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グルテンフリーダイエットの効果や正しいやり方!おすすめの食材・メニュー例も紹介

小麦断ちとも呼ばれ、小麦製品をはじめとしたグルテンを含む食品を制限する「グルテンフリー」。グルテンの摂取を控えることで、さまざまな健康効果があるとされ、ダイエット方法の1つとしても注目を集めている。この記事では、「グルテンフリーダイエット」で期待できるおもな効果や、成功させるためのコツ、グルテンフリーをおこなう際の注意点などを詳しくご紹介。グルテンフリーの食事メニュー例も取り組む際の参考にしてみて。

この記事の監修者

高瀬 友理亜さん

栄養クリニック表参道院/宮古島本院 総院長
みぞぐちクリニック 勤務医

幼少期をザンビア、ノルウェー、ナイジェリアで過ごす。ジュニアアスリート、ノルウェーテニス全国大会12歳以下女子シングルス優勝。
帰国後、日本医科大学卒業。日本大学形成外科入局(研究員)と同時に、ドクターズコスメ併設の有名美容皮膚科へ勤務。その後、オーソモレキュラー栄養療法と腸内フローラ・口腔フローラ療法を学び、診療に取り入れる。理想の診療実現のため、2022年栄養クリニック宮古島本院を開院、2024年表参道院を開院。美容診療から難病治療まで幅広く診療している。

古谷 彰子さん

博士(理学) 管理栄養士

博士(理学) 管理栄養士
愛国学園短期大学 家政科 准教授、早稲田大学 ナノライフ創新研究機構 招聘研究員、(株)アスリートフードマイスター 認定講師、発酵料理士協会特別講師としても勤務。「時間」という観点から、医学・栄養学・調理学の領域にアプローチすることを専門とする。科学的根拠を基にしたライフスタイルへのアドバイス、実体験を基にした食育活動や講演活動、料理教室も開催している。『食べる時間を変えるだけ! 知って得する時間栄養学』(宝島社/2022)、『10時間空腹リセットダイエット』(主婦の友社/2023)、他多数の書籍を執筆。

【所属】
愛国学園短期大学 家政科 准教授
早稲田大学ナノ・ライフ創新研究機構 招聘研究員
あきはばら駅クリニック 非常勤管理栄養士
アスリートフードマイスター認定講師
発酵料理士協会特別講師

目次

グルテンフリーダイエットとは?

ダイエット方法の1つとしても注目されているグルテンフリーだが、そもそもグルテンとはどのような成分で、身体にどのような影響があるのだろうか。

まずは、グルテンの特徴や、グルテンフリーダイエットが注目されている理由、ほかダイエットとの違いをみていこう。

  • グルテンとはどんな成分?
  • グルテンフリーダイエットが注目されている理由
  • 糖質制限ダイエットとの違い

グルテンとはどんな成分?

グルテンは、「小麦」「大麦」「ライ麦」などの穀物に含まれるタンパク質の1つ。

水を加えて小麦粉をこねると、グルテンが網目状になり、生地を膨らませる働きをする。そのため、パンやパスタなどの食品に弾力性や粘着性を与える重要な役割を果たしている。

しかし、一部の人にとっては、グルテンが身体に悪影響を与える可能性がある。

とくに「グルテン不耐症」や「グルテン過敏症」の場合、グルテンを摂取することで消化器系の不調や炎症、栄養吸収の問題を引き起こすことも。そういった背景からグルテンを含む食品を避ける食習慣「グルテンフリー」が注目され、健康増進やダイエットなどの目的で多くの人に取り組まれている。

グルテンフリーダイエットが注目されている理由

世の中の健康意識の高まり、食品アレルギーへの理解の深まりから、グルテンフリーの食習慣やその効果にも注目が集まるようになった。

また、有名人や運動選手がグルテンフリーを実践し、体調改善や体重管理、パフォーマンス向上などの効果を公表したことも、多くの人の関心を集めるきっかけになっている。

グルテンフリーを実践することでさまざまな効果が期待できるが、とくにダイエットや体重管理につながる効果を期待して、ダイエット方法の1つとして取り組む人が増えている。

ただし、「グルテン不耐症」や「グルテン過敏症」などの症状がなく、とくにグルテンを避ける必要がない人が、グルテンフリーをおこなうことに対して、専門家の間で意見がわかれている。

