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「チェストプレス」の正しいやり方や効果、マシンの平均的な重量などを紹介

胸周りの筋肉を効率よく鍛えることができる「チェストプレス」。男性にも女性にも人気のトレーニングだが、フォームや重量を誤ってしまうと、ターゲットとした筋肉に効かなかったり、腕が疲れたりして、効果がうまく得られないことも。

本記事では、「チェストプレス」で鍛えられる筋肉や鍛えることで期待できる効果、数種類のチェストプレスのやり方、効果を出すためのコツなどを詳しくご紹介。正しいやり方を覚えて、効率よく胸や腕を鍛えよう。

この記事の監修者

 

つむら みおさん

パーソナルトレーナー

ハーティネス株式会社代表
フィットネス勤務から独立し、現在はダイエット迷子に正しい知識を伝えるためのオンライングループレッスン運営中。
コンプレックスを強みに変える!ボディメイク運動指導やリバウンドなしで、理想の体を手に入れる食事指導をおこなっている。

2チャンネル目となるYouTube「みおGYM」にて週2回エクササイズ配信中
著書4冊/各種雑誌、テレビ出演
JBBF 日本ボディビル・フィットネス連盟 2年連続優勝経験を持つ

目次

「チェストプレス」はどこに効く?鍛えられる部位を紹介

チェストプレスは、主に「大胸筋」「上腕三頭筋」「三角筋」を鍛えるトレーニングメニュー。

ここでは鍛えられる部位の特徴を紹介する。

  • バストラインに影響する「大胸筋」
  • 引き締まった二の腕をつくる「上腕三頭筋」
  • 「三角筋」を鍛えて、美しい肩のラインを

チェストプレスではマシンやダンベル、バーベルをよく使用しますが、鍛えられる筋肉の種類は基本的に変わりません。

ただし、ダンベルは可動域が広くなるため、難易度は高いですが筋肉の伸び縮みが大きく効率よく鍛えられます。マシンの場合は使う軌道が安定しているため、狙った部位に一定の負荷をかけることができるメリットがあり、初心者におすすめです。

バストラインに影響する「大胸筋」

大胸筋は胸の前面にある大きな筋肉で、上部・中部・下部の3つに分けられる。チェストプレスにはさまざまな種類があり、大胸筋のそれぞれの部位を鍛えられる。上部であれば「インクラインチェストプレス」、中部は一般的な「チェストプレス」、下部は手の位置をみぞおちあたりまで下げた「チェストプレス」で効率的にトレーニングしてみよう。

下部は胸の最も下にある部分で、厚みを増すことで胸のラインがくっきりとして、メリハリのある身体になる。

引き締まった二の腕をつくる「上腕三頭筋」

上腕三頭筋は、いわゆる二の腕にあたる部位で、ひじを伸ばすときに使われる筋肉。チェストプレスでは、補助的に鍛えることができる。

上腕三頭筋を鍛えることで、太い腕を作るだけでなく、たるんだ二の腕を引き締めて、スッキリとした腕のラインを手に入れることができる。

「三角筋」を鍛えて、美しい肩のラインを

チェストプレスは、胸の筋肉である「大胸筋」をメインに鍛えるトレーニングだが、同時に肩の筋肉である「三角筋」、背中の大きな筋肉である「広背筋」、体幹も鍛えられる。

「三角筋」は、肩関節を覆うように存在する筋肉で、前部・中部・後部の3つに分けられる。

チェストプレスでは、主に前部と中部が鍛えられ、立体的な肩を手に入れ、肩幅も広くなり、逆三角形の体を目指すことができる。

「チェストプレス」の正しいやり方

「チェストプレス」で大切なのは「可動域を確保すること」。ここでは可動域を確保しながら大胸筋を鍛えられる正しいやり方を紹介するので、トレーニングの参考にしてみて。

  • 胸を張って、肩甲骨を寄せた状態でシートに座る
  • バーを軽く掴み、ゆっくりと前方に押し出す
  • 初期位置までゆっくりと戻す

胸を張って、肩甲骨を寄せた状態でシートに座る

胸を張り、肩甲骨を寄せることで、大胸筋をめいいっぱい動かすことができる。

また、バーの位置は拳が胸の中央と同じくらいの高さが目安になる。

チェストプレスをしても胸に効いている感じがしない場合は、椅子の位置や角度のセッティングが適切でない可能性があります。その場合は背中にハーフポールやパッドを挟んで、胸を前に突き出すような姿勢を作る方法がおすすめです。

