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広背筋の筋トレメニュー5選!自重・ダンベル・マシンを使った種目・重量や回数を紹介

三角形のシルエットや美しいボディラインを目指し、上半身の中でも特に面積の広い「広背筋」を鍛える人は多い。広背筋トレーニングには、自重、ダンベル、マシンなど多彩な種目が存在し、目的や環境に応じて選択肢が豊富であることが特徴。

本記事では、ラットプルダウン・シーテッドロー・インバーテッドロウなど、広背筋に効果的とされる代表的なトレーニング種目を徹底検証する。筋肉の活動量を計測可能な筋電センサー「筋肉Phone」のデータを活用し、各種目における広背筋への刺激を可視化。実際のデータに基づいた、効果的な筋トレメニューを紹介。

※筋肉Phoneの計測データは、初期設定や使用重量などにより変動するため、あくまで参考値として掲載。

この記事の監修者

 

関根 綾さん

パーソナルジムDecision 代表トレーナー

年間約1000セッションを指導。経営者や芸能関係者の指導経験も多く、ダイエット・ボディメイク・健康維持など、さまざまな悩みに幅広く対応している。2021年より大原学園大宮校スポーツトレーナー科講師としても活動。
【保有資格/実績など】全米エクササイズ&フィットネス協会認定トレーナー(NESTAーPFT)/IMBF公認ファスティングカウンセラー/関東オープンメンズフォジーク選手権入賞

この記事の検証者

Wellulu編集部スタッフ

数年前にジム通いで筋トレにハマっていたものの、最近はすっかり運動不足。学生時代は運動部だったが、社会人になってからは継続が難しく、筋力の衰えを感じている。広背筋トレーニングは特に苦手意識があるが、だからこそ初心者の気持ちに寄り添えると考え、今回の検証に挑戦。

目次

広背筋の役割と効果

広背筋は背中の外側から脇の下にかけて広がる、羽のような形をした大きな筋肉。日常生活では引き出しを開ける、姿勢の維持、荷物を持ち上げるなどに関連している。スポーツシーンでは、水泳のプル動作やクライミングの懸垂動作などで機能を果たす。

また、筋肉量の増加による基礎代謝への影響や姿勢改善など、鍛えることでさまざまなメリットが得られる。ここでは広背筋を鍛えることで得られる4つのメリットについて紹介。

  • 逆三角形のシルエットが手に入る
  • 基礎代謝が上がり痩せやすい身体になる
  • 姿勢が改善され肩こり・腰痛が予防できる
  • 体幹が安定しスポーツのパフォーマンスが向上する

Wellulu編集部

まずは2~3ヵ月続けて!ただ短い期間で期待できる効果も

逆三角形のシルエットや基礎代謝の向上などの効果は、1~2週間程度のトレーニングではあまり期待できません。少なくとも3か月程度かかると思います。

ただ、運動習慣のない人であれば、広背筋にアプローチすることで姿勢への意識は高まると思います。普段動かしていない広背筋をほぐす意味でも、トレーニングする価値はありそうです。

〇各効果が期待できる期間まとめ

ボディメイク

最低でも3ヵ月を見越したトレーニングが必要

代謝向上

最低でも3ヵ月。ただ他の部位(太ももなど)を鍛えないと…

姿勢改善

数回のトレーニングで意識は変わる!コリ改善につながりそう

体幹力アップ

そもそも広背筋以外の要素も重要かと

逆三角形のシルエットが手に入る

広背筋の上部が発達すると上半身が大きく広がり逆三角形のシルエットにつながる。肩幅が強調されることで、ウエストとのメリハリもつきやすくなる。背中の厚みも増すため、横から見たときに立体感のあるシルエットも作りやすくなる。

広背筋の上部をしっかりと鍛えるのに加え、三角筋などほかの上半身の筋肉も鍛えることでメリハリが強化されます。シルエットに厚い部分と締まっている部分が生まれると、より引き締まって見えるギャップが生まれます。

