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グルテンフリーとは?効果やおすすめの食品、食事メニュー例も紹介

昨今の健康ブームにおいて耳にする機会が多い「グルテンフリー」。小麦などに含まれるタンパク質「グルテン」の摂取を控えることで、具体的にどのような健康効果があるのだろうか。この記事では、グルテンフリーとは何なのか、効果、正しいやり方、実践する上での注意点などを詳しくご紹介。グルテンフリー食品の選び方や食事例も取り上げているので、参考にしてみよう。

この記事の監修者

高瀬 友理亜さん

栄養クリニック表参道院/宮古島本院 総院長
みぞぐちクリニック 勤務医

幼少期をザンビア、ノルウェー、ナイジェリアで過ごす。ジュニアアスリート、ノルウェーテニス全国大会12歳以下女子シングルス優勝。
帰国後、日本医科大学卒業。日本大学形成外科入局(研究員)と同時に、ドクターズコスメ併設の有名美容皮膚科へ勤務。その後、オーソモレキュラー栄養療法と腸内フローラ・口腔フローラ療法を学び、診療に取り入れる。理想の診療実現のため、2022年栄養クリニック宮古島本院を開院、2024年表参道院を開院。美容診療から難病治療まで幅広く診療している。

古谷 彰子さん

博士(理学) 管理栄養士

博士(理学) 管理栄養士
愛国学園短期大学 家政科 准教授、早稲田大学 ナノライフ創新研究機構 招聘研究員、(株)アスリートフードマイスター 認定講師、発酵料理士協会特別講師としても勤務。「時間」という観点から、医学・栄養学・調理学の領域にアプローチすることを専門とする。科学的根拠を基にしたライフスタイルへのアドバイス、実体験を基にした食育活動や講演活動、料理教室も開催している。『食べる時間を変えるだけ! 知って得する時間栄養学』(宝島社/2022)、『10時間空腹リセットダイエット』(主婦の友社/2023)、他多数の書籍を執筆。

【所属】
愛国学園短期大学 家政科 准教授
早稲田大学ナノ・ライフ創新研究機構 招聘研究員
あきはばら駅クリニック 非常勤管理栄養士
アスリートフードマイスター認定講師
発酵料理士協会特別講師

目次

「グルテンフリー」とは?基本知識を解説

健康効果があるとされるグルテンフリーだが、そもそもグルテンとはどんな食品に含まれていて、摂取することでどのようなリスクがあるのか。グルテンフリー食品の定義と、低グルテン食品の違いなど、まずは基本知識をおさえよう。

  • グルテンは小麦などに含まれるタンパク質
  • グルテンフリー食品の定義
  • グルテンフリーと低グルテンの違い

グルテンは小麦などに含まれるタンパク質

グルテンは、「小麦」「大麦」「ライ麦」などの穀物に含まれるタンパク質の一種。

小麦粉に水を加えてこねるとグルテンが形成されて生地に独特の粘り気が生まれる。そのため、パンやパスタなどに使われ、特有のふんわり・もちもちとした食感を与えている。

一方で、一部の人にとってグルテンは健康上の問題を引き起こす原因となる。「セリアック病」や「非セリアック性グルテン過敏症」の人は、グルテンを摂取すると体調不良を引き起こすことがあるため、グルテンフリー食品の需要が高まっている。

グルテンフリー食品の定義

グルテンフリー食品とは「グルテンを含まない」または「極めて微量しか含まない食品」を指す。一般的に、グルテンフリー食品には「20ppm(100万分の20)以下」のグルテンしか含まれていないとされている。

この基準は多くの国で法的に定められており、グルテンフリーと表示される製品はこの基準を満たす必要がある。またグルテンフリー食品には、「元々グルテンを含まない穀物や野菜を使用したもの」や「グルテンを含む穀物から特殊な加工によってグルテンを除去したもの」がある。

グルテンフリーと低グルテンの違い

「グルテンフリー」と「低グルテン」は似て非なるもので、以下が違い。

  • グルテンフリー食品:20ppm以下のグルテンしか含まない食品のこと。
  • 低グルテン食品:グルテンの含有量を通常より減らしてはいるものの、完全に排除していない食品