バーを軽く掴み、ゆっくりと前方に押し出す

押し出すときに息を吐き、ゆっくりとした動作でしっかりと大胸筋に効かせよう。

また、バーをつかむ際に力みすぎると大胸筋以外に負荷が分散してしまうので、軽く握って押すイメージで取り組んでみて。

ダンベルの場合は、重量が重すぎて適切に伸ばし切れていないことも。肩甲骨周辺の筋肉が硬い場合もしっかりと胸を伸ばせないため、肩甲骨を回す、脇腹を伸ばすなどして準備運動をするのもおすすめです。

初期位置までゆっくりと戻す

筋トレでは「戻す」動作でいちばん筋肉に負荷がかかる。

重さに負けずに肩甲骨を寄せた状態までゆっくりと戻して、効果的なトレーニングをおこなおう。

「チェストプレス」マシンの正しい使い方は?

「チェストプレス」は胸部の筋肉を鍛えるトレーニング。適切な重量と正しいフォームで行うことが、効果的な筋肉の発達と怪我の防止につながる。

座席の調整や正しい手の位置などを画像で解説。初心者から経験者までが安全かつ効果的にマシンを使おう。

「チェストプレスマシン」で効果を出すための3つのコツ

チェストプレスでしっかりとトレーニング効果を得るためには、正しいフォームでおこなうことが大切。

ここでは、チェストプレスマシンを使うときのコツを3つご紹介。

下記のポイントを意識しながらトレーニングすることで、安全かつ効率的なトレーニングができるようになろう。

  • グリップは強く握りすぎず手の平で押すイメージ
  • 手首をまっすぐにする
  • 呼吸を止めずにおこなう

ダンベルトレーニングは、不安定な腕の動きを安定させるために弱い筋肉部位が活性化しやすい種目です。ダンベルのチェストプレスで弱い筋肉を使ったあとにマシンで追い込むと、より効果的なトレーニングになります。

グリップは強く握りすぎず手の平で押すイメージ

グリップを強く握ると腕を意識してしまい、上腕二頭筋に負荷がかかってしまうことがある。そのため、グリップは強く握りすぎずに手のひら、とくに手の根本や手首の骨を使って押すようにしよう。これによって手首に負担がかかりにくく、より安定して力を伝えられる。

手首をまっすぐにする

手首が曲がっているとケガをしてしまうので、基本的には手首が曲がらないようにしよう。手首をまっすぐにすることで力を均等に分散できるが、押す位置や方法によっては、少し角度をつける必要も。その場合でも手首を無理なく、なるべく自然な状態で保とう。

呼吸を止めずにおこなう

とくに力を入れるときに息を止めがちだが、呼吸を続けることで身体に酸素をしっかりと届け、より効果的に運動をおこなうことができる。押すときに息を吐く、戻すときに息を吸うことを意識しよう。

ただし、扱う重量が大きくなると一瞬止めることもあるので、踏ん張りのきく呼吸法に臨機応変にかえるように。

動作の速度は、一般的には3秒かけて押し出し、3秒かけて戻すリズムがよいとされています。慣れてきたら、押す動作を速く、戻す動作をゆっくりとおこなうことで、筋肉への刺激をより強くすることができます。

「チェストプレス」と「ベンチプレス」の違い

メリットデメリット鍛えられる部位怪我のリスクおすすめの人
チェストプレス動作の軌道が決まっており、フォームが崩れることが少ない体幹や肩甲骨周囲のバランスを安定させる筋肉を鍛えられない大胸筋低めトレーニング初級者
ベンチプレス高重量を扱うこともでき、全身に負荷がかかりやすい
手の幅を変えるだけで、トレーニングのバリエーションが増える
ベンチプレスは重量を自分でコントロールする必要がある大胸筋
体幹
その他全身の筋肉
高めトレーニング中級~上級者

