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「バックプレス」のやり方や効果は?危険といわれる理由についても紹介

肩と背中周りを鍛える「バックプレス」は、ダンベルやバーベル、ケーブルマシンなどを使用し、さまざまなやり方で取り組むことができるトレーニング。本記事では「バックプレス」で鍛えられる筋肉や効果、正しいやり方、効果を高めるコツなどを詳しく解説。重量の目安やうまくできない場合の対処法も紹介しているので、参考にしてみよう。

この記事の監修者

 

関根 綾さん

パーソナルジムDecision 代表トレーナー

年間約1000セッションを指導。経営者や芸能関係者の指導経験も多く、ダイエット・ボディメイク・健康維持など、さまざまな悩みに幅広く対応している。2021年より大原学園大宮校スポーツトレーナー科講師としても活動。
【保有資格/実績など】全米エクササイズ&フィットネス協会認定トレーナー(NESTAーPFT)/IMBF公認ファスティングカウンセラー
/関東オープンメンズフォジーク選手権入賞

目次

「バックプレス」はどこに効く?鍛えられる部位と効果

「バックプレス」をおこなうことで鍛えられる筋肉と、期待できる効果は以下の3つ。

・「三角筋」を鍛えてメロン肩&逆三角形に
・「僧帽筋(そうぼうきん)」を鍛えて厚みある背中に
・「上腕三頭筋」を鍛えて二の腕の引き締め

三角筋:メロン肩&逆三角形に

「バックプレス」は「三角筋」を中心に鍛えることができるトレーニング。「三角筋」は、前部・中部・後部に分かれていて、一番鍛えられるのは「前部」。三角筋の前部を鍛えることで、前や横から見たときの肩の丸みや立体感をつくり、メロン肩&逆三角形の美しいボディラインに導く。

女性の場合、筋肉を大きくするというよりは、肩周りを引き締める効果が期待できる。ただし、このトレーニングは負荷が高いため、女性にはあまりおすすめできない。おこなう場合は、ショルダープレス系の種目に慣れ、ある程度筋肉がついてきたら軽い重さからチャレンジしよう。

また、「バックプレス」と並行して、「リアレイズ」などの種目を取り入れるのがおすすめ。「リアレイズ」はダンベルを使用して前傾姿勢からひじを外に開く動作で、三角筋の後部をピンポイントに鍛えることができる。そのため、見た目としてもバランスのよい肩周りをつくることができる。

僧帽筋(そうぼうきん):厚みある背中に

「僧帽筋」は後頭部から肩甲骨に位置する筋肉でひし形をしている。上部・中部・下部で構成されていて、「バックプレス」では、とくに上部の「僧帽筋」を補助的に鍛えられる。

「僧帽筋」の上部を鍛えることで、背中に厚みをつけて、迫力ある肩周りをつくることができる。さらに「僧帽筋」を鍛えると肩こり改善の効果も期待できる。

上腕三頭筋:二の腕の引き締め

「上腕三頭筋」は、腕を伸ばしたときに腕の裏側に浮き出る筋肉。

「上腕三頭筋」は長頭、外側頭、内側頭の3つの部分で構成されていて、「バックプレス」はとくに長頭に効果的な刺激を与えられる。長頭は上腕三頭筋の中でも体積が大きく、しっかりと追い込むことで二の腕を太くすることや、引き締めることができる。

腕全体のバランスを整え、見た目の美しさと機能性の両方を向上できるのが特徴。

「バックプレス」「ショルダープレス」「フロントプレス」の違い

「バックプレス」は「ショルダープレス」の中の一つ。「ショルダープレス」には「フロントプレス」と「バックプレス」の2種類があり、それぞれ異なる部位に効かせることができる。

「フロントプレス」は身体の前面でバーベルを持ち上げることで、おもに肩の「前部」を鍛えるのに適している。一方、「バックプレス」は頭の後ろでバーベルを持ち上げることで、肩の「中部」にアプローチし、肩周りの筋肉のバランスを整えることができる。

「バックプレス」と「フロントプレス」を組み合わせることで、肩の筋肉を均等に発達させ、より引き締まった身体を目指せる。

「バックプレス」の種類と正しいやり方

ここでは「バックプレス」の正しいやり方を紹介。バーベルでおこなう基本の「バックプレス」に加え、「ダンベル」「スミスマシン」を使った3種類のやり方をみていこう。

・基本の「バーベルバックプレス」
・安全におこなえる「スミスマシンバックプレス」
・ダンベルを使った「バックプレス」

基本の「バーベル・バックプレス」

「バーベルバックプレス」では、ひじの角度が約90度になるまで力を抜かずにしっかりとバーベルを下ろすのがポイント。よくやりがちなミスとしては、動作を浅くしてしまうことが挙げられる。

