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夏に思うこと、夏に感じること

 

毎年夏になると、何か夏らしいことしたいなあと思ってはいるけれど、思うだけでいつの間にか過ぎ去ってしまう。

だが今年は、前回ご紹介した新しい相棒マックスと⼀緒に川に出かけたり、夏祭りに⾏って焼きそばを買ったり、海にも行けたりと、夏という季節をしっかりと楽しめているような気がする。

だけど私は、毎年夏になると⾷欲が少し落ちてしまう。理由はもちろん暑さのせい。

そのため、そうめんなどさっぱりとしたものを食したくなるのだが、毎夏これだけは好んで買っているのが、スーパーやコンビニでも売っている、フルーツの詰め合わせパック。

パイナップルにスイカ、その他のフルーツが3〜4 種類程入っていて、⾊々なフルーツをついでに⾷べることができて贅沢な気分にもなるし、⼀⼈暮らしの私には、サイズ感がちょうどいい。

その中でも今年最も食べているのがスイカ!

毎年⾷べているはずなのに、今年のスイカは去年よりおいしく感じる。

みずみずしく⽢さがあって⾷べやすく、何より個性的なビジュアルも夏にぴったり。

スーパーでカットスイカを買った時の帰り道、透明の袋に⼊ったカットスイカを持って歩いていると、なんだかお祭りのあとみたいな気分になってテンションが上がる。

なぜかというと、小さい頃、お祭りに行っては大好きな金魚すくいをして、金魚を何匹か持って帰ることがあったからだ。透明の袋に金魚達が泳いでいて、手持ちの水槽みたいで、私はそれを見ると毎回わくわくして「金魚ってとても綺麗だなー」と思っていた。

その時と同じような感覚で、透明の袋の中に入っている赤いスイカは夏らしく、昔思った「手持ちの水槽」のようでわくわくするのだ。

それくらい今年の夏のスイカは、完全に私の視覚と味覚を魅了している。

 

先⽇友人が何⼈か家に遊びに来た時も、大好きなスイカでおもてなしをした。

その時友人が、「家でスイカが出るってなんかいいよね」と⾔っていて、実家でしかスイカなんて出てこなかったから、友達の家でまさかスイカが出ると思わなかったそうで、ふと懐かしく感じたらしい。

確かにそれを言われて私も、友人の実家に遊びに行ったらスイカとかみかんをごちそうになった記憶はあるが、スイカを出されたことはなかったかもしれない。

テーブルにスイカを置いたことでみんなと⼀緒に夏らしさを感じていることが、なんだか嬉しかった。

それからみんなで「夏だね〜いいね〜」と⾔って、おいしくスイカをいただいた。

夏らしさを感じることができ、⾷べることでより涼しさを感じ、暑さの軽減にもなる。⽇本の夏には⽋かせない素晴らしい⾷べ物であるスイカは、夏の最強フードだと思った。

昔エアコンがない時代は、私がスイカに感じるように五感で涼しさを感じ、⾷⽂化を活⽤して暑い夏を乗り切っていたんだろうな。

日本の夏は、デパートに⼊るととても涼しくて、最初は「涼しくて最⾼〜」なんて思うけれど、⻑くいると冷房が強く感じて肌寒く感じてくる。

夏は暑いからたくさん冷たいものを飲みたいとか、キンキンに冷えた冷房に当たりたいとか思うけど、それらはきっと体にはあまり良くないような気がしていて、

夏の私たちの体は、常に冷たいものを摂って暑さ対策をするだけではなく、⾝近なフルーツを毎日ちょっと摂取することで⽔分補給にもなって体の熱を冷ませるし、熱中症や夏バテ予防、疲労回復、それに、紫外線によるお肌のダメージケアにも効果が期待できる。

だからスイカは勿論のこと、夏のフルーツには夏には⽋かせない成分と効果があると思うので、⾷の効果って素晴らしいと改めて思う。それを無理なく少しずつ⾷べるとか、何にしてもその少しずつを⽇々⾏い続けることが、暑さ対策もしかり、何事にも効果に繋がるように思う。

 

また、夏はいろんなことを思い起こさせてくれる。

この時期、相棒マックスと散歩をしていると、先ほどのカットスイカを買った帰り道もそうだが、その時の気温や空気を感じることで昔のことを思い出すことがよくある。

⾵が程よくあって緩やかな日は、⼩さい頃に家族旅⾏で⾏ったハワイの海辺をみんなで歩いた時のことを思い出す。

また、暑く⾵があまりない⽇の昼間は、⼦どもの頃よく遊びに⾏った、ひいおばあちゃんの家の近くのショッピングモールで「ぷるぷるゼリー」という飲み物を買ってもらって飲んだ時のことを思い出す。

あれ以来飲んでないけど、ちょっぴり冷たくて甘いゼリーの味。

その味を思い出し、懐かしい感覚になった。

そんなふうに、空気の匂いや温度が過去の思い出を呼び起こしてくれて、それによって過去に⼀瞬戻れた気持ちになれる感覚。

過去に感じた温度と、今感じる温度がリンクしたことで、自分らしさ、自分の持っている感覚を忘れずに保つことができている気がする。

絵を描く上でも普段から、創造もだけど、何かを思い起こして作ったりすることが多い。

花を見たら、その花たちにおしゃれをさせて描きたいなと思ったり、今年は午年だから、自分の思う馬を描くことが増えたり。そうやって思い起こして描くのがとても楽しい。

思ったり感じたりすることは⼼につながり、表現に変わる。

食べものや飲みもので季節を感じること。また、感じた温度や空気で思い起こすこと。

感覚を忘れずそれを表現していきつつも、いつもと違う考えが浮かんだら、新しい自分の感覚や気持ちを発見できて新鮮な気持ちになり、それをまた表現する。

夏は季節の中で短く感じるけれど、短い中でもいろんなことを思い、感じ、心や体を思いやりつつ⾃分を楽しむことができる。

 

先日古着屋へ柄物のシャツを見に行った。

夏は心が自由になれるせいか、洋服にも柄物を取り入れたくなることが多く、柄物のシャツを着る機会が増えたりカラフルな服を着たりすることが増える。

お目当ての柄物のシャツはなかったけれど、その帰り道、大好きな縞模様のスイカを買って帰っている私がいた。

 

SUMIREさん

俳優/ファッションモデル/アーティスト

俳優の父・浅野忠信氏とミュージシャンの母・Chara氏の長女として、幼少期からアートや音楽が日常にある環境で育つ。2013年にChara氏のMVに出演して注目を集め、翌2014年より雑誌『装苑』専属モデルで本格的にキャリアをスタート。北欧由来のブルーやハシバミ色(ヘーゼル)に変化する神秘的な瞳と、アジアのルーツを感じさせるエキゾチックな顔立ちのコントラストが存在感を放つ。現在はファッションモデルにとどまらず、画家(アーティスト)としても個展やグループ展を行うほか、俳優の「佐藤菫」としても映画やドラマに出演するなど、独自の感性で表現の幅を広げ続けている。

【HP】https://noisette.jp
【Instagram】https://www.instagram.com/sumiresmile074

 

第1回のエッセイはこちら

1人のようで2人。2人だけど1つ。

 

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