低グルテン食品の定義は国や地域によって異なるが、一般的には100ppm以下のグルテンを含む食品とされている。

また、低グルテン食品は、完全にグルテンを除去することが難しい食品や、製造過程でグルテンとの接触を避けられない食品に適用されることがある。セリアック病患者など、厳格なグルテン制限が必要な人には適さないため注意が必要。

グルテンフリーに関する基礎知識をもっと知りたいという人は、下記の記事「グルテンフリーって何?「ゆるっとグルテンフリー」から始める食事改革【ケンミン食品】」を参考にしてみよう。

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「グルテンフリー」が注目される3つの理由

グルテンフリーは、アレルギー対策だけでなくさまざまな健康効果が期待できるとされている。小麦アレルギーを持つ人以外からもグルテンフリーが注目される理由をみていこう。

  • 小麦アレルギー対策ができる
  • 腸内環境の改善が期待できる
  • 体重管理やダイエットに役立つ

 小麦アレルギー対策ができる

小麦アレルギーは、小麦に含まれるタンパク質に対する免疫反応によって引き起こされる。そのため、グルテンフリーは小麦アレルギーを持つ人にとって重要な対策となる。

グルテンは小麦に含まれる主要なタンパク質の1つであり、グルテンを避けることで症状が発生することを防げる。小麦アレルギーの症状は、軽度の発疹から重度のアナフィラキシーショックまでさまざまだが、グルテンフリー食品を取り入れることで、日常生活で小麦を摂取するリスクを大幅に減らせる。

腸内環境の改善が期待できる

グルテンフリーは、腸内環境の改善に寄与する可能性がある。グルテンに敏感な人の場合、小麦製品の摂取が腸内細菌のバランスを崩すことがある。

そこでグルテンを排除することで、腸内細菌叢(腸内フローラ)の多様性が増加して、消化器系の調子が良くなることがある。これにより、消化不良や腹部不快感などの症状が軽減されることも。ただし、効果の現れ方には個人差がある。

体重管理やダイエットに役立つ

一般的にグルテンを含む食品は糖質が多い傾向にある。グルテンフリー食品を取り入れることで自然と糖質の摂取量を減らせるため、結果として体重管理に役立つことも。

また、グルテンは腸内環境を悪化させやすい性質があるため、グルテンを控えることで栄養素の吸収が改善され、代謝機能の正常化につながることも。

ほか、グルテンには依存性があるため、グルテンフリーに切り替えることで、パンやお菓子などの食べすぎを防げる場合もある。

単にグルテンを避けるだけでなく、バランスの取れた食事と適度な運動を組み合わせることで、健康的で持続可能なダイエットができます。

下記の記事では、「グルテンフリーダイエットの効果・やり方」を詳しく紹介しているので、ダイエット目的でグルテンフリーに取り組む人は参考にしてみよう。

グルテンフリーダイエットの効果や正しいやり方!おすすめの食材・メニュー例も紹介

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「グルテンフリー」の6つの効果・メリット

消化器系の不調や慢性的な疲労など、なんとなく調子が優れないと感じることもある。個人差はあるが、グルテンフリーを実践することで身体に現れるいくつかの不調を改善できることがわかっている。

ここでは、グルテンを控えることで具体的にどのような健康効果が期待できるのか解説。

  • 消化器系の不調を改善する
  • 肌トラブルを軽減する
  • 慢性的な疲労感を改善する
  • 頭痛や片頭痛を軽減する
  • 自己免疫疾患症状を緩和する
  • 集中力と気分の向上に役立つ

グルテンフリーをおこなうことで、全身のむくみが軽減できる可能性があります。慢性的な鼻づまりなどのアレルギー症状の改善にも効果があるとされています。

消化器系の不調を改善する

グルテンフリー食に切り替えることで腸内細菌叢(腸内フローラ)のバランスが整い、消化機能が正常化することがある。グルテンに敏感な人は、小麦製品を摂取すると「腹痛」「膨満感」「下痢」などの症状を経験することがある。