基礎代謝が上がり痩せやすい身体になる

広背筋は背中最大の筋肉であり、鍛えることで筋肉量が増えやすい部位でもある。筋肉量が増加すると、安静時でもエネルギーを消費しやすくなり、トレーニング後も長時間にわたって脂肪燃焼が続く効果も期待できる。

姿勢が改善され肩こり・腰痛が予防できる

広背筋を鍛えることで背骨を支える力が強くなり、正しい姿勢を維持しやすくなるため、猫背の改善や、肩こり・腰痛の予防に効果が期待できる。姿勢が改善することで、内臓の位置が整い、呼吸が楽になるため自律神経の乱れにも効果が期待できる。

体幹が安定しスポーツのパフォーマンスが向上する

広背筋の発達により上半身全体の安定性が向上し、スポーツ時の動きがスムーズに。ゴルフやテニスといった腕を大きく使う動作では力強さが増し、ランニングやサイクリングなどの有酸素運動では、体幹が安定することで姿勢維持もしやすくなるため、より効果的に運動が可能。

【自重】広背筋の筋トレメニュー2選

広背筋を鍛えるにはマシンを使ったトレーニングが定番だが、自重でも十分な刺激を与えることが可能。ここでは、初心者向け・上級者向けの自重トレーニングを紹介。

  • 初心者向け「インバーテッドロウ」
  • 上級者向け「懸垂(チンニング)」

Wellulu編集部スタッフ

チンニングは上級者じゃないとできないので注意!

インバーテッドロウは初級者でも取り組めるトレーニングです!体重によって負荷量は異なってきますが、60~70㎏程度の体重でも10回程度でも十分負荷がかかっていることが計測データからもわかりました。

〇自重トレーニングの筋活動データ一覧

 

筋活動の平均値

まとめ

インバーテッドロウ

169.8

マシン種目(※20㎏で測定した場合)と比較した結果、高い数値が計測できた。

ただ、上腕二頭筋などに負荷が逃げている感覚あり。

懸垂(チンニング)

計測不可

検証者が初級~中級者のため、計測負荷(チンニングをおこなうことができず)。

初心者向け「インバーテッドロウ」

頑丈なテーブルや台を利用し、背中を床と平行に保った状態で、肘を後ろに引くことでおこなうトレーニング。テーブルや台の高さを調節することにより負荷を調整できる。必ず体重を支えられる安定した器具でおこなおう。

<やり方>
  1. 足を前に出して身体を斜めにする
  2. 息を吸い込みながら肩甲骨を寄せるイメージで、ひじを曲げて身体を上に引き上げる
  3. 一瞬キープしてゆっくりと元の位置に戻る
  4. 同じ動作を繰り返す

Wellulu編集部

マシン種目が苦手な人におすすめ!

しっかり手幅を広げた状態を確保することで、インバーテッドロウでも広背筋にしっかりアプローチできていることが確認できました(以下、筋電図のデータ参照)。ラットプルダウンやシーテッドローなどのマシン種目よりも数値は高かった(※)ため、うまく広背筋に効かせられない人は代替種目として取り入れるのもよさそうです。

(※)マシン種目と重量は異なる。

インバーテッドロウのデータ

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上級者向け「懸垂(チンニング)」

鉄棒やドアに取り付けられる懸垂バーなどを使用し、上半身を引き上げるトレーニング。腕の位置や握り方を調整することで、異なる部位にアプローチできる。初心者の場合は、足を床につけた状態での補助懸垂からスタートしよう。

<やり方>
  1. 鉄棒を肩幅よりやや広めに握る
  2. 両手で鉄棒をしっかりと握り、身体をぶら下げる
  3. 背中の筋肉を使って、あごがバーを越えるまで身体を上へ引き上げる
  4. 力みすぎずに、ゆっくりと元の位置に戻す
  5. 同じ動作を繰り返す

Wellulu編集部

トレーニング初心者のWellulu編集部スタッフ(30代・男性)だと全くできませんでした。手幅を広げた状態でのチンニングは上級者のトレーニングと捉えてよいと思います。

