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ダイエット中の1日の摂取カロリー目安は? 計算方法・カロリー制限のコツも紹介

カロリーのとりすぎはダイエットの大敵。一方で、摂取カロリーを減らしすぎると「筋肉量の減少」や「基礎代謝の低下」を招く可能性があり、痩せにくい身体になってしまうことも。

この記事では、「摂取カロリーの基本知識」「ダイエット中の摂取カロリー目安」「カロリー制限ダイエットの注意点」などをご紹介。自分に合った必要カロリー量をしっかり把握し、健康的なダイエットをおこなおう。

この記事の監修者

古谷 彰子さん

博士(理学) 管理栄養士

博士(理学) 管理栄養士
愛国学園短期大学 家政科 准教授、早稲田大学 ナノライフ創新研究機構 招聘研究員、(株)アスリートフードマイスター 認定講師、発酵料理士協会特別講師としても勤務。「時間」という観点から、医学・栄養学・調理学の領域にアプローチすることを専門とする。科学的根拠を基にしたライフスタイルへのアドバイス、実体験を基にした食育活動や講演活動、料理教室も開催している。『食べる時間を変えるだけ! 知って得する時間栄養学』(宝島社/2022)、『10時間空腹リセットダイエット』(主婦の友社/2023)、他多数の書籍を執筆。

【所属】
愛国学園短期大学 家政科 准教授
早稲田大学ナノ・ライフ創新研究機構 招聘研究員
あきはばら駅クリニック 非常勤管理栄養士
アスリートフードマイスター認定講師
発酵料理士協会特別講師

目次

「消費エネルギー(カロリー)>摂取エネルギー(カロリー)」がダイエットのカギ!

消費エネルギーを摂取エネルギーより多くするのがダイエットの基本。適切な食事量を維持しながら、運動筋トレもおこなうと効果的に減量できる。日々の摂取エネルギーは上記の表を参考にしながら目標とする体重の範囲に収めつつ、運動で消費エネルギーを増やすように。

また、極端な食事制限は避けるべき。過度なエネルギー不足は飢餓状態を引き起こしリバウンドのリスクを高めるほか、体調不良の原因にもなる。無理な制限は避けて毎日続けられるようなダイエットを心がけよう。

ほか、基礎代謝を高める意識を持つことも大切。基礎代謝とは安静時に消費されるエネルギー量のことで、筋肉量が多いほど高まり、基礎代謝が高い人と低い人では、同じ量の食事でも体重の減りやすさが変わる。基礎代謝は筋トレで筋肉を増やすことで高まりやすくなるので、無理のない範囲で実践しよう。

男性の摂取エネルギー目安※

身体活動量必要摂取エネルギー
身体活動量が低い2000〜2400kcal
身体活動量がふつう以上2400〜3000kcal

女性の摂取エネルギー目安※

身体活動量必要摂取エネルギー
身体活動量が低い1400〜2000kcal
身体活動量がふつう以上2000〜2400kcal
【身体活動量の目安】
低い立ち仕事や移動、重い荷物の運搬などが多い仕事、激しい運動を定期的におこなっている人
ふつうデスクワークが中心、軽い運動や散歩をする人
高い1日を通して座っているなど、動かない時間がほとんどの人
 
出典:農林水産省『食事バランスガイド早分かり
※BMIによっても前後する

急激に食事量を減らすと代謝が低下しやすいため、摂取エネルギーを減らす目安は1日240kcal程度が理想的です。1kgの脂肪を燃焼させるためには、約7200kcalの消費が必要ですので、このペースであれば約1ヶ月で1kg減量できる計算になります。

たとえば、夕食のご飯1杯分を減らすだけで約240kcalの削減になります。ダイエットをおこなうときは継続しやすい方法を見つけて、少しずつ摂取エネルギーの量を調整していきましょう。

また、自分では運動量や活動レベル、食事量を過大評価してしまう傾向があるので、自分に甘くならないように意識することも大切です。

以下の記事ではダイエットにおすすめの筋トレや有酸素運動に関して詳しく紹介しているので、参考にしてみて。

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そもそもエネルギー(カロリー)って何?

ダイエットと摂取カロリーには、どのような関係があるのだろうか。ここでは、ダイエットをおこなう際に必要な基礎知識をご紹介。

  • 摂取エネルギー(カロリー)とは?
  • 消費エネルギー(カロリー)とは?

摂取エネルギー(カロリー)とは?

摂取カロリーとは「食事から摂取するエネルギー量」の単位を指す。水1gの温度を1度上昇させるのに必要なエネルギー量が「1kcal」の定義。また、エネルギーは身体を動かすための燃料であり、生命維持身体活動に欠かせない。

なお、食べ物に含まれている栄養素のうちエネルギー源となるものは「タンパク質」「脂質」「炭水化物」で、これらを3大栄養素(エネルギー産生栄養素)という。タンパク質と炭水化物は「1gあたり約4kcal」、脂質は「1gあたり約9kcal」のエネルギー量がある。健康的な食生活を送るには、各栄養素のエネルギー量を意識し、摂取カロリーを適切に管理することが大切。

ちなみに、エネルギーを表す単位はカロリーだけではない。人のエネルギー量を表す際によく使われるのはカロリーだが、海外では「キロジュール(kJ)」という単位もよく使われている。「1kcal=約4.18kJ」で食品成分表にも記載されている単位のため、あわせて覚えておこう。

ダイエットや健康管理をする中で、「カロリーが高い」「カロリーを消費する」という言葉を目にする機会は多いでしょう。実際「カロリー」と「エネルギー」は同じ意味で使われがちですが、厳密にいうとカロリーはエネルギーの単位なので、「エネルギー量が多い」「エネルギーを消費する」という表現が正解です。カロリーとエネルギーはまったく同じものでも、まったく違うものでもないので混同しないようにしましょう。

消費エネルギー(カロリー)とは?