このような症状は、グルテンを排除することで軽減されることが多い。腸内環境が改善することにより栄養の吸収が促進され、健康状態が改善する可能性も。

グルテンフリーの効果を感じられる時期には個人差があり、症状の種類によっても改善の速度や順序は異なります。

多くの場合、消化器系から始まり、徐々に全身的な症状へと改善が広がっていく傾向があります。効果を実感するためには2週間ほど、体質が変わるのは3ヶ月ほどの期間が必要です。体質改善を目的とする場合、最低でも3ヶ月程度を目安に取り組むことをおすすめします。

肌トラブルを軽減する

グルテンに対する過敏反応が肌トラブルを引き起こすケースもあり、グルテンを含む食品を避けることで「アトピー性皮膚炎」や「ニキビ」などの肌トラブルが抑えられることも。

また、グルテンフリーによって腸内環境が改善されることで、美容によい成分もしっかり吸収できるようになる。とくに、タンパク質は肌に必要なコラーゲンの生成に不可欠なため、意識的にとるようにしよう。

ニキビや色素系トラブルには「鉄分」が効果的で、血行促進や肌の新陳代謝を助けます。

全体的な肌荒れや、吹き出物には「ビタミンE」の摂取がおすすめで、肌のターンオーバーを促進する効果が期待できます。また、「亜鉛」や「ビタミンA」も肌の修復と再生を助けるため、積極的に摂取したい栄養素です。

慢性的な疲労感を改善する

グルテンフリーは、慢性的な疲労感の改善にも効果が出ることがある。

グルテンに対する過敏反応が体内で起こると、消化器系に負担がかかりエネルギー消費が増えてしまうことも。この状態が続くと、慢性的な疲労感につながる可能性がある。

グルテンフリーにすることで体内の炎症反応が抑えられ、エネルギーの効率的な利用ができるようになる。

頭痛や片頭痛を軽減する

グルテンを摂取することで神経系に影響を与え、頭痛を引き起こす可能性がある。そのため、グルテンフリーにすることで頭痛や片頭痛の軽減にもつながることも。

とくに片頭痛の頻度や強度が減少したという報告も多いが、頭痛の軽減効果は個人差がある。グルテンフリーを始めてから効果を感じるまでの期間もさまざまなので、継続的な取り組みが大切。

自己免疫疾患症状を緩和する

グルテンフリーは、自己免疫疾患の症状を緩和する効果が期待できる。

たとえば「セリアック病」では、グルテンの完全排除により腸管の炎症が抑えられ、症状が改善される。「関節リウマチ」や「甲状腺疾患」など、ほかの自己免疫疾患でも、グルテンフリー食が症状改善に役立つ可能性がある。

ただし、栄養不足の状態でグルテンを除去しても、不足している栄養素を補わなければ症状改善が見られないことも。グルテンフリーで自己免疫疾患の改善をしたい場合は、グルテン以外にも栄養バランスなど食事全体の管理をおこなおう。

人によってはグルテンフリーの食事をしていても「牛乳」「ヨーグルト」「チーズ」といったカゼインを含む乳製品を摂取し続けることで、症状改善が見られなくなってしまう場合があります。グルテンフリーの食事で効果が見られない場合は「カゼインフリー」も取り入れてみたり、医師に相談したりしましょう。

集中力と気分の向上に役立つ

グルテンを摂取すると脳機能に影響を与え、集中力の低下やうつ症状を引き起こす可能性がある。そのため、グルテンを排除することでこれらの症状が改善されることも。

とくに、いわゆる「ブレインフォグ」と呼ばれる頭の中に霧がかかったように、ぼんやりとして物事が思い出せない状態が軽減されたという報告が多い。

下記の記事では、「グルテンフリーの効果、効果を感じ始める期間」などを詳しく解説しているので、気になる人は参考にしてみよう。

グルテンフリーの効果は?グルテンを控えるメリット・デメリットも紹介

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置き換えやすい!おすすめのグルテンフリー食品

置き換えるだけで簡単にグルテンフリーを実践できる「パン」や「麺」など、スーパーやコンビニで手軽に購入できるグルテンフリー食品も増えてきている。

初心者の人でも取り入れやすい、おすすめのグルテンフリー食材をご紹介。

  • 小麦粉を使用しないグルテンフリーパン
  • グルテンフリーパスタ麺
  • 十割そば・米粉麺
  • オートミールなどのシリアル
  • 市販のグルテンフリースイーツ