チェストプレスは筋力に自信がない人でもマシンを使用することで動作の軌道が安定し、筋肉を安全かつ効率的に鍛えられる。また、大胸筋を鍛えられるため上半身を大きくしたい人、胸板を厚くしたい人にもおすすめのトレーニング。筋力低下や皮膚のたるみによるバストの下垂を改善してハリ感を出す効果があるため、30代後半以降や産後・授乳後の女性にもおすすめ。

一方、ベンチプレスはマシンを使わず自分の力を使って動作をおこなうため、トレーニングである程度筋肉がついている人におすすめ。また、身体全体で重りを押す動作で脚やお尻、腹筋なども一緒に鍛えられ、全身のボディメイクやシェイプアップにおすすめ。初心者がおこなう際は、バーだけで安定したフォームを取る練習から始めよう。

筋力向上を目的とする場合は、チェストプレスで扱える重量を増やして筋肉を育てつつ、ベンチプレスの重量を徐々に上げていくのが効果的。

「チェストプレス」の5つの種類

チェストプレスでは、使う器具などでトレーニングの種類や鍛える筋肉、強度が異なる。

ここでは、以下の5種類をご紹介。

・インクラインチェストプレス
・デクラインチェストプレス
・ワイドチェストプレス
・ナローチェストプレス
・ダンベルチェストプレス

自分の目的やレベルに合ったトレーニングをおこなう際の参考にしてみて。

インクラインチェストプレス

<やり方>

1.バーの位置を鎖骨より少し低く設定する
2.バーを軽く握り、胸を張りながらゆっくりと上方へ持ち上げる
3.バーの動きに合わせて肘の角度を調整しつつ、ゆっくりと初期位置に戻す。この動作を繰り返す

「インクラインチェストプレス」をおこなう際は、腕が下がりすぎないようにしよう。腕が下がりすぎると、胸ではなく背中の筋肉を使ってしまい、目的の筋群に効かせることができなくなる。胸の上にバーまたはダンベルを落とすようなイメージで、腕の位置を適切に保つようにするのがおすすめ。

戻す動作をゆっくりとおこなうことで、筋肉に負荷がかかり、より効果的なトレーニングになります。

デクラインチェストプレス

<やり方>

1.バーが大胸筋の下部に位置するようにセットする
2.バーを軽く持ち、胸を張ってゆっくりと押し出す
3.深呼吸をしながら、ゆっくりとバーを初期位置に戻す。これを繰り返す

「デクラインチェストプレス」をおこなう際は、重量を胸の下に落とすようにしよう。適切な位置にバーを落とすことで、胸の下部筋肉に対する刺激を最大化できる。

肩が上がらないように意識することも大切です。肩が上がることで、負荷が肩に移ってしまい、胸に対する効果が減ってしまいます。

胸を張りながら肩を下げ、背中を寄せるようなイメージでトレーニングをおこなうことで、しっかりと胸に負荷をかけられます。

ワイドチェストプレス

<やり方>

1.背もたれに背中をしっかりとつけてシートに座る
2.手を広げてバーの外部をしっかりと握る
3.胸を張り、肩甲骨を引き寄せながらバーを前に押し出す
4.バーをゆっくり引き寄せた後、押し出す動作を継続する

「ワイドチェストプレス」をおこなう際は、過度に重い重量を扱うことは避け、自分の筋力に見合った重量でおこなうことが大切。このフォームは腕を広げるため、腱板断裂のリスクがある。

また、バーを胸の下に落としすぎないことも大切。とくにワイドグリップでおこなう場合、腕を広げている分、肩の腱板にかかる負荷が増え、過度に下に落とすと腱板へのストレスが非常に強くなる。