糖質制限ダイエットとの違い

「グルテンフリーダイエット」は、おもにグルテンを含む食材(小麦・大麦・ライ麦などの穀物)を避けることに焦点を当てている。そのため、米や雑穀、いも類などの炭水化物は摂取できる。

一方で、「糖質制限ダイエット」は、炭水化物の摂取量を全体的に減らすことを目的としており、グルテンフリーでは食べられる「米」「雑穀」「いも類」も制限の対象となる。

また、グルテンフリーの代替食品の中には、通常の食品よりも高カロリーや高糖質のものもあるため、グルテンフリーダイエットは必ずしも低カロリーや低糖質ではない。その点、糖質制限ダイエットは、カロリー摂取量を減らすこと、血糖値を安定させることも目的の1つとしている。

糖質制限に関しては、ストイックに取り組むと体調不良になる人が一定数いますが、グルテンフリーをおこなうことで、体調不良を感じるということは考えづらいです。

糖質制限とグルテンフリーを同時におこなうことも非常に効果的です。糖質制限をして疲れ、肌荒れなどが起きた場合は、グルテンではない糖質やMCTオイルなどの油をとるようにしてみてください。

下記の記事では、「糖質制限ダイエットの基礎知識や正しいやり方」などを詳しく解説しているので、グルテンフリーダイエットとの違いを詳細に知りたい人は参考にしてみよう。

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グルテンフリーダイエットの5つの効果

グルテンフリーダイエットは、摂取カロリーを抑えて体重管理に役立つだけでなく、消化の負担軽減、血糖値の急上昇の抑制など、さまざまな健康効果が期待できる。以下のおもな5つの効果を詳しくみていこう。

  • 消化の負担が軽減される
  • カロリー摂取を自然と抑える
  • 腸内環境を改善して代謝を上げる
  • 血糖値の急上昇を抑える
  • 脂肪の蓄積を抑える

消化の負担が軽減される

グルテンは、一部の人にとって消化が難しいタンパク質。グルテンを含む食品を避けることで、消化器系への負荷が減少し、より効率的に消化吸収できる。

とくにグルテンに敏感な人の場合、摂取によって腸内で炎症が起こり、栄養素の吸収が妨げられることがある。そのため、グルテンフリーダイエットを実践することで、腸の炎症が軽減され、栄養素の吸収効率が向上する可能性もある。

また、消化の負担が軽減されることで、身体のエネルギーをより効率的に使えるようになる。

消化に使われていたエネルギーをほかの代謝活動に使うことができ、結果として身体全体の機能が向上する効果も。消化負担の軽減は、腹部膨満感(お腹の張り)や消化不良などの不快な症状の改善にもつながる。

グルテンフリーダイエットとあわせて、消化を助けるためには、タンパク質を適切に摂取し、食事中に酸性の食品を取り入れることが効果的です。有機レモン水など、酸を含む食品を食事と一緒にとることで、消化をサポートできます。

カロリー摂取を自然と抑える

グルテンフリーダイエットは、カロリー摂取を自然と抑える効果がある。

グルテンを含む食品、とくに精製された小麦製品は、高カロリーで栄養価が低いものが多い。こういった食品を制限することで、結果的に摂取カロリーが減少する傾向にある。

たとえば、「パン」「パスタ」「菓子類」などの小麦製品を避け、代わりに、「野菜」「果物」「タンパク質源となる食品」を中心とした食生活に移行することで、栄養バランスを整えつつ、カロリー摂取も適度に抑えることができる。

また、グルテンフリーダイエットを実践することで、食事の内容をより意識するようになるのも嬉しいポイント。食品表示をチェックする習慣がつき、より健康的な食品を選ぶようになったり、無意識のうちに過剰なカロリー摂取を抑えたりすることにつながる。

さらに、グルテンフリーの食品は、「食物繊維」や「タンパク質」の割合が高いことが多く、一般的に満腹感が持続しやすい。満腹感が持続することで、間食の頻度が減り、全体的なカロリー摂取量の抑制につながる。

グルテンフリーに取り組んでも、ナッツやチョコレートなどカロリーの高い食品を過剰に摂取すると、痩せにくくなるため、注意が必要です。ただし、カロリーを極端に減らしすぎると、エネルギー不足で身体が疲れやすくなります。ダイエット効果を期待してグルテンフリーに取り組む場合は、適切な摂取カロリーを意識しましょう。

