
体調改善やダイエットなど、さまざまな効果が期待できる「グルテンフリー」。グルテンはパンやパスタなどの小麦製品に限らず、醤油やドレッシングといった調味料などの意外な食材にも含まれているため、グルテンフリーをおこなう際は食材の知識、見極めのコツを知っておくことが必要。
この記事では、グルテンが含まれているNG食材や、グルテンフリーのおすすめ食材など、グルテンフリーを始めるに上で知っておきたい食材の知識をご紹介。グルテンフリー食材で作るメニュー例なども紹介するので、ぜひ参考にしてみよう。
この記事の監修者

高瀬 友理亜さん
栄養クリニック表参道院/宮古島本院 総院長
みぞぐちクリニック 勤務医

古谷 彰子さん
博士(理学) 管理栄養士
博士(理学) 管理栄養士
愛国学園短期大学 家政科 准教授、早稲田大学 ナノライフ創新研究機構 招聘研究員、(株)アスリートフードマイスター 認定講師、発酵料理士協会特別講師としても勤務。「時間」という観点から、医学・栄養学・調理学の領域にアプローチすることを専門とする。科学的根拠を基にしたライフスタイルへのアドバイス、実体験を基にした食育活動や講演活動、料理教室も開催している。『食べる時間を変えるだけ! 知って得する時間栄養学』(宝島社/2022)、『10時間空腹リセットダイエット』(主婦の友社/2023)、他多数の書籍を執筆。
【所属】
愛国学園短期大学 家政科 准教授
早稲田大学ナノ・ライフ創新研究機構 招聘研究員
あきはばら駅クリニック 非常勤管理栄養士
アスリートフードマイスター認定講師
発酵料理士協会特別講師
グルテンフリー食材の基本リスト
グルテンを含まない基本的な食材をご紹介。グルテンフリー食材はとても多いため、うまく組み合わせれば、従来の食生活とほぼ変わらない満足度で食事を楽しむことができる。
- 【米・米粉】主食におすすめ
- 【雑穀】栄養豊富で代替食材になる
- 【肉・魚・卵】タンパク質源としても重要
- 【野菜・果物】ビタミンとミネラルの摂取に
- 【大豆製品】活用しやすく代替商品にもなる
【米・米粉】主食におすすめ
日本人にとって、もっともなじみ深いお米はグルテンフリー食材の1つ。「白米」はもちろん、「玄米」や「雑穀米」など、さまざまな種類の米があり、食物繊維やビタミン、ミネラルなどの栄養素を豊富に含むのも魅力。
また、お米で作られた米粉は、小麦粉の代替品として料理に活用できる。パンやお菓子のほか、唐揚げの衣やソースのとろみづけにも使いやすい。米粉を使用することで、グルテンフリーでありながら、従来の小麦粉料理に近い食感を楽しむことができる。

お米の中でも、栄養素とグルテンフリーを考慮すると、とくにおすすめなのは「発芽玄米」「酵素玄米」です。もち麦ご飯にはグルテンと似たような成分が含まれるので注意が必要です。
【雑穀】栄養豊富で代替食材になる
雑穀は、グルテンフリーにおいて、栄養価の高い代替食材としておすすめ。「キノア」「アマランサス」「そば」「きび」「あわ」などの雑穀はグルテンを含んでおらず、栄養素が豊富に含まれている。
とくに、「キノア」は完全タンパク質を含む植物性食品として知られており、鉄分やマグネシウムも含まれている。サラダやご飯に混ぜて食べるのがおすすめ。
【肉・魚・卵】タンパク質源としても重要
肉、魚、卵は、グルテンフリーにおいて、重要なタンパク質源となる食材。これらの食品は本来グルテンを含まないため、安心して摂取することができる。
肉類は、良質なタンパク質だけでなく、「ビタミンB群」や「鉄分」などの重要な栄養素も含む。赤身肉、鶏肉、豚肉など、さまざまな種類の肉を取り入れることで、栄養バランスを整えることができる。
魚介類もタンパク質の優れた供給源。とくに青魚は「オメガ3脂肪酸」を豊富に含んでおり、抗炎症作用や心臓病予防効果が期待できる。また、「ヨウ素」や「セレン」などのミネラルも豊富に含まれている。
卵は完全タンパク質を含む食品として知られており、グルテンフリーを実践する上でとても便利な食材。「ビタミンA、D、E、B12」などのビタミン類や、「コリン」などの栄養素も豊富に含まれている。
ただし、加工された肉製品や魚製品(ハム、ソーセージ、魚肉ソーセージなど)には、グルテンが含まれている場合があるので注意が必要。調理する際も小麦粉を使用した衣やソースを避け、グルテンフリーの調味料を選ぼう。