1日の総エネルギー消費量は、基礎代謝量(約60%)身体活動量(約30%)食事誘発性熱産生(約10%)の3つに分けられる。

消費量の半分以上を占める「基礎代謝量」は、筋肉や臓器の活動など、生命維持のために必要な最低限のエネルギー消費量のこと。とくに何もしていなくても消費されるもので、筋肉量が高いほど基礎代謝量も高くなる。次に多い「身体活動量」は、大きく「運動」と「日常生活活動」に分けられ、日常生活活動には家事などが含まれる。「食事誘発性熱産生」は、食べたものを消化したり吸収したりする際に消費するエネルギーのことを指す。

この3つのうち、基礎代謝量は現在の体格に、食事誘発性熱産生は食べた量や食べ物、食べ方によって決まるため、自分で意識的にコントロールできるのは「身体活動量」となる。

「エネルギー(カロリー)制限ダイエット」の特徴

ここでは摂取するエネルギーを制限するダイエットにはどのようなメリットがあるのか見ていく。

  • 実践しやすい
  • 自分で調整できる

自分で調整できる

エネルギー(カロリー)制限ダイエットは、実践しやすいという点が大きな特徴。

食事の量を減らす、低カロリーの食材を選ぶ、高カロリーな食品を控えるなど、普段の食生活を少し調整したり、工夫したりするだけで、今日からでも実践できる。

また、運動でのダイエットとは異なり、ジムの会員費やトレーニンググッズの購入といった追加費用もかからない。

時間がなくてもできる

時間がなくても実践できる点も、エネルギー(カロリー)制限ダイエットの大きな魅力。

運動でのダイエットは、ジムに通う時間を取るなど、スケジュール管理が必要になるが、エネルギー(カロリー)制限ダイエットは、日々の食事を少し工夫するだけで実践できるため、仕事や生活のリズムを変更せずに続けられる。

ただし、食事制限のみでは筋肉量が減りやすく、身体を引き締めるのは難しい。

また、食事をもとの状態に戻せばリバウンドしやすくなるため、長期的な体型維持のためには、運動と組み合わせて筋肉をつけることがおすすめ。筋肉量を増やすことで、基礎代謝が上がり、1日の消費カロリーをアップできる。

1日の摂取カロリーの目安・計算方法

適切なカロリー摂取は、健康的な身体を保つために必要。減量で制限が必要な場合も、最低限必要なエネルギー量はしっかり把握しておこう。

ここでは、適切な摂取カロリーを知る上での「自分の基礎代謝量・消費カロリーの計算方法」、ダイエット中に意識したい「1日の摂取カロリーの目安」をご紹介。

  • 1日の消費カロリーの計算方法
  • ダイエット中の目標摂取カロリーの設定方法

1日の消費カロリーの計算方法

1日の消費カロリーは、「日常生活や運動で消費されるエネルギー」を「基礎代謝量」に加えた数値。適切な摂取カロリーの目安を立てるには、1日の消費カロリーを知る必要がある。

1日の消費カロリー = 基礎代謝量 × 身体活動レベル(PAL)

【身体活動レベル(PAL)】

  • Ⅰ(座り仕事が多い):1.50
  • Ⅱ(立ち仕事や軽い運動をする):1.75
  • Ⅲ(肉体労働や定期的な運動をする):2.0

たとえば、基礎代謝量が1,339kcalで活動レベル「Ⅱ」の人の場合、1日の消費エネルギーは「1,339 × 1.75 = 2,343kcal」になる。ただし、実際の消費エネルギーはその日の活動量や体調によっても変わるため、上記の計算で求められる数値はあくまで目安。より正確な消費エネルギーを知りたいときは、活動量計やスマートウォッチ、食事記録アプリなどを活用しよう。

近年では20代から60代にかけてエネルギー消費量や基礎代謝量はほとんど変わらず、基礎代謝が落ちたから太りやすくなったという説は立証できないと言われています。

ただし、年齢による身体の不調によって活動量が減ったり、食べる量が増えたりする傾向にあるため、結果として運動で消費できるエネルギーが減ってしまうことも。年齢を重ねるごとによく食べてよく動くことが大事になります。
とくに、更年期や高齢期は骨粗鬆症にも注意が必要です。けがによる活動量の低下を防ぐためにも、適度な運動をおこない、十分にタンパク質を摂取するように意識してください。

また、妊娠期は活動量が減りやすく、太りやすいため、体型にストレスを感じてしまうことも。ただし、妊娠中の低体重は子どもの生活習慣病リスクを高めてしまうため、無理せず栄養を摂ることを意識してみましょう。

下記の記事では、「消費カロリーの基礎知識・計算方法・カロリー消費が高い運動」などを紹介しているので、詳しく知りたい人は参考にしてみよう。

消費カロリーが高い運動は?自宅向きの運動・カロリー消費を高めるコツも紹介

消費カロリーの基礎知識 カロリーは「消費カロリー」と「摂取カロリー」がある 男女別:1日の消費カロリー目安 消費カロリーが増えることで痩せるメカニズム カロリー.....

