子どもと病院と親と

Wellulu 編集部プロデューサー

堂上 研

息子の鼻水と喉の痛み

土曜日の朝、息子が鼻水と喉の痛みがあるということで、熱はないがアレルギーの可能性もあって病院に来ている。

近くの耳鼻科なんだが、毎回めちゃくちゃ人気の病院で、9:00から診療開始なのだが、8:30に並びに行ってすでに7人が並んでいる。

インフルエンザとコロナ、夏風邪、アレルギーいろいろな人がいる可能性があって、毎回病院の待合室というのは、緊張感が漂っている。

そこで、よくありそうな光景が目に飛び込んできた。

僕の前に、4歳くらいの子どもとお母さんが並んでいた。子どもが「喉かわいた」と言っていたのだが、「並んでいるので、あと20分だから待って」と言っている。

子どもはだんだんと駄々をこね出した。「喉がかわいた、喉がかわいた。」お母さんは、「自分で買ってきたら。」と言うが、子どもは「嫌だ」と言う。

僕は「並んでますので、飲み物買って来て良いですよ。」と伝えた。すると、親が「大丈夫です。」と言って子どもに我慢させている。僕だったら、すぐに買いに行くなあ、と思いつつ、9:00を待った。

すると、受付がはじまるや否や、大きな声が病院に鳴り響いた。「いい加減にしなさい。もう、だから嫌なのよ。ふざけないで。」お母さんの金切り声である。子どもは外に連れ出されて、戻って来なかった。

僕も子どもに怒ることはある。だいたい子どもは親を怒らせる天才だ。自分でやると言ってもやらない。やっちゃいけないことをやるなと伝えても、ついついやってしまう。素直に行動しているだけなのは分かる。けれども、それが親をイラッとさせるのだ。

この親子の朝がどんなだったか、日常がどんなかは分からない。けれども、多分日常も、金切り声で怒られているんだろうと想像がつく。

昨日のWelluluランチタイム座談会でも、話題になったが、親は、子育てで悩んでいる人が多いのだろう。どうすれば、親子や家族がよりウェルビーイングな環境をつくれるのか!?

この探究の旅ははじまったばかり。

僕が尊敬している元南葛FCの森コーチのコメントが素晴らしかった。

ここに一部分を転載させて頂く。

【伸びしろを残してバトンを繋ぐ】

これで本当にいいのだろうか、、、。

大人は経験があるので、子どもに対してこうすればいいよ、と教えます。ただ大事なのは、何を教えるかです。(中略)

教えてあげるべきは、何をもって判断すべきかという判断の基準と、判断の基準が見えるようにしてあげることと、そこから描いたイメージの成功確度をあげてあげるための技術を教え、身につけさせてあげることです。(中略)

何を教えるか、というのはとても大事です。指導者は学び続けることが大切です。 代表 森一哉

サッカーの指導者の話だが、これは親や教育者など全ての大人に当てはまる。僕らは、自分が正しいと思って、子どもたちに伝えているかもしれないが、考えて判断する能力を奪ってしまっているのかもしれない。

今日、病院にいた親子は、無事飲み物を手に入れることができただろうか?なぜ、親は飲み物を買いに行かなかったのか?なぜ、子どもは駄々をこねた上で自分で買いに行こうとしなかったのか?

僕の日常でも、子どもたちとの会話で、子どもは僕に理不尽だと思うことはいっぱいあるだろう。僕の中の正解を伝えて、判断する材料を奪ったこともいっぱいあっただろう。

僕は、病院の帰り道、自省すると共に、怒っている人がまわりにいると、みんなが嫌な気持ちになることをあらためて実感した。息子は、ただ少し喉が赤いだけで、薬を処方してもらった。

準備をしたからこそ。

金曜日の朝4:00から、日本対サモアのラグビーのTV観戦をした。日本は先発予定だったSH流選手がふくらはぎのけがで急きょ欠場。SH斎藤選手が代表初デビューした。

ラグビーとサッカーの大きな違いは、ラグビーの方がひとつのミスが大きな試合の流れを変える影響が大きいと感じる。

サッカーは一本のパスミスが、仲間がサポートしてミスで無くすことができることが多いように感じるが、ラグビーは、本当にひとりの些細なミスが大きなダメージに繋がりやすいのだろう。

斎藤選手は、代役での登場だったが、素晴らしい早い判断で活躍していた。これは日常の練習と準備をちゃんとしていたからだと感じた。

自分がいつでも出ても大丈夫という状態をつくる。こんなメンタルを持って、毎日の生活を送れるような子に育って欲しい。

親である僕は、学びつつ、なんの準備をするか、そこから考えて、子どもと向き合おう。

 

 

 

 

 

 

 

 

堂上 研 Wellulu 編集部プロデューサー

1999年に博報堂へ入社後、新規事業開発におけるビジネスデザインディレクターや経団連タスクフォース委員、Better Co-Beingプロジェクトファウンダーなどを歴任。2023年、Wellulu立ち上げに伴い編集部プロデューサーに就任。

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