
2025年2月、NIREMIA Collective社と共催で、Welluluを運営するECOTONE社が「HUMAN + TECH DAY in Tokyo」を開催した。「HUMAN + TECH DAY」は、NIREMIA Collective社が2025年6月にサンフランシスコにて開催予定のイベントであり、本イベントはそのプレ・イベントとなる。当イベントは、ウェルビーイングに関連する経営者やステークホルダーを招き、ウェルビーイング・イノベーション・経営について学び語り、ネットワークを深める場を目的とした。
イベント前半では、ウェルビーイングの知見を共有するスピーカーセッションを開催。慶應義塾大学医学部教授であり、Welluluアドバイザーの宮田裕章氏、フューチャリストでNIREMIA Collective社共同創業者のニコル・ブラッドフォード氏、塩野義製薬株式会社 取締役副会長の澤田拓子氏が登壇した。
後半では2つのワークショップを開催。ももえ氏による「Zen Eating体験」と、ウェルビーイングについて参加者へ問いを投げかけ、対話を通して共有するというものだ。本記事ではその様子をお届けする。

NIREMIA Collective

株式会社ECOTONE
「いのち輝く未来社会のデザイン」とは?
慶應義塾大学医学部教授、大阪万博2025 テーマ事業プロデューサー、そしてECOTONE社外取締役である宮田裕章氏は「いのち輝く未来社会への共鳴」をテーマに、スピーカーセッションを実施した。宮田氏は近年、ウェルビーイングという言葉の浸透を感じることに触れながら、世界の潮流について語る。
宮田:ダボス会議では2021年頃から「グレート・リセット」という言葉が使われています。世界経済フォーラムが開催する年次総会であるダボス会議の場では、経済は「手段」として重要だけれども、「目的化」して飲み込まれてしまったと問題視しているのです。
エコシステムそのものが過渡期になっていると語られる一方で、トランプ政権による逆風も吹き始めているように感じます。ただ逆風はありながらも、長い時間軸の中ではある程度選定されながら、本質的な取り組みが残っていくであろうと考えられています。
では、世界各国が経済の次に何を掲げるのか。まだ明確な未来ビジョンにはたどり着いていません。脱資本主義やグリーン経済という軸はありますが、次の社会像を明確に出している状況ではないのです。ただ私は「ウェルビーイング」というのは揺るぎない流れになっていくと感じています。
宮田氏は人類の歴史を、狩猟社会のSociety 1.0から農耕社会へと移行したSociety 2.0、産業革命によって経済活動が膨れ上がった工業社会のSociety 3.0、そしてデジタル革命による情報社会のSociety 4.0を振り返った上で、「Society5.0」、デジタル革命の先にある世界が何なのかを問いかける。2009年、アメリカの経済学者ジョセフ・E・スティグリッツ氏の「モノの時代は終わる」という提唱に触れ、そこでも「ウェルビーイング」がキーワードとして挙げられたことを解説した。
宮田:経済が人類の活動、暮らし、企業、国家、そして文化までもを飲み込み、それは現在進行形で続いています。そんな中で、スティグリッツ氏の提案書は象徴的でした。世界はまだ明確なビジョンを出せておらず、混乱に陥る状況がこの数年は続いていくかもしれませんが、大阪万博2025のテーマ事業プロデューサーとしては、世界と対等に問いを立てながら未来に向かっていくことが“万博”という機会ではないかと考えています。
1970年に日本初の「日本万国博覧会」が行われた際、「人類の進歩」として経済成長が祝福された中で、岡本太郎氏は「芸術は爆発だ」「いのちの一瞬の輝きこそが尊い」と演説した。宮田氏は、この「いのちの輝き」こそがウェルビーイングにおけるひとつの重要なキーワードではないかと語る。
宮田:今回の万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」です。かつてヒューマンセキュリティ(人間の安全保障)という概念では、異なる価値観や宗教、相容れない人々がいても「命を守る」「命の灯火を消さない」ということは共通するのではないかと言われていました。しかし守った命が、他の民族を虐殺してしまう苦難と挫折がありました。命の灯火を消さないだけでなく、ひとりひとりがいかにその人らしく生きるか、生きがいを支えるウェルビーイングから生き方を考えることが重要だと思います。そういった思いを「いのち輝く」という言葉に込めています。
