スポGOMIというスポーツをはじめて知る。
淡路島に出張中のホテルで朝、テレビをつけたとき、スポGOMIと言うスポーツの特集をやっていた。ゴミを拾って、重さなどをはかるスポーツ競技だ。
面白い取り組みをしているなぁと思っていたら、後日、welluluの取材で余慶さんにお会いして、「どの、スポGOMIって知ってる?」(僕は昔から、どのと呼ばれている。)と言って、紹介を頂いた。
地域のボランティア参加で、ゴミ拾いなどイベントがあるが、こういうことに参加することがウェルビーイングにつながる。主観的ウェルビーイング21因子では、「積極的な参加」と言う項目にあたる地元のお祭りやイベント、ボランティア活動に参加することで地域コミュニティが活性化する。
僕はぜひ、スポGOMIを取材をしたいと思った。そしてタイミングよく、本日、渋谷でスポGOMIのワールドカップがあることがわかった。
僕は、いつも以上に道路や公園に落ちているゴミを意識しながら会場に向かった。有酸素運動も兼ねて、会場まで歩くことにした。約50分歩いたが、コンビニや公園等の周りにはたくさんの吸い殻が。植木の中にはコーヒーカップのゴミが。こんなにゴミって落ちてるんだとびっくりするくらいの状況だった。
朝早くに散歩をする人の気持ちが分かる。晴れ渡った空に、少し冷たい空気が心地よい。これでゴミを拾うとかのイベントをやるだけで心がスッキリするものだ。
長谷部渋谷区長、スポGOMIの馬見塚代表にご挨拶をさせて頂いた。元々、渋谷区のゴミ問題に危機感を持って、グリーンバードというNPO団体を立ち上げていた頃からの取り組みだそうだ。
ルールや詳細はこちらから。https://spogomi-worldcup.org/
日本財団とユニクロがサポートしており、グローバルなスポーツになっている。21カ国の代表3人の入場行進からはじまった。各国の代表である老若男女が入場してくるだけで、感動して涙が出そうになった。入場行進のプラカードを持っているスタッフの方が日本のアニメでコスプレしていて、それも楽しい。
海洋プラスチックのゴミ問題の課題は、世界の大きな問題である。2050年には、魚の重量よりも、海洋プラスチックごみの重量の方が重くなるという試算もあり、早急な対策を講じる必要があるとのことだ。
馬見塚代表のルール説明があった。
「走らない。チームで行動する。ゴミを分別する。」
めちゃくちゃシンプルだ。子どもから年配の方も誰もが参加できる。この仕組みを作り続けて、初のワールドカップを行う。
早速5分で作戦会議をする。それぞれが分別したゴミを審査員に重さを測ってもらう。選手たちは、表情が晴れやかだ。ただ、どこにゴミが落ちてるか推測し、作戦をたてて時間以内に多くのゴミを集める。それだけなのに、真剣に取り組んでいて、ゴミ拾いを見ていても面白い。
ただ、これが楽しいだけではなく、競技であり、各国の代表であるからこそ、勝つためにゴミを最後の最後まで拾い続けることを諦めないのだ。
すごい量のゴミだ。これを45分で2ラウンドする。中間発表があった。1位日本、2位イギリス、3位ブラジルだった。
面白いのがポイント制だ。燃えるゴミ/燃えないゴミ100g→10point。ビン缶100g→12point。ペットボト100g→25point。煙草の吸殻100g→150point。
ゴミが落ちている場所が分かるという意味では、日本は地の利があるのだろう。ゴミの穴場を見つけたチームがポイントを稼いでいける。
ゴミが多く落ちている場所は、ゴミの穴場と言い、階段やお店の裏口付近、公園や植え込みの中、排水口など、人間が捨てる心理をつくことが良い。それにしても、こんなにゴミってあるんだ、とびっくりする。
全力で歩き続けながら、ゴミを拾い続ける。そして、国民性が出る。コツコツとゴミを拾い続ける国もあれば、楽しそうに参加している国もある。選手のみなさまは、歩くのが早くて健脚が多い。これは、まさにスポーツだ。
選手たちがゴミ集めをやり切って帰ってきた。選手たちは、汗だくになって戻ってきてから分別する。その姿を見てるだけで、涙が出そうだ。一生懸命何かやってるだけで、人は感動を与えてくれる。
そして、結果発表。第3位から発表される、第3位 イタリア!第2位 日本! おお、前半からの逆転が!そして、初代チャンピオンは、イギリス!!世界1764チームの頂点だ!
おめでとうございます。
ゴミ拾いをこんなに楽しいものにしていることに感動した。世界がひとつになって、世界を変えていくことができる。こんなスポーツを発明した馬見塚代表がすごい。そして、ボランティアのみなさんも笑顔だ。
素晴らしい時間を過ごさせて頂いた。ありがとう。これからもゴミを捨てない、拾う、地球のウェルビーイングへ。
次回は、2025年、第2回があるらしい!楽しみだ。

堂上 研 Wellulu 編集部プロデューサー