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「チェストプレス」の正しいやり方や効果、マシンの平均的な重量などを紹介

胸周りの筋肉を効率よく鍛えることができる「チェストプレス」。男性にも女性にも人気のトレーニングだが、フォームや重量を誤ってしまうと、ターゲットとした筋肉に効かなかったり、腕が疲れたりして、効果がうまく得られないことも。

本記事では、「チェストプレス」で鍛えられる筋肉や鍛えることで期待できる効果、数種類のチェストプレスのやり方、効果を出すためのコツなどを詳しくご紹介。正しいやり方を覚えて、効率よく胸や腕を鍛えよう。

この記事の監修者

つむら みおさん

パーソナルトレーナー

ハーティネス株式会社代表
フィットネス勤務から独立し、現在はダイエット迷子に正しい知識を伝えるためのオンライングループレッスン運営中。
コンプレックスを強みに変える!ボディメイク運動指導やリバウンドなしで、理想の体を手に入れる食事指導をおこなっている。

2チャンネル目となるYouTube「みおGYM」にて週2回エクササイズ配信中
著書4冊/各種雑誌、テレビ出演
JBBF 日本ボディビル・フィットネス連盟 2年連続優勝経験を持つ

目次

「チェストプレス」はどこに効く?鍛えられる部位を紹介

チェストプレスは、主に「大胸筋」「上腕三頭筋」「三角筋」を鍛えるトレーニングメニュー。

バストラインに影響する「大胸筋」

大胸筋は胸の前面にある大きな筋肉で、上部・中部・下部の3つに分けられる。仰向けで寝転がってバーベルを持ち上げるチェストプレスでは、バーベルを下げるときに大胸筋全体、とくに下部が収縮して鍛えられる。

下部は胸の最も下にある部分で、厚みを増すことで胸のラインがくっきりとして、メリハリのある身体になる。

引き締まった二の腕をつくる「上腕三頭筋」

上腕三頭筋は、いわゆる二の腕にあたる部位で、ひじを伸ばすときに使われる筋肉。チェストプレスでは、補助的に鍛えることができる。

上腕三頭筋を鍛えることで、太い腕を作るだけでなく、たるんだ二の腕を引き締めて、スッキリとした腕のラインを手に入れることができる。

「三角筋」を鍛えて、美しい肩のラインを

チェストプレスは、胸の筋肉である「大胸筋」をメインに鍛えるトレーニングだが、同時に肩の筋肉である「三角筋」、背中の大きな筋肉である「広背筋」、体幹も鍛えられる。

「三角筋」は、肩関節を覆うように存在する筋肉で、前部・中部・後部の3つに分けられる。

チェストプレスでは、主に前部と中部が鍛えられ、立体的な肩を手に入れ、肩幅も広くなり、逆三角形の体を目指すことができる。

「チェストプレス」の正しいやり方

<やり方>

  1. シートに座る。この時、胸を張って、肩甲骨を寄せる
  2. バーを軽く掴み、ゆっくりと前方に押し出す
  3. 肩甲骨を寄せた状態を保ちつつ、バーを前方に押し出す。
  4. 初期位置までゆっくりと戻す

「チェストプレスマシン」マシンの正しい使い方は?

「チェストプレス」は胸部の筋肉を鍛えるトレーニング。適切な重量と正しいフォームで行うことが、効果的な筋肉の発達と怪我の防止につながる。

座席の調整や正しい手の位置などを画像で解説。初心者から経験者までが安全かつ効果的にマシンを使おう。

「チェストプレスマシン」で効果を出すための3つのコツ

チェストプレスでしっかりとトレーニング効果を得るためには、正しいフォームでおこなうことが大切。

ここでは、チェストプレスマシンを使うときのコツを3つご紹介。

下記のポイントを意識しながらトレーニングすることで、安全かつ効率的なトレーニングができるようになろう。

・グリップは強く握りすぎず手の平で押すイメージ
・手首をまっすぐにする
・呼吸を止めずにおこなう

グリップは強く握りすぎず手の平で押すイメージ

グリップを強く握ると腕を意識してしまい、上腕二頭筋に負荷がかかってしまうことがある。そのため、グリップは強く握りすぎずに手のひら、とくに手の根本や手首の骨を使って押すようにしよう。これによって手首に負担がかかりにくく、より安定して力を伝えられる。

