
体重が同じ人でも見た目の印象が異なるのは、体脂肪率が大きく関係している。女性の場合健康的な体脂肪率は20~25%と言われているが、「理想的な体型維持にはどのくらいの体脂肪率が必要?」「体脂肪率を減らすにはどうすればいい?」など、悩んでいる人も多いはず。
この記事では、体脂肪率別の見た目の特徴や年代別の平均値、理想の体型を目指すためのポイントを解説。健康的な生活習慣を通して体脂肪率を適正に保ちたい人は、ぜひ参考にしてみよう。
この記事の監修者

森 拓郎さん
ピラティス指導者・ボディワーカー
株式会社rinato / 合同会社フォレスト 代表取締役
そもそも体脂肪とは?まず知っておきたい基礎知識
体脂肪は身体に蓄えられた脂肪のことで、健康を維持するために欠かせないもの。
一方で、多すぎると肥満の原因になり、少なすぎると体調不良を引き起こすため、常に適正範囲内に保つことが大切。まずは、体脂肪の役割や種類を正しく理解しよう。
- 体脂肪は「皮下脂肪」と「内臓脂肪」にわかれる
- ライフステージによってつきやすい脂肪の種類は変わる
体脂肪は「皮下脂肪」と「内臓脂肪」にわかれる
体脂肪は大きくわけて、皮膚の直下にある皮下脂肪と、内臓の周りを囲む内臓脂肪の2種類がある。皮下脂肪は体型や見た目に直接影響を与える脂肪であり、寒さから身体を守るという役割も。
一方、内臓脂肪は腹部に溜まりやすく、女性は腹囲90cm以上(男性は85cm)で内臓脂肪の断面積が100㎠以上に相当するとされる。生活習慣病のリスクが高まる指標として、メタボ健診の診断基準で採用されているので、健康診断などを通して定期的に腹囲をチェックしよう。
ライフステージによってつきやすい脂肪の種類は変わる
身体につきやすい体脂肪の種類は年齢とともに変化する。女性は40代中盤あたりまで男性より皮下脂肪がつきやすく、とくにお腹や太もも、お尻周りが気になるという声も多い。
これは女性ホルモンの作用によるもので、妊娠や出産に備えるための自然な仕組み。更年期以降は女性ホルモンの分泌が減少して内臓脂肪が増えやすくなる。魅力的なボディラインを維持するためにも、運動や食生活の見直しをおこなうときは、ライフステージに合った対策を心がけよう。
体脂肪はどのように溜まっていく?
食事で摂取したエネルギーは、基礎代謝や活動によって消費される。使いきれなかった分の糖質は「グリコーゲン」として筋肉や肝臓に蓄えられるが、その量には限りがあり、蓄えきれなかった分は体脂肪として蓄積される。
また、エネルギーとして使えなかった脂質は直接体脂肪として蓄えられる。
脂肪細胞は際限なく増えるため、食べすぎや運動不足が続くと過剰に作り出され、肥満や生活習慣病につながることも。
体脂肪を減らすには、摂取するエネルギーよりも基礎代謝や活動量など、消費するエネルギーを多くすることが大切。消費エネルギーを増やすことで、溜まった脂肪をエネルギー源として使えるようになる。食事管理と運動を組み合わせて、効率よく脂肪を減らそう。
以下の記事ではダイエットや運動、食事制限に関して詳しく紹介しているので参考にしてみよう。
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体脂肪はどのように測る?
- 体脂肪率:計算方法
- BMI:計算方法
- 体脂肪率とBMIの違い
- 内臓脂肪は腹囲と肝機能の数値(ALT・AST)をチェック
体脂肪率:計算方法
体脂肪率とは、体重に占める脂肪の割合を占める指標。健康管理や体型維持の目安となる数値であり、下記の数式で求められる。
市販の体組成計は誤差が出ることもあるため、あくまで目安として活用しよう。体脂肪率を正確に測るには、INBODYなどジムや医療機関で使用される体組成計での測定が必要。

