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筋トレ「アームカール」で効果的に腕を鍛える!やり方や重量を徹底解説

「アームカール」は二の腕を鍛えるトレーニングで、マシンやバーベル、ダンベルなどさまざまなやり方がある。本記事では「アームカール」で鍛えられる筋肉、それぞれのやり方や正しいフォーム、効果を高めるコツなどを詳しくご紹介。

この記事の監修者

 

中野ジェームズ修一さん

フィジカルトレーナー

アメリカスポーツ医学会認定運動生理学士として、運動の大切さを広める活動を行っている。2014年からは青山学院大学駅伝部のトレーナーも務めており、東京神楽坂にある会員制パーソナルトレーニング施設「CLUB100」で一般の方やアスリートを指導。「科学的根拠に基づき、必ず結果を出す」が合い言葉で熱意のある指導を常に心がけている。

目次

「アームカール」で鍛えられる2つの部位と効果

ここでは、「アームカール」で鍛えることのできる筋肉とその効果を紹介。

以下2つの筋肉について詳しく説明するので、腕を太くしたい人や二の腕が気になる人はチェックしてみよう。

・上腕二頭筋
・腕橈骨筋(わんとうこつきん)、上腕筋

上腕二頭筋

上腕二頭筋は、外側にある「長頭(ちょうとう)」と内側にある「短頭(たんとう)」から構成される。太くたくましい「力こぶ」をつくることができるため、男性の中では集中的に鍛えている人も多い。

また、過度に肥大することが少ない筋肉なので、女性でも安心して鍛えることができる。二の腕の引き締め効果を狙うのであれば、上腕二頭筋と反対の動きをする「拮抗筋」である「上腕三頭筋」とのバランスを重視して鍛えるのがおすすめ。

上腕三頭筋の筋トレは以下で紹介。

上腕三頭筋の筋トレメニュー7選!自重・ダンベル・ケーブルマシンを使った種目を紹介

上腕三頭筋を構成する筋肉 上腕三頭筋は腕全体の約60~65%を占める大きな筋肉群で、長頭、外側頭、内側頭という3つの筋束で構成されている。とくにトレーニング初心.....

上腕筋・腕橈骨筋(わんとうこつきん)

上腕二頭筋の下に位置する筋肉で、日常生活での利用頻度が高く、物を持ち上げたり、握ったりする動作に不可欠。

また、単関節筋(たんかんせつきん)なので前腕の向きに関わらず、腕の曲げ伸ばしで強化でき、上腕二頭筋と合わせて鍛えることで太くたくましい腕になれる。

ボディメイクでは1つの筋肉ではなく、近くにある筋肉(胸、肩、背中など)も一緒に鍛えることが大事。腕や二の腕を鍛えたい人はこちらもチェックしてみて。

たるみ撃退・筋肥大!目的別二の腕筋トレメニュー、ストレッチ方法

二の腕の筋肉の構造 二の腕のトレーニングをはじめる前に、まずは二の腕の筋肉の構造をおさえておこう。二の腕を構成する主要な筋肉は下記の2つに分けられる。 上腕二頭.....

腕を鍛える筋トレメニュー15選!ダンベル・自重、女性向けの種目を紹介

腕を構成する筋肉 上腕二頭筋 上腕三頭筋 前腕筋群 上腕筋 上腕二頭筋 上腕二頭筋は腕の前面にあり、長頭と短頭という2つの部位で構成されている。おもにひじを曲げ.....

「アームカール」の正しいやり方

基本的なやり方のステップ

<やり方>

  1. ダンベルを両手に持ち、肩幅で足を広げて立つ
  2. 手を身体の側面に位置させ、手のひらを前に向ける
  3. ひじを中心にして、ダンベルをゆっくり持ち上げる
  4. 腕が曲げきる限界に達したところで少し停止。そこから元の位置に戻す

ダンベルを使った基本の「アームカール」では、とくに上腕二頭筋の「短頭」に対して効果的にアプローチができる。

初心者の場合はフォームの習得筋持久力の向上を優先し、20回前後できる軽めの重量が目安。

座っておこなう場合と立っておこなう場合の違いは?