腸内環境を改善して代謝を上げる

グルテンは一部の人にとって消化が難しく、腸内細菌叢(腸内フローラ)のバランスを崩す原因となることも。

グルテンを除去することで、腸内の炎症が軽減され、身体にとって有益な細菌が増える可能性がある。健康的な腸内細菌が増えることで、栄養素の吸収効率を高め、免疫系の機能が向上する。

また、健康的な腸内環境を維持することで、代謝を活性化させることにつながる。代謝が活性化すると、エネルギー消費が増加し、結果として体重管理に効果的。

腸内環境の改善を目指す場合、グルテンフリーと合わせて、カゼインフリーを実践するのが効果的です。乳製品の摂取を控えることで、口臭改善や全体的な体調改善が期待できます。さらに、人工甘味料や着色料などの添加物の摂取もできるだけ控えるようにしましょう。

血糖値の急上昇を抑える

グルテンを含む精製された小麦製品は、食後血糖値の上昇度を示す「GI値」が高いものが多い。そのため、これらの食品を摂取すると、血糖値が急激に上昇し、そのあと急激に下降する。この血糖値の急上昇・急下降は、空腹感の増加や糖尿病などの疾病につながる可能性も。

グルテンフリーダイエットをおこなうことで、高GI食品を避け、「米」「雑穀」「豆類」「野菜」など低GI食品を中心とした食生活になりやすくなる。血糖値の急激な変動が抑えられることで過食を防ぐ効果も期待できる。

また、グルテンフリー食品は食物繊維が豊富であることが多い。食物繊維による糖質の消化吸収を遅らせ、血糖値の上昇を緩やかにする効果も。

糖分をとると、血糖値を下げるためのホルモン(インスリン)が出ますが、これが出過ぎてしまうと、糖分が細胞内に取り込まれ、太りやすくなってしまいます。体重管理をするためには、血糖値とインスリンの分泌量を安定させることも大切です。

脂肪の蓄積を抑える

グルテンフリーダイエットをおこなうと、前述した通り、低GI食品を中心した食生活となるため、血糖値の上昇が緩やかで、インスリンの過剰分泌も抑えられる。結果として、脂肪の蓄積が抑制される。

また、グルテンフリーは自然とタンパク質や健康的な脂質の摂取量が増える傾向。とくに、良質なタンパク質の摂取は、筋肉量の維持や増加にも関係し、基礎代謝の向上につながる。

さらに、グルテンフリーダイエットでは、食物繊維の摂取量が増えることから、健康的な腸内環境をつくる。これによって脂肪の代謝や蓄積に影響を与えることが、近年の研究で明らかになっている。

脂肪を減らしたい場合は、グルテンフリーダイエットと運動を組み合わせることが効果的です。運動は脂肪燃焼を促進し、基礎代謝を高めるためにも必要不可欠。代謝に必要な栄養素であるビタミンB群が不足していると、運動をおこなっても痩せにくくなることがあるため、意識的に摂取するようにしましょう。

グルテンフリーダイエットを成功させる5つのコツ

小麦製品を避けていても、意外な食品からグルテンを摂取してしまっていたり、単にグルテンを減らすだけでは栄養が偏ったりする可能性も。

そのため、グルテンフリーダイエットを成功に導くための、以下の5つのポイントを意識しよう。

  • グルテンを含む食材を把握する
  • グルテン食品をグルテンフリー食品に置き換える
  • できるだけ自炊をおこなう
  • 栄養バランスを意識する
  • 無理をしすぎず「継続」を重視する

グルテンを含む食材を把握する

おもにグルテンを含む食品は、「小麦」「大麦」「ライ麦」などの穀物とその加工品(パン・パスタなど)だが、「醤油」「ソース」「ドレッシングなどの調味料」「加工肉製品」「缶詰」「冷凍食品」など、意外な食品にもグルテンが含まれていることがある。

そのため、食品表示を細かくチェックする習慣をつけよう。また、「隠れグルテン」にも注意が必要。

食品表示に小麦などの記載がなくても、食品添加物として使用される「麦芽エキス」や、調味料としての「小麦由来成分」など、一見してグルテンとはわからない形で含まれていることも。グルテンフリー認証マークのついた商品を選ぶことも、確実にグルテンを避ける方法の1つ。