手首をまっすぐにする

手首が曲がっているとケガをしてしまうので、基本的には手首が曲がらないようにしよう。手首をまっすぐにすることで力を均等に分散できるが、押す位置や方法によっては、少し角度をつける必要も。その場合でも手首を無理なく、なるべく自然な状態で保とう。

呼吸を止めずにおこなう

呼吸を止めずにおこなうことは、あらゆる運動での基本中の基本。とくに力を入れるときに息を止めがちだが、呼吸を続けることで身体に酸素をしっかりと届け、より効果的に運動をおこなうことができる。

動作の速度は、一般的には3秒かけて押し出し、3秒かけて戻すリズムがよいとされています。慣れてきたら、押す動作を速く、戻す動作をゆっくりとおこなうことで、筋肉への刺激をより強くすることができます。

「チェストプレス」と「ベンチプレス」の違い

メリットデメリット鍛えられる部位怪我のリスクおすすめの人
チェストプレス動作の軌道が決まっており、フォームが崩れることが少ない体幹や肩甲骨周囲のバランスを安定させる筋肉を鍛えられない大胸筋低めトレーニング初級者
ベンチプレス高重量を扱うこともでき、全身に負荷がかかりやすい
手の幅を変えるだけで、トレーニングのバリエーションが増える
ベンチプレスは重量を自分でコントロールする必要がある大胸筋
体幹
その他全身の筋肉
高めトレーニング中級~上級者

チェストプレスは筋力に自信がない人におすすめ。マシンを使用することで動作の軌道が安定し、筋肉を安全に効率的に鍛えることができる。

一方、ベンチプレスはより経験があり、筋肉を全体的に鍛え上げたい人におすすめ。フリーウェイトを用いることで、補助筋群も同時に鍛えられ、バランス感覚やコアの安定性を高めたい中級者から上級者にもぴったり。

「チェストプレス」の5つの種類

チェストプレスでは、使う器具などでトレーニングの種類や鍛える筋肉、強度が異なる。

ここでは、以下の5種類をご紹介。

・インクラインチェストプレス
・デクラインチェストプレス
・ワイドチェストプレス
・ナローチェストプレス
・ダンベルチェストプレス

自分の目的やレベルに合ったトレーニングをおこなう際の参考にしてみて。

インクラインチェストプレス

<やり方>

1.バーの位置を鎖骨より少し低く設定する
2.バーを軽く握り、胸を張りながらゆっくりと上方へ持ち上げる
3.バーの動きに合わせて肘の角度を調整しつつ、ゆっくりと初期位置に戻す。この動作を繰り返す

「インクラインチェストプレス」をおこなう際は、腕が下がりすぎないようにしよう。腕が下がりすぎると、胸ではなく背中の筋肉を使ってしまい、目的の筋群に効かせることができなくなる。胸の上にバーまたはダンベルを落とすようなイメージで、腕の位置を適切に保つようにするのがおすすめ。

戻す動作をゆっくりとおこなうことで、筋肉に負荷がかかり、より効果的なトレーニングになります。

デクラインチェストプレス

<やり方>

1.バーが大胸筋の下部に位置するようにセットする
2.バーを軽く持ち、胸を張ってゆっくりと押し出す
3.深呼吸をしながら、ゆっくりとバーを初期位置に戻す。これを繰り返す

「デクラインチェストプレス」をおこなう際は、重量を胸の下に落とすようにしよう。適切な位置にバーを落とすことで、胸の下部筋肉に対する刺激を最大化できる。

肩が上がらないように意識することも大切です。肩が上がることで、負荷が肩に移ってしまい、胸に対する効果が減ってしまいます。

胸を張りながら肩を下げ、背中を寄せるようなイメージでトレーニングをおこなうことで、しっかりと胸に負荷をかけられます。

ワイドチェストプレス

<やり方>

1.背もたれに背中をしっかりとつけてシートに座る
2.手を広げてバーの外部をしっかりと握る
3.胸を張り、肩甲骨を引き寄せながらバーを前に押し出す
4.バーをゆっくり引き寄せた後、押し出す動作を継続する

「ワイドチェストプレス」をおこなう際は、過度に重い重量を扱うことは避け、自分の筋力に見合った重量でおこなうことが大切。このフォームは腕を広げるため、腱板断裂のリスクがある。