ハンバーグはつなぎとして小麦粉が使用される場合が多いですが、少々崩れやすくなるものの、ひき肉だけでも十分に成形できます。自宅でのちょっとした工夫で、グルテンフリーを無理なく実践しましょう。
【野菜・果物】ビタミンとミネラルの摂取に
野菜と果物は、グルテンフリーにおいて欠かせない食材。「ビタミン」「ミネラル」「食物繊維」などの栄養素も豊富に含まれており、健康的な食生活には欠かせない。
野菜は生だけでなく、「煮る」「焼く」「蒸す」などさまざまな調理法で楽しめる。とくに、根菜類や葉物野菜は、グルテンフリーの主食の代替としても活用しやすい。
果物は、そのまま食べるだけでなく、スムージーやデザートの材料としても活用しよう。果物に含まれる自然の甘みは、グルテンフリーのスイーツ作りにも役立つ。
ただし、加工された野菜や果物製品(ドライフルーツなど)には、グルテンが含まれている場合があるので、購入時は原材料表示をよく確認しよう。また、缶詰や冷凍食品を選ぶ際も添加物や調味料に注意が必要。

【大豆製品】活用しやすく代替商品にもなる
豆腐、納豆、味噌、醤油(グルテンフリーのもの)など、大豆製品は、グルテンを含まないため安心して摂取できる。
大豆は良質なタンパク質源であり、とくに植物性タンパク質を摂取したい人にもおすすめ。また、「食物繊維」「ビタミンE」「カルシウム」「鉄分」なども豊富に含んでおり、栄養バランスの改善に役立つ。
豆腐は、さまざまな料理に活用できる万能食材で、「冷奴」や「湯豆腐」のような和食はもちろん、「グラタン」や「ムース」など洋風アレンジも。また、豆腐を使ったグルテンフリーの「パンケーキ」や「ケーキ」なども人気。
納豆は、発酵食品として腸内環境の改善に役立つほか、ビタミンK2や良質なタンパク質をが含まれている。ただし、一部の大豆製品には小麦由来の成分が含まれていることがあるので、購入時は必ず原材料表示を確認しよう。
グルテンを含むNG食材・含有量
パンやパスタなどの小麦製品は、グルテンを含む食材としてよく知られている。一方で、あまり知られていないが、意外にグルテンを含んでいる食材も身近に多い。グルテンフリーを始める際は、まずグルテンを含むおもな食材をおさえておこう。
- 小麦・大麦・ライ麦
- パン・パスタなどの小麦加工品
- 醤油・ドレッシングなどの調味料
- カレー・シチューのルウ
小麦・大麦・ライ麦
「小麦」「大麦」「ライ麦」は、グルテンを多く含む代表的な食材。
日常的に摂取する多くの食品の原料となっており、グルテンフリーを実践する上ではもっとも注意が必要な食材ともいえる。
「小麦」は、とくに多くの加工食品に使用されていて、パンやパスタはもちろん、菓子類、粉物料理、ソースやルウなど、さまざまな食品に含まれている。また「大麦」は、ビールや麦茶、穀物製品にも使用されている。「ライ麦」は、ドイツパンなどの特定のパン製品に使用されることが多い。
グルテン含有量は小麦が最も多く、「100gあたり約80%のタンパク質がグルテン」となっている。大麦とライ麦のグルテン含有量は、小麦よりも少ないが、それでもグルテンを豊富に含んでいる。
小麦製品を「米」「雑穀」「そば」などの穀物に置き換えることで、栄養バランスを保ちながらグルテンを避けることができる。
パン・パスタなどの小麦加工品
パン・パスタなどの小麦加工品は、日常的に摂取する機会が多く、グルテンフリーを実践するうえで注意が必要な食品の1つ。おもに小麦粉を原料としているため、高濃度のグルテンを含んでいる。
- 一般的な食パン:100gあたり約8〜10g
- パスタ(乾燥状態):100gあたり約13g
- パスタ(茹でた後の状態):100gあたり約5g
グルテンフリーをおこなう際は、米粉や大豆粉などを使用した代替品を選ぶのがおすすめ。
醤油・ドレッシングなどの調味料
醤油やドレッシングなどの調味料には、小麦由来の成分が使用されているケースが多く、意外にもグルテンが含まれている。
- 一般的な醤油:100mlあたり約1.6g
また、「ウスターソース」や「テリヤキソース」など、とろみのあるものは小麦由来の成分を含んでいることが多い。ほか、市販のドレッシングやマヨネーズには、「増粘剤」や「安定剤」として小麦由来の成分が使用されていることがある。
グルテンフリーの調味料を選ぶ際は、原材料表示をよく確認することが大切。近年では、グルテンフリー表示のある調味料も増えているほか、自家製のドレッシングやソースを作ることもおすすめ。