アームカールは、座って行うか立って行うかで体幹の使い方が変わる。座って行う場合は身体が安定しやすく、力を腕に集中させやすいため、高重量のトレーニングに向いている。背もたれ付きのベンチを使えば、さらにフォームが安定しやすく、余計な反動も生まれにくい。

一方、立って行うアームカールは、自分で体幹をコントロールする必要がある。そのぶん姿勢保持に関与する筋肉も働く。スポーツ動作や日常の動きに近いフォームで鍛えられるのが特徴。

筋肉への効かせ方を重視したいなら座位、姿勢全体の安定性や応用力を高めたいなら立位がおすすめ。

編集部で座位・立位を体験!

兵藤 俊太

Wellulu編集部ディレクター

20代男性。普段は在宅ワークが中心で、デスクワークが続く日々を送る。運動不足を感じながらも、週に1回はジムに通うよう心がけているが、自宅での運動はなかなか続かない。忙しい日常の中で、限られた時間で効率よく体を動かす方法を模索中

座ってやる場合立ちながらやる場合
難易度中級者初心者
部位上腕二頭筋上腕二頭筋
継続しやすさ×
強度
モチベーション維持
重量・回数6.5キロ×10回6.5キロ×10回

▮座位姿勢について
座位は、家にベンチがないとトレーニングが難しいと感じました。ゲーミングチェアで実施しましたが、ひじ掛けが邪魔で上手くトレーニングできなかったです。ジムでやることをおすすめします。一方、腕に効いている感じは実感できるので、達成感はありました。

▮立位姿勢について
回数を重ねてきつくなると、無意識に反動を使ってしまう傾向がありました。腕にしっかり効かせたいなら、座った状態でトレーニングするのがいいと思います。ちょっとした休憩で立ち上がってすぐ筋トレできるので、続けやすさはあると思います。

よくあるNG例

1.反動を使わない

反動を使うと上腕二頭筋への負荷が減る。トレーニング後半になりきつくなると身体の反動を使いがちなので、お腹に力を入れて背筋を伸ばし腕の力で持ち上げる意識でトレーニングをおこなおう。

Wellulu編集部が実際に「筋電センサー(※)」を活用して正しいフォームとNGフォームを比較してみました。

※筋活動が増えると波線が上昇する計測ツール。正しく筋肉に効かせられているか?を測ることが可能

※出力数値は筋電センサーの初期設定や重量によって異なるため、具体的な数値は絶対ではなく参考となります

正しいフォームでトレーニングしたときの筋電センサーの数値
正しいフォームでトレーニングしたときの筋電センサーの数値
NGフォームでトレーニングしたときの筋電センサーの数値
NGフォームでトレーニングしたときの筋電センサーの数値

正しいフォームで筋トレした場合、筋肉活動量が約1.4倍(298→430)という結果に。この結果から、重量を重くし過ぎてフォームが崩れるくらいなら、軽めの重量で正しいフォームでトレーニングをすることの重要性が分かる。

2.肘を固定しすぎない

自然体のフォームで持ち上げることが重要。自然な形で持ち上げると肘が少し前にでるが、これが正しいフォーム。肘を固定しすぎると上腕二頭筋のスムーズな収縮を妨げてしまうので、鏡を見ながら自然な形で腕が動いているか確認しよう。

「アームカール」の5つの種類とやり方

マシンでおこなう「アームカール」以外にも、バーベルでおこなう「バーベルカール」、ダンベルでおこなう「ダンベルカール」などがあるが、いずれも「アームカール」の一種になる。

とくに、ダンベルを使用することでより広い可動域でのトレーニングが可能となり、手首の回転を活かした自然な動きも取り入れられる。「ダンベルを使ったアームカール」には、「オーソドックスなダンベルカール」、「ダンベルハンマーカール」、「ダンベルコンセントレーションカール」があり、それぞれで上腕二頭筋の異なる部位を鍛えることができる。

  • 【初心者向け】マシンを使った「アームカール」
  • 【筋肥大向け】より重い重量を扱える「バーベルカール」
  • 【初心者向け】EZバーを使った「バーベルカール」
  • 【筋肥大向け】前腕も使える「ダンベルハンマーカール」
  • 【筋肥大向け】集中して二頭筋に効かせる「ダンベルコンセントレーションカール」