男女別・年齢別:1日の摂取カロリー目安

消費カロリーと同じく、1日の適切な摂取エネルギーの目安は「性別」「年齢」「活動量」によって異なる。目安となる摂取エネルギーを表にまとめたので、以下を参考に自分の食事内容や摂取エネルギーを振り返ってみよう。

【基礎代謝基準値】

年齢区分男性女性
18〜29歳23.722.1
30〜49歳22.521.9
50〜64歳21.820.7
65〜74歳21.620.7

【摂取エネルギー早見表】

男性

年齢区分活動量55kg60kg65kg70kg75kg80kg85kg
18〜29歳レベル Ⅰ1955.3kcal2133.0kcal2310.8kcal2488.5kcal2666.3kcal2844.0kcal3021.8kcal
レベル Ⅱ2281.1kcal2488.5kcal2695.9kcal2903.3kcal3110.6kcal3318.0kcal3525.4kcal
レベル Ⅲ2607.0kcal2844.0kcal3081.0kcal3318.0kcal3555.0kcal3792.0kcal4029.0kcal
30〜49歳レベル Ⅰ1856.3kcal2025.0kcal2193.8kcal2362.5kcal2531.3kcal2700.0kcal2868.8kcal
レベル Ⅱ2165.6kcal2362.5kcal2559.4kcal2756.3kcal2953.1kcal3150.0kcal3346.9kcal
レベル Ⅲ2475.0kcal2700.0kcal2925.0kcal3150.0kcal3375.0kcal3600.0kcal3825.0kcal
50〜64歳レベル Ⅰ1798.5kcal1962.0kcal2125.5kcal2289.0kcal2452.5kcal2616.0kcal2779.5kcal
レベル Ⅱ2098.3kcal2289.0kcal2479.8kcal2670.5kcal2861.3kcal3052.0kcal3242.8kcal
レベル Ⅲ2398.0kcal2616.0kcal2834.0kcal3052.0kcal3270.0kcal3488.0kcal3706.0kcal
65〜74歳レベル Ⅰ1782.0kcal1944.0kcal2106.0kcal2268.0kcal2430.0kcal2592.0kcal2754.0kcal
レベル Ⅱ2079.0kcal2268.0kcal2457.0kcal2646.0kcal2835.0kcal3024.0kcal3213.0kcal
レベル Ⅲ2376.0kcal2592.0kcal2808.0kcal3024.0kcal3240.0kcal3456.0kcal3672.0kcal

女性

年齢区分活動量45kg50kg55kg60kg65kg70kg75kg
18〜29歳レベル Ⅰ1491.8kcal1657.5kcal1823.3kcal1989.0kcal2154.8kcal2320.5kcal2486.3kcal
レベル Ⅱ1740.4kcal1933.8kcal2127.1kcal2320.5kcal2513.9kcal2707.3kcal2900.6kcal
レベル Ⅲ1989.0kcal2210.0kcal2431.0kcal2652.0kcal2873.0kcal3094.0kcal3315.0kcal
30〜49歳レベル Ⅰ1478.3kcal1642.5kcal1806.8kcal1971.0kcal2135.3kcal2299.5kcal2463.8kcal
レベル Ⅱ1724.6kcal1916.3kcal2107.9kcal2299.5kcal2491.1kcal2682.8kcal2874.4kcal
レベル Ⅲ1971.0kcal2190.0kcal2409.0kcal2628.0kcal2847.0kcal3066.0kcal3285.0kcal
50〜64歳レベル Ⅰ1397.3kcal1552.5kcal1707.8kcal1863.0kcal2018.3kcal2173.5kcal2328.8kcal
レベル Ⅱ1630.1kcal1811.3kcal1992.4kcal2173.5kcal2354.6kcal2535.8kcal2716.9kcal
レベル Ⅲ1863.0kcal2070.0kcal2277.0kcal2484.0kcal2691.0kcal2898.0kcal3105.0kcal
65〜74歳レベル Ⅰ1397.3kcal1552.5kcal1707.8kcal1863.0kcal2018.3kcal2173.5kcal2328.8kcal
レベル Ⅱ1630.1kcal1811.3kcal1992.4kcal2173.5kcal2354.6kcal2535.8kcal2716.9kcal
レベル Ⅲ1863.0kcal2070.0kcal2277.0kcal2484.0kcal2691.0kcal2898.0kcal3105.0kcal
※厚生労働省『日本人の食事摂取基準(2020年版)』より算出

個人差はあるが同じ活動量の女性でも「30代と60代では200~300kcal」ほど差があるため、食事量の調整や、代謝を落とさないための筋トレなどを意識的に取り入れよう。

ダイエット中の目標摂取カロリーの設定方法

ダイエット中の目標摂取カロリーを設定するときは、「1ヶ月に体重の3〜5%以内」を基準に無理なく継続できるペースを意識しよう。脂肪1kgを燃やすために必要とされるエネルギーは、約7200kcalとされている。たとえば1ヵ月で1kgの減量を目指す場合、1日あたり約240kcal(7200kcal÷30日=240kcal)減らせればOK。白米のご飯1杯分が約250kcalにあたるため、毎日の夕食からご飯1杯を抜いて調整するのがおすすめ。

急激な減量は身体に負担をかけ、リバウンドのリスクも高まる。代謝低下や栄養不足を避けるためにも、ダイエット中の目標摂取カロリーは「基礎代謝量以上の数値」になるよう注意しよう。

また、1日の食事で摂取するエネルギー量が目安を超えなければとくに食事を制限する必要はない。夕食の主食を減らしてその分朝食で食べるなど、なるべく1日のうちに摂取したエネルギーを消費できるように工夫するだけでもダイエットになる。

ただし、栄養バランスも考慮しなければ栄養素をうまく代謝できず、ダイエットがうまくいかなかったり生活習慣病のリスクが高まったりといったリスクも。カップラーメン(約403kcal)やパスタ(ナポリタン約551kcal)などの一品だけで食べるのは避け、野菜などをプラスしよう。お米を中心とした定食(野菜炒め定食約523kcal)にすれば、ラーメンやパスタと同じようなエネルギー量でも栄養バランスが整いやすくなる。

血糖値が急上昇することで脂肪を体内に蓄積する作用があるインスリンが過剰に分泌されます。血糖値の急上昇を抑えるためにも朝食を欠食しないようにしたり、主食を白米から玄米など低GI食品に置き換えたりするのも効果的です。

より効果的にダイエット!PFCバランスって何?

