世界に拡がるゴミを捨てない文化
昨年、渋谷で行われたスポGOMI2023のワールドカップに行った。そこは世界中から集まった選手たちが国の代表として、渋谷にあるゴミを拾い続けるスポーツだ。こうやってエンタメ性とスポーツ性を取り入れることで、生活者ひとりひとりの意識が変わっていく素敵なプログラムだ。
2025年にも第2回が開催されると聞いて、日本財団で行われる記者発表会に向かった。世界中で深刻化している海洋ごみ問題。その約8割は、陸(街)から流れ出ているといわれており、この問題を防ぐための“最後の砦”がごみ拾いとのこと。海洋プラスティックの問題は、地球規模のウェルビーイングを考えたら、今取り組まないと、未来に様々な問題を山積させてしまう。
ふと街を見渡すと、吸い殻のごみが目立つ。区の条例で歩きたばこが禁止されているはずなのに、ルールを守らない人たちがいるから、どんどん禁止が増えていく。公園で子どもとサッカーの朝練をしているときに、目につくのは公園のごみ箱は入りきらなくなったごみが溢れている。カラスがそこにやってきて、ごみを撒き散らす。そういったごみを拾っている地域の人が必ずいる。これが現実だ。誰かがやってくれる、ではなく、自らごみのポイ捨てをしないだけで、街はもっとウェルビーイングな環境になるだろう。
「日本財団 スポGOMI ワールドカップ 2025」の開催は、前回21か国の参加が、拡がりを見せ30か国以上が出るとのこと。しかも第1回の参加者が、自国で「ゴミ拾い」を通して、ソーシャル課題へ向き合っているとのことだ。この輪がどんどん拡がっていくことに、地球の未来へとつながっていく。
日本国内での予選大会スケジュールがはじまっているとのこと。東京開催は2025年4月以降なので、これは実際に参加してみたいと思った。公式サイト:https://nf-spogomiwc.com/
スポGOMIの高校生日本一を決めるスポGOMI甲子園の方も各地で続々と予選大会が開催されているとのことで、長女(高2)に話したら、興味を持っていた。
https://www.spogomi.or.jp/zenkoku/
丁寧な生活を通して、いろいろ見えてくるものがある。日常の中でたくさんのウェルビーイングなものが転がっている。ゴミの分別からリサイクルなど、ひとりひとりの意識と行動で変わってくる。
記者発表会は、日本財団の笹川会長のご挨拶からはじまり、アンバサダーの水泳の松田丈志選手、陸上の寺田明日香選手、射撃パラリンピックの田口亜希選手選手の挨拶があった。
僕たちは、ゴミ拾いをスポーツで競い合うことで夢中になって楽しむ。素晴らしい発明だ。昨年のブログをここにも載せておく。https://wellulu.com/blog/11392/ あと、開発者の馬見塚さんとのWellulu Talk。こちらも素晴らしい出会いだった。https://wellulu.com/social-contributions/12704/ ゴミ拾いで世界を変えてやろうと本気で取り組んでいる仲間がいる。
街のウェルビーイングはどこからつくられるのか?
僕らは、ウェルビーイングな街はどうやってつくられるのか?そんな探求もずっと繰り返し進めてきた。僕らは、それを3つのキーワードで設計している。
1:Co-CREATION 自発的共創 インスピレーションとなりうるコンテンツやイベントが街に集まる生活者から、自発的・継続的に起こりうる環境をつくる。そして、多様な人たちが集まる場がある。
2:Serendipity 新しい価値との出会い 街に集まる人々が新しい価値や感性と出会う。産官学民のそれぞれが自分たちの強みを活かした共創ができる。偶然の出会いからすべてが始まる。
3:GIVE 街に還元する 街からいい影響を受け、地元の人も外来者も、そこで働く人もお互いがお互いをリスペクトして、自分ができることを街や人に貢献する。
この3つを循環する仕組みができれば、ごみを捨てることもないし、地元で働くことも、生きることも楽しくなるだろう。そんな街を増やしていきたい。

堂上 研 Wellulu 編集部プロデューサー