【初心者向け】マシンを使った「アームカール」

<やり方>

  1. 背すじを伸ばして座り、腕を伸ばした位置でハンドルをグリップして構える
  2. ひじの位置を動かさないように注意し、ひじを曲げて拳を引き上げていく
  3. 拳を引き上げたら、ウエイトに耐えながら筋肉に効かせつつ元に戻る

「マシンを使ったアームカール」は、とくに初心者や特定の筋肉群を集中的に鍛えたい人におすすめ。

マシンのメリットは、動きをガイドする機能があること。正しいフォームを維持しやすく、安全にトレーニングをおこなうことができる。

自重やフリーウェイトを使ったトレーニングでは、フォームが崩れやすく、不適切な動作により負傷するリスクも高まるため、まず初心者は「マシンを使ったアームカール」から試そう。

マシンには、動きの範囲を限定するため、狙った筋肉群に刺激を与えやすいという特徴があります。「アームカール」の場合は、上腕二頭筋などの筋肉を集中的に鍛えることができます。

【筋肥大向け】より重い重量を扱える「バーベルカール」

<やり方>

  1. バーベルを逆手で握って持ち、足を肩幅に開いて立つ
  2. 背中をまっすぐにし、軽く胸を開く
  3. ひじを身体の横に固定し、前後に動かないようにする
  4. ひじを曲げ、バーベルを持ち上げる
  5. 上腕二頭筋に緊張を感じたら、バーベルをゆっくり降ろす

高重量を扱いたい人にとって、「バーベルを使ったアームカール」は力こぶを太く見せる「長頭」に刺激を入れやすく、筋力アップに効果的な方法のひとつ。適切な方法でトレーニングすることで、筋肉の発達を促進できる。

ストレートバーを用いた「アームカール」は、上腕二頭筋の「長頭」という部位に強い刺激を与えられるという特徴があります。

筋トレ「バーベルカール」のやり方や効果は?効率的に上腕二頭筋を鍛える重量や手幅のコツも紹介

「バーベルカール」の効果は?鍛えられる2つの部位 「バーベルカール」は、とくに上腕二頭筋や前腕の腕橈骨筋(わんとうこつきん)にアプローチできるため、太くたくまし.....

EZバーを使った「アームカール」

<やり方>

  1. EZバーを逆手握りで持ち、足を肩幅ほどに広げて立つ
  2. 背筋を自然に保ち、胸を少し張る
  3. ひじは身体の側に密着させ、動作をおこなう間、前後に動かさないように固定する
  4. ひじを曲げてEZバーを持ち上げ、上腕二頭筋に力が集中しているのを感じたら、ゆっくりと下ろす

手首の位置を自然な角度に保ちやすい構造のEZバーは、ストレートバーでおこなう「バーベルカール」と比べて手首への負担を軽減できるのが特徴。また、上腕二頭筋だけでなく、上腕筋腕橈骨筋(わんとうこつきん)などのほかの筋肉群にも効果的にアプローチできる。

【筋肥大向け】前腕も使える「ダンベルハンマーカール」

<やり方>

  1. ダンベルを手に取り、手のひらを互いに向ける
  2. 足を肩幅に開いて立ち、背中をまっすぐにしてひじを少し曲げる
  3. ひじを使ってダンベルの持ち上げと下ろしをおこなう
  4. 腕を上に持ち上げ、その後ゆっくりと元の位置に戻す

上腕二頭筋の「長頭」を鍛えるために効果的。また、手を内側に向けるハンマーグリップによって、腕橈骨筋(わんとうこつきん)にもアプローチできる。反動を使わないように意識して取り組もう。

以下では「ハンマーカール」のやり方や動作のコツを詳しく紹介しているので、確認してみて。

「ハンマーカール」の正しいやり方や効果は?腕を太くする筋トレのコツも紹介

「ハンマーカール」はどこに効く?鍛えられる部位と効果 ハンマーカールは主に上腕二頭筋と腕橈骨筋(わんとうこつきん)、上腕筋を鍛えるトレーニング。以下では、これら.....