ここでは食事管理には欠かせない「PFCバランス」の考え方や目安の分量についてご紹介。自分に必要な分量を把握してダイエットに生かしていこう。

  • PFCバランスとは「栄養バランスの目安」
  • PFCバランスの計算方法

PFCバランスとは「栄養バランスの目安」

PFCバランスとは、タンパク質(Protein)、脂質(Fat)、炭水化物(Carbohydrate)の3つの栄養素を摂取する比率のこと。

この3つは、体内でエネルギーを生み出し、組織や細胞をつくったり、身体の機能を維持したりする働きを持つ「エネルギー産生栄養素」で、健康的な身体をつくるためには、適切なバランスで摂取することが大切。

理想的なバランスは、タンパク質15%(13〜20%)脂質25%(20〜30%)炭水化物が(50〜65%)

PFCバランスをベースに、どの栄養素をどの程度摂るべきかを把握しておくことで栄養の偏りを防ぎ、健康的な食生活を維持しやすくなるため、ダイエットやボディメイクの指標としても活用しやすい。ただし、PFCバランスだけに着目すると、食物繊維やビタミン、ミネラルの摂取量が把握できないので、1回の食事につき小鉢2つ分ほどの野菜や副菜を取り入れることも大切。

PFCバランスはエネルギー産生栄養素の比率を示すもののため、野菜の量や食べ物の質を把握することはできません。そのためPFCの質にも注意してみるのがおすすめです。

タンパク質は動物性と植物性を多くても1:1の割合で摂ることが理想的。意識しないと動物性が多くなってしまいますので、植物由来の大豆製品を摂る意識を持って4:6くらいの割合でもよいでしょう。脂質も動物性のものばかりにならないよう、植物性のオイルや大豆製品を活用して、バランスを整えるように。糖質の摂取量を管理するときも、お菓子由来の糖質ではなく、玄米や芋類などデンプンを含む食品から摂ることを意識してくださいね。

PFCバランスの計算方法

PFCバランスの計算の考え方は以下の通り。なお、PFCバランスは中央値である、「タンパク質(P)15%」「脂質(F)25%」「炭水化物(C)60%」として計算している。

【タンパク質】

必要摂取エネルギー×0.15÷4
男性の目安摂取量
年齢区分活動量55kg60kg65kg70kg75kg80kg85kg
18〜29歳レベル Ⅰ73.3g80g86.7g93.3g100g106.7g113.3g
レベル Ⅱ85.5g93.3g101.1g108.9g116.6g124.4g132.2g
レベル Ⅲ97.8g106.7g115.5g124.4g133.3g142.2g151.1g
30〜49歳レベル Ⅰ69.6g75.9g82.3g88.6g94.9g101.3g107.6g
レベル Ⅱ81.2g88.6g96g103.4g110.7g118.1g125.5g
レベル Ⅲ92.8g101.3g109.7g118.1g126.6g135g143.4g
50〜64歳レベル Ⅰ67.4g73.6g79.7g85.8g92g98.1g104.2g
レベル Ⅱ78.7g85.8g93g100.1g107.3g114.5g121.6g
レベル Ⅲ89.9g98.1g106.3g114.5g122.6g130.8g139g
65〜74歳レベル Ⅰ66.8g72.9g79g85.1g91.1g97.2g103.3g
レベル Ⅱ78g85.1g92.1g99.2g106.3g113.4g120.5g
レベル Ⅲ89.1g97.2g105.3g113.4g121.5g129.6g137.7g
女性の目安摂取量
年齢区分活動量45kg50kg55kg60kg65kg70kg75kg
18〜29歳レベル Ⅰ55.9g62.2g68.4g74.6g80.8g87g93.2g
レベル Ⅱ65.3g72.5g79.8g87g94.3g101.5g108.8g
レベル Ⅲ74.6g82.9g91.2g99.5g107.7g116g124.3g
30〜49歳レベル Ⅰ55.4g61.6g67.8g73.9g80.1g86.2g92.4g
レベル Ⅱ64.7g71.9g79g86.2g93.4g100.6g107.8g
レベル Ⅲ73.9g82.1g90.3g98.6g106.8g115g123.2g
50〜64歳レベル Ⅰ52.4g58.2g64g69.9g75.7g81.5g87.3g
レベル Ⅱ61.1g67.9g74.7g81.5g88.3g95.1g101.9g
レベル Ⅲ69.9g77.6g85.4g93.2g100.9g108.7g116.4g
65〜74歳レベル Ⅰ52.4g58.2g64g69.9g75.7g81.5g87.3g
レベル Ⅱ61.1g67.9g74.7g81.5g88.3g95.1g101.9g
レベル Ⅲ69.9g77.6g85.4g93.2g100.9g108.7g116.4g
【食品のタンパク質量の目安(100gあたり)】
豚ロース肉:27g
鶏むね肉:25g
さば:21g
納豆:17g
卵:12g
豆腐:5g

