダイエットとファスティング(断食)はどっちが効果的?

A:一日一食ダイエットとファスティング(断食)の効果を直接比較するのは難しい

ファスティングには、断食前の準備食と断食後の回復食があり、その過程を踏んではじめて生まれる効果があるように、どちらの方法でも急激な変化は身体に負担をかけることになります。

自分の生活習慣に合わせて、徐々に食事量を減らし、無理なく続けられる方法を考えていくようにしましょう。

一日一食ダイエットは摂食障害(拒食症・過食症)の原因になることはある?

A:リスクを高める可能性はある

一日一食にすることで、食べることが怖くなり、摂食障害のリスクが高まることがあります。短期間でのダイエットのために一日一食を気軽に始めた結果、長期間続けてしまい、病気のリスクが高くなったケースも。

無謀にダイエットを始めて、自分自身を苦しめるようでは意味がなくなってしまいます。ある日突然、摂食障害に陥る可能性もあります。一日一食ダイエットには、そうしたリスクがあることを理解しておくことも大切です。

一日一食ダイエットでのNG行動は?

A:ハイカロリーなものを過剰に食べる、便秘対策をしないなど

一日一食でも高カロリーな食事ばかり摂るとカロリーオーバーにつながります。チートデイを設けるのは問題ないが、頻度を守り、日常化しないように注意が必要です。

また、食事回数が減ることで食物繊維の摂取量が不足し、便秘になりやすくなります。水分補給や野菜・果物・全粒粉製品を意識的に摂取し、ストレッチや冷え対策をするのもよいでしょう。

低血糖状態で激しい運動をすると体調不良を引き起こす可能性があります。適度なウォーキングやストレッチなど、軽めの運動を取り入れて無理なく継続しましょう。

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