バーを引く際には、胸のアンダーラインよりも下までバーを下げる必要はありません。むしろ、あまり下げすぎないように注意して、安全にトレーニングをおこないましょう。

ナローチェストプレス

<やり方>

1.シートに座り、背もたれに背中を密着させる
2.手幅を狭めてバーの内側をしっかり握る
3.胸を突き出し、肩甲骨を引き寄せる感じで、バーを内側に向けて力を入れながら押し出す
4.バーをゆっくり引き寄せてから、再度押し出す動きを繰り返す

ナローチェストプレス」をおこなう際は、ひじを張りすぎないようにしよう。ひじを過度に張ると、肩に不必要な負荷がかかり、ケガのリスクを高めてしまう。正しいフォームを維持するために、ひじを軽く曲げた状態を維持し、筋肉に適切な負荷をかけよう。

親指の付け根の部分、手のひらの引っ掛ける部分に力を入れることもポイントです。この部分に力を集中させることで、胸の筋肉へ効果的に刺激を与えることができます。

ダンベルチェストプレス

<やり方>

1.ダンベルをもってベンチ上で仰向けの姿勢を取る
2.胸を張ってダンベルを持ち上げる
3.ひじが90度に曲がるところまで下げる
4.この動作を反復する

「ダンベルチェストプレス」をおこなう際は目視でダンベルが同じ高さになるように確認し、同じ軌道で動かせるように意識しよう。「ダンベルチェストプレス」はダンベルをそれぞれの手で持っておこなうトレーニングのため、左右の位置がずれやすい。

左右のバランスが崩れると、筋肉に不均等な負荷がかかり、ケガのリスクや筋肉の左右差が出てくる可能性がある。

鏡を使ってフォームをチェックするなどして、左右同じ位置でダンベルを持ち上げることを心掛けてください。

【男性編】筋肥大したい人におすすめの大胸筋トレーニングメニュー

ここでは筋肥大が目的の人におすすめのトレーニングメニューを5つ紹介する。

  • プッシュアップ
  • ダンベルチェストプレス
  • マシンチェストプレス
  • ダンベルショルダープレス
  • フロントレイズ

全体の流れとしては、「多関節運動」と呼ばれる複数の関節と筋肉を使う「プッシュアップ」からスタートし、「ケーブルフライ」「マシンチェストプレス」「ショルダープレス」「フロントレイズ」と進めるのがおすすめです。

「ショルダープレス」「フロントレイズ」は肩を鍛える種目ですが、大胸筋を動かす際に補助的に使われる筋肉ですので一緒に追い込むのも効果的です。

プッシュアップ

「プッシュアップ」は自重を利用したトレーニングで、場所を選ばずにおこなえる。胸、肩、腕の筋肉を総合的に使用するトレーニングのため、トレーニングの最初におこなうのがおすすめ。

  1. 両手を肩幅よりやや広めに開き、床につける。
  2. 身体を一直線に保ちながら、ひじを曲げて身体を下げる。
  3. 胸が床に近づいたら、ひじを伸ばして身体を押し上げる。

ダンベルチェストプレス

ダンベルチェストプレスは大胸筋を中心に、三角筋前部、上腕三頭筋も鍛えられる。ケーブルでおこなう場合は一定の負荷がかかりやすくなる。肩甲骨を寄せ、胸を張ることを意識するのがポイント。

  1. ベンチに仰向けになり、ケーブルを握る。
  2. 胸の上あたりにケーブルを構える。
  3. ひじをゆっくりと曲げながら、ケーブルを胸に下ろす。
  4. 胸の前でケーブルを押し上げる。

マシンチェストプレス

チェストプレスは最初にダンベルやケーブルを使った種目をおこない、その後マシンでのチェストプレスへと移行する流れがおすすめ。マシンチェストプレスでは、胸のトレーニングに加えて、肩の筋肉も一緒に追い込むのが効果的。負荷の調整がしやすいので初心者にもおすすめのトレーニング。

  1. マシンに座り、グリップを握る。
  2. 胸を張り、グリップを前方に押し出す。
  3. ゆっくりとグリップを元の位置に戻す。

ダンベルショルダープレス

肩と胸を連動させるトレーニングの1つとして、ショルダープレスがおすすめ。胸と肩は補助筋として相互に作用するため、双方を意識的に鍛えることでより効果的。ダンベル、バーベル、マシンなど様々な器具でおこなえるのがポイント。

