パーソナルジムは、専属トレーナーが、ワンツーマンでトレーニングや食事の指導を行うが、ジムに入会するまでの流れや定期コースが終わった後にどうやって体型維持をすればいいのか分からないという人も多いのでは。
今回は、そんな「パーソナルジムに入会するまでの流れ」と「定期コースが終了した後の流れ」をご紹介。
さらに女性専門のパーソナルトレーナーの石本哲郎さんに「リバウンドしないためのコツ」について話を伺った。パーソナルトレーニングがどのようなものなのか詳しく知りたい人や、終了後の体型維持に不安がある人は要チェック。
この記事の監修者
石本 哲郎さん
女性専門のパーソナルトレーナー
パーソナルトレーニングの基本的な全体の流れ
- 1. カウンセリング
- 2. 測定
- 3. 申し込み
- 4. 初回トレーニング
- 5-1. 定期でのトレーニング指導
- 5-2. 日常での食事指導
- 6. 定期トレーニング終了
1. カウンセリング
カウンセリングでは、最近の運動習慣や食事内容、ジムでのトレーニングを通してどのような身体を目指したいのか「理想の体型」をトレーナーと共有する。
さらに、過去に運動経験、ダイエット経験があるか、ここ数年での体重の推移や体重が増え始めた時期、現在の体重増加の状況などを詳しく聞かれることも。
カウンセリングで得た情報は、いまの身体の状況から理想の体型を目指すために、トレーナーがトレーニングプランを考えるための重要な材料となる。
とくに理想の体型の認識がずれてしまうと、トレーニングを頑張っていてもイメージとは違う身体になってしまう。「痩せている」「太い」「細い」の認識は、人によって基準も異なるため、具体的にどのくらい細いのか、今よりどのくらい痩せたいかなど、自分のイメージをきちんと伝えられるように準備しておこう。
また、トレーナー側から質問があることが多いが、過去に大きなケガをしていたり、病気をしている場合は、事前にしっかり伝えておこう。
2. 測定
現在の身体の状態を確認するため、トレーニング前に測定をおこなうジムが多い。
測定の方法はジムによってさまざまだが、体重だけでなく、体脂肪率や筋肉量、骨量、内臓脂肪など、身体を構成する要素を細かく計測できる「体組成計」を使用するのが一般的。
また、普段の姿勢や身体の動きの癖も体型に大きく影響してくるため、直立の姿勢や骨盤の位置、壁に背をつけたときの背骨のカーブなど、姿勢を確認するようなジムもある。
女性専用ジムなどでエステのサービスをおこなっている場合は、ウエストや太ももなどのサイズを計測することも多い。
3. 申し込み
申し込みに必要なのは、入会金や初月の会費、コース費用などのトレーニング料金。
現金での支払いに加え、振込や口座振替、クレジットカードでの自動引き落としのシステムを採用しているところもあり「口座情報」や「クレジットカード情報」の提供が必要になる場合がある。口座振替での支払いを希望する場合は、金融機関の届出印を求められることも。
申し込みを検討している際は、支払い方法を事前に確認し、持参しなければならないものを揃えておこう。
回数チケット、2〜3ヵ月のコースなど、さまざまなプログラムが提供されていることが多いが、予算や目標、体験トレーニングでの身体の状況に合わせてトレーナーが最適なコースを提案してくれる。ホームページなどを参考に、事前にどのプランに興味があるか伝えておくのもおすすめ。
カウンセリングを受けにきた当日に入会を決めると、体験入会料が無料となる場合が多い。
4. 初回トレーニング
初回トレーニングの内容はジムによって差があるが、一般的な流れをご紹介。
動的ストレッチ〜ウォームアップ
筋トレ前は、軽く身体を動かして筋肉を温めておくことで、トレーニングの効果アップやケガの予防につながる。
トレーニングに入る前に、トレーナーに身体を伸ばしてもらったり、マット上でストレッチをおこなうなど、ウォーミングアップする場合もある。
自転車や徒歩でジムに来ているなど、すでに筋肉が温まっている状態と思われる人や、初回はカウンセリングや申し込みなどがあり、トレーニング時間が限られている場合は、ストレッチやウォームアップを割愛するケースも。