小麦粉を使用しないグルテンフリーパン

グルテンを含まないグルテンフリーパンは、小麦粉の代わりに「米粉」「アーモンド粉」「ココナッツ粉」などを使用して作られる。

市販のグルテンフリーパンの中でも、とくに人気が高いのは「米粉パン」。もっちりとした食感が特徴で、日本人の口になじみやすい。最近では、米粉に加えて「タピオカ粉」や「キサンタンガム」などを使用することで、小麦パンに近い食感を実現した商品も増えている。

ただし、グルテンフリーパンは一般的な小麦パンと比べて保存性が低いため、購入後はなるべく早めに消費しよう。また、栄養面でも小麦パンとは異なる特性を持つため、全体的な食事バランスを考慮しよう。

グルテンフリーパスタ麺

グルテンフリーパスタ麺は、小麦粉の代わりに「米粉」「とうもろこし粉」「そば粉」などを使用して作られる。

「米粉パスタ」は日本人の口になじみやすく、もっちりとした食感が特徴。ソースとの相性もよく、和風・洋風どちらのアレンジにも適している。

「とうもろこし粉パスタ」は、プチプチとした食感と独特な風味があり、サラダなどの冷製パスタに向いている。「そば粉パスタ」は、そばの風味を楽しめるのが特徴で、和風のソースとの相性がよい。

また、最近では豆類を使用したパスタ麺もあり、「高タンパク質・低糖質」でダイエットにも嬉しい特徴がある。

ただし、グルテンフリーパスタ麺は、通常の小麦パスタと比べて「調理時間・調理方法が異なる」ことも。ソースとの絡みやすさも、小麦パスタとは異なるため、料理に合わせて適切な種類を選ぼう。

十割そば・米粉麺

「十割そば」は、そば粉100%で作られた麺で、そば本来の風味を存分に楽しめるのが特徴。ただし十割そばは、非常にデリケートな麺で、茹でるのに技術が必要になる。

「米粉麺」は米粉100%で作られた麺で、つるつるとした食感が特徴。「うどん」や「そうめん」の代替として使用でき、和風・洋風どちらの料理にも適している。米粉麺は茹でた後の伸びが少ないため、冷製麺としても人気が高い。

オートミールなどのシリアル

オートミールを含むグルテンフリーシリアルは、グルテンを含まない穀物や種子を使用して作られており、栄養価が高く食物繊維が豊富なのが特徴。手軽に食べられるため朝食や間食におすすめ。

一方で「オートミール」は、本来グルテンを含まない食品だが、製造過程でグルテンが入ってしまう可能性がある。

そのため、必ず「グルテンフリー」と表示されたものを選ぼう。グルテンフリーオートミールは、「食物繊維」「タンパク質」「ビタミン」「ミネラル」が豊富で、腹持ちがよく、朝食の定番としても人気がある。

市販のグルテンフリースイーツ

市販のグルテンフリースイーツは、小麦粉の代わりに「米粉」「アーモンドプードル」「ココナッツ粉」などを使用して作られる。近年、グルテンフリースイーツの種類は豊富になっており、「クッキー」「ケーキ」「マフィン」「チョコレート」など、さまざまな種類が市販されている。

「米粉」を使用したスイーツは、もっちりとした食感が特徴で、「ココナッツ粉」を使用したスイーツは、独特の風味と食感を楽しめる。また、「アーモンドプードル」や「豆類」を使用したスイーツは、「高タンパク質・低糖質」という特徴から、ダイエット中の人にもおすすめ。

ただし、グルテンフリーだからといって無制限に摂取してよいわけではなく、カロリーや糖質には注意が必要。また、グルテンフリーの代替材料が別のアレルギー反応を引き起こす可能性もあるので原材料はよく確認しよう。

