まつざわくみさんに「切り札」づくりをお願い
先日、Welluluで対談させて頂いた絵本作家「まつざわくみ」さんが「切り札」づくりのために赤坂まで来てくださった。対談のときに見せて頂いた「切り札」を「僕の今」を知るためにつくりたいと相談させて頂いた。本当は、事業がある程度まで拡大してから相談だと思ったが、「今の自分」と「1年後の自分」で、久実さんの感じる「堂上研」という人間がどう変化したか見てみたいと考えた。
久実さんは、僕にいろいろな角度で「どう生きているか」「どう生きてきたか」「どう生きていきたいか」聴いてくる。僕は、僕の中にいる自分の素を、自分の「ことば」で自分の人生を紡いできた話をした。
僕が広告の仕事を選んだ理由
広告会社に入った一番の理由は、「いろいろな業種の人に会える」こと。もともと、高校時代のニュージーランドでの1年交換留学でデザインにも興味を持ち、クリエイティビティある仕事をしたかったことも理由のひとつ。とはいえ、僕自身すぐに会社を辞めて、自分で起業したいと思っていた。
じゃあ、なぜ25年も同じ会社にい続けたのか!? それは「博報堂の人が魅力的な人が多かったから」である。初任の配属の先輩たちの人間力、クリエイティブやマーケティングの専門家人材のプロフェッショナリズム、毎日がドキドキで、毎日が出会いの連続だった。
仕事が楽しかったのである。あっという間に15年が過ぎていった。クライアントにも恵まれて、どんどん新しい挑戦をさせて頂くことができた。
そんな中、「起業への想い」が沸々とわいてきた。博報堂を「沈む船」と表現した人がいたが、僕は「沈む船を沈まないようにするのが面白い」と感じたのである。そこで博報堂の中で新規事業という転職とも言える体験をさせてもらえた。
家族の影響
僕は家族にいつも支えられている。父親は、脱サラをして仲間と一緒に会社を立ち上げている。そして、母親は、なんでも許してくれる人だった。よく「自分は自分、人は人」と言い、他人と比較しないように育ててくれた。そして、唯一無二の「実兄」の存在は僕の人格形成には欠かせない。3つ上の兄がいて、非常に穏やかな性格だった。彼は47歳という若さで亡くなったが、彼が怒ったシーンを見たことがない、利他の塊のような人だった。
そして、今の家族。子どもたち3人に恵まれて、結婚22年。家でも仕事ばかりだし、いつも片付けができない僕は、家族に怒られてばかりだが、家族にいつも支えられている。先日の四柱推命で僕に足りないのは五行で言うと「水」らしかったが、妻と長女が「水」だった。つまり、僕は家族がいるからこそ、良いバランスが取れているのだろう。
子どもたちの名前は「ゆ」「る」「り」を3人の頭文字に入れている。ウェルビーイングな生活には、ゆるりとした時間が必要だ。僕ができているかは分からないが。。
デザインと言葉
僕がひと通り話し終えたあと、久実さんから素敵な詩を教えて頂いた「夕焼け」という谷川俊太郎の一節だ。
始まりがあって終わりがあるから
始まりもなく終わりもないものが見えてくる
久実さんは、この話をしながら、「始まりと終わりをくっつけたら、輪になってどこが始まりになるか分からなくなる。」と解説してくれた。
素敵な言葉。ウェルビーイングって、つながっている。どんなデザインがあがってくるのか楽しみで仕方がない。どんな色になるんだろう!?どんな風に、今の僕が見えたのだろうか?
僕自身が、ARTの一部分になり、これからの人の縁を考えたときの「切り札」になることは間違いがない。久実さん、どうもありがとうございました。

堂上 研 Wellulu 編集部プロデューサー