【脂質】

必要摂取エネルギー×0.25÷9
 
男性の目安摂取量
年齢区分活動量55kg60kg65kg70kg75kg80kg85kg
18〜29歳レベル Ⅰ54.3g59.3g64.2g69.1g74.1g79g83.9g
レベル Ⅱ63.4g69.1g74.9g80.6g86.4g92.2g97.9g
レベル Ⅲ72.4g79g85.6g92.2g98.8g105.3g111.9g
30〜49歳レベル Ⅰ51.6g56.3g60.9g65.6g70.3g75g79.7g
レベル Ⅱ60.2g65.6g71.1g76.6g82g87.5g93g
レベル Ⅲ68.8g75g81.3g87.5g93.8g100g106.3g
50〜64歳レベル Ⅰ50g54.5g59g63.6g68.1g72.7g77.2g
レベル Ⅱ58.3g63.6g68.9g74.2g79.5g84.8g90.1g
レベル Ⅲ66.6g72.7g78.7g84.8g90.8g96.9g102.9g
65〜74歳レベル Ⅰ49.5g54g58.5g63g67.5g72g76.5g
レベル Ⅱ57.8g63g68.3g73.5g78.8g84g89.3g
レベル Ⅲ66g72g78g84g90g96g102g
女性の目安摂取量
年齢区分活動量45kg50kg55kg60kg65kg70kg75kg
18〜29歳レベル Ⅰ41.4g46g50.6g55.3g59.9g64.5g69.1g
レベル Ⅱ47.9g53.2g58.6g63.9g69.2g75.2g80.6g
レベル Ⅲ51.8g57.5g63.3g69g74.8g85.9g92.1g
30〜49歳レベル Ⅰ42.2g46.9g51.6g56.3g60.9g63.9g68.4g
レベル Ⅱ49.2g54.7g60.2g65.6g71.1g74.5g79.8g
レベル Ⅲ56.3g62.5g68.8g75g81.3g85.2g91.3g
50〜64歳レベル Ⅰ40.9g45.4g50g54.5g59g60.4g64.7g
レベル Ⅱ47.7g53g58.3g63.6g68.9g70.4g75.5g
レベル Ⅲ54.5g60.6g66.6g72.7g78.7g80.5g86.3g
65〜74歳レベル Ⅰ40.9g45.4g50g54.5g59g60.4g64.7g
レベル Ⅱ47.3g52.5g57.8g63g68.3g70.4g75.5g
レベル Ⅲ54g60g66g72g78g80.5g86.3g
【食品の脂質量の目安(100gあたり)】
豚ロース:19.2g
鶏むね肉:1.1g
鶏もも肉:13g
さば:12g
卵:10g

炭水化物

必要摂取エネルギー×0.6÷4
 
男性の目安摂取量
年齢区分活動量45kg50kg55kg60kg65kg70kg75kg
18〜29歳レベル Ⅰ293.3g320g346.6g373.3g399.9g426.6g453.3g
レベル Ⅱ342.2g373.3g404.4g435.5g466.6g497.7g528.8g
レベル Ⅲ391.1g426.6g462.2g497.7g533.3g568.8g604.4g
30〜49歳レベル Ⅰ278.4g303.8g329.1g354.4g379.7g405g430.3g
レベル Ⅱ324.8g354.4g383.9g413.4g443g472.5g502g
レベル Ⅲ371.3g405g438.8g472.5g506.3g540g573.8g
50〜64歳レベル Ⅰ269.8g294.3g318.8g343.4g367.9g392.4g416.9g
レベル Ⅱ314.7g343.4g372g400.6g429.2g457.8g486.4g
レベル Ⅲ359.7g392.4g425.1g457.8g490.5g523.2g555.9g
65〜74歳レベル Ⅰ267.3g291.6g315.9g340.2g364.5g388.8g413.1g
レベル Ⅱ311.9g340.2g368.6g396.9g425.3g453.6g482g
レベル Ⅲ356.4g388.8g421.2g453.6g486g518.4g550.8g
女性の目安摂取量
年齢区分活動量45kg50kg55kg60kg65kg70kg75kg
18〜29歳レベル Ⅰ223.8g248.6g273.5g298.4g323.2g348.1g372.9g
レベル Ⅱ261.1g290.1g319.1g348.1g377.1g406.1g435.1g
レベル Ⅲ298.4g331.5g364.7g397.8g431g464.1g497.3g
30〜49歳レベル Ⅰ221.7g246.4g271g295.7g320.3g344.9g369.6g
レベル Ⅱ258.7g287.4g316.2g344.9g373.7g402.4g431.2g
レベル Ⅲ295.7g328.5g361.4g394.2g427.1g459.9g492.8g
50〜64歳レベル Ⅰ209.6g232.9g256.2g279.5g302.7g326g349.3g
レベル Ⅱ244.5g271.7g298.9g326g353.2g380.4g407.5g
レベル Ⅲ279.5g310.5g341.6g372.6g403.7g434.7g465.8g
65〜74歳レベル Ⅰ209.6g232.9g256.2g279.5g302.7g326g349.3g
レベル Ⅱ244.5g271.7g298.9g326g353.2g380.4g407.5g
レベル Ⅲ279.5g310.5g341.6g372.6g403.7g434.7g465.8g
【食品の炭水化物量の目安(150gあたり)】
白米:53.4g
玄米: 51.3g
パスタ:43.8g
食パン:63.3g
うどん:30.45g
そば:53.56g

エネルギーコントロールの参考に!主要な食品・運動のエネルギー目安

ここでは食品で摂取するエネルギー量の目安と、運動で消費できるエネルギー量の目安をご紹介。ダイエットのエネルギー収支を考えるための参考にしてみよう。

  • 食品の摂取エネルギー(カロリー)目安
  • 運動の消費エネルギー(カロリー)目安

食品のエネルギー(カロリー)目安

ここでは食品の目安エネルギーを紹介する。単なるエネルギー量が何キロカロリーなのかだけでなく、タンパク質や脂質、糖質がどれくらい含めているか把握しながら、PFCバランスを整えていこう。