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【マシン・ダンベル】広背筋の筋トレメニュー3選

  • 初級者向け「ラットプルダウン」
  • 初級者向け「シーテッドロー(シーテッドロウ、プーリーロウ)」
  • 中級者向け「ワンハンドロウ」

Wellulu編集部スタッフ

シーテッドローは初級者でもやりやすい!ポイントはフォーム習得

ダンベル種目(10㎏で計測)とケーブル種目(20㎏で計測)との差はあるが、ワンハンドロウが最も高い数値を記録できました。ただ、種目としてはケーブル種目の方がピンポイントで広背筋にアプローチしやすい感覚があります。

ラットプルダウンとシーテッドローを比較した場合はシーテッドローの方が広背筋にアプローチしやすかったです。

〇マシントレーニングの筋活動データ一覧

 

筋活動の平均値

まとめ

ラットプルダウン

104.4

筋活動の数値としては低いが、30~40㎏程度でおこなうことでしっかりアプローチできそう。

重量×回数×セット数をうまく調整して。

シーテッドロー

118.2

同じ重量であれば、筋活動の数値としてはラットプルダウンよりも高い。

初心者はフォームを習得しやすいかも。

ワンハンドロウ

257.6

片手10㎏程度でも初心者であれば十分。

ただ腹圧への意識や姿勢の安定性など、フォームを習得できていないと別の部位に負荷が逃げる感覚あり。

初級者向け「ラットプルダウン」

バーを引き下げる動作が特徴的な「ラットプルダウン」は、広背筋全体を効果的に鍛えられるトレーニング。バーの握り幅を変えることで、広背筋の内側や外側など刺激を入れたい部位を調整できる。

<やり方>
  1. マシンに座り、太ももをパッドで固定する
  2. 胸を張り、肩甲骨を寄せた状態をキープする
  3. バーをしっかりと握り、腕を伸ばした状態で持ち上げる
  4. 息を吸い込みながら、ひじを曲げてバーを胸のあたりまで引き下げる
  5. 一番低い位置で1~2秒キープする
  6. 息を吐きながら、ゆっくりと元の位置に戻す
  7. 同じ動作を繰り返す

Wellulu編集部

ビギナーはとにかくフォームの再現性を高めよう!

20㎏の重量でおこなったので筋電センサーの数値としては100.4と低いですが、フォームを定着させることができれば高重量でもしっかり広背筋に効かせることができそうです。ただ今回の測定は、広背筋の柔軟性が低いトレーニング初心者(30代・男性)がおこなったので、グラフの波線を一定に保てていませんでした。トレーニング効率を高めるためにも、フォームの再現性が重要だと考えられます。

ラットプルダウンのデータ

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初級者向け「シーテッドロー(シーテッドロウ、プーリーロウ)」

マシンに座った状態でウエイトを引き寄せる「シーテッドロー」は、姿勢が安定しているため、広背筋を確実に鍛えられる。背もたれで姿勢が固定されることで、フォームが崩れにくく、初心者でも安全におこなえるのも魅力。また、ジムによっては地面に直接座っておこなう場合も。背もたれがないため、フォームに気をつけておこなうようにしよう。

<やり方>
  1. ひざを軽く曲げた状態でフットプレート(足置き)に足を置く
  2. 胸を張り、肩甲骨を寄せた状態をキープする
  3. 肩甲骨を寄せながら、バーをおへその方向に引く
  4. 最大限引いた位置で1~2秒キープする
  5. 息を吐きながら、ゆっくりと元の位置に戻す
  6. 同じ動作を繰り返す

Wellulu編集部

シーテッドローはビギナーでもやりやすい!

今回トレーニング検証したスタッフ(トレーニング初心者)の場合は、ラットプルダウンよりシーテッドローの方が広背筋にアプローチしやすかったです。両種目とも20㎏の重量で検証したのですが、腕の力ではなく広背筋の力で肘を引く感覚はシーテッドローの方がつかみやすいのかもしれません。

シーテッドローのデータ

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中級者向け「ワンハンドロウ」

「ワンハンドロウ」は片手でダンベルを引き上げ、広背筋の外側部分を効果的に鍛えられるトレーニング。ベンチに片手と片膝をつき、安定した姿勢で上半身を支えてひじを体の近くに引きつけるイメージでダンベルを引き上げるようにしよう。ベンチがない場合は片方のひざにひじをつく体勢でもOK。