グルテン食品をグルテンフリー食品に置き換える

パンやパスタの代わりとしては、「米」「米粉製品」「そば(生粉打ち)」「キヌア」「アマランサス」などの穀物が使いやすい。

これらは「食物繊維」や「ミネラル」が豊富で、栄養価も高い。また、小麦粉の代わりに、「米粉」「アーモンドプードル」「ココナッツ粉」などを使用することで、お菓子作りもできる。

調味料も完全にグルテン除去をしたい場合は、グルテンフリーの醤油や、ソースを選ぶとよい。また、香辛料やハーブを上手に使うことで、味の変化をつけられる。スナック菓子は、ナッツ類や果物、野菜チップスなどの自然食品に置き換えるのがおすすめ。

グルテンフリー専用の代替食品も増えているが、これらは加工食品であることが多いため、栄養成分表示をよく確認し、添加物や糖質量に注意しよう。できるだけ自然な食材を中心に選び、加工食品は補助的に使うのがおすすめ。

できるだけ自炊をおこなう

外食や加工食品に頼ると、知らず知らずのうちにグルテンを摂取してしまう可能性が高くなる。自炊をすることで、グルテンフリー食材を選び、調理方法も自分で決められるため、安心して食事を楽しむことができる。

また、自炊は栄養バランスの管理にも役立つ。グルテンフリーダイエットでは、栄養素が不足しがちになることがあるが、自炊ならさまざまな食材を組み合わせて、バランスの取れた食事を作ることができる。

さらに、自炊は食費の節約にもつながる。グルテンフリー食品は一般的に高価なものが多いが、基本的な食材から調理することで、コストを抑えることができる。自炊を始める際は、簡単なメニューから始めるのがおすすめ。

グルテンフリーのレシピ本やウェブサイトを参考に、徐々にレパートリーを増やしていくとよい。週末にまとめて調理し、平日の食事に備えるなど、効率的な計画を立てることも継続のコツ。

栄養バランスを意識する

グルテンフリーダイエットを健康的に実践するためには、栄養バランスを意識することが不可欠。

グルテンを含む食品を避けていると、小麦製品に多く含まれる「ビタミンB群」「鉄分」「食物繊維」「亜鉛」などの栄養素が不足しやすい。そのため、単にグルテンを避けるだけでなく、栄養バランスを意識して、代替食品を選択することが大切。

たとえば、「全粒穀物」「豆類」「緑黄色野菜」などを積極的に摂取することで、不足しがちな栄養素を補うことができる。また、「キヌア」や「アマランサス」などは、タンパク質や食物繊維が豊富で、栄養価も高いので積極的に摂取したい。

無理をしすぎず「継続」を重視する

グルテンフリーダイエットを成功させるためには、無理をしすぎず、長く続けることを意識しよう。急激に食生活を変えると、ストレスが溜まり、結果的にダイエットを継続できなくなる。

まずは1日1食をグルテンフリーにすることから始め、徐々にグルテンフリーの割合を増やしていくなど、段階的に取り入れていくのがおすすめ。また、完璧を求めすぎないことも大切。特別な日や、外食時には多少のグルテン摂取も受け入れ、日常生活に支障をきたさないようにすることが継続のコツ。

定期的に自分の状態をチェックし、ダイエット効果を実感することも継続のモチベーションになる。体重や体調の変化、エネルギーレベルの向上など、小さな変化にも注目し、自分の成果を認めることが大切。

なぜグルテンが身体によくないのか、グルテンフリーで得られる可能性のある効果など、メリットをしっかり理解しておくことも重要です。また、憧れのモデルさんの写真などを目にみえる場所に貼っておくこともモチベーション維持に効果的です。

グルテンフリーダイエットにおすすめの食品・食材

グルテンフリーダイエットでは、ほかの制限ダイエット方法と比べて、さまざまな食品を食べることができる。サラダなどの野菜類は、栄養価が高くて低カロリーなため、理想的な選択肢。タンパク質源としては、肉類や焼き魚も適している。