皮下脂肪の厚さを測定するキャリパー法も、手軽に体脂肪率を測る手段です。キャリパーは手頃な価格で手に入るのもメリットの1つです。また、地域の健康センターやスポーツ施設の中には、数百円程度でINBODYの測定ができるところもあるので、ぜひ探してみてください。
BMI:計算方法
BMI(体格指数)は、身長と体重から算出する肥満度の指標。BMIの求め方は以下の通り。
BMIの基準値は男女共通で22が適正とされており、25以上で肥満と判定される。体脂肪率よりも簡単に測定できる反面、筋肉質な人や高齢者などでは適切な指標になりにくいのが欠点。
体脂肪率とBMIの違い
体脂肪率は体重に占める脂肪の割合を示すもので、体脂肪の量を直接的に測定した数値。
一方、BMIは体脂肪の割合を示すわけでなく、あくまで肥満度や体格の目安として使われる。また、筋肉量や骨密度を考慮しないため、筋肉の多いアスリートでも「肥満」と判定される点には注意が必要。正確に体型を評価したい場合は、BMIだけでなく体脂肪率も合わせて確認しよう。
内臓脂肪は腹囲と肝機能の数値(ALT・AST)をチェック
内臓脂肪の量は、腹囲の測定と肝機能検査でチェック可能。女性の場合、腹囲が90cm以上ある場合は内臓脂肪が蓄積しているサイン。
また、肝機能を占めるALT・ASTの数値が基準値を超えている場合も、内臓脂肪が過剰に溜まっている可能性がある。ALT・ASTは「30IU/L以下」が正常の目安なので、血液検査の結果を意識して確認してみよう。
【年齢別】女性の平均体脂肪率はどれくらい?理想の値も
女性の体脂肪率を適切に管理するためには、年齢に応じた平均値と理想値を把握することが大切。
適切な体脂肪率の範囲は年齢によって変わるため、「自分の体脂肪率は平均的なのか」を知っておくと、日々の健康管理に役立つ。ここでは、オムロンによる体脂肪率判定表を引用して年齢別の平均体脂肪率と理想の数値を紹介。
- 18~39歳:20~27%
- 40~59歳:21~28%
- 60歳以上:23~29%
18~39歳:20~27%
20~30代は代謝が活発におこなわれるため、内臓脂肪は比較的溜まりにくい年代。平均体脂肪率は約24%で、20%前後が理想的。一方、30代以降はホルモンバランスの変化によって、心身に不調が出やすいタイミング。過度な減量は体調不良につながるため、無理なダイエットは避けたい。
40~59歳:21~28%
40~50代になると、筋肉量の現象とともに代謝は徐々に低下する。平均体脂肪率は30%前後、理想の数値も25%前後と、20~30代に比べて高くなる。
なお、40代以降は関節への負担も増えがち。過度な運動や極端な食事制限はリスクがあるため、体脂肪を落とすときは無理のない計画を立てることが大切。健康的な食事と運動を組み合わせて、長期的な体型管理を目指そう。

体力に余裕があったころに比べて、40代以降は頑張りすぎるとケガにつながる可能性があります。痩せづらくなる年齢でもあるため、食事や運動は内容の質を意識しておこなうことが大切ですよ。
60歳以上:23~29%
60歳を超えると加齢にともない筋肉量が減少し、エネルギーを消費しにくくなるほか内臓脂肪が増えやすくなる。60代以上の女性の場合、理想的な体脂肪の数値は23~29%が目安とされている。個人差はあるが、体脂肪率がこの範囲内に収まれば健康面でも問題ない。
【体脂肪率別】身体状態と見た目(体型)を比較
- 20%以下:アスリートのような絞った身体
- 21~24%:引き締まった身体
- 24~27%:標準的な身体
- 28~30%:少しぽっちゃり
- 30%以上:肥満体型