また、バーを胸の下に落としすぎないことも大切。とくにワイドグリップでおこなう場合、腕を広げている分、肩の腱板にかかる負荷が増え、過度に下に落とすと腱板へのストレスが非常に強くなる。

バーを引く際には、胸のアンダーラインよりも下までバーを下げる必要はありません。むしろ、あまり下げすぎないように注意して、安全にトレーニングをおこないましょう。

ナローチェストプレス

<やり方>

1.シートに座り、背もたれに背中を密着させる
2.手幅を狭めてバーの内側をしっかり握る
3.胸を突き出し、肩甲骨を引き寄せる感じで、バーを内側に向けて力を入れながら押し出す
4.バーをゆっくり引き寄せてから、再度押し出す動きを繰り返す

ナローチェストプレス」をおこなう際は、ひじを張りすぎないようにしよう。ひじを過度に張ると、肩に不必要な負荷がかかり、ケガのリスクを高めてしまう。正しいフォームを維持するために、ひじを軽く曲げた状態を維持し、筋肉に適切な負荷をかけよう。

親指の付け根の部分、手のひらの引っ掛ける部分に力を入れることもポイントです。この部分に力を集中させることで、胸の筋肉へ効果的に刺激を与えることができます。

ダンベルチェストプレス

<やり方>

1.ダンベルをもってベンチ上で仰向けの姿勢を取る
2.胸を張ってダンベルを持ち上げる
3.ひじが90度に曲がるところまで下げる
4.この動作を反復する

「ダンベルチェストプレス」をおこなう際は目視でダンベルが同じ高さになるように確認し、同じ軌道で動かせるように意識しよう。「ダンベルチェストプレス」はダンベルをそれぞれの手で持っておこなうトレーニングのため、左右の位置がずれやすい。

左右のバランスが崩れると、筋肉に不均等な負荷がかかり、ケガのリスクや筋肉の左右差が出てくる可能性がある。

鏡を使ってフォームをチェックするなどして、左右同じ位置でダンベルを持ち上げることを心掛けてください。

「ダンベルチェストプレス」で役立つアジャスタブルベンチの使い方

続いては、ダンベルチェストプレスをおこなう際に活用できるベンチの使い方をご紹介。
トレーニングに合わせて座面と背もたれの角度を調整できる「アジャスタブルベンチ」の正しい使い方を解説しているので、トレーニングの効果を高める使い方ができるようになろう。

「インクラインベンチ」として使用する際の調整方法

インクラインベンチは、おもに胸の上部や肩の筋肉を鍛えるトレーニングで使用される。
まずは、背もたれの角度を設定できるレバーやピンを使い、背もたれを上げて適切な角度に設定する。胸の上部に効かせるためには、30〜45度くらいを目安にするとよい。シートの角度も調整できる場合は、シートをやや上向きに傾けておくと、身体が滑りにくくなる。
背もたれやシートを調整した際は、ピンやレバーがしっかりロックされていることを確認してからトレーニングに取り組もう。

「デクラインベンチ」として使用する際の調整方法

デクラインベンチは、とくに胸の下部を集中的に鍛えるトレーニングで使用される。傾ける角度を変えることで、異なる負荷を筋肉にかけられる。
背もたれの角度は15~30度を目安にするのがおすすめ。足をかける位置は、膝が軽く曲がるくらいの位置にくるようにセットする。

デクラインベンチでは、頭が下になるため、上体を起こしているインクラインに比べて姿勢が崩れやすい。ベンチにしっかりと背中とお尻をつけ、身体が滑らないように注意すること。また、頭を下にすることで、めまいや血圧が上がる感覚がある場合があるため、その際は無理をせず、慣れないうちは軽い重量からはじめること。

「チェストプレス」の回数とセット数【目的別】

ここでは、「筋肥大」と「女性のバストアップ」の2つの目的に合った回数やセット数をご紹介。

トレーニングの強度やそれに合った回数は目的によって変わるので、自分がトレーニングする上での目安を確認してみよう。

筋肥大が目的の人は8~10回を3セット

筋肥大を目指す場合、とくに年齢に負けない厚みのある胸筋を作り上げるためには、適切な回数とセット数が大切。目安としては、一連の動作を8~10回の範囲でおこない、これを3セット実施するのが理想的。