ここでは、主食として置き換えやすい、おもなグルテンフリー食品・食材をご紹介。

  • 白米・玄米
  • 雑穀米
  • カリフラワーライス
  • グルテンフリーパン
  • 十割そば
  • グルテンフリー麺

グルテンを含む食品を単にグルテンフリーに置き換えるのではなく、副菜や主菜を充実させることを意識しましょう。

たとえば、冷奴のような大豆製品も、栄養価が高く、グルテンフリーダイエット中におすすめです。グルテンフリーでもさまざまな食材を組み合わせることで、栄養バランスの取れた食事ができます。個人の好みや体質に合わせて、食事を楽しみながらダイエットに励みましょう。

白米・玄米

白米は、グルテンフリーを実践するうえで大切な炭水化物。ダイエットなら、より血糖値を上げにくい玄米がおすすめ。

玄米は「ビタミンB群」、とくに「ビタミンB1」が豊富に含まれている。ビタミンB1は、体内でのエネルギー生成を効率化する働きがあり、代謝を促進する効果が期待できる。

また、「食物繊維」も豊富で、腸内環境を改善して、お通じをよくする効果も。腸内環境が整うと、全身の健康維持やダイエット効果の向上にもつながる。

白米には消化がよいという特性があります。なので、朝は白米でこれから活動するために利用するエネルギーをより使えるようにしましょう。そして夜は、同じ食品を食べても昼に比べて血糖値が上がりやすい傾向があるため、玄米を夕食の主食として取り入れるのがおすすめです。

雑穀米

雑穀米は、玄米と似た特徴を持っており、白米では摂取しにくい「ミネラル」も豊富に含むため、栄養バランスの改善も期待できる。また、「食物繊維」も豊富で、腸内環境の改善や満腹感の持続に効果的。

雑穀の種類によっては、特定の栄養成分が玄米よりも高いものもあるが、「大麦」や「オーツ麦」はグルテンと似たような成分を含むため、完全にグルテン除去をしたい場合は避けるのが無難。ただし、水溶性食物繊維が豊富であることから、朝食に取り入れると、腸内環境の改善効果が高まる。

雑穀の定義は広範囲に渡るため、具体的な栄養価や効果は、使用する雑穀の種類によって異なります。味の好みや持病などの目的に合わせて、選択しましょう。

カリフラワーライス

カリフラワーをお米風に仕立てたカリフラワーライスも主食の選択肢の1つ。野菜であるため、低カロリーでありながら栄養価が高い。とくに「ビタミンC」と「食物繊維」が豊富に含まれている。

また、通常の米と比べてでんぷん質がほとんどなく、血糖値の急激な上昇を抑えることができるので、糖質制限ダイエットにもおすすめ。

ただし、食物繊維が多いため、一度に大量に摂取すると胃腸に負担がかかり、下痢やガスの溜まりなどの症状を引き起こす可能性がある。過剰摂取には注意しよう。

カリフラワーライスは、でんぷん質が少ないため注意も必要です。でんぷん(炭水化物)は身体のエネルギーになるもの。通常、炭水化物を摂取すると、糖質が分解され、ブドウ糖になって身体に吸収されます。

そのため、極度に炭水化物を抜いてしまうと、脳のエネルギー(ブドウ糖)が不足して集中力が切れてしまったり、イライラしやすくなるなどの影響が考えられます。通常のお米とカリフラワーライスを半々に混ぜて食べる方法もおすすめです。カロリーを抑えつつ、満腹感も得られます。

グルテンフリーパン

通常の小麦粉パンを、「米粉」や「雑穀」を使用して作ったグルテンフリーパンに置き換えるのもおすすめ。

小麦粉パンと比較して消化もしやすく、グルテンに敏感な人や消化器系の問題を抱えている人は、症状の軽減や全体的な体調改善、ダイエット効果の向上などにつながる可能性がある。

ただし、グルテンフリーパンには通常の小麦粉パンと比べて風味や食感に違いがある。とくに、ふわふわとした食感を出すのは難しく、多くの場合、小麦粉パンのような柔らかさや弾力は得られない。

グルテンフリーパンは「米粉」で作られたものがもっとも多く、味も小麦粉パンに近くてなじみやすいものや、ふわふわ感を実現した商品も販売されています。グルテンフリーでも糖質は通常のパンと同じように含みますので、食べすぎには注意しましょう。

十割そば

十割そばは、血糖値の急激な上昇を抑制する効果がある「低GI食品」。夕食に食べることで、夜間の血糖値上昇とカロリーを抑えることができ、体重管理に効果的。

また、そば粉に含まれる「食物繊維」「ビタミンB群」「各種ミネラル」などの栄養素が豊富に含まれている。ダイエット中に必要な栄養素を効率的に摂取でき、食事制限による栄養バランスを崩すリスクを軽減できる。