【肉類(100gあたり)】

品目エネルギー(kcal)炭水化物(g)食物繊維(g)脂質(g)タンパク質(g)食塩相当量(g)
鶏むね肉133kcal0.1g0g5.9g21.3g0.1g
鶏もも肉190kcal0g0g14.2g16.6g0.2g
鶏ささみ肉98kcal0.1g0g0.1g23.9g0.1g
豚ロース肉248kcal0.2g0g0.2g19.3g0.1g
豚バラ肉366kcal0.1g0g35.4g14.4g0.1g
豚もも肉171kcal0.2g0g10.2g20.5g0.1g
牛ロース肉514kcal0.1g0g56.5g9.7g0.1g
牛肩肉258kcal0.3g0g22.3g17.7g0.1g
牛もも肉235kcal0.5g0g18.7g19.2g0.1g
サバ211kcal0.3g0g16.8g20.6g0.3g
アジ112kcal0.1g0g4.5g19.7g0.3g
タラ72kcal0.1g0g0.2g17.6g0.3g
マグロ115kcal0.1g0g1.4g26.4g0.1g
サーモン218kcal0.1g0g16.5g20.1g0.1g
イカ76kcal0.1g0g0.8g17.9g0.5g
タコ70kcal0.2g0g0.9g16.1g1g
【主食(150gあたり)】
品目エネルギー(kcal)炭水化物(g)食物繊維(g)脂質(g)タンパク質(g)食塩相当量(g)
白米250kcal55.65g2.25g0.45g3.75g0g
玄米228kcal53.4g1.4g1.5g4.2g0g
食パン372kcal69.6g6.3g6.15g13.35g1.8g
うどん(ゆで)143kcal32.4g1.3g0.6g1.95g0.45g
そば(ゆで)170kca33.15g2.25g1.05g7.2g0.15g
パスタ225kcal48.3g2.9g1.35g8.7g1.2g
【野菜(100gあたり)】
品目エネルギー(kcal)炭水化物(g)食物繊維(g)脂質(g)タンパク質(g)食塩相当量(g)
キャベツ23kcal3.4g1.8g0.1g1.2g0g
レタス11kcal1.7g1.1g0.1g0.6g0g
ほうれん草18kcal0.3g2.8g0.4g2.2g0g
小松菜13kcal0.5g1.9g0.2g1.5g0g
にんじん32kcal6g2.8g0.2g0.7g0.1g
アボカド176kcal2.3g5.6g17.5g2.1g0g
じゃがいも59kcal8.4g8.9g0.1g1.8g0g
かぼちゃ78kcal17.1g3.5g0.3g1.9g0g
さつまいも126kcal29.7g2.2g0.2g1.2g0g
トマト20kcal3.7g1g0.1g0.7g0g
もやし15kcal1.1g1.3g0.1g1.8g0g
ブロッコリー37kcal1.5g5.1g0.6g5.4g0g
【その他(100gあたり)】
品目エネルギー(kcal)炭水化物(g)食物繊維(g)脂質(g)タンパク質(g)食塩相当量(g)
しいたけ18kcal1.4g3.5g0.4g3g0g
しめじ26kcal1.8g3g0.5g2.7g0g
わかめ24kcal2g3.6g0.2g1.9g1.5g
アーモンド609kcal10.8g10.1g51.8g19.6g0g
ヨーグルト56kcal4.9g0g3g3.6g0.1g
豆腐56kcal1.1g0.9g3.5g5.3g0g
納豆184kcal2.6g9.5g10g16.5g0g
プロセスチーズ313kcal1.3g0g26g22.7g2.8g
※『カロリーSlism』より算出

運動の消費エネルギー目安

ここでは、運動や日常動作の運動強度と1時間あたりの消費エネルギーを紹介する。なお、消費エネルギーの計算は以下の通り。

エネルギー消費量(kcal)=1.05×メッツ×時間(時)×体重(kg)

【1時間あたりの消費カロリー目安表(体重別)】

日常動作

運動強度(メッツ)内容45kg50kg55kg60kg65kg70kg75kg80kg
3普通歩行(平地67m/分)家財道具の片付け、子どもの世話(立位)141.8kcal157.5kcal173.3kcal189.0kcal204.8kcal220.5kcal236.3kcal252.0kcal
3.5歩行(平地75〜85/m)、風呂掃除、庭の草むしり、階段を下りる165.4kcal183.8kcal202.1kcal220.5kcal238.9kcal257.3kcal275.6kcal294.0kcal
4自転車に乗る(16km/時未満)、ゆっくり階段を上る189.0kcal210.0kcal231.0kcal252.0kcal273.0kcal294.0kcal315.0kcal336.0kcal
4.5耕作、家の修繕212.6kcal236.3kcal259.9kcal283.5kcal307.1kcal330.8kcal354.4kcal378.0kcal
5かなりの速歩(平地107m/分)、動物と遊ぶ(歩く/ 走る、活発に)236.3kcal262.5kcal288.8kcal315.0kcal341.3kcal367.5kcal393.8kcal420.0kcal
運動
運動強度(メッツ)内容45kg50kg55kg60kg65kg70kg75kg80kg
3ボウリング、ピラティス、太極拳141.8kcal157.5kcal173.3kcal189.0kcal204.8kcal220.5kcal236.3kcal252.0kcal
3.5次体重を使った軽い筋トレ、ゴルフ165.4kcal183.8kcal202.1kcal220.5kcal238.9kcal257.3kcal275.6kcal294.0kcal
4卓球、ラジオ体操第1189.0kcal210.0kcal231.0kcal252.0kcal273.0kcal294.0kcal315.0kcal336.0kcal
4.5テニス(ダブルス)、水中歩行、ラジオ体操第2212.6kcal236.3kcal259.9kcal283.5kcal307.1kcal330.8kcal354.4kcal378.0kcal
5野球、ソフトボール、サーフィン、バレエ236.3kcal262.5kcal288.8kcal315.0kcal341.3kcal367.5kcal393.8kcal420.0kcal
5.5バドミントン259.9kcal288.8kcal317.6kcal346.5kcal375.4kcal404.3kcal433.1kcal462.0kcal
6ゆっくりとしたジョギング、ウェイトトレーニング(高強度)、バスケットボール、水泳(のんびり泳ぐ)283.5kcal315.0kcal346.5kcal378.0kcal409.5kcal441.0kcal472.5kcal504.0kcal
6.5山を登る(0~4.1kgの荷物を持って)307.1kcal341.3kcal375.4kcal409.5kcal443.6kcal477.8kcal511.9kcal546.0kcal
7ジョギング、サッカー、スキー、スケート、ハンドボール330.8kcal367.5kcal404.3kcal441.0kcal477.8kcal514.5kcal551.3kcal588.0kcal
8サイクリング(約20km/時)378.0kcal420.0kcal462.0kcal504.0kcal546.0kcal588.0kcal630.0kcal672.0kcal
9ランニング(139m/分)425.3kcal472.5kcal519.8kcal567.0kcal614.3kcal661.5kcal708.8kcal756.0kcal
10水泳(速いクロール69m/分)472.5kcal525.0kcal577.5kcal630.0kcal682.5kcal735.0kcal787.5kcal840.0kcal
※厚生労働省『生活活動のメッツ表』より算出