また万博では「Co-being」という言葉で整理していますが、繋がりの中でどう共に未来に歩むか、この観点から私達の経済活動であったり、あるいは文化の繋がりであったり、あるいは両方を考えていくことが非常に重要になるのではないだろうかと感じています。ひとりひとりが持ち寄ったアイディアが共鳴しながら未来に進んでいくことがウェルビーイングにおいても大事で、万博でも、今回のようなイベントでも、対話が紡がれることに大いなる期待をしています。
AIが変革する世界のウェルビーイング
続いて、フューチャリストでNIREMIA Collective社共同創業者のニコル・ブラッドフォード氏が登壇。シリコンバレーのスタートアップ企業の進化とウェルビーイングの関連性についてトークを行った。NIREMIA Collective社はシリコンバレーを拠点にしたウェルビーイング・テック特化ファンドであり、ニコル氏も宮田氏と同様、ダボス会議に出席している。
ニコル:私たちはシリコンバレーで、AIが企業に大きな影響を与えているということを目撃しています。これまでスタートアップ企業では数々のミーティングや、試行を重ねてプロダクトが作られてきましたが、今やアイデアを出していくと同時に、AIがプロダクトを自動的に作っていくのです。これによって、いかに様々なアイデアを持つ人々をコラボレーションさせ、プロダクトに反映させるか、またそこから学びを進めていけるかが大事になっていきます。
AIやテクノロジーの発達によって、ウェルビーイングやヘルスケアは800兆円規模の市場に成長しており、2027年までには1,270兆円規模に成長すると予測されています。ミレニアル世代やZ世代は、お金を稼ぐよりも健康でいるほうが大事だと回答しており、ウェルネス市場はどんどん拡大しています。
オーラリングやアプリでの計測、ウェアラブル機器など健康を管理するツールやサービスは増加の一途にあるが、散在したデータをどう収束して生かしていくかが課題でもあるとニコル氏は指摘する。
また、「デジタルウェルビーイング」というキーワードも挙げられた。テクノロジーが進化し続けているにも関わらず、人々の不安やうつは増加傾向にあるのだ。ある調査によれば、53%の人が親しい友人よりも携帯をなくすほうが悲しいと回答したという。AIは時に、人の心を支配し、脅かす。今やウェルビーイングの範疇はオフラインだけでなく、オンライン上にも広がっているのである。
ニコル:AIの発達によって心と体のデータを取って健康になったり、その不安から解消されたり、友人とのコネクションを深めたりすることができるはずですが、未だ大きな可能性を取り残している状態です。「Time is Now」、ウェルビーイングな世界を創っていきたいと思う起業家や、企業として、個人として関わりたいと思う人々もいる今こそ、ウェルビーイングな世界を共創していくときです。新しいテクノロジーや、企業のコラボレーションはどんどん生まれてきています。これらが人々の可能性を引き出していく時代になることを期待しています。
ヘルスケア領域におけるDXとウェルビーイング
「ヘルスケア産業の変革にむけてSHIONOGIが目指すHaaSのカタチ」をテーマに語ったのは、塩野義製薬株式会社 取締役副会長の澤田拓子氏。塩野義製薬は、製薬企業として医療用医薬品の提供をしていた歴史を踏まえ、ヘルスケア領域での新たな価値提供を目指している。
澤田:10年後、20年後の世界を想像してみますと、デジタルネイティブ、SDGsネイティブの世代が世界を構築していく中で、少子高齢化、各国の財政状況の悪化により、ゲノム情報を含めて本人がどのようにウェルビーイングを達成するのかを考えていく時代になっていくだろうと思われます。特に日本では、病院が個人の医療情報を所有していますが、本来は究極の個人情報であり、本人にデータをお返しして個人がデータを管理する時代になっていくはずです。それが実現できれば個人の中でデータを連携でき、健康管理がしやすくなるでしょう。
また澤田氏は、ヘルスケア・ライフケアビジネスについて、特に処方薬は規制が厳しく参入障壁の高い市場であること、特許に依拠するなど参入障壁が高い特殊なビジネスモデルであることを指摘する。