女性で18%より体脂肪率が低いと健康的にも問題が生じやすく、とくに女性は月経不順などのリスクがあります。体型を競うコンテストに出たいなど、体脂肪率を18%以下まで引き締めたい場合は専門家に相談しましょう。
20%以下:アスリートのような絞った身体
体脂肪率20%以下になると筋肉量が多い反面、脂肪が少ないため、腹筋や腕の筋肉が際立ち、全体的にスリムで引き締まった印象がある。マラソンや体操、フィギュアスケートなど持久力や筋力が必要なスポーツをしている人に多くみられる体型。
なお、極端に体脂肪を落としすぎると、ホルモンバランスや免疫機能に影響が出る可能性もあるため、体脂肪率が20%以下の場合は健康状態や体調管理により気を配る必要がある。
21~24%:引き締まった身体
体脂肪率21~24%は、適度に引き締まった身体つき。女性にとってはとくに魅力的な体型とされることが多く、華奢でモデルのような見た目になることも。
この範囲の体脂肪率を維持できている場合、エネルギー消費効率がよい状態を保てているサイン。見た目はもちろんのこと、代謝や体調面でもメリットを感じやすい。
24~27%:標準的な身体
体脂肪率24~27%は、適度な筋肉量を保っている標準的な体型。脂肪が少し柔らかく感じられ、丸みを帯びた印象を与えることが多い。
この体型は一般的に健康的で改善の必要はないが、引き締めを意識すればさらに魅力的な体型に近づける。現状の体型に不満がある場合は、健康的な生活を心がけつつ、食事や運動を見直してみよう。
28~30%:少しぽっちゃり
体脂肪率28~30%は、見た目的に少しぽっちゃりしていると感じられる。お腹や太ももの脂肪がやや目立ち、全体的に丸みを帯びた体型の人が多い。
なお、この数値は少しの運動や食事管理で体脂肪率を減らしやすい範囲でもある。長期的な健康のためにも、食生活の見直しや運動の習慣化を通して、健康的な減量を目指してみよう。
30%以上:肥満体型
体脂肪率が30%を超えると、見た目はいわゆる「肥満体型」に。個人差はあるが、脂肪が全身に均等につき、お腹周りや太もものぜい肉はかなり気になる場合が多い。
体脂肪率30%以上になると、健康面のリスクも気になる。糖尿病や高血圧、心臓病などの健康リスクを下げるためにも、なるべく早く対処しよう。
今日から改善!体脂肪率が高くなる生活習慣
体脂肪は普段の生活習慣によって、知らず知らずに増えてしまいがち。食事内容や運動不足、ストレスなど、体脂肪率が高まる原因はさまざま。
- 1日に何をどれくらい食べていいのか把握していない
- 間食・ジャンクフードがやめられない
- 夜遅い時間に食事する
- 運動量が少ない・ほとんど運動しない
- ストレスを発散できず溜め込んでいる
1日に何をどれくらい食べていいのか把握していない
栄養の知識がなく、何をどれくらい食べるのが健康的か、どういうものを食べると太りやすいのかを知らないと体脂肪が増える食生活になりがち。
適切な食事量を把握するには、主食・主菜のバランスを意識することが大切。主食の炭水化物は握り拳1つ分、主菜は手のひら1つ分を目安にし、油分の多い調理法は食べすぎないよう注意しよう。
また、汁物や副菜を取り入れるのも有効。ビタミンやミネラルもしっかり補給でき、健康はもちろん、美容にも嬉しい効果が期待できる。

野菜サラダはヘルシーな印象がありますが、ドレッシングやチーズ、ベーコンなどのトッピングがあるとカロリーが増えるため注意が必要です。また、加工品を購入するときはパッケージの栄養成分表示をよく確認し、脂質量を把握するクセをつけておくと、そのうち栄養成分表示を確認しなくてもある程度脂質の量を把握できるようになります。
間食・ジャンクフードがやめられない
おやつやジャンクフードには精製された糖質や脂質が多く含まれているため、食べすぎるとカロリーオーバーを起こしやすい。また、塩分の多い食品は水分バランスを崩し、むくみの原因になることも。
間食の頻度を減らしたり、ジャンクフードの回数を調整したりするだけでも、1日の摂取カロリーはコントロールしやすくなる。日ごろ間食やジャンクフードをよく食べる人は、食べる量や頻度を少しずつ減らすことから始めてみよう。
夜遅い時間に食事する
夜は代謝が低下し、消費するエネルギーも少なくなるため、1日の摂取エネルギーの比重が夜に傾くのは避けるように。
ただし、夕食を抜いたり糖質を極端に減らしたりすると、朝食までの間にエネルギー不足になってしまい、より代謝を下げてしまうことも。全く食べないのではなく、1日の食事量の比率を「3:4:3」程度の割合にするイメージで、夜に太りやすくなるような食事にならないように気をつけよう。
運動量が少ない・ほとんど運動しない
運動不足が続くと筋肉量が減少するのとともに、基礎代謝が下がり、消費できるエネルギー量が減少してしまう。その結果、同じ食事量でもエネルギーを消費できずに体脂肪が蓄積されやすくなる。
週2~3回の有酸素運動や筋トレを組み合わせると、効率よく消費できるエネルギーが増えたり、筋肉量を増やして代謝を上げられる。まずは意識して階段を使う、ながら運動をおこなうなど、無理のない範囲で運動量を増やす工夫をしてみよう。
ストレスを発散できず溜め込んでいる
強いストレスを感じるとストレスホルモンの「コルチゾール」の分泌が増え、脂肪が蓄積されやすい状態に。
ストレスを減らすには、十分な睡眠とリラックスする時間を確保することが大切。趣味や軽い運動を取り入れることで、ストレスを和らげ、健康的な身体作りにつながる。読書やヨガ、散歩、アロマ、ジョギングなどを通して、上手にストレスを発散しよう。
【運動編】健康的に体脂肪を減らす方法
体脂肪を効率よく減らすには、適切な運動が欠かせない。有酸素運動や筋トレなど、目的に合った運動を取り入れれば、健康的に体脂肪を落としやすくなる。
- 筋トレをして基礎代謝を上げる
- 有酸素運動をして脂肪を燃焼する