また、このトレーニングは負荷が高いため、「ショルダープレス系の種目にある程度慣れている人」、「筋肉がついてきた人」が挑戦する種目と位置づけるのがよい。

まずは軽めに設定して正しいフォームを維持することが大切です。力が完全に抜けない位置までバーベルを下ろすことで、三角筋の中部に適切な負荷をかけることができます。

安全におこなえる「スミスマシン・バックプレス」

<やり方>

  1. ベンチの背もたれを直立させてから座る
  2. バーベルを持ち上げる前に、動きの軌道を確かめる
  3. その後、重りを装着する
  4. バーベルを前腕が地面に対して垂直になるよう耳の高さに持つ
  5. 息を吐き出しながらバーベルを上げ、腕が完全に伸びる直前で停止し、息を吸いながら耳の高さまで2~3秒かけて下ろす

スミスマシンを使った「バックプレス」は、筋トレ初心者やバーベルを使ったトレーニングに慣れていない人におすすめ。スミスマシンは動きの範囲が固定されているため、安定したフォームでトレーニングをおこなうことができる。

バーベルをしっかりと下ろしきることと、ひじの角度を90度に保つことがポイント。肩甲骨を過度に寄せてしまうと、負荷がかかるポイントがずれてしまう可能性があるため、背筋を伸ばして腹圧を意識しながら動作をおこなうようにしてください。

ダンベルを使った「バックプレス」

<やり方>

  1. ダンベルを頭の上で保持して構える
  2. ダンベルを首の高さまで下ろすが、このときにダンベルシャフトが耳よりもやや後ろになる軌道で下ろす
  3. ダンベルを元の位置まで押し上げる

ダンベルを使った「バックプレス」の利点は、ダンベルを顔の横に下ろせるところ。横から見たときに、両側の肩と腕が一直線になるため、肩関節にとって自然な軌道を保つことができる。

「バーベル・ショルダープレス」とは少し違う軌道で、安全性の面でもおすすめのトレーニングです。肩関節への負担を減らしつつ、効率的に筋肉を鍛えられるのが大きなメリット。

「バックプレス」は危険?4つの注意点

「バックプレス」が危険といわれる理由には、肩関節への負担やインナーマッスルへの大きな負荷がかかることにある。

ローテーターカフ(肩関節を色々な方向に動かすための筋肉)は、非常に細かい筋肉が複雑に重なり合い、骨の隙間を通ってつながっているため、間違ったやり方で「バックプレス」をおこなうと、筋肉や腱が骨に挟まって痛みを生じることがある。

・重量はひかえめに
・手幅は肩幅の1.5倍くらい
・ひじはバーベルの真下に
・バーベルを下げすぎない

重量は控えめにする

「バックプレス」をおこなう際には、肩関節への負荷を考慮して重量は控えめにすることが大切。限界ギリギリの重さに設定してしまうと、疲労が蓄積して荷重に耐えられなくなったときに、ケガをする可能性も。

筋トレ経験の浅い人は、「スミスマシン」を使用するのがおすすめ。スミスマシンで「バックプレス」をおこなえば、安定した軌道を保ちながら適度な重量を扱える。そのため、肩への負担を軽減しつつ安全にトレーニングができる。

手幅は肩幅の1.5倍くらい

バーベルを持つときの手幅は、肩幅の1.5倍程度を意識するといい。手幅が狭すぎるとひじでバーを動かすことになり、アプローチした筋肉と違う筋肉に負荷がかかる。一方、手幅が広すぎると肩甲骨を下げにくくなるため、ケガのリスクが増加する。

ひじを曲げて上腕が床と水平になった際に、前腕の角度が90度になっているのが理想的な状態。この角度を保つことで、「バックプレス」の効果を最大限に引き出すことができる。

ひじはバーベルの真下に

「バックプレス」における正しいフォームの一つとして、ひじの位置がバーベルの真下にくるのが理想。このポジションをとることで、安定したリフトが可能となり、ケガのリスクを最小限に抑えることができる。

ひじがバーベルより前や後ろにきてしまうと、不必要な力がかかりバランスを崩しやすくなる。とくに、ひじが前に出過ぎると、肩への負担が増大し、後ろに出過ぎると背中や腰に不要な負荷がかかる。

