中島さち子さんの大地との共鳴

Wellulu 編集部プロデューサー

堂上 研

心が響く音と人との出会い

先日、Welluluで対談させて頂いた齋藤みずほさんから、中島さち子さんのクラゲバンド、一緒にいきませんか、とお誘いを頂いた。僕は、淡路島で中島さち子さんのお話しをおうかがいしていたので、彼女のピアノを生で聴きたいと思って、すぐに二つ返事で行くことにした。

仕事が終わってから、寒空の中、日比谷線入谷駅を降りて、会場の「なってるハウス」に着いた。

中に入ると、会場には10数名のお客さんがいらして、中島さんもお客さんと談笑している。ああ、ここではみんな仲間であり、お互いが居心地の良い場所として集ったコミュニティなんだと感じた。

早速、僕はビールをいっぱい頼んで、席についた。全部で20-25人くらい入れる会場だが、特等席的な席は10席くらいだった。どこでも良いですよ、とのことだったので、僕は中島さんのピアノが一番見える特等席に座った。

ざわついていた会場が、一気に空気が変わる。森の中にいることを錯覚させるような、生き物たちが遠くから魂を揺さぶるような感覚になる、法螺貝の音が鳴り響く。宮下覚詮さんの法螺貝は、何か優しさを感じる。まるで、あくまでも森の中でじっと生きている大木のような包み込む音色だ。

クラゲバンドは、ピアノの中島さち子さん。ドラムの小林武文さん、杖鼓、韓国太鼓のチェジェチョルさんの、阿吽の呼吸ではじまった。さらには、スペシャルゲストにチベットの音楽家テンジンクンサンさんと、セネガルのパーカッショニスト アブライ ンジャイ ローズさんの5人のセッションだ。

ひとりひとりのメンバーの紹介と合わせて、ライブは進んでいく。心地よい空気感は、みんなが自然体でいるからこそ、こっちまで自然と笑顔が出る。

この感じはどういう感じだろうか?

クラゲのように、水の中でぷかぷかといる感じ。胎児が、母親の子宮の中で、優しさに包まれている感じ。森の中で、大地と一体となって溶け込んでいく感じ。空と大地と海の境目がなくなって、無重力で浮いている感じ。地球に生息するいのちがひとつになっている感じ。

僕の表現力の無さではうまく言い表せない心地よさがあった。

ここで感じた時間は、哲学でもあり、愛でもあり、平和であり、地球であり、生きるということの楽しさであった。まさにウェルビーイングだ。

中島さんは、自然体で会場や仲間と会話するように、「こころ」と「生きる」を表現している。目の前の中島さんが、急に目を瞑ったと思ったら、メンバーの方に身体を向けて、音を感じとり、それに呼応するように音を奏でる。そこにいたみんながお互いの顔を見ながら、笑顔で大地からの音を奏でる。

「光」という曲からはじまり、「アフリカを訪れたときの曲」、そして最後は「フライングドーナツ」という曲で時間を忘れて、魂の音に酔いしれた。

僕は、会場を後にして、大地の音の余韻を月明かりの下で感じながら帰路に着いた。紹介いただいたみずほさん、ありがとうございました。

非認知能力の高める教育を

中島さち子さんのある記事で、STEAM教育の大切さを語っているのを拝見した。

僕は、いつも子どもたちから学ぶことがある。親も先生も完璧ではないからこそ、お互いがお互いをリスペクトして、学び合える環境が大切だと思っている。

その中で、「生きる」ワクワクを共有できることが大切だと思っている。僕は何にワクワクするだろうか? そして、子どもたちは何にワクワクしているだろうか?

正解なんてない、当たり前なんてない、迷うことなんていっぱいある。失敗することもいっぱいある。けれども、挑戦している人だけ、たくさん経験を積むことができる。挑戦したからこそ失敗も多くするし、成長の機会を得ることができて、運を呼び寄せることができる。

生きている上で、あらゆることに「問い」を立て、そこから大きな発見があって、まったく違うものを感じとる。

STEAM教育は、答えが出ないものがあると学ぶことが大事だと中島さんは語っていた。

そのときの勘だけでもなければ、データがすべてでもない。見えることは何なのか、そこに欠けているものは何かを含めて考えていくことで、結果として、考える力や耐える力、いろいろな人と協働する力などの「非認知能力」が高まることが、ワークショップをする中で見えてきた。

息子(長男)は、今年、中学受験に挑んでいる。都心の中学受験というものが、過酷であり、ここから何かを学ぶのか分からないでいたが、はっきりと自律と協働を学ぶ機会を得るための中学受験だと感じとった。

そして、息子自身が「自分が行きたい」と思える学校に1校だけ出会えた。学校に必要のないと思えるものを全部取り除いたという学校だ。

我々が生きていく上で必要な能力が「非認知能力」だと捉えると、大人でも学ぶべきことがたくさんある。僕は、息子の中学受験を一緒に楽しみながら、たくさん学びがある。

2/1 から東京の中学入試がはじまる。全ての受験生の努力が報われますように。

誠実性や好奇心、楽観性、共感性は、ウェルビーイングな生活を送る上でかかせない非認知能力だ。自分と向き合い、他者と向き合う。そして、森や大地の声を聴き、自然と向き合う。

そんな生き方をしたい。子どもたちにもそんな学びを感じ取れる環境をつくってほしい。多様ないのちの鼓動感じながら、世界へ、ひとつひとつのいのちの幸せへ、平和に祈りを捧げられる生き方をしたい。

僕は、中島さんたちのライブから、「生きる」素晴らしさを感じ取った。素敵な時間をありがとうございます。

堂上 研 Wellulu 編集部プロデューサー

1999年に博報堂へ入社後、新規事業開発におけるビジネスデザインディレクターや経団連タスクフォース委員、Better Co-Beingプロジェクトファウンダーなどを歴任。2023年、Wellulu立ち上げに伴い編集部プロデューサーに就任。

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