運動には大きくわけて「有酸素運動」と「筋力トレーニング」の2種類がありますが、とくに筋トレは時間的にも効率的にもすぐれており、基礎代謝アップに役立ちます。
ただ、リモートワークや車通勤などで活動量が不足しがちな方は、朝晩30分のウォーキングや自宅での踏み台昇降など、無理のない範囲で少しずつ活動量を増やしてみましょう。エスカレーターではなく階段を使う、一駅分歩くなど、日常的に動く時間を増やすことも効果的です。
筋トレをして基礎代謝を上げる
筋トレで筋肉量が増えることで安静時のエネルギーの消費量が増加し、体脂肪がつきにくい身体づくりができる。
とくに初心者向けなのは、自宅でできるスクワット、腹筋、腕立て伏せ。それぞれ10回3セット、週3回程度で続ければ、徐々に全身の筋力アップを実感できるはず。最初は無理のない範囲で取り組み、慣れてきたらセット数や負荷を上げて、筋肉をより効果的に刺激しよう。

スクワットに慣れてきたら片足スクワットやランジなど、片足に体重をかけておこなう下半身のトレーニングを取り入れてみましょう。上半身は腕立て伏せを筋力に合わせてひざつきでおこなったり、角度をつけたりして負荷を調整しましょう。
また、ジムであれば、チェストプレスマシンやラットプルを活用するのもよい方法です。下半身だけ、上半身だけでなく全身を鍛えると効率よく筋肉量を増やせます。
以下の記事ではスクワットや腹筋、腕立て伏せのやり方を詳しく紹介しているので、参考にしてみよう。
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有酸素運動をして脂肪を燃焼する
ウォーキングやジョギング、水泳などの全身運動をおこなうことで脂肪がエネルギーとして使われやすくなる。運動強度は軽く汗をかく程度に設定し、週3回程度のペースで続けるのが理想的。朝におこなうと代謝が活発になり、1日を通して脂肪燃焼効果を高めやすい。
ダイエットにおすすめの有酸素運動は以下で紹介しているので、気になる人はチェックしてみよう。
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【食事編】健康的に体脂肪を減らす方法
食事の内容を見直すのも、無理なく体脂肪を減らすために必要。バランスのよい食事や適切な栄養の摂取は、体脂肪率をコントロールするカギ。
- PFCバランスを意識してメニューを組む
- アルコールをなるべく控える
- 3食バランスよく食べて血糖値の急上昇を抑える
- 低GIの食事を意識して血糖値の急上昇を避ける
PFCバランスを意識してメニューを組む
PFCバランスとは、タンパク質、脂質、炭水化物の栄養素の比率で、理想的な割合はタンパク質20%、脂質25%、炭水化物55%が目安。
1食の目安として、主食は茶碗1杯、主菜は手のひらサイズの肉や魚、副菜は両手に乗るくらいの野菜を摂取しよう。このバランスを意識することで、必要な栄養素を過不足なく摂取できる。
なお、肉や魚は種類によって脂質の量が大きく異なるため、できるだけ脂身の多いものや皮を食べないようにして脂質の少ないものを選ぼう。ドレッシングや油もカロリー過多につながるので、使いすぎには注意して。