醤油や味噌、ソースのグルテンまで、細かくカットする必要があるかは個人差がありますが、グルテンフリーの醤油なども販売されています。小麦が入っていない味噌は、玄米味噌などがおいしくておすすめです。
カレー・シチューのルウ
カレー・シチューのルウは、小麦粉を使用して作られているため、グルテンを含む食品。グルテンがとろみをつけるだけでなく、味や香りを整える役割も果たしている。
小麦粉の代替品として、「米粉」「片栗粉」「コーンスターチ」などを使用してルウを作れば、グルテンフリーでありながら、とろみのあるカレーやシチューを楽しむことができる。
また、「ココナッツミルク」や「豆乳」を使用してクリーミーさを出したり、すりおろした野菜でとろみをつけたりする方法もある。
グルテンフリー食材の選び方・見分け方
近年では、グルテンフリー認証マークが付いている商品も増えている。一方で、認証マークが付いていないものもあるため、スーパーなどでグルテンフリー食材を選ぶ際には、食品表示を確認することが大切。
- 食品表示を確認
- グルテンフリー認証マークを確認
- オーガニック・無添加か否かを確認
食品表示を確認
グルテンフリー食材を選ぶ際、もっとも重要なのは「原材料表示」をしっかりと確認すること。
グルテンを含む代表的な原材料には、「小麦」「大麦」「ライ麦」があると前述したが、これらの穀物名が直接表記されていなくても、「麦芽」「デンプン」「モルト」などの表記があればグルテンを含んでいる。
また、「食品添加物」の欄も要チェック。グルテンを含む添加物が使用されていることもあるため、とくに「増粘剤」や「安定剤」として使用される小麦由来の成分には注意が必要。
ただし、原材料名に「でん粉」とだけ記載されている場合は、必ずしも小麦由来とは限らない。「コーンスターチ」や「馬鈴薯でん粉」など、グルテンフリーのでん粉も存在するため、詳細が不明な場合は製造元に問い合わせよう。
日本の食品表示法では、小麦を特定原材料として必ず表示されることになっている。そのため、アレルギー表示欄を確認することでグルテンの有無を判断しやすくなる。
グルテンフリー認証マークを確認
グルテンフリー食材を選ぶ際、認証マークを確認するのもおすすめ。日本では、NPO法人「日本グルテンフリー認証機構」が認証をおこなっており、このマークが付いた商品はグルテンフリーとして安心して選べる。
認証マークには、「GF」というロゴと「GLUTEN FREE」という文字が記載されている。このマークが付いた商品は、厳格な基準(1ppm未満のグルテン含有量)をクリアしており、グルテン過敏症の人でも安心して摂取できる。
また、海外の商品を選ぶ際は、各国の認証マークにも注意しよう。
アメリカでは「Certified Gluten-Free」マーク、ヨーロッパでは「Crossed Grain Symbol」マークなどが代表的。これらの国際的な認証マークも、信頼性の高い指標となる。
ただし、認証マークがない商品でもグルテンフリーであることも。原材料表示とあわせて確認するようにしよう。認証には費用がかかるため、小規模生産者の商品には付いていないこともある。
オーガニック・無添加か否かを確認
オーガニックや無添加の商品は、一般的に添加物や加工度が低く原材料が明確であることが多いため、グルテンの混入リスクが比較的低い。
オーガニック食品を選ぶ際は、認証マークを確認しよう。日本では「有機JASマーク」が代表的で、海外の商品では、「USDA Organic」(アメリカ)や「EU Organic」(ヨーロッパ)などのマークが信頼の基準となる。
無添加商品を選ぶ際は、原材料表示もよく確認すること。「無添加」という表記だけでなく、具体的にどの添加物が使用されていないかを確認することが大切。とくに、グルテンを含む可能性のある添加物(増粘剤、安定剤など)が使用されていないかをチェックしよう。
ただし、オーガニックや無添加だからといって、必ずしもグルテンフリーとは限らない。小麦や大麦などのグルテンを含む穀物もオーガニック栽培されることがあるため、最終的には原材料表示をしっかり確認するようにしよう。
置き換えやすい!市販で買えるグルテンフリー食品