  1. ダンベルを肩の高さに構える。
  2. ひじを伸ばし、ダンベルを頭上に押し上げる。
  3. ゆっくりと元の位置に戻す。

フロントレイズ

肩と胸を連動させるトレーニングの1つとして、フロントレイズがおすすめ。フロントレイズは三角筋前部をピンポイントで鍛えるトレーニングで、ダンベルやプレートを使用する。肩の前面の筋肉をつけたい人におすすめ。

  1. ダンベルを両手に持ち、身体の前に構える。
  2. ひじを軽く曲げたまま、ダンベルを肩の高さまで持ち上げる。
  3. ゆっくりと元の位置に戻す。

【女性編】バストアップしたい人におすすめの大胸筋トレーニングメニュー

ここではバストアップを目的とした人におすすめのトレーニングメニューを4つ紹介する。

  1. ベンチプレス
  2. インクラインチェストプレス
  3. マシンチェストプレス
  4. プッシュアップ

バストアップを目的とする場合、大胸筋の上部・中部・下部をバランスよく鍛えることが大切です。大胸筋の上部だけを鍛えると鳩胸のようなアンバランスな胸になってしまうため、全体的に均等に刺激を与えることを意識しましょう。

ベンチプレス

ベンチプレスは、大胸筋全体に効果的な基本トレーニング。バーベルを用いて大胸筋全体を鍛えられる。バーベルを握る幅は肩幅より広めにするのがポイント。

ベンチ台に仰向けになり、肩甲骨を寄せてアーチを作る。

  1. バーベルを握り、ラックから外す。
  2. 胸骨あたりまでバーベルをゆっくりと下ろす。
  3. ひじを伸ばしきらない程度にバーベルを押し上げる。

インクラインチェストプレス

インクラインチェストプレスは、主に大胸筋上部に効果的なトレーニング。ベンチ台を傾斜させることで重点的に鍛えられ、厚みのある胸板を作れる。ベンチ台の角度は30~45度くらいがおすすめ。

  1. 傾斜をつけたベンチ台に仰向けになり、肩甲骨を寄せてアーチを作る。
  2. ダンベルを握り、胸の上あたりに構える。
  3. ひじを曲げながら、ダンベルを胸に下ろす。
  4. ひじを伸ばしきらない程度にダンベルを押し上げる。

マシンチェストプレス

マシンチェストプレスは、マシンを使用し大胸筋下部を重点的に鍛えるトレーニング。みぞおちの高さに持ち手をセットすることで、大胸筋下部に効かせやすくなる。フリーウェイトに比べてフォームが安定しやすく、初心者にもおすすめ。

  1. マシンに座り、持ち手を握る。
  2. 背中をシートにつけ、胸を張る。
  3. ひじを曲げながら、持ち手をみぞおちの高さまで下ろす。
  4. ひじを伸ばしきらない程度に持ち手を押し上げる。

プッシュアップ

指を外向きにしたプッシュアップは、胸の外側のラインを鍛えるのに効果的なトレーニング。自重を用いて大胸筋の内側を鍛えるトレーニングで、指を外向きにすることで、大胸筋の内側に刺激が集中しやすくなる。負荷が強いため、通常のプッシュアップにある程度慣れてからおこなうのがおすすめ。

筋力に自信がない場合はひざをついておこなおう。

  1. 両手を肩幅より狭く開き、指先を外側に向けて床につける。
  2. 身体を一直線に保ちながら、ひじを曲げて身体を下ろす。
  3. 胸が床に近づいたら、ひじを伸ばして身体を押し上げる。

「ダンベルチェストプレス」で役立つアジャスタブルベンチの使い方

続いては、ダンベルチェストプレスをおこなう際に活用できるベンチの使い方をご紹介。

トレーニングに合わせて座面と背もたれの角度を調整できる「アジャスタブルベンチ」の正しい使い方を解説しているので、トレーニングの効果を高める使い方ができるようになろう。