手のひらの大きさを主菜、こぶしの大きさを主食に見立てる「ハンドポーション法」で、ある程度の摂取量の目安は把握できます。ただし、脂質の量が見えにくいので注意しましょう。
両手に乗るくらいの野菜を摂る場合もドレッシングをたくさんかければ、その分脂質の過剰摂取につながりますし、手のひらサイズの肉魚類も脂質が多いのか、低いのかで分量をコントロールする必要があります。
ダイエット中の食事に関しては下記で詳しく紹介しているので、気になったら確認してみよう。
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アルコールをなるべく控える
アルコールを摂取すると肝臓でアルコールの分解が優先され、他の栄養素の代謝が後回しに。その結果、体脂肪が蓄積されやすくなり、肥満や生活習慣病につながる。
また、肝臓が分解のために働くことで、ビタミンやミネラルの消費量が増え、脂質を溜め込みやすくする作用もあるため、同時に高脂質なものを避けるようにするのもポイント。お酒を飲む前に、アルコールの代謝を円滑にするために、ミネラル・ビタミンを多めに補給しておくのも1つの手。
お酒の頻度は週2回程度、1回の飲酒量は日本酒1合程度に制限するのがおすすめ。休肝日を設けると肝臓に負担がかかりにくくなり、効率的に体脂肪の代謝がおこなわれる。

塩分や脂質の多いおつまみをついつい食べてしまうケースも多いので、飲み会では海鮮類や刺身など、ビタミンB群やマグネシウムが豊富で低カロリーな食材を選びましょう。自宅でお酒を飲むときも同様に、おつまみやおかずは海鮮を選ぶのがおすすめです。反対に、ナッツ類は脂質の量が多く、食べる量をコントロールしづらいので注意してください。
ダイエット中のお酒の飲み方や飲んでよいお酒については以下で詳しく紹介している。
ダイエット中でもOKの太りにくいお酒6選!飲み方のコツや太りやすいお酒も紹介
ダイエット中にお酒は飲んでいいの? 一般的に、ダイエット中はお酒を飲まない方がよいといわれている。ただ、仕事でどうしても飲む必要があったり、お酒が好きでよく飲ん.....
3食バランスよく食べて血糖値の急上昇を抑える
健康的に体脂肪を減らすには、1日3食の規則正しい食事が欠かせない。栄養バランスのよい食事を心がけて血糖値の上昇をゆるやかにすると、血糖値を下げて体脂肪の蓄積を促すインスリンの過剰分泌を抑えられる。
とくに食物繊維が豊富な野菜を先に食べると、糖質の吸収速度が緩やかになり血糖値の急上昇を防ぎやすくなる。筋肉量を維持し基礎代謝の低下を防ぐために、肉や魚などのタンパク質や野菜や海藻類に含まれる食物繊維やミネラルもしっかり摂取しよう。
体脂肪を管理するには1日の消費カロリーを把握し、それを超えないよう朝・昼・夜の食事量のバランスを考えることが大切。食事の記録アプリを活用すると、カロリー管理がしやすくなる。
食後の活動量が少ない夜にしっかりと食事をとるよりも、朝にしっかりと食事をして日中の活動で摂取したエネルギーを消費した方が脂肪は蓄積されにくい。朝食を食べる習慣がない人は、まずはスープや野菜ジュースなど食べられるものから始め、徐々にボリュームや栄養のバランスを整えることが大切。

外食でも栄養バランスに気をつかえばダイエット中に取り入れてもOKです。ただし、加工食品ではビタミンやミネラルの摂取が難しい傾向があるため、ダイエット中は意識して自炊したり、サプリメントで補うのがおすすめです。
とくに亜鉛は脂肪代謝を上げる必要があるダイエットには必須の栄養素ですが、普段の食事から目標の量を摂るのは難しいのでサプリを効果的に使ってみましょう。
低GIの食事を意識して血糖値の急上昇を避ける
精製されていない玄米や雑穀は、精製された白米に比べて血糖値が急上昇しにくく、ビタミンやミネラルも豊富。ダイエット中はとくに脂肪の代謝を促すビタミンやミネラルの多い玄米などを活用しながら、味噌汁を取り入れた和食中心のメニューを選ぶのがおすすめ。
「マゴハヤサシイ」食材も積極的に摂取して不足しがちな栄養素を補い、ダイエットを栄養の観点からもサポートしよう。
マ:まめ(豆類)
ゴ:ごま(ゴマやナッツ類)
ハ:はやし(野菜)
ヤ:やさい(野菜)
サ:さかな(魚類)
シ:しいたけ(キノコ)
イ:いも(イモ類)