【筋肥大向け】集中して二頭筋に効かせる「ダンベルコンセントレーションカール」

<やり方>

  1. 足が地面に届く高さのベンチに腰掛け、足を肩幅より少し広く開く
  2. 身体を前に傾ける
  3. ダンベルを持つ手を肩から自然に垂れさせ、ひじを太ももに置く
  4. もう一方の手は、ひざの上に添えて支持する
  5. ひじをその位置で固定し、ダンベルを胸方向へ引き上げる動作をおこなう
  6. ダンベルを最高点まで持ち上げた後、ゆっくりと初めの位置へ降ろす

ひじを固定することで不要な動きを排除し、集中的に筋肉への刺激を促せる点が「ダンベルコンセントレーションカール」の特徴。上腕二頭筋の短頭にアプローチできる。

フォームがシンプルで覚えやすく、負荷のかけやすさから、初心者にもおすすめ。

筋電センサーを使い各種目を比較!

アームカールだけでいろんな種目があるが、どれを試したらいいか分からない。そこで、編集部では「筋電センサー(※)」を使用して各トレーニングの筋肉活動量を比較。生活スタイルに合わせながら、取り入れやすい種目を優先的に試してみよう。

※筋活動が増えると波線が上昇する計測ツール。正しく筋肉に効かせられているか?を測ることが可能

※出力数値は筋電センサーの初期設定や重量によって異なるため、具体的な数値は絶対ではなく参考となります

1位 EZバーアームカール
2位 ダンベルコンセントレーションカール
3位 ダンベルアームカール
4位 インクラインダンベルカール
5位 ダンベルハンマーカール

EZバーは従量が重いため、納得の数値でした。「ダンベルカール」「ダンベルコンセントレーションカール」はダンベルと椅子があればトレーニングできるので、自宅で取り入れやすいと思います。「ダンベルコンセントレーションカール」は上腕二頭筋に直接効かせらえる感覚があったので、おすすめできそうです。

「アームカール」の重量と回数

アームカールの重量や回数。初心者は20回が限界の重量で、上級者は10回前後が限界の重量

アームカールの重量・回数の目安は、トレーニングの目的によって変わる。基本的な考え方としては、まず目的から回数を設定し、その回数で限界を迎える重量を選ぶと良い。

目的を大きく2つに分けた時、下記の重量・回数がおすすめ。

初心者:筋持久力を上げることが大切。20回が限界の重量を選ぶ
上級者:筋肥大したい人が多い。10回が限界の重量を選ぶ

初心者は、まずトレーニングに慣れることと、基礎的な筋力をつけることを優先する。その場合は、20回程度こなせる軽めの重量から始めるのがおすすめ。正しいフォームを維持しながら動かせる重さを選ぶことで、怪我のリスクも減らせる。

一方、筋肥大を目的とする場合は、8〜12回で限界を迎えるような高重量が効果的。軽い負荷で20回できるレベルでは、使われる筋繊維の大半が「遅筋」や「中間筋」にとどまり、「速筋」の動員が少ない。筋肥大を狙うなら「速筋」を使う必要があるため、筋肥大目的の場合は「高負荷×低回数」の方が適している。

セット数に関しては、1セット目で20回が限界なら、2セット目は18回、3セット目は15回というように回数が自然に落ちていくのが普通。すべてのセットで同じ回数ができるようなら、負荷が不足しているサイン。負荷を上げるタイミングの目安になる。

重量はどのように上げる?

負荷を増やす方法には、重量を増やす・回数を増やす・セット数を増やすといった方法がある。これらはどの方法でも、トレーニングの総重量(負荷 × 回数 × セット数)は増える。

トレーニングの進め方としては、まず「20回可能な軽めの重量」からスタートし、慣れてきたら重量を1〜2kgずつ増やし、同じ回数を目指す「持久力重視」の方法がある。もう1つは、回数を10〜15回に減らし、重量を増やす「筋肥大を狙ったアプローチ」。

重要なのは、いずれの方法を選んでも総重量を下げないこと。目的に応じた方法で、少しずつ総重量を増やしていこう。

編集部が重量アップにチャレンジ!

