挑戦と実践の毎日
ウェルビーイング共創社会のプラットフォームを創ると考えて企業内起業家として、法人化することまでできた。11月1日の営業開始から、1か月は砂漠に水をかけるかのように、時間がどんどん流れていった。気が付いたら1か月経過してしまったわけである。Time is Money.とはよく言ったものである。とはいえ、この1か月はたくさんの方たちにご挨拶させていただく機会をいただいたので、「はじめてをはじめる」ことで、新たな挑戦を応援してくれる方々、お時間いただいたみなさま、アドバイスいただいたみなさまに感謝しかない。
この1か月、僕らは極力、たくさんの人にリアルに会いに行くことにした。そこで、「はじめまして」のご挨拶をするのだが、1か月で名刺は250枚が無くなった。そして、たくさんのイベントや講演会に参加させていただいた。ウェルビーイングという世界がどんどん広がりを見せているのがよくわかる。
まずは、11月1日に、Spreadyという新規事業開発の初期段階のマッチングビジネスをやっている佐古社長にお声がけいただき、僕自身が新規事業開発でメンターで相談に乗っていただいていた守屋実さんとふたりで45分「なぜ、イントレプレナーになったのか?」のお話をさせていただいた。その反響は大きく全部で450名の方からWelluluのほうに入っていただき、僕自身の10年の挑戦と軌跡を綴った資料をダウンロードいただいた。新規事業開発に挑戦することで見えてきた世界がある。それは、「挑戦している人」は、「ウェルビーイング」ということだ。
僕は、広告会社ならではの「マーケティング」「クリエイティビティ」という旅の先に、「イノベーション」に興味を持った。そのイノベーションを追求していると、「ウェルビーイング」にたどり着いたのである。「起業家」がすべてウェルビーイングとは言わないが、何か新しいことに挑戦しているときは、ワクワクするものである。僕はこの1か月、まさにそういう状態だった。毎日がドーパミンが出ている状態だったのだろう。何か、転職した気分にも近いし、新しい世界に一歩踏み入れた感じだった。そして、その先には「コミュニティ」が大事になってくる。25年かけて、そんな旅をしてきたように思う。
次に、僕は名古屋に行って、某テレビ局の役員のみなさまに「ウェルビーイング」を語る機会をいただいた。最近は、テレビvsSNSなんて選挙戦略を通して騒がれているが、テレビ全盛期の時代と、これからのデジタルディスラプターが出てくる時代の「コンテンツ」の創り方も変わってくる。そんな中、聞こえてくる声は「今までは良かったのだから、今までを変えたくない」という声と、「新しいことをやらないと、自分たちも沈む船になってしまう」という危機感の声だ。僕は、ここでも「ウェルビーイング」を軸にすれば、二律背反ではなく、共存できることがあると思っている。紙媒体や活字メディアはダメで、動画、しかもこれからは短編動画だ、という声はもちろん時代を反映している。そして、SNSのパワーがいろいろな判断において影響を与えていることは分かる。そんな中、僕はあえて、「共存」「共律」という視点で、みなさまともご一緒したいと思った。
そして、お世話になった方々へのあいさつまわりもかねて、事業のご説明をさせていただく。その先に、JAAA(一般社団法人 日本広告業協会)から、広告業の未来とウェルビーイングで講演をする機会をいただいた。対象者は、今年広告業界に入った新入社員だ。僕が博報堂に入社した頃の話を振り返りつつ、今後「生活者」や「広告業界」がどう変わっているか、どう変わるべきかを語らせてもらった。終了後、ひとりの女性がご挨拶に来てくださり、「大学時代に、新規事業やコミュニティの研究をしていました。共感しました。」と感想をわざわざ伝えに来てくれた。こういう方といっしょに仕事できたらいいなあ、と思いつつ、いっしょにウェルビーイング共創する仲間が増えるように感じるうれしい時間だった。
さらには、その次に「ももえさん」から、G20のウェルビーイングサミットがあるので登壇しないかとお声がけいただいた。正直、これはちょっとだけ躊躇した。起業したばかりで、日本の市場からやっていきたいと思っている中で、グローバルの取り組みにいきなりいってもハードルが高いというのと、30年近く、ちゃんと英語を話す機会がなかったので、英語で話すことに抵抗があったのだ。ただ、僕は10分だけ思考して、「やります!」と返事をした。うまくお話しできた自信はない。けれども、各国のウェルビーイングの考え方に触れて、新しいことに挑戦したことは誇らしかった。一応、45分の英語のスピーチをやり遂げた。(みなさんが理解いただいたかは分からないが・・)
あとは、Googleのヘルステックサミットのイベントや、一般社団法人の人的資本経営サミットのイベントに顔をださせていただき、たくさんの方と新たな出会いとセレンディピティがあった。また、大前研一さんのBBTのスクール生にも講演をさせていただき、そのあとみなさまと「地域課題」「事業開発課題」「経営課題」について議論をすることができた。すべての出会いが新鮮で、そして僕が「株式会社ECOTONE」のご説明をさせていただき、僕自身の事業の解像度をあげてくださるものにつながった。
結局、株式会社ECOTONEはなんの事業なの?