下記の記事では、「グルテンフリーの食材・食品、グルテンを含むNG食材」などを紹介しているので、詳しく知りたい人は参考にしてみて。

グルテンフリーの食材はどんなものがある?食材の選び方・おすすめメニューも紹介

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「グルテンフリー」の実践しやすい食事例

小麦製品を控えるとなると、どんな食事を摂ったらいいのか悩んでしまうこともあるかもしれない。ここでは和食・洋食・中華の3種類に分けて食事例を提案。

まずは普段の食生活を振り返り、できるところからグルテンフリーに切り替えていこう。

  • 和食
  • 洋食
  • 中華

小麦を使った料理、とくにケーキなどのお菓子は油分も多いため、これらを控えることで結果として健康維持につながる可能性はある。普段の食生活を振り返りつつ、できるところからグルテンフリーに切り替えていくことが重要。
健康な人が極端にグルテンを避ける必要はなく、バランスの取れた食生活を心がけることがポイント。

健康な人がグルテンを完全に除去する必要性について、必ずしも「ある」と言い切れないのが正直なところです。アレルギーやセリアック病でない限り、過度に小麦を気にする必要はないでしょう。ダイエットでグルテンフリーを実践する場合は、完全な除去よりもマイルドに食生活に取り入れるのが望ましいです。

和食

【メニュー例(編集部考案)】
  • 白米
  • 鮭の塩焼き
  • 大根と油揚げの味噌汁
  • ほうれん草のおひたし

和食は主食が米であり、野菜や魚中心の献立が多いことからグルテンフリーに適している。味噌汁、焼き魚、煮物など多くがグルテンを含まないメニューになるため、継続しやすい食生活ができる。

調味料に小麦が含まれている場合でも量は非常に少なく、「アレルギー」や「重度のセリアック病」など厳密なグルテンフリーが必要な場合を除けば問題ないレベル。どこまで厳しくグルテンを摂取しないかは人にもよるため、医師と相談しながら自分の許容範囲内でバランスよく食事ができる工夫をしよう。

醤油の発酵スピードを早めるために小麦が使用される場合がありますが、含まれているグルテンの量は非常に少ないです。ほとんどの人にとって問題ありませんので、一般的な醤油や味噌を使ってもOKな場合があります。医師などに確認の上、使ってもらえたらと思います。

洋食

【メニュー例(編集部考案)】
  • 白米
  • 鶏肉とトマトのロースト(ハーブで味付け)
  • コンソメスープ
  • マッシュポテト

洋食でもグルテンフリーは実践可能だが、栄養バランスを意識することが大切。

パンや麺類を避け、ジャガイモやグルテンフリーパスタを活用しつつ、炭水化物不足に陥らないよう注意が必要。肉や魚のグリル、野菜サラダ、ポテト料理など、洋食にもグルテンフリーのメニューは多くあるが、ソースやドレッシングにもグルテンが含まれる場合もある。

そこまで多くグルテンが含まれているわけではないので、自分がどこまで徹底してグルテンを避けたいのかによって選ぶようにしよう。

なお、グルテンフリーの食事は和食のように、脂質を控えてバランスのよい食事がとれるからこそ健康によい影響を与えているという側面も。グルテンフリーの食品に置き換えて脂質多めの食事をするのではなく、ランチは「洋食」でも夕食は「和食」にする、パン派の人が時々ご飯に切り替えるなど「小麦粉製品を避ける」という意識も大切。

グルテンフリーであるかどうかに関わらず、主食・主菜・副菜をきちんと摂取し、栄養バランスを保つことが大切です。とくに、パスタやパンなどの小麦製品を避けることで炭水化物不足に陥らないよう注意しましょう。基本的には完全な除去ではなく、グルテンの摂取量をコントロールしながら、バランスの取れた食生活を心がけることが重要です。

中華

【メニュー例(編集部考案)】

  • 白米
  • 白身魚の中華蒸し
  • 春雨サラダ
  • たまごスープ

中華料理でも米や野菜を中心に、醤油の代わりに「塩」や「酢」を使用することでグルテンフリーを実践できる。とくに炒め物や蒸し料理は比較的グルテンフリーにしやすく、「春雨」や「米麺」を使った料理も選択肢としてよい。