澤田:アメリカでは肥満を含む生活習慣病や、認知症、うつ病を含む精神神経系疾患は、本人のライフスタイルや環境を調整することで予防・軽減が可能なため、将来への期待は大きい分野です。現在は、まだビジネスとしては厳しい状況であるものの、医療領域、特に非医療機器領域では多数のものが試みられています。ただあまりにも多くの似通った製品が溢れ、ユーザー側の選別が難しく、品質や基準の統一が求められています。
SHIONOGIは、2030年ビジョンとして「新たなプラットフォームでヘルスケアの未来を創り出す」というビジョンを掲げ、「HaaS=Healthcare as a Service」、ヘルスケアサービスとしての価値提供を目指していると語る。
澤田:たとえばうつ病を薬で改善しても、職場でハラスメントが横行すれば再発します。創薬型製薬企業として医薬品を提供できる強みを発揮しつつも、プラスアルファのアプローチが必要です。たとえば、データ活用による病気の予防・軽減や、データを個人・医療機関・保健所・自治体と緊密かつ迅速にデータ連携を行うことで、質の高い医療サービスの提供に繋がると考えています。
SHIONOGIは、ADHDのトータル治療として教育現場における教育支援計画策定支援ツールの開発や、治療用アプリを使った情報連携をおこなっている。また、不眠症の患者に向けたアプリ開発、精神神経疾患における診断の効率化に向けた診断支援AIモデルの開発、「音」を通じた五感刺激の認知症ケアサービスなどの開発などをベンチャー企業と協業で展開している。
澤田:これからのヘルスケアにおいてはネットワークが非常に重要で、各データを連携させ総合的に患者やユーザーにサービスを提供していくことが必要だと考えています。マネタイズの困難さが大きなチャレンジとなりますが、確実にニーズは高まってきているはずです。また健康へのニーズが多様化する中、自社で解決できることは限られます。多様なパートナーとタッグを組むことで、新たな付加価値を生み、患者さまや社会の困りごとを解決するヘルスケアプラットフォームの構築が実現すると考えています。
五感でウェルビーイングを体感するZen Eating体験
イベント後半では、体と心を通して自分自身、そして地球と繋がり直す食べ方として「Zen Eating」を提唱するももえ氏によるZen Eating体験が行われた。Zen Eatingでは、五感を研ぎ澄ませながら一口ずつ丁寧に食べることで“食べる瞑想”を通してウェルビーイングを体感することができる。
「いつも数分で昼食を食べ終えてしまう自分にとって、Zen Eatingは衝撃だった」というWellulu編集長 堂上の提案により、ワークショップが実現した。
ももえ:まず食事の前に、気が散りそうなものを机の上から片付け、スマホの通知音はオフにしましょう。場を整えるというのは、Zen Eatingの第一歩です。普段の仕事中の食事でも、少し机を整えるだけで時間の質が変わります。
体を軽くほぐしたのち、食材をゆっくり眺めたり、香りを想像したりと好奇心を高めてから食事を始める。一口目は、香りを嗅いで関心を持った食材から。すぐに飲み込まずに舌の上に食べ物を乗せ、形を感じたり、香りを感じたり、飲み込みたいという自分の気持ちを感じたり。参加者は思い思いに食と向き合い、目を閉じて体験を進める人もいる。
ももえ:正解を探すというよりも、自分自身の感覚について、今まで知らなかった新しい面を見つけにいくような遊び心でやってみましょう。集中できない場合は、集中できていない自分に気がつきながら、体験に没頭できるように自分に許可を出してあげるようにしてみます。
お米は1粒1粒が種であり、命です。このお米はどこから来たのか、ここに来るまでに何人の人が、どんな人が関わったのかを想像してみましょう。大きな循環の中で生きていることを、繋がりを感じながら食べ進めます。食材になりきるような気持ちで食べるのも良いですね。
ももえ:段々と、食べるペースを日常のペースに戻していきます。ゆっくり食べなくても、日常の食事でも五感を研ぎ澄ませながら、今得た気づきを持ち続けながら食事ができることに気がつけたのではないでしょうか。
体験後、参加者からは「ブロッコリーの葉と茎での味・香り・食感の違いを実感した」「ご飯を食べながら、娘と行った稲刈りのことを思い出した」「米一粒一粒に顔がついているように感じた」「普段は早食いで、濃い味を求めていたことに気がついた」などの声が挙がった。
ワークショップ①私にとってのウェルビーイングとは?