十割そばは、低カロリーでありながら栄養価が高く、血糖値の管理にも効果的であることから、とくにダイエット中の夕食におすすめの食材といえます。

グルテンフリー麺

さまざまなグルテンフリー麺が販売されているが、低GI食品である豆類由来の麺も多く、満腹感も得られやすいのが特徴。

血糖値の上昇を抑えてくれるため、夕食の主食として取り入れるのはおすすめ。一方、小麦や白米、麺類は血糖値が上がりやすいため、できるだけ朝食に摂るようにすると、一日を通じた血糖値のバランスを整えることができる。

ダイエットにおいては、グルテンの有無以上に摂取するタイミングも重要です。夜間は低糖質のものを食べ、朝は糖質をしっかりとるなど、摂取時間を調整することによって、より効果的なダイエットができます。

下記の記事では、「グルテンフリーの食材・食品」について詳しく解説しているので、気になる人は参考にしてみよう。

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グルテンフリーダイエットでの食事メニュー例

ここでは、グルテンフリーダイエット中におすすめの食事メニュー例をご紹介。グルテンフリー食材はとても多く、組み合わせ次第で和食・洋食・中華など、さまざまな料理を楽しめる。

  • 和食
  • 洋食
  • 中華

グルテンフリーを実践する際は、過度に厳しくなりすぎないことが大切です。グルテンを完全に排除しようとすると、食生活が苦痛になる可能性も。果物や野菜など、グルテンを含まない食品を中心にとることを基本とし、ときには通常のパンやパスタを少量楽しむなど、柔軟に取り組みましょう。

和食

【メニュー例(編集部考案)】

  • 白米/玄米
  • 豆腐ハンバーグ
  • じゃがいもと玉ねぎの味噌汁
  • きんぴらごぼう

主食は「白米」または「玄米」、おかずは「焼き魚」「豆腐料理」「野菜の煮物や炒め物」などの組み合わせでバリエーション豊かに楽しもう。上記以外にも、玄米、焼きさば、豆腐とわかめの味噌汁、小松菜のおひたしなどのメニューもグルテンフリーダイエットとしておすすめ。

編集部コメント

「豆腐ハンバーグ」は、パン粉を使用せず、豆腐でボリュームを出して、片栗粉をつなぎに。味つけは好みでケチャップとソースを合わせたものや、大根おろしなどをのせる。白米もしくは玄米、じゃがいもと玉ねぎの味噌汁、きんぴらごぼうなどと合わせて食べたり、小さめに作ってお弁当に入れたりするのもおすすめです。

洋食

【メニュー例(編集部考案)】

  • シーフードドリア(小麦粉ではなく米粉使用)
  • サラダ
  • コンソメスープ

主食には、ジャガイモやグルテンフリーパスタ、キヌアなどを活用し、小麦パンの代わりとしてグルテンフリーパンや米粉パンを取り入れよう。

また、上記以外のメニューとして、「ハーブで味付けした鶏肉のロースト」「サーモンのムニエル(小麦粉の代わりに米粉を使用)」「ビーフステーキ」などメインにし、付き合わせで野菜料理を組み合わせるのもよい。

編集部コメント

小麦粉の代わりに米粉を使ったホワイトソースで作る「シーフードドリア」は、具だくさんで満足感があるため、グルテンフリーダイエットに最適。

糖質が気になる場合はドリアに使うお米をオートミールや玄米に変更することで糖質をカットしましょう。また、冷凍のシーフードミックスを使うとより手軽。単品では野菜が不足するため、サラダやスープなどで補うのを忘れずに。

中華

【メニュー例(編集部考案)】

  • 白米/玄米
  • 白身魚の中華蒸し
  • 春雨サラダ
  • たまごスープ

主食は、「白米」や「炒飯」、小麦粉を使用した麺類の代わりとして、「ビーフン」や「春雨」を活用しよう。

メインは、肉や魚、野菜を使った炒め物がおすすめ。たとえば、上記以外のメニューとして、「エビのチリソース炒め」「青椒肉絲(チンジャオロース)」「麻婆豆腐(とろみづけに片栗粉を使用)」などもある。