「ゆっくりとしたダイエット」や「健康増進」をコンセプトに掲げているジムは、ストレッチを重視し、時間を長くとっておこなうことも。
トレーニング
カウンセリングで共有した目標をもとに、トレーナーがおすすめのトレーニングを提案してくれる。
筋肉増量、ダイエット、健康維持などの運動の目的や、上半身、下半身、部分痩せなどどの部位を変えていきたいか、また現在の身体の状況によって実施するトレーニングメニューは十人十色。こういうトレーニングに挑戦してみたいという希望がある場合は、カウンセリング時にトレーナーに伝えておくといい。
初回はカウンセリングや申し込みにかかる時間もあるため、通常より少しトレーニング時間が短縮されている場合が多い。
静的ストレッチ〜クールダウン
ジムによってはトレーニングで終了の場合もあるが、身体をクールダウンさせるために、トレーニング後に、ストレッチやマッサージを取り入れているジムもある。
トレーニングで使った部位を中心に、次の日にできるだけ疲れを残さないよう、身体をしっかりほぐしていく。
トレーナーとのペアストレッチをおこなったり、自宅でも実践できるよう、一人でおこなえるストレッチ方法を教えてくれるパーソナルジムもある。
5-1. 定期でのトレーニング指導
まず、ジムについたらトレーニングウェアに着替える。ジムによっては、レンタルウェアやシューズの貸し出しがあり、手ぶらで通える場合もあるので申し込み時に確認を。
トレーニングを始める前に体組成計での測定をして、食事指導を受けている場合は数日間の食事の報告などをおこなうことも。身体の不調、ケガがある場合は、トレーニング前にトレーナーに伝えておく。
ストレッチをして身体と筋肉を温めたら、いよいよトレーニング開始。初回トレーニングの際と同様、運動目的や理想の体型、現在の身体の状況によって、一人ひとりトレーニングの内容は異なるが、必ず取り入れている器具がある、姿勢改善に力を入れている、ストレッチを重視しているなど、ジムによって特徴が出ることも。
回数をこなすにつれて、身体の変化に合わせ、負荷をあげたり、器具を変えたり、トレーナーが適宜メニューを調整してくれる。
ジムによっては、ストレッチでクールダウンをおこなってトレーニング終了。トレーニング後のプロテインサービスを提供しているジムもある。
5-2. 日常での食事指導
トレーニングに来た際に数日間の食事内容を報告し、口頭でアドバイスをもらう方法や、毎回の食事の写真をLINEや専用アプリでトレーナーに送ることで、毎食ごとにアドバイスをもらうシステムなどがあり、頻度や方法についてはジムごとに異なる。
ジムによっては、食事指導を始める前に、栄養や食事に関する正しい知識をつけるための座学の時間を設ける場合も。トレーニングを担当するトレーナー自身が食事指導も担当するケースが多いが、専門の管理栄養士に食事指導を担当してもらうことができるジムもある。
細かくカロリー管理をし、厳しい食事制限を取り入れるような食事指導もあるが、人によってはストレスに感じてしまうことも。現在の食生活をベースに改善点を教えてもらうような、ストレスフリーな食事指導をおこなっていたり、要望に合わせて厳しさを変えてくれたりするジムもあるので、トレーナーに相談しよう。
宅食サービスがついていたり、専用のレシピサイトを閲覧することができたりするなど、ジムによって食事指導の内容にも大きく差がある。
6. 定期トレーニング終了
申し込んだコースのトレーニング期間が完了したら、定期トレーニングが終了。
コース終了時に「同じ頻度で通い続けるか」「体型維持のために回数を減らして継続するか」「卒業して自宅やスポーツジムでトレーニングをするか」など、今後の要望をトレーナーにヒアリングしてもらえる。
コース終了時の身体の状態を踏まえて、新たなプランを提供してくれるため、今後の自分の目的にあわせてどのようにするか相談しよう。
パーソナルトレーニング終了後はどんな流れで運動を継続するのがよい?