ワークショップでは奥本氏と、堂上が進行を担当。5〜6名の各グループで「個人にとってのウェルビーイングとは」をテーマに話し合いが行われたのち、グループにつき1名ずつ全体で共有をおこなった。
「妻と散歩をしている時」「テレビドラマ鑑賞をしている時」「トレーニングで汗をかき、深呼吸をした時の開放感」「息子と夜にマッサージ・ボディタッチをしながら本音トークをする」など、各々の生活が垣間見える様々なウェルビーイング体験が挙がる。
「愛犬の匂いを吸い込む時」という声に堂上は、「Welluluでもペットとウェルビーイングに関するお問い合わせが非常に多いです。ペットを含めた家族のウェルビーイングを考えている人が増えていると感じます」と語る。
ほかには、「毎日縄跳びをしていたら、自分の思考が整理できるだけでなく、近所のおばあさんも一緒に縄跳びを始めるようになって、繋がりが生まれていると感じた」という声も。
堂上:習慣はウェルビーイングにおいてとても大事だと捉えています。僕は毎日、夕食の時に子どもたちに「今日は何か良いことあった?」と問いかけるようにしているんです。最初は「何もないよ、普通だよ」と言っていたのですが、僕が毎日聞くものだから、そのうち自分にとって何が良いことかを探すようになったり、自ら作り出したりするようになりました。習慣というのは、ウェルビーイングと深い関連性があると感じます。
ワークショップ②経営・ビジネスとウェルビーイングとは?
続いて、「経営・ビジネスとウェルビーイングは両立するのか」という問いが投げかけられた。ビジネスでウェルビーイングに携わる者なら、一度は「ウェルビーイングは儲かるのか」と聞かれたことがあるかもしれない。それこそが宮田氏が指摘した「経済に飲み込まれた人類」を象徴しているとも言えるのかもしれない。参加者は悩みながらその問いと向き合っていく。
人事制度改革に携わった女性は、「自分が成長する喜びを感じること、自分が仕事を通じて同僚・会社・コミュニティ・お客様に付加価値を与えることがウェルビーイングにおいても、人事制度においても重要だと感じました」と語る。
堂上:人的資本経営、ウェルビーイング経営と言われる中、社員のウェルビーイングを実現すると300%のクリエイティビティを発揮する、離職率が下がるとも言われています。社員をウェルビーイングにするというのは、経営に直結してきていると思います。
オフィス環境づくりに携わる男性は、「ビジネスとウェルビーイングはほぼイコール」と語る。「オフィス環境によって社員の生産性や創造性が高まるメリットは明らかです。また人材確保の競争が激化する今、リクルーティングの面でもオフィス環境はメリットとなります」。
堂上:Welluluでもインタビューさせていただいた楽天CWO小林正忠さんは、ウェルビーイングにおいて仲間、時間、空間の3つの間、「三間(さんま)」を大切にされています。オフィス環境というのは、「空間」としてウェルビーイング経営に重要だと僕らも考えています。
「再教育、学び直しによって自己成長し、自己実現をし幸せな人生を歩んでもらう事業を経営する」「モビリティ社会の実現を目指し、生活する人々のウェルビーイングにフォーカスする」など事業内容とウェルビーイングの直接的な関わりを考える参加者も多い。
一方で、ウェルビーイングに関連したヘルスケア事業に取り組むも、短期の利益率を追いかける社員にとってはなかなか理解が得られない苦悩を語る参加者もいた。「それでもその先を見越して変化していかないといけないと思います。皆さんと一緒にウェルビーイングを学びながら、少しずつ社員の理解も深めていきたいです」。
奥本:企業の経営とウェルビーイングの両立は難しい課題です。しかし、様々な社会課題がある中で生活者を軸とした物事を考えていくと、そこに必ずニーズが起き、ビジネスが広がっていくはずです。今のビジネスとウェルビーイングを無理に繋げなくても、少し俯瞰した視点で見てみると、新たな連携が生まれていくかもしれません。
ワークショップ③ウェルビーイング共創社会に向けて、自分たちはどう動くか?