調味料やとろみづけに注意が必要になるが、「片栗粉」を使用すれば多くの中華料理をグルテンフリーにできる。本格的な中華の味を楽しみつつ、グルテンフリーを実践しよう。

「グルテンフリー」の正しいやり方

グルテンフリーによる健康効果が期待できるとはいえ、今までの食生活をがらっと変えるのは難しいと感じる人もいる。一方で、正しいやり方を理解すれば、無理なくグルテンフリーを続けられる。ここでは、段階的に導入する方法や代替食品について紹介。

  • 段階的に導入する
  • 米粉・そば粉など代替食品を活用する
  • 必要な栄養素を確保し、バランスの取れた食事をとる
  • 外食時の対策を考える
  • 調理法を工夫する

段階的に導入する

グルテンフリーを始める際は、「段階的な導入」と「完全除去」の2つのやり方がある。

「段階的に導入」する場合は、パンや麺類など、明らかにグルテンを含む食品から徐々に減らしていく。1週間ごとに少しずつグルテンが含まれる食品を減らし、代わりにグルテンフリーの食品を増やしていく。この場合は、新しい食生活にゆっくり慣れることができる。

一方、理想的なのは「2週間の完全除去」。依存性の観点から、毎日少量摂取すると食べたい欲求が収まりにくい。そのため、期間を決めてしっかり止めることで、体調などの変化がわかりやすくなる。

「完全除去」が難しい場合は、1日1食はグルテンを含む食品を許容するなど、無理にならない範囲で柔軟に対応しよう。

グルテンフリー食品への置き換えは、理想としては「2週間の完全除去」がおすすめです。また、1週間でも完全除去を頑張れる場合は、段階的にやるよりも効果が高くなる可能性があります。

ただし、子どもや会社員など「2週間の完全除去」するのが難しい人は、1日1食は小麦粉の食品を食べてもOKとし、自宅での朝食と夕食はグルテンフリーにするのように調整しましょう。

 米粉・そば粉など代替食品を活用する

グルテンフリーでは、小麦粉の代わりになる食材を積極的に活用するとよい。たとえば、「米粉」や「そば粉」などの代替食品はグルテンを含まないため、安心して使用できる。

米粉は和洋中問わずさまざまな料理に使用でき、そば粉は独特の風味を楽しめる。これらの材料を使うことで、パンやお菓子、麺類など、グルテンを含む食品の代替品を作れる。

小麦粉を米粉などの代替粉に置き換えても、血糖値を上昇させる効果はあります。過剰摂取や爆食いは避け、適量を守りつつバランスの取れた食事を心がけましょう。

必要な栄養素を確保し、バランスの取れた食事をとる

グルテンが含まれた食品を避けることで、「ビタミンB群」「鉄分」「食物繊維」が不足しがちになることも。そのため、必要な栄養素をしっかり確保しよう。

おすすめなのは「豆類」「野菜」「果物」「ナッツ類」などを積極的に摂取すること。また、「キヌア」や「アマランス」などの栄養価の高い穀物も取り入れるとよい。

必要に応じてサプリメントを利用することも1つの方法になるが、あくまで栄養摂取の「補助」となる食品。サプリメントに頼りすぎず、できるだけ実際の食事から栄養をとろう。

外食時の対策を考える

グルテンフリーを続ける上で、外食時の対策を考えることは重要。

外食時のグルテンフリー対策として、和食を中心にすることでグルテンを含まないメニューの選択肢が多くなる。事前にレストランのメニューを確認し、グルテンフリーメニューの有無を問い合わせるのもおすすめ。

間食にはグルテンフリーのスナックやフルーツを持ち歩くのも1つの方法。また、ダイエット目的でおこなう場合、和食は糖質が多い傾向にあるため、カロリーや栄養バランスにも注意が必要。

米を主食とする和食は、グルテンを含みにくい傾向にあります。

ただし、和食メニューの中にもグルテンを含む料理があるため、注意しましょう。たとえば、うどんや天ぷらの衣にはグルテンが含まれます。また、ダイエット目的の場合、和食だから必ずしも痩せるわけではありません。

調理法を工夫する

グルテンフリーを長続きさせるには、自宅での調理の工夫が欠かせない。グルテンフリーレシピのコツをおさえることで、おいしく満足度の高い食事を作れる。

たとえば、パン作りでは「米粉」や「アーモンドプードル」を使用することで、もっちりとした食感を再現できる。麺類では、「米粉」や「豆腐」を使った代替レシピがおすすめ。