目標を達成してパーソナルトレーニングジムを卒業する場合、ジムでおこなっていた運動を継続できるよう、スポーツジムに移籍してトレーニングを続けるのがおすすめ。
スポーツジムでの継続が難しく、自宅でトレーニングを続ける場合は、マシンを使ったトレーニングができない分、トレーニングメニューを工夫する必要がある。
スポーツジムでトレーニングする場合
スポーツジムへ移籍する場合、基本的にはこれまでのトレーニング内容を継続しておこなうのが効果的。
置いてあるマシンが多少異なることもあるが、鍛えられる筋肉や動作は大体同じ。ジムに設置されているマシンを利用して、これまでのトレーニングと同様の内容をおこなおう。
パーソナルトレーニングが終盤になってきた頃、担当トレーナーに卒業後はスポーツジムへ移籍することを事前に相談しておくのもいい。一人でトレーニングをおこなう上での注意点などをアドバイスしてくれたり、卒業後のメニューを考えたりしてくれるパーソナルジムもある。
体型維持を目的としてスポーツジムでトレーニングを行う場合は、筋トレを中心におこなうのがよいです。具体的な筋トレメニューとしては、「チェストプレス」「ラットプルダウン」「ローイングマシン」「スミスマシンを使用したスクワット」などがおすすめです。これらのメニューは定番ですが、体型の維持に効果的です。
自宅でトレーニングする場合
自宅でトレーニングを継続する場合、お金がかからないというメリットはあるものの、マシンなどの器具がないため、パーソナルトレーニング中におこなっていたトレーニングをそのまま続けることは難しい。
同じ効果を得るためには、異なるアプローチが必要になり、たとえばジムでチェストプレスをおこなって胸の筋肉を鍛えていた場合、自宅では腕立て伏せをおこなうのが効果的。
自宅で継続するためのメニューを自分自身で組むのは難しいので、パーソナルジム卒業前に器具を使わずにおこなうことができるトレーニングを提案してもらうように、トレーナーに相談するのもおすすめ。
ただし、自宅でのトレーニングはマシンを使えるジムに比べ、どうしても制限がかかってしまう。ジムで鍛え上げた身体を維持するためには、ダンベルなどの筋トレ道具を一定程度揃えておくのがよい。
自宅でのトレーニングメニューとしては、「腕立て伏せ」「腹筋」「スクワット」「ワイドスクワット」などの自重トレーニングが考えられます。また、背中の筋肉を鍛える場合はダンベルがあると効果的で「ワンハンドローイング」や「シーテッドローイング」といった背中の種目が出来るようになります。
パーソナルトレーニング終了後にリバウンドしないためのポイント
パーソナルトレーニングでせっかく手に入れた理想の身体。リバウンドさせないために気をつけておくべきポイントをご紹介。
- 終了後も食事内容を意識する
- 体重を測ることを毎日のルーティンにする
- 習慣的なトレーニングを続ける
- 新たな目標を立てる
- 一緒にトレーニングをする仲間をつくる
ダイエットを終えた直後の2週間はリバウンドが起こりやすい時期とされています。この初めの2週間で、しっかりと体型キープの努力をして、その後のリバウンドのリスクを減少させましょう。
終了後も食事内容を意識する
リバウンドの原因として考えられるのは、ダイエット中に制限していた食事を通常に戻したあと、食べ過ぎたり栄養が偏ったり、食事のバランスが乱れてしまうこと。
痩せるための過程では、とくに意識して食事を制限する必要がありますが、その後の体型を維持するフェーズでも、ある程度の努力は必要。
体験の維持に関しては、ダイエット中に指示された食事内容を100%守る必要はなく、70%程度の努力で十分。週に1、2回程度甘いものを食べるのも許容範囲。
タンパク質や脂質、糖質などのバランスを厳しく管理するのではなく、ダイエット中にトレーナーから指導を受けた、自分に合った食事内容をベースに、少し制限を緩めて継続するようにしよう。
体重を測ることを毎日のルーティンにする
パーソナルジムでは、定期的に体重を計測する機会があり、小さな変化に気づくことができるが、ジムを辞めてしまったあとは、身体の小さな変化に気づくのが遅れ、あっという間にリバウンドしてしまうという可能性も。
小さな変化に気づくために、毎朝トイレを済ませた後に体重を測ることをルーティンにするのがおすすめ。
夜に測定すると、日中の生活で足に水分が集まってしまい、体脂肪率が低く表示されてしまうなど、その日のむくみの状態や立っている時間によって数値が変動しやすい。
前の日の食事から時間が経っているため、食後の変動も影響しにくく、身体の水分量が均等になっている朝に計測するのがおすすめ。とくに毎朝トイレを済ませた後に測るようにしよう。