置き換えるだけで簡単にグルテンフリーを実践できるパンや麺など、スーパーやコンビニで手軽に購入できるグルテンフリー食品も増えてきている。
グルテンフリー初心者の人でも取り入れやすい、グルテンフリー食品の種類をご紹介。
- グルテンフリーパン
- グルテンフリーパスタ麺
- 十割そば・米粉麺
- オートミールを含むシリアル
- グルテンフリースイーツ
グルテンフリーパン
グルテンを含まないグルテンフリーパンは、小麦粉の代わりに「米粉」「アーモンド粉」「ココナッツ粉」などを使用して作られている。
市販のグルテンフリーパンの中でも、とくに人気が高いのは「米粉パン」。もっちりとした食感が特徴で、日本人の口になじみやすい。最近では、米粉に加えて「タピオカ粉」や「キサンタンガム」などを使用することで、小麦パンに近い食感を実現した商品も増えている。
また、「アーモンド粉」や「ココナッツ粉」を使用したパンは、低糖質・高タンパク質という特徴があり、ダイエット中の人や健康志向の人に人気がある。
ただし、グルテンフリーパンは一般的な小麦パンと比べて保存性が低い傾向にあるため、購入後はなるべく早めに消費しよう。また、栄養面でも小麦パンとは異なるため、全体的な食事バランスを考慮して摂取することが大切。
グルテンフリーパスタ麺
グルテンフリーパスタ麺は、小麦粉の代わりに「米粉」「とうもろこし粉」「そば粉」などを使用して作られている。
とくに、「米粉パスタ」は日本人の口になじみやすくておすすめ。もっちりとした食感で、ソースとの相性もよく、和風・洋風どちらのアレンジにも適している。「とうもろこし粉パスタ」は、プチプチとした食感と独特の風味があり、サラダなどの冷製パスタに向いている。
また、「そば粉パスタ」は、そばの風味を楽しめるのが特徴で、和風のソースとの相性が抜群。最近では、豆類を使用したパスタ麺も登場しており、高タンパク質・低糖質という特徴から人気が出ている。
十割そば・米粉麺
十割そばや米粉麺は、日本の食文化に根ざしたグルテンフリー麺の代表格。
「十割そば」は、そば粉100%で作られた麺で、そば本来の風味を存分に楽しめるのが特徴。通常のそば(二八そばなど)には小麦粉が含まれているが、十割そばは小麦粉を使用していないため、完全なグルテンフリー食品となる。ただし、十割そばは、とてもデリケートな麺で、茹でる際はプツプツ切れないように注意しよう。
一方で、「米粉麺」は米粉100%で作られた麺で、つるつるとした食感が特徴。うどんやそうめんの代替として使用でき、和風・洋風どちらの料理にも使いやすい。米粉麺は茹でたあとの伸びが少ないため、冷製麺としても人気が高い。
オートミールを含むシリアル
オートミールを含むグルテンフリーシリアルは、手軽に食べられるため朝食や間食におすすめ。これらのシリアルは、グルテンを含まない穀物や種子を使用して作られていて、栄養価が高く食物繊維が豊富なのが特徴。
ただしオートミールは、本来グルテンを含まない食品だが、製造過程でグルテンが入る可能性がある。そのため、必ず「グルテンフリー」と表示されたものを選ぶことが大切。グルテンフリーオートミールは、「食物繊維」「タンパク質」「ビタミン」「ミネラル」が豊富で腹持ちがよく、健康的な朝食の定番として人気。
市販のグルテンフリーシリアルを選ぶ際は、添加糖・添加物の含有量にも注意しよう。できるだけ自然な原材料で作られた製品を選ぶといい。
グルテンフリースイーツ
市販のグルテンフリースイーツは、小麦粉の代わりに「米粉」「アーモンドプードル」「ココナッツ粉」などを使用して作られている。近年、グルテンフリースイーツの種類は豊富になっており、「クッキー」「ケーキ」「マフィン」「チョコレート」など、さまざまな種類が販売されている。
「米粉を使用したスイーツ」は、もっちりとした食感が特徴で、「ココナッツ粉を使用したスイーツ」は独特の風味と食感があり、エキゾチックな味わいを楽しめる。また、「アーモンドプードルや豆類を使用したスイーツ」は、高タンパク質・低糖質という特徴から、ダイエット中の人にも支持されている。
ただし、グルテンフリーだからといって無制限に摂取してよいわけではなく、カロリーや糖質には注意が必要。また、グルテンフリーの代替材料が、別のアレルギー反応を引き起こす可能性もあるため、原材料をよく確認しよう