女性向け:バストアップが目的の人は12回を3セット

バストアップを目指す人は、12回程度繰り返せる重量でのトレーニングを3セットおこなおう。この程度の重さであれば、大胸筋に適度な負荷をかけることができ、バストアップできる。

年齢が進むにつれて、胸の垂れや形の変化が気になる人は筋肥大並みにしっかりトレーニングしてもOKです。若々しい印象の胸を維持するためには、筋肉で胸をしっかりと支えることが大切。

筋肉に適度な厚みをつけることで、年齢による垂れをカバーし、引き締まったバストラインを維持できます。

「チェストプレス」の平均重量

チェストプレスの重量を選ぶポイントは、「最初は無理のない重量で始めること」と「自分に合った重量を見つけること」の2つ。最初は10kgから始めるのが一般的な目安。ダンベルであれば片手5kgずつ、マシンでは総重量で10kgから始め、慣れてきたら回数を上げ、それも慣れてきたら重量を上げてトレーニングしてみよう。

ただし、個人の体力や筋力によって適切な重量は異なる。初心者、とくに女性の場合、10kgという重量が適切でない場合もあるため、自分の身体に無理がない範囲で調整しよう。

男性の場合、やや重い重量から始めることもできるかもしれませんが、ここでも基本は同じで、無理のない負荷でトレーニングを始めることが肝心です。

最初は軽めの重量でフォームを正確におこなうことに集中して、徐々に重量を増やしていきましょう。

「チェストプレス」のベンチプレス換算

「チェストプレス」と「ベンチプレス」の重さの換算は、「ベンチプレス」の重量が「チェストプレス」の重量の半分くらいと考えよう。ベンチプレスでは、足の踏ん張りや体の安定性を利用して全身で重量を支え、押し上げることができる。このため、同じ重量でも、ベンチプレスの方が相対的に軽く感じられることが多い。

一方で、チェストプレスのマシンを使用した場合、特定の筋群に集中して負荷をかけることになるため、同じ重量でもベンチプレスより重く感じることがある。とくにマシンを使用する場合は、筋肉に直接負荷をかけやすい設計になっているため、全身を使ったベンチプレスに比べて負荷の感じ方が異なる。

ただし、この換算はあくまで目安であり、個人の筋力やトレーニングの経験、身体の使い方によって適切な重量は変わってくる。トレーニングをおこなう際には、自身の体調や筋力に合わせて適切な重量を選ぼう。

「チェストプレス」に関するQ&A

胸に効かない?腕に効いてしまうときの対処法は?

A:グリップの握り過ぎが原因のことが多い

チェストプレスでは手のひら全体を使って押す感覚を意識する必要がありますが、中にはグリップを強く握りしめてしまい、腕に効いてしまうことがあります。骨に乗せるように力を伝えていく感じでトレーニングをすると、腕への負担を減らしつつ胸の筋肉に効果的にアプローチできるようになるので、意識してみましょう。

また、肩が上がってしまうことも胸への効果を減らす一因になります。肩が上がると、腕や肩の筋肉に無駄な力が入り、胸の筋肉に十分な刺激が伝わりません。軽く脇を締めて肩甲骨を寄せるイメージでトレーニングをおこなうと、胸の筋肉に集中して効かせられます。

どのくらいの期間でどのような効果・見た目の変化が現れるのか?

A:1ヶ月で体力など見えない変化が現れ、見た目の変化が出るには3ヶ月くらいかかる

トレーニングを始めてから1ヶ月ほどで、体力アップや疲れにくくなった感覚を得られるようになります。引き締まってくる、筋肉がしっかりついてくるなど、見た目に変化が現れるには大体3ヶ月ほどかかりますが、個人差があります。

「チェストプレス」で腕が疲れるのはなぜ?

A:ひじの開きすぎ、胸の張りすぎ、重りの重量が大きすぎなどが原因

肘の開きすぎ、胸の張りすぎ、重りの重量が大きすぎたりすると、腕に余分な負荷がかかり疲れやすくなります。セット間の休憩時間が十分でない場合も、腕の筋肉に十分な酸素が供給されず、疲れがたまりやすくなってしまうので、インターバルは90秒程度しっかり取るようにしましょう。

頻繁にチェストプレスをおこなってしまうことも、腕の筋肉が回復しないうちにトレーニングをすることになるので腕が疲れることもあります。しっかり負荷をかける場合は週に1~2回程度行うのが効果的です。

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