「インクラインベンチ」として使用する際の調整方法

インクラインベンチは、おもに胸の上部や肩の筋肉を鍛えるトレーニングで使用される。

まずは、背もたれの角度を設定できるレバーやピンを使い、背もたれを上げて適切な角度に設定する。胸の上部に効かせるためには、30〜45度くらいを目安にするとよい。シートの角度も調整できる場合は、シートをやや上向きに傾けておくと、身体が滑りにくくなる。

背もたれやシートを調整した際は、ピンやレバーがしっかりロックされていることを確認してからトレーニングに取り組もう。

「デクラインベンチ」として使用する際の調整方法

デクラインベンチは、とくに胸の下部を集中的に鍛えるトレーニングで使用される。傾ける角度を変えることで、異なる負荷を筋肉にかけられる。

背もたれの角度は15~30度を目安にするのがおすすめ。足をかける位置は、膝が軽く曲がるくらいの位置にくるようにセットする。

デクラインベンチでは、頭が下になるため、上体を起こしているインクラインに比べて姿勢が崩れやすい。ベンチにしっかりと背中とお尻をつけ、身体が滑らないように注意すること。また、頭を下にすることで、めまいや血圧が上がる感覚がある場合があるため、その際は無理をせず、慣れないうちは軽い重量からはじめること。

「チェストプレス」の回数とセット数【目的別】

ここでは、「筋肥大」と「女性のバストアップ」の2つの目的に合った回数やセット数をご紹介。

トレーニングの強度やそれに合った回数は目的によって変わるので、自分がトレーニングする上での目安を確認してみよう。

筋肥大が目的の人は8~10回を3セット

筋肥大を目指す場合、とくに年齢に負けない厚みのある胸筋を作り上げるためには、適切な回数とセット数が大切。目安としては、一連の動作を8~10回の範囲でおこない、これを3セット実施するのが理想的。

女性向け:バストアップが目的の人は12回を3セット

バストアップを目指す人は、12回程度繰り返せる重量でのトレーニングを3セットおこなおう。この程度の重さであれば、大胸筋に適度な負荷をかけることができ、バストアップできる。

年齢が進むにつれて、胸の垂れや形の変化が気になる人は筋肥大並みにしっかりトレーニングしてもOKです。若々しい印象の胸を維持するためには、筋肉で胸をしっかりと支えることが大切。

筋肉に適度な厚みをつけることで、年齢による垂れをカバーし、引き締まったバストラインを維持できます。

「チェストプレス」の平均重量

チェストプレスの重量を選ぶポイントは、「最初は無理のない重量で始めること」と「自分に合った重量を見つけること」の2つ。最初は10kgから始めるのが一般的な目安。ダンベルであれば片手5kgずつ、マシンでは総重量で10kgから始め、慣れてきたら回数を上げ、それも慣れてきたら重量を上げてトレーニングしてみよう。

ただし、個人の体力や筋力によって適切な重量は異なる。初心者、とくに女性の場合、10kgという重量が適切でない場合もあるため、自分の身体に無理がない範囲で調整しよう。

男性の場合、やや重い重量から始めることもできるかもしれませんが、ここでも基本は同じで、無理のない負荷でトレーニングを始めることが肝心です。

最初は軽めの重量でフォームを正確におこなうことに集中して、徐々に重量を増やしていきましょう。

男女別!チェストプレスの平均重量

男性の場合:

ビギナー(開始〜1ヶ月)32kg
初心者(〜6ヶ月)57kg
中級(〜2年)90kg
上級者(〜5年)131kg
エリート(5年〜)177kg

女性の場合:

ビギナー(開始〜1ヶ月)10kg
初心者(〜6ヶ月)21kg
中級(〜2年)38kg
上級者(〜5年)59kg
エリート(5年〜)84kg

体重別!チェストプレスの平均重量

男性の場合:

体重ビギナー(開始〜1ヶ月)初心者(〜6ヶ月)中級(〜2年)上級者(〜5年)エリート(5年〜)
50kg17kg35kg59kg90kg126kg
55kg21kg39kg65kg98kg135kg
60kg24kg44kg71kg105kg143kg
65kg27kg48kg77kg112kg151kg
70kg31kg53kg82kg118kg159kg
75kg34kg57kg87kg124kg166kg
80kg37kg61kg92kg130kg173kg
85kg40kg65kg97kg136kg179kg
90kg43kg68kg102kg142kg186kg
95kg46kg72kg106kg147kg192kg
100kg49kg76kg111kg152kg198kg

女性の場合:

体重ビギナー(開始〜1ヶ月)初心者(〜6ヶ月)中級(〜2年)上級者(〜5年)エリート(5年〜)
40kg5kg14kg28kg46kg68kg
45kg6kg16kg30kg49kg71kg
50kg7kg17kg32kg52kg74kg
55kg8kg18kg34kg54kg77kg
60kg9kg20kg36kg56kg80kg
65kg10kg21kg37kg58kg82kg
70kg11kg22kg39kg60kg85kg
75kg11kg23kg40kg62kg87kg
80kg12kg24kg42kg64kg89kg

参考:『STRENGTH LEVEL

「チェストプレス」のベンチプレス換算

「チェストプレス」と「ベンチプレス」の重さの換算は、「ベンチプレス」の重量が「チェストプレス」の重量の半分くらいと考えよう。ベンチプレスでは、足の踏ん張りや体の安定性を利用して全身で重量を支え、押し上げることができる。このため、同じ重量でも、ベンチプレスの方が相対的に軽く感じられることが多い。

一方で、チェストプレスのマシンを使用した場合、特定の筋群に集中して負荷をかけることになるため、同じ重量でもベンチプレスより重く感じることがある。とくにマシンを使用する場合は、筋肉に直接負荷をかけやすい設計になっているため、全身を使ったベンチプレスに比べて負荷の感じ方が異なる。

ただし、この換算はあくまで目安であり、個人の筋力やトレーニングの経験、身体の使い方によって適切な重量は変わってくる。トレーニングをおこなう際には、自身の体調や筋力に合わせて適切な重量を選ぼう。

「チェストプレス」に関するQ&A

胸に効かない?腕に効いてしまうときの対処法は?

A:グリップの握り過ぎが原因のことが多い

チェストプレスでは手のひら全体を使って押す感覚を意識する必要がありますが、中にはグリップを強く握りしめてしまい、腕に効いてしまうことがあります。骨に乗せるように力を伝えていく感じでトレーニングをすると、腕への負担を減らしつつ胸の筋肉に効果的にアプローチできるようになるので、意識してみましょう。

また、肩が上がってしまうことも胸への効果を減らす一因になります。肩が上がると、腕や肩の筋肉に無駄な力が入り、胸の筋肉に十分な刺激が伝わりません。軽く脇を締めて肩甲骨を寄せるイメージでトレーニングをおこなうと、胸の筋肉に集中して効かせられます。

どのくらいの期間でどのような効果・見た目の変化が現れるのか?

A:1ヶ月で体力など見えない変化が現れ、見た目の変化が出るには3ヶ月くらいかかる

トレーニングを始めてから1ヶ月ほどで、体力アップや疲れにくくなった感覚を得られるようになります。引き締まってくる、筋肉がしっかりついてくるなど、見た目に変化が現れるには大体3ヶ月ほどかかりますが、個人差があります。

「チェストプレス」で腕が疲れるのはなぜ?

A:ひじの開きすぎ、胸の張りすぎ、重りの重量が大きすぎなどが原因

肘の開きすぎ、胸の張りすぎ、重りの重量が大きすぎたりすると、腕に余分な負荷がかかり疲れやすくなります。セット間の休憩時間が十分でない場合も、腕の筋肉に十分な酸素が供給されず、疲れがたまりやすくなってしまうので、インターバルは90秒程度しっかり取るようにしましょう。

頻繁にチェストプレスをおこなってしまうことも、腕の筋肉が回復しないうちにトレーニングをすることになるので腕が疲れることもあります。しっかり負荷をかける場合は週に1~2回程度行うのが効果的です。

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