最後は、「ウェルビーイング共創社会に向けて、自分たちはどう動くか?」をテーマにグループディスカッションが行われた。
堂上:ECOTONE社の「エコトーン」とは、山の生物と海の生物が混じり合う移行帯を示す生物用語です。多様な人たちが集まって、新しい文化が生まれたり、新しい未来が生まれて新しい価値が生まれたり、新しいビジネスが生まれたりすると良いなと思い、今回のイベントも開催しました。「社会」と言うと大きい話に聞こえますが、「まず自分ができること」という観点で考えてみてください。
ある女性は、「今までは、仕事も生活も自分の好きなことをやってきて、社会のことをあまり気にかけてきませんでしたが、以前、娘が泣いている時に近所のお店の方が助けてくれたことがありました。それまでは自分が頑張って、自分の実力でここに住んでいるんだというプライドがあったのですが、そうではなく、周囲の人に住まわせてもらっている、生きさせてもらっているんだなと凄く感謝しました。そこから、地域社会に貢献したい、この街を良くしたいと思うようになったんです。個と社会との繋がりを実感することは、ウェルビーイングを考えるうえでとても大切だと思います」と実体験から語る。
ウェルビーイングではない社会とは何か、という視点から考えた参加者もいる。
「物事の尺度や評価軸が自分と同じものでないと許容できないとか、異なるものを弾いてしまうと争いや妬みが生まれるのかなと感じました。とはいえ、自分とは異なる価値観全てを受け入れるのは難しいのかもしれません。違うレイヤーとして考えるのが良いのか、どうしたら良いのかは今後の課題だと思っています」と正直な心境を明かす。
世界の様々な国を訪れたという女性は様々な価値観や文化に触れることで、「無意識のうちに、自分が常識だと思っていることが、自分の幸せを形作っているのではないかと気づかされました。」と語る。ときには社会規範から離れて、他者も受け入れるマインドを持つのが大事なのだという思いを話してくれた。
堂上:孫泰蔵さんが執筆された『冒険の書 AI時代のアンラーニング』でも、僕らが当たり前だと思っている社会は別の国では当たり前ではなく、今までの価値観を1回捨てる重要性を説いていますよね。自分たちと違う価値観に触れることで、新しいウェルビーイングのきっかけが生まれていくのではないかと思います。
役職定年の歳を迎えたという女性は、同世代への危機感を語る。
「私たちの世代は大企業で勤め上げている人も多いですが、人事に聞くとそういった管理職層は越境する研修に1人で行きたがらず、3人だったら行きたいと言うらしいんです。“私たちの世代はいつからこんなに弱くなったんだ”と残念に感じました。かつてはバリバリ仕事をして、アグレッシブだったはずです。もう一度その世代を強くし、外に出せれば労働人口の減少においても役立てるし、孤独の解消にも繋がるのではないかと思います」。
奥本・堂上:イベントを通して、様々なご意見を聞くことができました。ウェルビーイングを考える「同志」として、引き続き繋がっていきたいです。本日はありがとうございました!
堂上編集後記
今回のイベントには、54名の役員クラスの方々に集まっていただいた。日本の会社の経営を考える上で、まずは自分(私)と対話し、企業経営と向き合い、社会に目を向けて頂くことに挑戦させていただいた。
僕らが目指すのは、ウェルビーイング共創社会の実現。日本の経済学者の故宇沢弘文さんの「社会的共通資本」の考えにも通ずる考えだと思うし、オムロン創業者である故立石一馬さんが提唱した「SINIC理論」の2033年以降の自然社会にも通ずる考えだとも思う。
ウェルビーイングというカタカナをなんとかしたい想いはまだ残るが、結局は未来をどういう社会にしたいかの「意志」だと思っている。
まずは、ここに集結してくださったみなさまとのご縁に感謝で、さらに、今回いろいろご支援をいただいたみなさまには感謝である。特に同志として、一緒にウェルビーイングな時間を過ごした直子さんには感謝しかない。これから、一緒にウェルビーイング共創社会へ歩んでいきましょう!
https://wellulu.com/blog/40513/