グルテンフリースイーツも、栄養価や糖質量は通常のスイーツとあまり変わらない場合があります。高糖質・高脂質である可能性が高いため、グルテンフリーだからといって食べ過ぎず、適量を守るようにしましょう。
【和・洋・中】グルテンフリーの食事メニュー
ここでは、グルテンフリーの食事例をご紹介。グルテンフリー食材はとても多く、組み合わせ次第で和食、洋食、中華など、さまざまな料理を楽しめる。
- 和食
- 洋食
- 中華

ミールキットや市販のパスタソースなどを使ったらほぼ確実に小麦粉が入ります。醤油やケチャップまで気にする場合は、そちらも確認した上で使う必要があります。
本格的にグルテンフリーをおこなう場合は、フレッシュな野菜や果物を使って、調味料は塩胡椒となってしまう場合がほとんどになることも。アレルギーや病気でなければ、完全に除去をしなくても問題はないので、ゆるく取り組むようにしましょう。
和食
和食は、もともとグルテンフリー食材を多く使用しているため、とても適している。和食メニューとしては、白米または玄米を主食とし、焼き魚や豆腐料理、野菜の煮物や炒め物などの組み合わせが挙げられる。
- 白米/玄米
- 焼きさば
- 豆腐とわかめの味噌汁
- 小松菜のおひたし
調味料に関しては、アレルギーでなければグルテンフリーの醤油や味噌を選ばなくてもOK。天ぷらや唐揚げなどの料理を作る際は、小麦粉の代わりに米粉や片栗粉を使用することで、グルテンフリーに対応できる。
さらに、そばアレルギーがなければ、十割そばを使用した料理も和食のグルテンフリーメニューに加えられる。これらの食材を組み合わせることで、栄養バランスのよい、バラエティ豊かな和食メニューを作れる。
編集部コメント

焼き魚はグルテンフリーを手軽に実践するときに最適なおかず。さばには良質な脂が含まれていて、緑黄色野菜とあわせて食べることで栄養を効率的に摂取できる。副菜や汁物との組み合わせを工夫するのがおすすめです。
洋食
洋食は小麦が多く使用されている傾向だが、工夫次第でグルテンフリーのメニューを豊富に作れる。
- グルテンフリーパン/白米
- 鶏肉のロースト(ハーブで味付け)
- コンソメスープ
- マッシュポテト
主食には、「ジャガイモ」や「グルテンフリーパスタ」、「キヌア」などを活用し、小麦パンの代わりに「グルテンフリーパン」や「米粉パン」を使用するのがおすすめ。
また、メインディッシュでは、肉や魚のグリル料理がおすすめ。たとえば、ハーブで味付けした鶏肉のロースト、サーモンのムニエル(小麦粉の代わりに米粉を使用)、ビーフステーキなど。付け合わせには、さまざまな野菜料理を組み合わせることで、栄養バランスを整えられる。
ほか、市販のグルテンフリーパスタ麺を使用したパスタ料理も便利。トマトソースやクリームソースなどのパスタソースも、小麦粉を使わずに作れる。また、リゾットやパエリアなど、米をベースにした料理もグルテンフリーの洋食メニューとして適している。
編集部コメント