初心者におすすめの重量・回数が分かったところで、アームカール初心者の編集部が実際に教わったやり方で重量アップに挑戦!20回をベースに筋持久力を高めながら、どこまで重量を上げることができるのか?実際に試してみました。

1日目

総重量を「80」にして各重量・回数で試して現状の筋力状態を確認します。

・4キロ×20回
・9キロ×9回
・6.5キロ×12回

▮4キロ×20回
問題なく20回は実施できた。最後の方はきつかったが、上げるのが限界というきつさではなく、ほどよく負荷がかかっている感覚だった。
 
▮9キロ×9回
最初の1回からかなりきつかった。3回目くらいから反動を使わないときつくなり始めて、5回目以降では反動を使っても上げられない状態だった。まだまだ筋肉量や筋持久力が足りていないと感じた。
 
▮6.5キロ×12回
かなりきつかったが、12回は実施できた。8回目以降から持ち上げる速度が遅くなったが、なんとか上げることができた。12回以降も実施してみたが、16回できつくて終了。筋持久力が高まれば16回以降もできそうな所感を感じた。
 
▮総括
20回出来る回数だと4キロが適切でした。4キロを継続して筋持久力を高めてから、6.5キロを20回上げられるところまで達成していきたい。

2日目

4キロ×20回のセットを多くこなして筋持久力を高めていきます。

4キロ×20回を合計5セット実施。5セット目になると結構きつさを感じるようになった。重量は軽いが5セットおこなうことで合計100回実施できたので、達成感を感じることができた。

3日目

初日に16回で断念した6.5キロでチャレンジしてみます。

1セット目は6.5キロ×20回を達成できた!終盤はかなりきつく実施スピードは遅くなっていたが、20回上げきることができた。ただ、2セット目は5回目以降からきつくなり、15回で断念。1回目の疲労が残っている感覚があった。まだまだ筋持久力を高めていく必要がありそうです。

4日目

6.5キロ×20回を安定的にできるように本日も6.5キロでチャレンジします。

3日目と同様、1回目は20回持ち上げることが出来たが、2回目は15回で断念。おそらくスピードを落として休憩しながら実施したり少し反動を使えば上げられそうな感覚があった。

6日目

5日目はトレーニングをお休み。再び6.5キロ×12回でチャレンジ

2回目は少しきつくなったが、なんとか20回上げることに成功。3回目も15回までは上げることができて、確実に筋持久力が上がっている感覚を感じることができた。

「アームカール」の効果を高める4つのコツ

ここでは、「アームカール」でより効果的に筋肉を鍛えるためのポイントを紹介。

  • 反動を使わずしっかりと効かせることを意識する
  • ひじを固定し、手首の角度に注意する
  • 呼吸を止めない
  • 上腕二頭筋、上腕筋・腕橈骨筋のストレッチを

反動を使わずしっかりと効かせることを意識する

上腕二頭筋にしっかりアプローチするためには、アームカール時に上半身の反動を使って重りを持ち上げないことが重要。反動を使ってしまうと上腕二頭筋への効果が弱くなるだけでなく、腰を痛めるリスクもある。

ひじを固定し、手首の角度に注意する

「ひじを固定しない」、または「手首の角度がずれる」とトレーニング効果が減少する。そのため、動作中は、ひじの位置が動かないように固定し、手首が外側に曲がらないようにしっかりと立てておこなう。その上で、上腕二頭筋を意識して動かすことが重要。

呼吸を止めない

呼吸を止めてしまうと、血圧が急激に上がり身体に大きな負荷をかけてしまうため、しっかり呼吸を意識することが大切。

呼吸のタイミングを掴めないときは、筋肉を収縮させるときに「息を吐き」、筋肉を緩めるときに「息を吸う」。息を止めない限りとくに問題はないが、この呼吸のリズムを保つことで、運動の効率を上げることができる。

上腕二頭筋、上腕筋・腕橈骨筋(わんとうこつきん)のストレッチを

「アームカール」のトレーニング前後には、上腕二頭筋上腕筋・腕橈骨筋のストレッチをおこなおう。壁などに手をかけ背中側に反らせるストレッチ、腕を前に伸ばし上や下に向けた手のひらの指を反対の手で引くストレッチなど。