消費カロリーを計算するときは、運動量だけではなく、運動強度(METs)運動時間も考慮することが重要です。たとえば、1時間平地を歩く(運動強度3メッツ)のと登山(運動強度6.5メッツ)をするのでは、同じ時間でも消費カロリーに大きな差があります。また、それをどの程度実行したかの時間も消費エネルギーを左右する大事な要素です。

ダイエットでカロリー制限するときのコツ

ここでは、摂取カロリーを制限してダイエットをおこなう際の4つのコツをご紹介。健康的なダイエットのためには、自分で設定した摂取カロリー内で食事するだけでなく、「栄養バランス」「運動」「PFCバランス」にも気を配りたい。

  • 決めた摂取カロリーを目安に食事をとる
  • 栄養バランスを意識する
  • 適度な運動も取り入れる
  • PFCバランスを意識する

決めた摂取カロリーを目安に食事をとる

まずは日々の食事量を把握して、減量に適した量に調整しよう。摂取カロリーを調整するには、食品エネルギー表などでおもな食材や料理のエネルギー量を覚えるのがおすすめ。「白米1杯:約230kcal」、「食パン1枚:約160kcal」などよく食べる食品の数字を覚えることで、毎日自分がどのくらいエネルギー摂取しているのか、おおよその目安を把握しやすくなる。

また、食事の記録をつけるのも効果的。毎食の内容と摂取カロリーを記録すると、客観的に食生活を確認でき改善点も見えてくる。スマホアプリやノートなど好きな方法でよいので、ぜひ毎食記録をつける習慣をつけよう。

栄養バランスを意識する

単にカロリーを減らすだけでなく、栄養バランスを意識するのも大切。バランスの取れた食事は健康維持だけでなく、効果的なダイエットにもつながる。

  • 玄米おにぎり(主食)
  • 鶏胸肉のグリル(主菜)
  • 野菜サラダ(副菜)

たとえば、上記のように組み合わせれば自然と栄養バランスは整う。主食は炭水化物源、主菜はタンパク質源、副菜はビタミン・ミネラル源としてそれぞれ重要な役割があるため、どれか1つに偏らないように注意しよう。

また、日常的に不足しがちな食物繊維の摂取も意識しよう。食物繊維は満腹感が得られやすく、腸内環境の改善など健康的な身体づくりに役立つ。「野菜」「果物」「全粒穀物」など食物繊維が豊富な食材を積極的に取り入れて、無理なくダイエットを進めよう。

適度な運動も取り入れる

食事管理はもちろん、運動も取り入れるとダイエットは成功しやすい。運動は消費エネルギーを増やせるほか、筋肉量の維持代謝向上などさまざまな効果が期待できる。ひとくちに運動といってもさまざまな種類があるが、ダイエットでは筋肉量を増やし、脂肪燃焼しやすい身体をつくる「筋トレ」がおすすめ。

普段運動習慣がない人は「階段を使う」「テレビを見ながら軽くスクワット」をするなど、日常生活の中で意識的に身体を動かすようにするだけでも減量の成果に違いが出る。急に激しい運動をしたり、長時間続けたりすると身体に負担がかかるため、強度や時間は徐々に増やしていこう。

摂取カロリーを制限したダイエットの3つの注意点

早く痩せたいと思うあまり、必要以上に摂取カロリーを制限してしまう人は少なくない。しかし、過度な食事制限はリバウンドの原因になるだけでなく、体調不良の恐れもある。ここでは、摂取カロリーを制限した場合のリスクや注意点をご紹介。

  • 栄養不足による体調不良
  • 筋肉量の減少
  • リバウンドのリスクが高い

栄養不足による体調不良

過度なカロリー制限は「栄養の偏り」や「エネルギー不足」につながる。その結果、「免疫力低下」「皮膚トラブル」「貧血」「疲労感」など、さまざまな健康トラブルが起こりやすくなる。

ダイエット中の栄養バランスを保つには、さまざまな食材をバランスよく摂るのがコツ。タンパク質源には「肉」「魚」「卵」「大豆製品」を、ビタミン・ミネラル源には「緑黄色野菜」「果物」など、なるべくバリエーション豊かに摂取しよう。