ボリュームのあるメインが食べたいときにぴったりなのがチキンステーキ。カツではなくステーキにすることで小麦粉やパン粉が不要なため、グルテンフリーのメニューになります。主食やメインだけでなく、副菜やスープをあわせることで、満足感と栄養バランスのよい食事ができます。
中華
中華料理も比較的、小麦を多用する傾向にある。
- 白米/炒飯
- エビのチリソース炒め
- 餃子/焼売(米粉使用)
- 中華スープ
主食は、白米や炒飯、小麦粉を使用した麺類の代わりにビーフンや春雨がおすすめ。
メインディッシュは、肉や魚、野菜を使った炒め物がよい。たとえば、エビのチリソース炒め、青椒肉絲(チンジャオロース)、麻婆豆腐(とろみづけに片栗粉を使用)など。これらの料理は、小麦粉を使わずに調理でき、グルテンフリーで本格的な中華の味を楽しめる。
また、点心類では、小麦粉の代わりに米粉や豆粉を使用して作る「餃子」や「焼売」なども人気。ほか、春巻きの皮に米粉を使えば、グルテンフリーの春巻きを作れる。
編集部コメント

一品で肉も野菜もたっぷり食べられる酢豚は、揚げる工程・甘酢あんのとろみづけともに、片栗粉を使用しているためグルテンフリー。カロリーを抑えたい場合は具材を揚げず、野菜はレンジで加熱してから豚肉と炒めることでカロリーを控えることができます。
「グルテンフリーパン」を使ったメニュー3選
ここでは、市販のグルテンフリーパンを使った、自宅で実践しやすいグルテンフリーメニューをご紹介。
- クロックムッシュ
- ピザトースト
- パンプディング
クロックムッシュ
編集部コメント

ホワイトソースは使用せず、ベーコンとチーズで手軽に作るクロックムッシュ。豆乳や牛乳を使ったほんのり甘い卵液がしみ込んだパンに、ベーコンとチーズ(カゼインフリーの場合はカゼインフリーチーズ)の塩気があとを引く味わい。おうちでカフェ気分を楽しみたいときにもおすすめです。
ピザトースト
編集部コメント

ささっと作るランチに重宝するのがピザトースト。ピザソースやケチャップとチーズ(カゼインフリーの場合はカゼインフリーチーズ)を乗せればグルテンフリーパン特有の風味が気になる人でも食べやすい。普通のトーストに飽きたときやボリュームがほしいときにおすすめです。
パンプディング
編集部コメント

デザートメニューを作りたいときは、グルテンフリーパンを使ったパンプディングに挑戦してみるのもよいです。グルテンフリーパンを豆乳または牛乳を使った卵液に浸して、オーブンで焼き上げればあっという間に完成。お好みでバニラアイスやホイップクリームを添えるのもよいです。
「グルテンフリーパスタ・麺」を使ったメニュー3選
- グルテンフリーパスタのナポリタン
- グルテンフリーパスタのカルボナーラ
- 米粉麺を使った担々麵
グルテンフリーパスタのナポリタン
編集部コメント

トマトケチャップの酸味と甘みで、グルテンフリーパスタ特有の風味が苦手な人にもおすすめ。玉ねぎやピーマン、ベーコンなどのほか、目玉焼きをトッピングするとタンパク質もプラスできます。
グルテンフリーパスタのカルボナーラ
編集部コメント

クリームやチーズのコクを楽しめるカルボナーラ。手軽に作るならクリームの代わりに牛乳や豆乳を、より本格的に仕上げるなら厚切りベーコンや卵黄のみを使用するなどアレンジも自在です。
米粉麺を使った担々麵
編集部コメント