<やり方>
  1. ベンチまたは椅子に片方のひざと手をついて身体を固定する
  2. もう一方の手にはダンベルを持ち、腕を完全に伸ばして床と平行にする
  3. 背中はまっすぐにして、身体全体を一直線に保つ
  4. 息を吸い込みながら、ひじを身体の横に引きつけ、ダンベルを腰の横まで引き上げる
  5. 一番高い位置で1~2秒キープする
  6. 息を吐きながら、ゆっくりと元の位置に戻す
  7. 同じ動作を繰り返す

Wellulu編集部

重量を扱うとフォーム崩れが起きそう

片手10㎏の重量でおこなった結果、筋電センサーの数値的には257.6と高い結果に。ただし、グラフの波線にメリハリがみられていないため、重量を上げると少しづつフォーム崩れが起きそうです。

ワンハンドロウのデータ

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フォームで効率が10~30%に!広背筋を鍛えるコツ

筋電センサーでOKフォームとNGフォームの筋活動を計測

筋トレの効果を最大化するには、正しいフォームでターゲット筋にしっかりと負荷をかけることが不可欠。しかし、自分では正しくできているつもりでも、実際には効率を大きく下げているフォームになっているケースは少なくない。

ここでは筋電センサーを用いて、ラットプルダウンおよびシーテッドローにおける広背筋の筋活動を解析した結果をレポート。

  • ラットプルダウン:NGフォームだと筋活動が30%程度まで下がる
  • シーテッドロー:NGフォームだと筋活動が10%程度まで下がる

ラットプルダウン:NGフォームだと筋活動が30%程度まで下がる

まずはラットプルダウンの比較結果。肩甲骨を寄せ、肘を骨盤に近づけることを意識したフォーム(正しいフォーム)で5回程度実施した数値が以下になる。

センサーの設定などで数値は異なるため参考データとして

バーを下げるタイミングで筋活動が500~800程度になり、全体の平均値(バーを元の位置に戻し、負荷が抜けている時間も含む)は92.8となっている。

一方、背中を丸め、バーを真下にさげるNGフォームの数値が以下。

センサーの設定などで数値は異なるため参考データとして

バーを下げるタイミングで若干筋活動が上がるも数値としては100~200程度。全体の平均値も39.7となっている。
ラットプルダウンの検証結果として、広背筋の筋活動はNGフォームだと約1/3まで減少する。広背筋ではなく、負荷が腕にかかってる可能性が高い。

シーテッドロー:NGフォームだと筋活動が10%程度まで下がる

シーテッドローの検証結果では、ラットプルダウンよりも大きな乖離があった。
まず最初に、広背筋を意識して肘を後ろに引く正しいフォームでおこなったトレーニングデータが以下。

センサーの設定などで数値は異なるため参考データとして

バーを引くタイミングで筋活動が1000近くまで上昇し、全体の平均値は114.2となっている。※ラットプルダウンと同じ重量でおこなった結果、体験スタッフのフォームでは広背筋に対する負荷が若干高い結果に(身体の動かし方の傾向など、人によってもちろん異なる)。

一方、肘を引く意識ではなく、身体(上半身全体)で引くNGフォームの数値は以下。

センサーの設定などで数値は異なるため参考データとして

右上にある破線をみてもわかる通り、筋活動のメリハリがまったくついていない。数値としても平均値が10.3まで下がり、1/10まで下がっている。

Wellulu編集部スタッフ

今回検証した被験者はトレーニングビギナーです。

広背筋の筋トレは正しくアプローチできているか実感しづらい部分もあるのですが、背中を丸めない・肩甲骨を寄せるイメージを持つ。この2点だけでもしっかり意識することで、初心者でも筋活動に大きな影響を与えることがわかりました。

広背筋の筋トレの頻度・回数・負荷(目安)

  • 週に実施する頻度
  • 回数・セット数
  • 負荷設定

Wellulu編集部スタッフ

初心者であれば軽い重量(20~30㎏)程度でも筋肉痛はくる

広背筋のトレーニングでは、とにかく正しいフォームで取り組むことがポイントとして挙げられています。ビギナーや初心者は最初は軽い重量(20~30㎏)でもよいので、まずはフォーム習得に意識を向けてみましょう。最初は軽い負荷でも翌日には筋肉痛があったので、徐々にステップアップするイメージで。

〇ラットプルダウン・シーテッドローのステップアップイメージ(ビギナー向け)

期間

重量

ポイント

~2週間

20~30㎏程度の軽い重量

少し物足りなく感じますが、最初はフォーム習得に目を向けよう!