腕を前に伸ばした手のひらの指を反対の手で引くストレッチ。前腕を伸ばせる。
ベンチなどをつかうのもおすすめ

トレーニングで固くなった筋肉をほぐすことで、柔軟性を高め、ケガのリスクを減らすことができる。

アームカール時のひじの固定に関して、トレーナーさんによって意見が分かれることもあります。ひじを固定した方が上腕二頭筋に焦点を当ててトレーニングができます。一方で、ひじを動かすことにより、三角筋との連動など、日常的な動きに近い動作でトレーニングをすることもできます。

身体の筋力や敏しょう性などを高めることを目的とした「機能的トレーニング」では、身体の機能を重視してひじを動かす「アームカール」を取り入れることも。筋肉を大きくしたいのか、筋肉との連動を意識するのかなどの目的によってもトレーニングの方法は多様に広がります。

上腕二頭筋を大きくするトレーニング

上腕二頭筋を鍛えるには、アームカールだけに頼らず、他の種目も組み合わせるのが効果的。基本は、多くの筋肉を同時に使う「多関節トレーニング」をベースにし、そのあとでアームカールのような「単関節トレーニング」を加える流れが望ましい。

上腕二頭筋を鍛えたいんら、アームカール以外にも「多関節」を鍛えられる筋トレを実施する

例えば、プッシュアップやチェストプレスなど全身を使う多関節トレーニングでは、大胸筋や三角筋、上腕三頭筋など複数の部位を一度に鍛えられる。上腕二頭筋は、ラットプルダウンやローイングなど、背中を鍛える種目で、引く動作の中で広背筋や僧帽筋と一緒に上腕二頭筋も使われる。

アームカールのような単関節トレーニングは、ピンポイントで効かせやすい反面、それだけに頼ると身体全体のバランスが崩れやすい。多関節種目をベースにしながら、アームカールを追加することで、他の筋肉とのバランスをとりながら二頭筋を鍛えることができる。

「アームカール」に関するQ&A

ひじの内側や外側に痛みがある場合は?

A:「握り方や持ち方が不適切」「ひじの関節が適切な範囲を超えて伸展している」「重量を下ろす際のスピードが速すぎる」などが痛みの原因になる可能性もある。

ひじに痛みが出る場合の解決策として、何よりも正しいフォームで「アームカール」をおこなうことが重要です。握り方や持ち方に注意し、ひじを適切な位置に保ちながら動作をおこなう必要があります。

ひじへのリスクを減らすためにも、重量を下げ、動作のスピードを調整することで、ひじへの負担を軽減できます。筋肉を伸ばしながらの負荷をかけるトレーニングは、とくにゆっくりとおこなうことがおすすめ。例えば、重量を2秒かけて上げて、8秒かけて下ろすといったペースでおこなうなどもよいと思います。

ひじ用のサポーターを使うのもおすすめ?

A:ひじ用のサポーターを活用することで少しは軽減できる可能性も。

ひじ用のサポーターを着用すればひじ関節が適度に圧迫され、安定性を高められます。これにより、トレーニング中の不要な動きや過剰な伸展を抑制できます。

ひじ用のサポーターを使用する際は、正しいサイズを選び、適切に装着することがポイント。きつ過ぎると血流が悪くなり、逆にひじへの負担を増やしてしまう可能性も。サポーターに頼りすぎず、根本的な原因であるトレーニングフォームの改善や適切な負荷の見直しを併せておこなうことが大切です。

前腕や手首に痛みがある場合は?

A:フォームや重量の扱い方が不適切であることが考えられる

とくに、手首の固定が不十分である場合や、不適切な握り方をしていると、前腕や手首への過度な負荷がかかり、痛みを引き起こすことがあります。痛みの対処法としては、まず適切なフォームでトレーニングをおこなうことが重要です。また、使用する重量を見直し、自身の筋力に合った重量でトレーニングをおこなうことが大切です。

リストラップを使うのもおすすめ?