中華風の麺類が食べたいときは担々麵がおすすめ。コクのあるピリ辛なスープに濃厚な肉味噌が合わさり、通常の中華麺と遜色なく食べられます。米粉麺のほか、しらたきを炒ったものでも代用可能です。
グルテンフリーの自家製ドレッシング・ソース3選
市販のドレッシングやソースには小麦由来の成分が含まれていることが多いが、自家製であれば原材料を完全にコントロールでき、安心して使用できる。
- フレンチドレッシング
- 米粉のホワイトソース
- バーニャカウダ風ソース

フレンチドレッシング
編集部コメント

葉物野菜のサラダと相性抜群なさっぱりとした味わいのドレッシング。ワインビネガーやオリーブオイル、塩、こしょうなどを混ぜ合わせるだけでできますが、ワインビネガーを酢に変えれば自宅にあるものでより簡単に作れます。
米粉のホワイトソース
編集部コメント

とろりとしたまろやかなホワイトソースも、小麦粉の代わりに米粉を使えばグルテンフリーにできます。牛乳を豆乳に、バターをオリーブオイルや米油に変更することで、動物性食品を使わずに調理も可能です。グラタンやドリア、クリームシチューに応用できて、隠し味に味噌を使うとコクが出て和風の仕上がりになります。
バーニャカウダ風ソース
編集部コメント

おもてなしにも活躍するのがバーニャカウダ風ソース。豆乳に味噌、にんにく、オリーブオイルを合わせるだけででき上がります。スティック野菜や淡白な味わいの肉とも相性がよいです。
グルテンフリーの手作りスイーツ2選
手作りのグルテンフリースイーツは、市販品よりも原材料をコントロールしやすく、自分好みの味や食感を追求できる魅力がある。小麦粉の代わりに米粉、アーモンドプードル、ココナッツ粉などを使用することで、さまざまなスイーツを作れる。
- ガトーショコラ
- 米粉の焼きドーナツ
ガトーショコラ
編集部コメント

卵とチョコレートのみで作る濃厚な味わいのガトーショコラ。卵白をしっかり泡立て、気泡をつぶさないよう混ぜ込むことがポイントです。粉類を使わない分、ふんわり軽い食感に焼き上がります。
米粉の焼きドーナツ
編集部コメント

米粉のホットケーキミックスを使えば、おうちで手軽にグルテンフリーのドーナツを楽しめます。焼きドーナツにすればふんわり軽い食感のドーナツに。米粉は給油率が小麦粉より低いことから揚げ物にしてもOKです。
グルテンフリー食材を取り入れるデメリット・注意点
さまざまな効果が期待できるグルテンフリーだが、栄養バランスの偏りや従来の食生活よりコストがかかりやすいなど、デメリットや注意点も存在する。
以下の内容をおさえた上で、対策をとりながらグルテンフリーを実践しよう。
- 通常の食材よりもコストがかかる
- 味や食感の違いに違和感を感じる場合もある
- 代替食品でアレルギーを引き起こすことも
通常の食材よりもコストがかかる
グルテンフリー食材は、一般的に通常の食材よりも高価格になる傾向がある。これは、原材料の調達や製造過程、流通量の違いなど、さまざまなことが影響している。たとえば、グルテンフリーの小麦代替品(米粉、アーモンド粉など)は、通常の小麦粉よりも高価。
グルテンフリー食材の製造には特別な設備や工程が必要となることも多く、これらのコストが価格に反映されている。さらに、グルテンフリー食材の需要が一般食材に比べて少ないため、大量生産によるコスト削減が難しい側面もある。
コストを抑えてグルテンフリーを継続するためには、白米を中心にしたり、調味料をシンプルにした食事をするのもおすすめ。和食など比較的脂質の低い食事をすることで健康的な食生活も習慣づけられる。