また、点心類では、小麦粉の代わりに米粉や豆粉を使用して作る「餃子」や「焼売」などもよい。春巻きの皮を米粉で作れば、グルテンフリー春巻きにも。

編集部コメント

「白身魚の中華蒸し」は、白身魚をレンジで蒸して、中華風のたれをかければ簡単に作れます。白身魚は脂が少なく、お好みの味つけで食べられるのでダイエット中にもぴったりです。

グルテンフリーダイエットのデメリット

さまざまな健康効果が期待されているグルテンフリーだが、栄養バランスの偏りや、過度な制限によって体調を崩してしまうなどのデメリットもある。

グルテンフリーダイエットを実践する際は、下記2つのデメリットを把握しておこう。

  • グルテンフリー食品は高価格のものが多い
  • 再度、小麦粉を摂取したときにアレルギー症状が出ることも

グルテンフリー食品は高価格のものが多い

グルテンフリー食品は、一般的に通常の食品よりも高価格になる傾向。

たとえば、グルテンフリーの小麦代替品となる「米粉」「アーモンド粉」などは、通常の小麦粉よりも高価。グルテンフリー食品の製造には、特別な設備や工程が必要となることも多く、需要が一般食品に比べて少ないため、大量生産によるコスト削減が難しい面もある。

こういった原材料の調達や製造過程、流通量の違いなど、さまざまな要因が重なり、結果として高価格な商品が多くなっている。

コストを抑えてグルテンフリーを実現するためには、自炊をすることが有効。「米」や「キヌア」などの比較的安価な代替食材を活用して自炊をすることで、コストを大幅に抑えることができる。また、セール品や大容量パック、オンラインショッピングで比較して購入することで、コストを抑えることができる。

米粉などの代替材料もコストがかかりますが、グルテンフリーのお菓子などを購入することで、食費の増加につながりやすいです。グルテンフリーを機に甘いものやおやつへの欲求自体を減らし、スイーツを制限してみるのもコスト削減に効果的です。

再度、小麦粉を摂取したときにアレルギー症状が出ることも

グルテンフリーダイエットを実践して、とくに身体に悪影響が出ることはないが、グルテンを制限したあとに再びグルテンを摂取すると、身体に蕁麻疹などが出る人もいる。これは身体の正常な反応ではあるが、悪影響と捉えられることもある。

そのため、日頃から不調がない人や、グルテンフリーをおこなう特定の目的がない場合は、完全にグルテンを除去してしまうと、身体がグルテンに対して敏感になる可能性があり、再度摂取した際に反応が出やすくなる可能性も。

健康的にグルテンフリーダイエットを実践するためには、目的や自分の体質に合わせて適度にグルテンを控えるのが理想的。

グルテンフリーとあわせて取り組みたいダイエット習慣

グルテンフリーダイエットに限らず、ダイエットをおこなう際は食事制限だけではなく、適度な運動や生活リズムを整えて、健康的に痩せることが大切。

グルテンフリーに加えて、以下3つのポイントも意識しよう。

  • 適度に運動をする
  • 質のよい睡眠をとる
  • 規則正しい生活を意識する

適度に運動をする

グルテンフリーダイエットとあわせて適度な運動を取り入れることで、より効果的な減量と健康増進が期待できる。運動は単にカロリー消費を促すだけでなく、代謝を活性化し、筋肉量を維持・増加させる効果がある。

運動は、とくに筋トレを組み合わせるのが理想的。筋トレをして基礎代謝が上がると、痩せやすい体質になる。自重トレーニングやダンベルを使用した運動など、家でも簡単に始められるものから取り入れるのがおすすめ。

運動を習慣化するコツは、無理のない範囲で始め、徐々に強度や時間を増やしていくこと。

「週2〜3回:30分程度」から始め、慣れてきたら回数や負荷を上げるなど、そのときの自分に合った運動方法で取り組もう。また、日常生活の中で階段を使うなど、小さな運動習慣を取り入れることも効果的。

下記の記事では、「ダイエットに効果的な運動、脂肪燃焼を高めるコツ」などを紹介しているので、運動もあわせて取り組む際は参考にしてみよう。

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質のよい睡眠をとる

グルテンフリーダイエットの効果を最大限に引き出すには、質のよい睡眠が欠かせない。質のよい睡眠は、体重管理やホルモンバランスの調整、代謝の促進など、さまざまな面でダイエットをサポートしてくれる。