バーベルを下げすぎない

「バックプレス」をおこなう際、バーベルを下げすぎると肩関節が過度に開いてしまい、肩への負担が増加する。

このような状態では、肩を痛める原因となるため、バーベルは耳元くらいまでにとどめるのが望ましい。正しい感覚をつかむためにも、身体全体が映る鏡の前でおこなうのがおすすめ。

「バックプレス」の重量・回数の目安

「バックプレス」の重量・回数の目安を運動の目的や筋トレ経験レベル別に詳しく紹介。ここで紹介しているのは、あくまでも目安の数値となるので、この数値を参考に自分で調整をしながら、無理のない重量からスタートしよう。

バックプレス:平均重量・セット数(目安)

「バックプレス」の平均重量は、「男性は25kg」「女性は10kg」。身体への負担が大きいため、こちらを目安にスタートし、徐々に重量を増やしていくのがおすすめ。安全にトレーニングを進めることで、効果的に肩の筋肉を強化できる。

トレーニングの適切なセット数については、目的やトレーニングレベルに応じて異なる。

初心者の場合、「週1回・3セット」から始め、慣れてきたら「週2回」を目安に取り組もう。ただし、「週1~2回」ですべての種目をおこなうのは難しいため、自分の目的や鍛えたい部位に合わせてメニューを組むことが重要。

上級者の場合は、「週2回・6セット」が目安。過度な負担を避けるためにも各種目のバランスを考慮することが大切。

筋力アップや筋肥大が目的の場合は、高い負荷をかける必要がありますが、筋肉が回復するまでに時間がかかります。インターバルを長めに設定し、セット数を多めにおこなうのが効果的です。筋持久力をつけるなら、短いインターバルでおこなうことで持続力がつきます。

バックプレス」:重量・回数(目安)

「バックプレス」は目的に応じて適切な重量や回数が異なる。

筋力アップが目的の場合は「3~6回で限界を感じる重さ」、筋肥大の場合は、「6~12回で限界がくる重さ」、筋持久力の向上を目指す場合は、「15~20回」が目安となる。

トレーニングを継続していくことで、楽に感じられるようになったら、少しずつ重量を増やして負荷を上げていくのがポイント。

「バックプレス」が難しい場合の3つの対処法

「バックプレス」を始めたばかりの頃は、バーを頭の後ろに下ろす動作が難しく、可動域に制限を感じることがある。このような場合は、肩関節や肩甲骨周りの柔軟性と動きを改善するケアをおこなうのがおすすめ。

肩周りのストレッチや筋膜リリースを定期的におこなうことで、徐々に可動域を広げ、正しい状態をキープしやすくなる。

・肩関節の柔軟性を高める
・肩甲骨の稼働性を高める
・代用種目で肩を鍛える

肩関節の柔軟性を高める

「バックプレス」をおこなう際に肩甲骨の柔軟性が低いと、動作がしにくくなり、肩や背中に無理な力がかかってしまうことがある。とくに肩甲骨周りが硬い人は、動きが制限され、筋肉に負担がかかりやすい。日頃からストレッチをおこない肩関節の柔軟性を高めることも大切。

ストレッチポールやフォームローラーを利用する方法も効果的です。筋肉をしっかりほぐすことで、より柔軟性を高めることができます。

肩甲骨の稼働性を高める

「バックプレス」をおこなう際は、肩の動きだけでなく肩甲骨周りの動きも非常に重要となるため、肩甲骨の稼働性を高めることがパフォーマンスにも影響する。肩甲骨をスムーズに動かせるようにするためにも、肩に手を置き、そのまま肩をくるくると回し、肩関節を柔らかくするウォーミングアップを取り入れよう。

代用種目で肩を鍛える

無理に「バックプレス」を選ばなくても「三角筋」を鍛えられる種目はたくさんある。

「バックプレス」の代用種目として、肩を鍛えるなら「フロントプレス」や「ダンベルプレス」がおすすめ。「フロントプレス」は、肩だけでなく上半身の筋肉を幅広く鍛えることが可能。「ダンベルプレス」は関節にかかる負担が少なく、さまざまな角度から筋肉を刺激することができる。

それぞれのトレーニングを組み合わせることで、肩の筋肉を均等に鍛えることができます。正しいフォームを保ちながら、自分の体力や条件に合わせて適切な重量を選ぶことがポイント。いろいろなトレーニングをメニューに組み込むことで、モチベーションや、全体的な身体のバランスにもいい影響が期待できます。

下記の記事で「ダンベルプレス」のやり方や効果、鍛えられる部位について詳しく解説しているので、気になる人は参考にしてみて。

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