ダイエットを成功させるにはカロリー収支の管理だけでなく、血糖値が上がりにくい食品選びが大切です。血糖値が急上昇しにくい低GI食品を摂ることでミネラルやビタミンも補いやすくなります。
女性の体脂肪率に関するQ&A
男性と女性で体脂肪率が違う理由は?
A:ホルモンの影響

男性は筋肉をつくる男性ホルモンの量が多いため、筋肉量と基礎代謝量が高く、体脂肪率が低くても健康を維持しやすい傾向があります。一方、女性は男性よりも筋肉をつくる男性ホルモンの分泌量が少なく、妊娠や出産に備えて、体脂肪を一定量溜め込む女性ホルモンの影響が強くなります。そのため、女性のほうが男性よりも体脂肪を落としにくく、体脂肪率も高くなります。
隠れ肥満はどうやってわかる?
A:BMIが標準でも体脂肪率が高く、筋肉量不足が目立つ場合は隠れ肥満の可能性あり。

隠れ肥満は体重やBMIが適正範囲内でも、体脂肪率が高くて筋肉量が不足している状態です。とくに朝食を食べない習慣があったり運動不足だったりすると代謝が上がらず、体脂肪を燃焼しにくくなります。
また、冷え性、便秘、むくみなどは筋肉量不足による代謝不良のサインであり、骨粗しょう症や不妊にもつながることもあります。健康的な身体を作るためにも、健康的な食事と適度な運動を心がけましょう。
体脂肪率を減らすためにはどれくらいの期間が必要?
A:食事と運動を組み合わせた場合は3ヵ月、食事のみの場合は半年から1年かかる。

食事と運動を組み合わせると、約3ヵ月で結果が見え始めることもあります。一方、食事だけで体脂肪を減らす場合、6ヵ月から1年ほどかかるのが一般的です。
なお、筋肉量を維持しながら脂肪を減らす場合、月に体重の3%程度を目安に減量するのが理想的です。急激な減量は筋肉量の減少を引き起こすリスクがあるため、無理なく進めることを心がけましょう。
体脂肪率が下がりすぎると生理に影響する?
A:体脂肪率が極端に低いと、生理が止まることがある。

体脂肪率が低すぎると女性ホルモンの分泌量が減り、基礎代謝が低下します。その結果、生理不順や無月経を引き起こす可能性が高まり、場合によっては生理が止まってしまうことがあります。
とくに、過度な食事制限でカロリー摂取量が1日1000kcal以下になると、現状の体重が何キロであっても生理に影響が出る可能性が高まります。早く体脂肪を減らそうと無理に食事を減らすのは避け、適切なカロリー摂取を守ってください。
女性が美しく見える体脂肪率は?
A:好みによるが、一般的に理想といわれるのは20~24%。

人それぞれ体型に対する好みは異なりますが、女性が美しく見える体脂肪率はだいたい20〜24%とされています。この範囲だと、適度に体脂肪が減りつつ、筋肉量も維持されるため、引き締まった体型が作りやすくなります。
BMI20体脂肪率20%を目安にすると、筋肉量が十分にあり、引き締まった体型を目指しやすくなります。
足元から顔までを美しくする「ボディワーカー」として、運動だけに囚われない、様々な角度からボディメイクを提案する運動指導者。2014年「運動指導者が断言!ダイエットは運動1割、食事9割」が15万部のベストセラーとなり、トレーニング至上主義であるフィットネス業界に一石を投じ、ダイエットは食事改善こそが最も重要であると主張している。美脚など女性のボディラインを重視した、理論的でキメ細かい指導に定評があり、モデルや女優など身体を資本とされる女性を中心にピラティス、整体、美容矯正など足先から顔までのボディメイクを指導している。2020年にスタートしたオンライントレーニングが国内最大級の会員数になり、現在も拡大中。著書累計は100万部以上。SNS総フォロワー27万人以上。