血糖値の安定化も睡眠の質が大きく影響する。夜間の低血糖を防ぐために、バランスの取れた食事と適度な運動が効果的。さらに、寝る直前のスマホやゲームは避け、リラックスする時間を持つようにしよう。

また、質だけでなく十分な睡眠時間を確保することも大切。睡眠不足は、食欲を増進させるホルモンの分泌を促すため、過食や間食につながる可能性がある。

栄養学的な観点から睡眠の質を高めるには、「ビタミンB群」「タンパク質」「鉄分」の摂取が重要です。これらの栄養素が不足すると、眠りが浅くなったり、悪夢を見たり、歯ぎしりが増えることがあるので、積極的に摂取しましょう。

規則正しい生活を意識する

グルテンフリーダイエットに関わらず、ダイエット中は規則正しい生活リズムを確立することが大切。

まずは、食事の時間を一定に保とう。規則正しい食事時間は、消化器系のリズムを整え、栄養吸収を促進する。一定の間隔で食事をとることで、血糖値の急激な変動も防ぎ、過食や間食を抑制する効果が期待できる。

また、毎日同じ時間に就寝・起床することで、体内時計とホルモンバランスが整い、食欲のコントロールや代謝機能の向上につながる。定期的な運動も、エネルギー代謝の促進やストレス解消に効果が期待できる。可能な限り、同じ時間帯に運動をして、効果的に体内リズムを整えよう。

過食などの原因につながるストレスはダイエットの大敵。定期的にリラックスタイムを設けるように心がけよう。

どうしても食事のタイミングが乱れる場合には、小腹が空いたときに手軽に栄養補給ができるアーモンドなどのナッツ類を持ち歩くのがおすすめです。また、コンビニで間食を買う際には、ゆで卵などのタンパク質を含む食品を選ぶのがおすすめです。

グルテンフリーダイエットに関するQ&A

グルテンフリーダイエットはどのくらいで効果が実感できる?

A:個人差があり、グルテンフリーの効果を実感するためには「2週間」、ダイエットで体質を変えるには「3ヶ月」ほどが目安となる。

効果が現れるまでの期間は、数週間〜数ヶ月と個人の体質によって異なります。腹痛、下痢、便秘などの消化器系の症状が早く改善される傾向にあり、1〜2週間程度で変化を感じ始める人が多いです。疲労感の改善など体質が変わるには、3ヵ月程度とより長い期間を要することが多いです。

小麦粉を断つだけでもダイエット効果はある?

A:十分に効果が期待できる。

小麦粉をはじめ、「パン」や「パスタ」などの小麦製品を控えるだけでも、十分にダイエット効果が期待できます。小麦製品の摂取を控えると、脂質や糖質の摂取量が自然と減少し、全体的なカロリー摂取量が抑えられます。

また、小麦を控えることで腸内環境の改善につながることも。より効率的な栄養吸収や代謝を促進させる効果も期待できます。ただし、単に小麦製品を避けるだけでなく、栄養バランスのよい食事を心がけることが大切です。

グルテンフリーダイエットはリバウンドのリスクはある?

A:リバウンドのリスクはあるため、栄養バランスや血糖値の安定化に気を配ろう。

グルテンは依存性が強く、ダイエット後に爆食いをしてしまうと、グルテンを含む食生活に戻ってしまうリスクが高いです。それを防ぐためにも、栄養バランスの取れた食事を続けることと、血糖値の急上昇を避けて安定化させることを心がけましょう。

下記の記事では、「リバウンドを予防する方法、起きてしまった場合の対処法」などを詳しく解説しているので、気になる人は参考にしてみよう。

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グルテンフリーダイエットをやめることで身体に影響は出る?

A:実践した期間によって異なる。

グルテンフリーを2週間以上きちんと継続した場合は、グルテンへの依存性がほぼ解消されており、もとの食生活に戻りにくくなる傾向があります。

一方で、1週間程度の短期間の実践では、依存性が完全には抜けきらないため、もう一度グルテンを含む食品を摂取すると、翌日以降も続けて摂取してしまう可能性が高いです。また、グルテンフリーを長期間続けていると、グルテンを摂取した際にアレルギー症状が出る場合もあります。

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