3週間~1.5ヵ月

30~40㎏平均レベルの重量

広背筋に負荷を感じながら、習得したフォームを崩さない程度に取り組もう!

1.5ヵ月以降

40㎏以上でレベルアップを

平均重量にも慣れてくる頃。筋肥大を目的に徐々にステップアップしていこう

週に実施する頻度

週に2〜3回程度を目安におこない、トレーニング後は筋肉の超回復を狙って48時間程度の休息を設けるのが目安。初心者の場合は週2回からスタートし、疲労感など身体の状態を見ながら徐々に頻度を増やしていこう。

回数・セット数

筋肥大が目的なら8~10回がぎりぎりできる負荷でのトレーニングを3セット、ダイエット・引き締め目的なら10~15回できる負荷でのトレーニングを3セットおこなうのが目安。

負荷設定

初心者の場合は自重やマシンで基本フォームを習得したあと、徐々に負荷を増やす。ウォーミングアップでは軽めの重量から開始し、マシンやダンベルを使用する場合でも目標とする回数をこなせる範囲で徐々に負荷を上げるようにしよう。

【広背筋に効かないときは?】①動作の確認

広背筋の動作を把握しておくことは、筋トレ効率を上げるポイントになる。ここでは、広背筋を鍛えたいという人に知ってもらいたい広背筋の主な動きについて紹介。

トレーニング習慣のないビギナーの方にとって、広背筋は効かせづらい筋肉のひとつです。正しい動作を習得していないと、他の部位に負荷が逃げてしまうケースなどもあります。そのため、まずは広背筋がどのような働きを持つ筋肉なのかを把握した上で、トレーニングに取り組むのもおすすめです。

広背筋の主な動き

広背筋は主に肩関節の動きに関与し、「引く」動作の中心的存在といえる。筋トレ時は腕の力ではなく肘を引くイメージをもつと広背筋に負荷をかけやすくなる。

広背筋の主な動作

  • 肩関節の伸展: 腕を前方から後方へ引く動作
  • 肩関節の内転: 腕を横から体側へ引き寄せる動作
  • 肩関節の内旋: 腕を内側にねじる動作

広背筋を鍛えるトレーニングは、主にラットプルダウンやローイング系種目。ラットプルダウンは肩関節の伸展と内転、ローイング系種目は肩関節の伸展と関連している。肩関節の内旋に関係する種目はリハビリ系のエクササイズ。

Wellulu編集部

トレーニング初心者の経験談

広背筋にアプローチできている感覚がつかめないトレーニング初心者でしたが、普段から肩関節(主に肩甲骨)の動きを意識したエクササイズをすることで広背筋の動きをつかめるようになってきました。特にビギナーはいきなり重量を扱うトレーニングではなく、ストレッチ感覚でエクササイズをやってみるのがおすすめです。

広背筋のエクササイズ①フロントラットプルダウン

腕を斜め前に伸ばし、肘を骨盤に寄せる

広背筋のエクササイズ②バックラットプルダウン

腕を真上に伸ばし、肘を骨盤に寄せる

【広背筋に効かないときは?】②柔軟性チェック

筋トレでは「どれだけ重いものを持ち上げるか」だけでなく、「狙った筋肉に適切に刺激を届けるか」が大切。特に広背筋においては、筋肉が硬いと動作の可動域が狭くなり、フォーム崩れの原因になることも。

広背筋を本格的に鍛えるためにも、以下2種類の方法で柔軟性をチェックしてみよう。また、柔軟性が足りていない人はトレーニング前にアクティベーションエクササイズを取り入れよう。