A:リストラップで手首の安定性を高め、不必要な動きを制限することで痛みを軽減できる。

リストラップを使用する際は、適切な巻き方で過度に締め付けないようにすることがポイントです。過度に締め付けると血流が悪くなり、かえって前腕や手首への負担を増やす可能性があります。

「アームカール」はベンチなどに座ってやった方がいい?立ってた方がいい?

A:座っておこなう場合は、反動を使うことが難しくなり、筋肉を使うことに集中しやすくなる。立っておこなう場合は、効かせたい筋肉以外にも力が分散される可能性があるが、体幹や脚腰も補助的に鍛えることができる。

「アームカール」に限らず、「サイドレイズ」などの他トレーニングでも同様なのですが、どちらがよいかは主に安定性に関連しています。立っておこなう場合、体幹を含む上半身の安定が求められますが、これがしっかり保てるなら立った状態でもトレーニングは有効です。しかし、もし安定性に欠けると感じるのであれば、座っておこなう方がより安全かつ集中して筋肉を鍛えることができます。結局のところ、自分の身体の状態とトレーニングの目的を考慮して、最適な方法を選ぶことが重要です。

腕を太くしたいなら「インクラインダンベルカール」のほうがよい?

A:可動域が広がりやすくなる「インクラインダンベルカール」の方が筋肥大効果も期待しやすい。

肩にもある程度の負担がかかるため、トレーニング初期段階での無理な挑戦は避けるのがベストです。初心者の人や慣れていない人は、軽い重量から始めて徐々に重量を増やし、身体を慣らしていくことが大切です。

「アームカール」と「ハンマーカール」との違いは?

A:フォーム(手の向き)に違いがある

「アームカール」はダンベルを持ちながら手のひらを上に向けて腕を曲げる動作をおこないます。一方、「ハンマーカール」は、ダンベルを持つ際に手のひらが互いに向き合うようにしておこなうことが特徴です。

そのため、ハンマーカールは「アームカール」より腕橈骨筋に負荷がかかりやすくなります。また、「ハンマーカール」は手首が曲がるリスクが少なく、手首への負担を軽減できます。

下記の記事で、「ハンマーカール」のやり方や効果について詳しく解説しているので、興味がある人は参考にしてみて。

「ハンマーカール」の正しいやり方や効果は?腕を太くする筋トレのコツも紹介

「ハンマーカール」はどこに効く?鍛えられる部位と効果 ハンマーカールは主に上腕二頭筋と腕橈骨筋(わんとうこつきん)、上腕筋を鍛えるトレーニング。以下では、これら.....

「アームカール」をしていて、重量が伸びないのはなぜ?

A:使用している重量が適切でない可能性がある。

今扱っている重量が重すぎてフォームが崩れているかもしれません。また、トレーニング以外の要素も重要です。

「バランスの取れた食生活を送っていない」「十分な休息を取っていない」など、これら全てが筋肉の成長に影響を及ぼします。筋肉はトレーニングによって刺激された後、適切な栄養と休息を通じて回復し成長します。

「アームカール」は、大胸筋や三頭筋にも効く?

A:直接的に大胸筋にアプローチできるトレーニングではないが、三頭筋にはある程度影響を及ぼす。

もし大胸筋や三頭筋を効率よく鍛えたいなら、それぞれに特化したトレーニングをおこなう必要があります。

大胸筋を鍛えたい場合は、「ベンチプレス」や「フライマシン」のようなトレーニング、三頭筋を鍛えるには「フレンチプレス」や「トライセプスエクステンション」が有効です。「アームカール」をおこなう際には、主に腕の筋肉に焦点を当てつつも、全体的なバランスを考えてトレーニングを組み立てることがポイントです。

下記の記事で、大胸筋を鍛えたい人向けに「ベンチプレス」、三角筋を鍛えたい人向けに「ショルダープレス」について詳しく紹介しているため、あわせて参考にしてみて。

「ベンチプレス」の正しいやり方や効果は?重量の換算方法や平均重量も紹介

「ベンチプレス」はどこの部位に効果がある? ベンチプレスは主に大胸筋にアプローチできるトレーニング。また、三角筋や上腕三頭筋にも影響する。ベンチプレスに取り組む.....

「ショルダープレス」の正しいやり方や効果は?ダンベルやマシンの使い方も紹介

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