できれば、体重だけでなく、体脂肪率や体年齢など、他の指標の変化も見ることのできる体重計を使うのがよい。
習慣的なトレーニングを続ける
パーソナルジムの終了後も、トレーニングを習慣化することが大切。
習慣化しやすくするためには、曜日と時間をある程度決めておくのがおすすめ。ジムに通っている間と同じ「曜日」「時間」にトレーニングをおこなうように心がけるといい。
また、短い間隔で連続してトレーニングをおこなうと、前回のトレーニングの疲労が残ってしまい、効果的な筋トレができなくなる可能性がある。無理し過ぎず、トレーニングの間隔を適切に取ることも意識して。
新たな目標を立てる
体型維持ではモチベーションが続かない場合、新たな目標を立てるのも一つの手。
あまりに長期的な目標を立ててしまっては、なかなか達成感が生まれずモチベーションが続かない恐れもあるので、短すぎず、長すぎずの「1ヵ月単位」での目標設定がおすすめ。
トレーニングの結果に対して目標を立てる場合は、筋肉を何kg増量する、体脂肪率を何%減少するなど、トレーニングの結果に対しての具体的な数値を設定する。
トレーニングを続けることを目標にする場合は「週に◯回ジムに通う」「毎週◯曜日にトレーニングをする」などの目標を立てるとよい。
一緒にトレーニングをする仲間をつくる
パーソナルジムでは、トレーナーと一緒に目標を目指してトレーニングに取り組んでいたが、卒業後は一人でトレーニングをすることになる。
相談相手もいなくなってしまうため、一人でトレーニングの継続が難しいと感じる場合は、友人や同僚などを誘って仲間をつくり、トレーニングを続けるのがおすすめ。
また、スポーツジムに通う場合はスタジオレッスンやワークショップなどのプログラムに参加に参加すると、同じ目標を持った仲間に出会いやすい。
パーソナルトレーニングへ通うときに準備しておくもの
パーソナルトレーニングに通う際に、準備しておくべきものは以下の通り。
- トレーニングウェア
- トレーニングシューズ
- タオル
- 飲み物
- メモ帳
トレーニングウェア
通常の私服は汗を吸って乾きにくかったり、動きに制限がかかる場合があるので、通気性・伸縮性に優れたトレーニングウェアを用意しよう。
コーディネートが難しい場合は、上下セットアップで販売されているものを購入するのがおすすめ。
ジムによっては、無料でレンタルすることができたり、有料でウェア貸し出しサービスをつけたりできる。
トレーニングシューズ
ジムでは、運動用のトレーニングシューズを着用する。
シューズを預かってくれるサービスや、シューズをはじめとした備品を置いておくことができる専用ロッカーを提供しているパーソナルジムもある。
ジムでレンタルできる場合もあるが、足の形は人それぞれ違うため、ほかの人が使用したあとのシューズは、形が崩れていてフィット感が得られなかったり、サポート力が低下していたりする場合がある。
そのため、ジムで用意されているレンタルシューズを試しつつ、自分専用のシューズを用意するかを検討しよう。
タオル
汗を拭くためにタオルを持参しよう。運動中の汗だけでなく、夏場はジムへの移動の際に汗をかいてしまったり、トレーニング後のシャワーでタオルが必要になったりすることも。
ジムによっては無料でレンタルをしているところや、有料のレンタルオプションをつけられる場合がある。
飲み物
トレーニング中の水分補給は水やお茶がおすすめ。
炭酸飲料は胃腸の動きを活発にしてしまうため、運動中に胃腸への血流が増加し、筋肉への血流が低下する可能性がある。運動の効果を最大限に引き出すためには、炭酸水は避け、普通の水やお茶を選ぶのがよい。
パーソナルジムでは、サーバーが設置されており、無料で水や水素水を提供してくれることもある。事前に通うジムの備え付けの状況を確認してみて。
メモ帳
メモ帳はトレーニング内容やアドバイスを記録するのに便利。
トレーニングの内容を覚えておくために「録音・録画をしておきたい」という人もいるが、トレーナーの指導方法がネット上に流出するリスクがあるため、録音・録画は禁止されているパーソナルジムが多い。
録音・録画をしたい場合は事前にジムへ確認しておこう。
1980年生まれ。モデルやタレントではなく、ダイエットに悩む一般女性の指導をもっとも得意とし、「健康的かつきれいに女性の体を変える技術」は誰にも負けないという自負がある。東京神田大手町および横浜市あざみ野で、女性専門パーソナルジムリメイクや女性専門フィットネスショップリーンメイクを5店舗運営。SNSの総フォロワー数は約10万人。
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