また、天ぷらの衣には「米粉」や「片栗粉」を使用することで、サクサクとした食感を楽しめる。これらの工夫により、グルテンフリーでありながら従来の料理に劣らないおいしさになる。

グルテンフリー食品の見分け方・選び方

グルテンフリー食品には認証マークがつけられているものがある。一方、調味料や加工食品など、意図しないところでグルテンを摂取してしまう可能性もある。グルテンフリー食品を見分ける方法や選び方を確認しよう。

  • 原材料と添加物をチェックする
  • グルテンフリー認証マークの種類と意味を理解する
  • 隠れグルテンに注意する

原材料と添加物をチェックする

グルテンフリーの食品を選ぶ上で、「小麦」「大麦」「ライ麦」「オーツ麦」などのグルテン含有穀物や、「麦芽」「麦芽エキス」「モルト」などの原材料表記に注意しよう。

また、原材料表示の「原材料の一部に小麦を含む」などの記載への対応は、個人の状況や目的によって異なる。

個人の状況や、目標に応じた柔軟な対応が大切で、継続可能な方法を見つけることが長期的な成功につながる。不明な添加物については、製造元に問い合わせるとより安全。

グルテンの完全除去を目指す場合、原材料の一部でも小麦が含まれる製品の摂取は避けましょう。症状改善の可能性が高まります。

一方、初めて取り組む場合、厳密に除去することでストレスや挫折につながることがあります。グルテンフリーへの取り組み初期は、厳密な除去にこだわらず、ライトに実施することも1つの選択肢です。

グルテンフリー認証マークの種類と意味を理解する

日本では、「一般社団法人日本グルテンフリー協会」が認証をおこなっており、そのマークが付いたものは、グルテンフリー食品として信頼性が高い。

また、国際的には、米国の「グルテンフリー認証プログラム(GFCP)」や欧州の「クロスド・グレイン・シンボル」などがある。これらのマークが付いた商品は、厳格な基準を満たしたグルテンフリー食品と言える。

ただし、認証マークがない商品でもグルテンフリーの可能性はある。そのため、1つの指標として活用するのがよい。

隠れグルテンに注意する

「醤油」「麦茶」「ビール」「各種調味料」にグルテンが含まれることも。また、加工食品で使われる「増粘剤」や「安定剤」にもグルテンが使用される可能性があるので、原材料表示の確認が不可欠。

不明な点は製造元へ問い合わせたり、不安な場合はグルテンフリー専用商品を選んだりするとリスクを軽減できる。

「グルテンフリー」のデメリット・注意点

ここまでグルテンフリーの効果やメリットを紹介したが、身体への悪影響や日常生活で困ることはないのだろうか。グルテンフリーを実践する上で、どのようなデメリットがあるのか、事前に理解しておこう。

  • 栄養バランスが偏る可能性がある
  • コストがかかる
  • 食事の制限が増え、外食しにくくなる
  • 場合によってはカロリーが高くなることも

栄養バランスが偏る可能性がある

グルテンフリーを実践する際、栄養バランスが偏る可能性がある。

小麦製品を避けることで、「ビタミンB群」「鉄分」「食物繊維」などが不足しがちになる。これらの栄養素は小麦製品に多く含まれているため、代替食品から摂取する工夫が必要になる。

グルテンフリー食を始める際は栄養士や専門家に相談し、適切な食事プランを立てることが大切。「キヌア」や「アマランス」などの栄養価の高い穀物や、野菜、果物、豆類など、多様な食材を取り入れることで、栄養バランスを整えられる。

コストがかかる

グルテンフリー専用の食品は、専門的な製造過程や原材料の調達などが原因で、価格が高くなっている場合も。

たとえば、グルテンフリーのパンや麺類は、「通常の製品の2倍以上」の価格になることもある。また、グルテンフリー食品の種類が限られている場合、選択肢が少なくなり、結果的に高価な商品を選ばざるを得ない状況になることも。