また、ダイエット中に敬遠されがちな炭水化物も過度に制限する必要はない白米や小麦粉など精製された糖質類は避けつつ、「玄米」「全粒粉パン」など精製されていない血糖値が上がりにくい食品を適度に取り入れよう。

とくに「鉄分」「カルシウム」「ビタミンB群」「ビタミンD」などの栄養素は不足しやすいため、意識して摂取したい。どうしても食事からとるのが難しいときはサプリメントなども活用して、なるべく十分量とれるように工夫しよう。

下記の記事では、「ダイエット中の食事に関する基本知識・食べ方・おすすめメニュー」などを紹介しているので、詳しく知りたいという人は参考にしてみよう。

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筋肉量の減少

摂取エネルギーの減らしすぎは筋肉量を減らし、基礎代謝を下げる要因になる。基礎代謝が低下すると脂肪燃焼効率が悪くなり、痩せにくく太りやすい身体になってしまう。

また、筋力が低下すると日常生活の活動量も少なくなり、より一層エネルギーが消費ができなくなるという悪循環に。ダイエットの成果が現れにくくなることで挫折のリスクも高まり、失敗につながる。

適度な筋肉量を維持するには、最低限必要なエネルギー量をきちんととりつつ、タンパク質の摂取適度な運動を心がけよう。1日に摂取するタンパク質は、「体重1kgあたり1.2~1.6g」が目安。「鶏胸肉」「ささみ」「魚」「豆腐」など良質なタンパク源を献立に取り入れて。また、週に2~3回の筋トレも並行しておこない、筋肉量の維持・増加を図ろう。

下記の記事では、「ダイエットに効果的な筋トレメニュー・やり方」などを詳しく紹介しているので、筋トレを取り入れたいと思っている人は参考にしてみよう。

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リバウンドのリスクが高い

極端なエネルギー制限はリバウンドのリスクを高めるため、注意が必要。リバウンドのおもな原因は、代謝低下とストレスといわれている。厳しいカロリー制限によって基礎代謝が下がると消費エネルギーが減るため、食事量をもとに戻した際に体重が戻りやすくなる。

また、ダイエット中の過度な我慢はダイエット終了後の食べすぎを招く。その結果、オーバーカロリーになってしまい、リバウンドにつながる。

リバウンドを防ぐには、ゆるやかで無理のないダイエット計画を立てるのがコツ。栄養バランスの整った食事を心がけつつ、基礎代謝が下がらないよう、筋トレも取り入れよう。ダイエット終了後はいきなり食事量を増やすのではなく、時間をかけて徐々にもとに戻して。

下記の記事では、「リバウンドをしないダイエット方法・仕組みや原因・リバウンド後の対処法」などを紹介しているので、詳しく知りたいという人は参考にしてみよう。

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摂取エネルギー(カロリー)とダイエットに関するQ&A

摂取カロリーを減らしても体重が減らない理由は?

A:基礎代謝の低下や摂取エネルギー量の誤算があるケースが多い。

極端な食事制限によって身体が飢餓状態になってしまい基礎代謝が低下している場合、脂肪燃焼が抑えられて思うように体重が減らなくなります。また「ながら食べ」や「無意識の間食」によって、実際の摂取カロリーを正確に把握できていないケースも少なくありません。小さなお菓子やコーヒーに入れる砂糖などは見落としがちなので、とくに注意しましょう。

さらに、アルコールの摂取も体重が減らないよくある要因です。アルコールは体内で優先的に代謝されるため、後回しにされた脂肪が蓄積しやすくなります。

運動なしのカロリー制限だけでダイエットは可能?

A:可能だが、日常生活の中でなるべく身体を動かす工夫が必要。

運動せずにカロリー制限だけで痩せることは可能です。しかし、まったく身体を動かさないと基礎代謝が低下し、痩せにくく太りやすい体質になる可能性があります。また、引き締まった身体になりづらいため、日常生活の中でこまめに身体を動かす習慣をつけることが大切です。

たとえば、「徒歩圏内の場所にはなるべく歩いて移動する」「エレベーターではなく階段を使う」「テレビを見ながら軽く筋トレをする」など、普段の生活でできる運動はたくさんあります。必ずしもジムなどでトレーニングする必要はないので、できることから意識して始めてみましょう。

生理中の摂取カロリーはどう調整すべき?

A:生理中でも特別な調整は不要。普段通りの食事量を維持しよう。

生理中だからといって摂取カロリーをあえて調整する必要はありません。生理前は女性ホルモンの影響で身体がむくみやすく体重が増えたように感じますがあくまで一時的なものであり、生理が終わればもとに戻ります。

無理に食事量を減らす必要はないので、生理前と変わらない食生活を心がけましょう。なお、生理中は食欲が増す人も多いですが、暴飲暴食は避けるようにしましょう。もし食べすぎてしまった場合は自分を過度に責めず、翌日から通常の食生活に戻してくださいね。

下記の記事では、「生理中のダイエットに関する基本知識・やり方・注意点」などを紹介しているので、気になる人は参考にしてみよう。

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ダイエットサプリや漢方を取り入れるのは効果的?

A:補助的に役立つ可能性はあるが、過信は禁物。

ダイエットサプリや漢方には一部ダイエットのサポート効果が期待できる可能性はありますが、一概に効果がある・ないとは言えません。「サプリや漢方を飲んでいるから、少しくらい多く食べても大丈夫」など自分を甘やかしてしまうと、ダイエットの成果は出にくくなります。

また、サプリメント自体にもカロリーや油分は含まれているため、過剰に摂取すると予想以上に多くのカロリーや脂質を摂取してしまい、かえって痩せにくくなる可能性も考えられます。サプリメントや漢方はあくまで補助的な役割と捉え、過信しないようにしましょう。

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