  • 柔軟性テスト①腕上げテスト
  • 柔軟性テスト②合掌リフトアップテスト
  • アクティベーションエクササイズ

柔軟性が低い人は、トレーニング前のアクティベーション(筋肉の活性化)や肩甲骨の可動域を広げるエクササイズを取り入れるようにしましょう。

柔軟性テスト①腕上げテスト

1つ目のテストは「腕上げテスト」。椅子に腰掛けた状態で片腕を前に伸ばし、そのまま耳の横に向かって真っすぐ引き上げていく。両腕で試し、スムーズに耳の横まで上がるかどうかをチェックしてみよう。

広背筋や肩回りにつまりを感じる、手の平が耳より内側に入ってしまう人は柔軟性に問題があるかも。

Wellulu編集部

普段あまり身体を動かしていないWellulu編集部スタッフ(30代・男性)が挑戦せみたところ、左側は問題なく腕をあげることができましたが、右腕は肘が折れてしまいました。左右差もあると思うので、両腕でテストしてみて!

柔軟性テスト②合掌リフトアップテスト

2つ目のテストは「合掌リフトアップテスト」。

まず、顔の前で両手のひらを合わせて、手首から肘までをしっかりと密着させる。次に、両腕を引き上げていき、鼻まで持ち上がるかをチェックする。

Wellulu編集部

肘が思うように上がらなかったり、動作中に肩や背中に強い緊張を感じる場合は、柔軟性の低下が疑われます。Wellulu編集部スタッフ(30代・男性)の場合はギリギリ鼻まで持ち上がる程度(以下写真)でした。ただし、両腕を持ち上げた状態を保持するのができなかったので、合格!とはならない程度かも。

アクティベーションエクササイズ

広背筋の柔軟性に問題がある人の傾向として、デスクワークが多い・運動習慣がないなど、日頃から肩甲骨を動かす動作が少ないことが上げられる。そのため、広背筋を目覚めさせる「アクティベーションエクササイズ」をトレーニング前に取り入れよう。

まず両腕を頭上方向に伸ばし、身体全体で“Y字”の形をつくる。次に、肘をゆっくりと後方・下方に引き、骨盤のあたりまで近づけながら、“W字”の形をつくっていく。

肘を引く際は、広背筋と肩甲骨周囲の筋肉が収縮するのを意識し、動作をコントロールしながらおこなうことがポイント。寝転がらず立った状態でもきるので、トレーニング前などにやってみよう。

アクティベーションエクササイズで広背筋の活性化を促すとともに、肩甲骨の可動域を広げるタオルを使った運動もおすすめです。お風呂上りの日課にしてもよいと思います。

肩甲骨の可動域を広げる運動

タオルを両手で持ち、そのまま下に下げる

広背筋の筋トレに関するQ&A

広背筋は自宅でもトレーニングできる?

A:筋肥大目的だと難しい。あくまでエクササイズとして

血行促進や運動不足解消を目的としたエクササイズであれば、椅子に座ってのフロントラットプルダウンなど、自宅でも広背筋にアプローチできる方法はあります。筋肉をつけるトレーニング目的であれば、特別な器具が必要になってきますがチンニングやインバーテッドローなどの自重トレがおすすめです。

自宅トレで広背筋にアプローチするのが難しい主な理由
  • 強度の問題:広背筋は大きい筋肉。特に男性の場合は、自宅にあるような重り(1~5㎏程度)だとトレーニング負荷が小さくなってしまう。
  • 可動域の問題:肘を後ろに引く動作がポイントになるため、プッシュ系の自重トレーニングだと可動域が小さくなってしまう。

広背筋と一緒に鍛えるべき筋肉は?

A:大円筋や僧帽筋、三角筋

広背筋のトレーニングでは同時に大円筋が鍛えられ、腕の動きを支えやすくなります。また、逆三角形のボディラインを目指すなら、僧帽筋や三角筋のトレーニングも重要です。

 

筋電センサー“筋肉Phone”ご提供:マッスルブループリンツ株式会社

https://muscle-blueprints.com/

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