食費が上がる原因の1つとして、グルテンフリーのお菓子などの代替品を購入することも挙げられます。この機会に甘いものへの欲求を減らし、お菓子の購入を減らしてみるのもおすすめです。
味や食感の違いに違和感を感じる場合もある
グルテンフリー食材は、通常の小麦製品と比べて、味や食感が異なることが多い。とくにパンや麺類など、もともとグルテンの特性を活かして作られている食品では、その違いが顕著に表れる。
たとえば、グルテンフリーのパンは通常のパンに比べてやや硬く、乾燥しやすい傾向。麺類も、小麦粉を使用したものとは異なる味や食感、歯ごたえになることが多い。これらの違いに戸惑う人も少なくない。
パンの場合、トーストすることで食感が改善されることがある。また、オリーブオイルを塗ったりハーブやスパイスを加えたりすることで、風味を豊かにすることができる。麺類では、ソースや具材の選び方を工夫することで、味わいがバランスよく仕上がる。
ほか、グルテンフリー食材特有の風味を活かして新たな食感や味を楽しんでみるのもおすすめ。米粉やアーモンド粉など、それぞれの食材の特性を活かした料理を作ることで、新たなおいしさを発見できる。

小麦製品とは風味や食感の違いがあるかもしれませんが、米粉で作ったパンなども、とてもおいしいです。甘味が足りない場合は「ラカント」や「エリスリトール」といった天然甘味料、ココナッツシュガーなどで味付けするのがおすすめです。
代替食品でアレルギーを引き起こすことも
グルテンフリー食材を選ぶ際、別のアレルギー反応を引き起こすリスクにも注意が必要。グルテンフリー製品には、小麦の代替として大豆、ナッツ類、卵などが使用されることが多く、これらはそれぞれがアレルギー原因物質となる可能性がある。
たとえば、「アーモンド粉」や「ココナッツ粉」を使用したグルテンフリー製品は、ナッツアレルギーの人にとっては危険な場合がある。また、大豆製品を多用することで、大豆アレルギーのリスクが高まることも。
このリスクに対処するためには、まず自身のアレルギー傾向を正確に把握することが重要。可能であればアレルギー検査を受けて、自分に合った食材を選ぼう。
また、新しいグルテンフリー食材を試す際は、少量から始めて様子を見ることが大切。さらに、食品表示をしっかりと確認する習慣をつけることも実践しよう。とくに、「アレルギー物質」の欄は必ずチェックし、自分にとって危険な成分が含まれていないかを確認する必要がある。

グルテンフリーのみならず、カゼインフリーの代替食品となる大豆製品にも注意が必要です。とりすぎてしまうとアレルギーになる可能性がありますので、4日に1日くらいの頻度でとらない日をつくるのがおすすめです。
グルテンフリー食材や効果に関するQ&A
グルテンが体内から抜けるまでの期間はどれくらい?
A:体内からグルテンが完全に抜けるまでの期間は約2週間

グルテンフリーの効果を感じられる時期には個人差があり、症状の種類によっても改善の速度や順序が異なります。多くの場合、消化器系から始まり、徐々に全身的な症状へと改善が広がっていく傾向があります。2週間くらいで効果を実感しはじめ、3ヶ月ほどで体質が変わる人が多いです。
グルテンは身体に悪い?完全にグルテンを断つべき?
A:アレルギーでない場合は完全に断たなくてもよい

グルテンはアレルギーの原因物質でもあり、さまざまな不調を引き起こすこともあるため、身体にとってのメリットは挙げづらいです。ただし、味噌や醤油、外食ではごく少量ではありますが、小麦粉が使われている場合も多く、どのくらいグルテンを断ちたいかにもよりますが、気にしすぎなくてよいでしょう。
子どもや妊婦もグルテンフリー食材を使って大丈夫?
A:大丈夫

子どもや妊婦でもグルテンフリー食は導入できます。子どもの方がグルテンフリーによる症状改善が顕著であることも多いです。お腹を壊しがち、集中力不足や癇癪持ち、アトピー性皮膚炎などの問題を抱える場合はとくにおすすめです。
下記の記事では、「グルテンフリーの効果」について詳しく解説しているので、気になる人は参考にしてみて。
幼少期をザンビア、ノルウェー、ナイジェリアで過ごす。ジュニアアスリート、ノルウェーテニス全国大会12歳以下女子シングルス優勝。帰国後、日本医科大学卒業。日本大学形成外科入局(研究員)と同時に、ドクターズコスメ併設の有名美容皮膚科へ勤務。その後、オーソモレキュラー栄養療法と腸内フローラ・口腔フローラ療法を学び、診療に取り入れる。理想の診療実現のため、2022年栄養クリニック宮古島本院を開院、2024年表参道院を開院。美容診療から難病治療まで幅広く診療している。