グルテンフリー食を続ける場合は食費の増加を考慮して、「米を中心にした食事や自炊を心がける」「季節の食材を活用する」など、コストを抑える工夫を取り入れてみよう。

グルテンフリーのお菓子や置き換え食品を購入することで、食費が上がってしまうことが多いです。甘いものへの欲求自体を減らして、この機会にお菓子を制限するなど、あえて置き換えられる食品を買わないのも1つの節約法です。

食事の制限が増え、外食しにくくなる

グルテンフリーを始めると、外食や会食の際にメニューの選択肢が極端に少なくなる可能性がある。とくに、「友人や同僚との食事会」「出張先での食事」などで困難を感じやすい。

また、食生活の制限によって、外食を断念せざるを得なくなったり、ストレスを感じたりする原因になることも。最近ではグルテンフリーメニューを提供する飲食店も増えてきており、状況は徐々に改善されつつある。

外食時にグルテンを完全に避けるのは難しいですが、工夫次第で摂取を抑えられます。パスタやピザなど小麦粉を主原料とする料理を避け、代わりにリゾットなど米を使用した料理を選ぶのがおすすめです。

場合によってはカロリーが高くなることも

小麦の代替として使用される原材料に、「脂肪」や「糖分」が多く含まれることがある。そのため、グルテンフリー食品の中には、通常の食品よりもカロリーが高くなるものも。

たとえば、グルテンフリーのパンやお菓子類は、食感や味を調整するために「油脂」や「糖類」が多く使用されている可能性がある。

また、グルテンフリー食を選択する際は栄養成分表示をよく確認し、「カロリー」や「脂質」「糖質」の含有量に注意する必要がある。また、加工食品に頼りすぎず、自炊を取り入れることでカロリーコントロールがしやすくなる。

「グルテンフリー」に関するQ&A

グルテンフリーは実践したら誰でも効果が出る?

A:効果が出る可能性が高い

体感では8割程度の人が、グルテンフリーにしたことで「消化器症状の改善」「身体のだるさ」「むくみ」などの症状が緩和されるといった効果を感じています。

日本人にもグルテンフリー食品は必要?

A:必要な場合もある

日本人であるかどうかに関係なく、「だるさ」や「頭痛」など体調面で何かしら気になる点がある場合は、グルテンフリーの食事をすることで症状改善につながる場合があります。

子どもがグルテンフリー食にするのは安全?

A:問題ない

子どもにもグルテンフリー食は導入できます。子どもの方がグルテンフリーの食事による、症状改善が顕著であることも多いです。「お腹を壊しがち」「集中力不足」「癇癪持ち」「アトピー性皮膚炎」などの問題を抱える場合はとくにおすすめです。

グルテンフリーと糖質制限の違いは?

A:グルテンフリー食では糖質の制限にならないことが多い。

グルテンフリーは「パスタ」「パン」など、小麦を使った食品を避け、「米」「米製品」などで補うイメージです。米には糖質が含まれているため、グルテンを摂取しなくても、糖質は摂取している状態になります。

一方で、糖質制限は「パスタ」「パン」自体をカットし、糖質を摂取しないダイエット方法です。

下記の記事では、「糖質制限ダイエットの正しいやり方」を詳しく紹介しているので、詳細に違いを知りたい人は参考にしてみよう。

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グルテンは身体に悪いの?

A:身体にとってのメリットは挙げづらい

グルテンはアレルギーの原因物質になることもあり、摂取することでさまざまな不調を引き起こすことがあります。

中にはグルテンよりも「カゼイン」の方が身体に悪影響を及ぼしている場合もあるため、グルテンフリーに挑戦する場合は、カゼインが含まれる乳製品の摂取もできるだけ控えるのがおすすめです。

グルテンフリーをやめた場合の反動はある?

A:中にはアレルギー症状が出る人も

グルテンフリーをおこない、体内にグルテンがない状態でいきなり小麦製品を食べると、小麦アレルギーのような症状が出ることがあります。また、「小麦」や「グルテン」には依存性があるため、どんどん小麦製品を欲してしまう反動が出ることも。

2週間程度きっちりとグルテン摂取を断つと、依存性がなくなり避けやすくなりますが、最初は挫折しやすいかもしれません。何回も挑戦するうちに反動が軽減される場合もあるので、諦めずに続けていきましょう。

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