人間好きCWOという役職の必要性

Wellulu 編集部プロデューサー

堂上 研

楽天の小林正忠CWOに会う

昨日、僕はワクワクしながら二子玉川駅の楽天本社に向かった。Welluluで小林正忠CWOにインタビューさせていただくためだ。CWOという役職は、Chief Wellbeing officerで、Chief Wellnese Officerではない。2020年のコロナ禍真っ最中だったころ、僕は、正忠さんとはじめてオンラインでミーティングさせていただいた。そのときに、CWOという役職に心惹かれたのを覚えている。

朝、二子玉川駅を降りて、駅の広場で「マーケット」(出店)の準備をしている。僕は、平日でもこんなイベントをやっているんだな、と思いながら興味本位でどんな出店があるのか見ていた。果物からはじまり、地域特産物、服から雑貨まで、幅広いものが出展されている。インタビューが終わったら、ちょっと寄ってみたいと思った。

Welluluをローンチしてから半年、読者インタビューをすると働いている人が多いことが分かり、企業の考えているウェルビーイングを取材することをスタートしようと考えたのだ。ウェルビーイングに特化したメディアだからこそ、企業のウェルビーイングな活動は全部取材したいと思った。そして、最初にインタビューをさせていただくのは、正忠さんと決めていた。

リアル正忠さんにお会いして、その人柄は、周りの人をみんなウェルビーイングにしていく、まさにウェルビーイング・オフィサーはこうあるべきだという象徴のような方だった。楽天広報の方たちと、念入りにインタビュー内容の打ち合わせをしていたが、さっそく脱線しまくった。脱線ウェルカムの正忠さんとお話をさせていただいていると、話が終わらない。

まさに「楽しい」時間なのだ。先日UoCでお会いした孫泰蔵さんも、直島取材をさせていただいた福武英明さんも、会社の経営をしながら、楽しいことを考え続けて、行動している人たち。共通しているのは、「人間好き」ということだと感じた。自分の想い(意志)を持っていて、楽しいことや面白いことを企て、実行する。そんな方が経営している企業の社員はウェルビーイングになるのだろう。

企業の組織において、上長がウェルビーイングだと、そのチームもウェルビーイングになるというのは分かっている。そして、そういう方たちのまわりには、人が自然と集まってくる。

正忠さんとのインタビュー内容は、Welluluの中で書かせていただくが、やはり正忠さんの話で一番面白いのが「三間(さんま)」と「余白」の話だ。いろいろなところで登壇されている正忠さんの話の中でもウェルビーイングな生活においてこの整理は分かりやすい。

「仲間」「時間」「空間」というCollective・Well-Being(コレクティブ・ウェルビーイング)を意識して生活すると、仲間・時間・空間の周辺には多様な仲間との雑談、新しい偶然の出会い、発見、計画的な休憩、場所における自分の居場所など、「間(ま)」の中に「余白」ができるとおっしゃっていた。

また、朝のルーチンや、家族との決めごとなど、ひとつひとつの生活の「間」を楽しんでいらっしゃった。

その後、三木谷会長兼社長の著書「成功の法則の92か条」(幻冬舎:2009年)の本をいただいて、社員のインタビューなどもさせていただいた。本当に社員ひとりひとりが働くことを楽しみ、そしていい笑顔の方たちばかりだ。あまりにもいい話ばかりなので、僕自身何か不満などネガな部分を聞き出そうと試みたが、みんな正直に楽しんでいるのだ。

僕は、1日のインタビューを終えて、帰り際に朝気になったマーケットで、家族分の大福、いぶりがっこ、自分用の藍染めのパーカーとTシャツを購入した。こういうマーケットで、生産者の方たちとリアルな場で買い物をさせていただく日常がまた嬉しい。

成功の法則92か条

三木谷さんの本をさっそく読ませていただいた。あまりにも面白くて、いっきに読み終えた。三木谷さんのビジネスの考え方、目標の立て方、行動の仕方などはすごく学びになった。

ビジネスの成功の話と、仕事が好きな状態をつくるというのが同じで、自分自身をはじめとした社員ひとりひとりがウェルビーイングな状態でないと、ビジネスにおいて成功はないということである。

ウェルビーイングな状態をつくっていくために、いくつか気になった法則をここに書き出しておこう。

・考えて行動するのではなく、考えるために行動する。
・人生一生勉強。すべて勉強。
・常に好奇心と向上心を持つ。
・他人の立場になって考える。
・自分と価値観の違う他人の意見にこそ耳を傾ける。
・リーダーとは指揮者であり、教育者であり、戦略家である。
・時に説目を作れ。
・Never too late.

ビジネスにおいても、「仕組み」を残すことをおっしゃっている。人と人の関係において経営の中に、ウェルビーイングな楽しい生活、生活者ひとり一人をエンパワーメントさせる仕組みを開発しているのだ。

これからも、企業の経営者とウェルビーイングを追いかけていき、日本の働き方の変革にWelluluとして向き合いたいと思っている。楽天のみなさま、素敵なインタビューの機会をいただき感謝申し上げます。

頭の良い蚊との戦い

夜は、家族で大福を食べて、朝のルーチンをつくるためにいつもより30分早めに起きようと、早く寝床についた。せっかく心地よい睡眠をとっていたのに、夜中2時に、頭の良い「蚊」が、僕のベッドのまわりに飛んでいて起こされた。何度か戦ったが、仕留めることができず、そのまま、僕は蚊に6か所刺されて、4時くらいに目が覚めて、別の本を読んだ。

なぜ「頭の良い蚊」と表現したのかというと、僕が電気をつけて、戦おうと思うと、蚊は黒色のほうに飛んでいくのだ。まさに雲隠れで、毎度見失ってしまう。しかも、1回刺されたら、20分くらいは隠れて、また眠りについたくらいにやってくる。完全なる敗北だ。睡眠を邪魔された状態は、人間関係の悪化くらい、ノットウェルビーイングだ。

とはいえ、気持ちを切り替えて、今日という日も楽しもうと思う。

堂上 研 Wellulu 編集部プロデューサー

1999年に博報堂へ入社後、新規事業開発におけるビジネスデザインディレクターや経団連タスクフォース委員、Better Co-Beingプロジェクトファウンダーなどを歴任。2023年、Wellulu立ち上げに伴い編集部プロデューサーに就任。

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