僕は、いろいろな方とお話させていただくうちに、みんなが「結局、ウェルビーイングって何?」「結局、株式会社ECOTONEは何のビジネスなの?」「結局、Welluluってビジネスモデルなんなの?」と聞かれることが多いことが分かった。
僕自身、「ウェルビーイング」を定義するつもりはないので、ここでウェルビーイング談義はするのは辞めようと思うが、ビジネスの話を少しだけ触れておきたい。ウェルビーイングとビジネスは、二律背反するもので、同じベクトルはむかない。そのような「問い」をいつもぶつけてこられたのだ。僕は「ウェルビーイング」をマーケティングで活用するものにもしたくないと思っている。では、「ウェルビーイングはもうかるのか?」そもそも、「ウェルビーイングは誰のものだろうか?」。。。そんな問いをこの1か月ぐるぐる回していたように思う。
ウェルビーイングの主語を「生活者ひとり一人」と置くと、その人にとってのウェルビーイングを紐解けばよい。それは、ひとり一人違って良いと思っている。ウェルビーイングの主語を「企業や団体、組織」と置くと、それは経営そのものと捉えている。つまり、ウェルビーイングは「生活者ひとり一人が持つべき意志であり、コミュニティ」というところにたどり着いた。
株式会社ECOTONEのビジネス領域をここに記しておく。
①ウェルビーイングメディア「Wellulu」の運営と記事制作代行
メインで「人的資本経営」の開示に合わせた記事制作:「人事広報」をベースとしたHR・リクルーティング・インナーブランディングに活用いただく。
また、「新事業開発」の研究開発人材やテクノロジーによるウェルビーイング・トランスフォーメーションの紹介(新事業広報)。そのほかにも、「地域のウェルビーイング」や「睡眠によるライフスタイルの提案」などを企業のみなさまと共創していく仕組みを持っている。
②ウェルビーイングに特化した事業インキュベーション
世の中の産業がすべてウェルビーイング・トランスフォーメーションしていくと考えると、新規事業の多くは「誰かをウェルビーイングするもの」になっていくはずである。スリープテックのスタートアップと、そこに取り組む大企業がいっしょになって事業共創することができたら、素晴らしいだろう。そういった「つなぎ役」をやりながら、ECOTONE社の傘下で、たくさんの事業と起業家を生んでいきたいと考えている。
③ウェルビーイング共創コミュニティの実装
僕らがもうひとつやりたいことが、様々な「ウェルビーイング・コミュニティ」をWelluluの中で実装させることだ。これは、まだはじめていないが、後々、生活者ひとり一人が自分の居心地よいコミュニティに所属することになる。SNSとは違う「お互いの目的をもった意志や偏愛のコミュニティ」だ。このコミュニティは、例えば、「朝、目覚めをすっきりさせたいコミュニティ」かもしれないし、「いっしょに食べているものを共有するコミュニティ」かもしれない。その先には、企業のみなさまも仲間にはいっていただき、いっしょに事業共創コミュニティになっていく。
僕らは、まだ1か月しか経っていないが、この世界を描くのに、10年の歳月を費やした。ぜひ、我々の仲間になってくださる方は、声をかけてほしい。そして、いっしょに楽しいことをしようじゃないか?
堂上 研 Wellulu 編集部プロデューサー