ウェルビーイング実感力という発見

Wellulu 編集部プロデューサー

堂上 研

ウェルビーイング実感は、ウェルビーイングな人をつくるという事実

昨日と今日の2日間で、日経新聞社が主催している「日経Well-Beingシンポジウム」が開催されている。ウェルビーイングに関する各企業の取り組みや調査レポートの発表が続いている。(今も企業の取り組みを耳で聞きながら、このブログを書いている)

今朝は、伊藤 邦雄先生の新たな企業のウェルビーイング経営の指標、調査結果の発表があった。伊藤先生は、伊藤レポートと言われて「人的資本経営」のひとつの道筋をつくっており、企業のウェルビーイングを推進する上では必ず参考にしていくものだ。

(*伊藤邦雄先生: TCFDコンソーシアム 会長/人的資本経営コンソーシアム 会長/一橋大学CFO教育研究センター長)

今回の調査レポートは、企業がどのように人的資本経営・ウェルビーイング経営を数値化して、分析することで客観的に「ウェルビーイングな社員」を増やしていくか経営がコミットして進めていくものとなっている。全部で50問程度の質問に10段階で答えていくアンケートなのだが、主観的ウェルビーイングと客観的ウェルビーイングが入っていることが大切とのこと。

【ハイブリッド開催】第5回 日経Well-beingシンポジウム | 日経イベント&セミナー (nikkei.co.jp)

伊藤先生がここで、ここで「ウェルビーイング実感をしている人の方が、ウェルビーイング度が高い」ことのエビデンスが出てきた、とお話があった。

博報堂でやっている調査でも、レコーディング・ダイエットのように、レコーディング・ウェルビーイングをすることで、その人たちのウェルビーイング度はぐんぐんあがっていくことが実証されている。企業の従業員も生活者と捉えて、生活者ひとり一人のウェルビーイング度があがる因子は違うのだが、従業員がウェルビーイングになるためには、大きく5つの視点があると発表されていた。

大きく総合的ウェルビーイングでくくりつつ、
①組織風土ウェルビーイング
②キャリア自律ウェルビーイング
③健康安全ウェルビーイング
④社会貢献ウェルビーイング
⑤経済自立ウェルビーイング の5つに分類して質問をしているのだ。

ここには、会社の中の人間関係や働きやすさなどの項目がちりばめられている。

企業が発信していくウェルビーイングは、「人的資本経営」に重点が置かれている。パーパスや組織の話と合わせて、従業員の健康やウェルビーイングな環境づくりをベースに語られている。これは離職率の低下や、求職率アップにもつなげたいのは当然だろう。さらには、ハーバードビジネスレビューで発表されている内容によれば、クリエイティビティが300%増加されると言われているので、その辺の生産性や業績アップにつながってほしいという意図があるのだろう。

ウェルビーイングを認知して意識するだけで、ウェルビーイングが向上するのであれば、ひとり一人のウェルビーイングを意識させる運動をすればよいのかもしれない。まだまだウェルビーイングの認知は低い。我々のWelluluでも、多くのウェルビーイングな体験やサービスを取材していきたいと思う。

ウェルビーイングな未来風景の作り方

続いて、ウェルビーイングイニシアティブで、トークがあった。タイトルはウェルビーイングな未来風景の作り方。めちゃくちゃ面白い対談。

トークセッションは、佐藤 明さん(バリュークリエイト パートナー)亀田 誠治さん(音楽プロデューサー・ベーシスト)小澤 杏子さん(丸井グループアドバイザー/前ユーグレナCFO)、モデレーターは、小布施 典孝さん(電通Future Creative Center センター長)。

数年前、日比谷音楽堂にお誘いいただいて、佐藤明さんと亀田さんのトークがめちゃくちゃ面白かった。その頃を思い出すトークが繰り広げられた。

現役大学生の小澤さんが、「ウェルビーイングってひとりひとり違うじゃないですか?定義しても仕方がない。」と、話されていた。同意である。亀田さんも佐藤明さんも同じように、「自分がワクワクすることが前提」という話をされていた。

自分がまずは楽しむことが大事で、その楽しいが伝播していく。ウェルビーイングな未来風景は、ひとりのファーストペンギンがいて、フォロワーが生まれて、どんどんウェルビーイングな人が増えていくのだろう。これは、イノベーションの話をしていることとシンクロした。

亀田さんが、何かの出会いを通して「思いやり」「関係性」など何かを感じることが大切だと思って、東京で音楽祭をやりたいと思った、と話していた。風にのって音楽が聞こえている街は、居心地がよい。ここが「押しつけがましい」ものであってはいけない。人がどれだけお互いの考えも認められて、自分の考えも言える社会。人間の持っているしなやかさを感じられるものにしていくことが大切。

佐藤さんが「文化」との掛け算は、ウェルビーイングを感じる、と話していた。音楽から感じるもの、学ぶものがあるとのこと。ここには「居心地が良い」というのが大事だったりする。平野啓一郎さんの「分人」の話もでてきて、対話の越境によるワクワクが止まらない。人には、自分の中での絶対的なものがあるだけではなく、分人である違う自分で楽しめるものに出会えたというのがウェルビーイングだと捉えている。

最初から枠を取り払い、箱の中に入れないことで自己規定をしすぎない、というのは、まさにウェルビーイングの第一歩だろう。若い世代から、学べるし、教えてね。と言える佐藤さんと亀田さんのような大人が増えたら、ウェルビーイングな人が増殖していくのだろう。

素晴らしい対談ありがとうございます。

Well-Beingのカテゴリー分け

海外では、ウェルビーイングという言葉よりも「Good Life」というように言われていると聞いていたが、娘の学校のライブラリーに「Well-Being」カテゴリーの本棚があったのだ。娘がSNSでアップしていた写真をキャプチャを撮った。

 

海外では、どちらかというと「生活者ひとりひとりのよりよい生き方」の本がカテゴリーされいてるようだ。タイトルからの推測だけれども、自己啓発系、人間関係系、自分らしく生きる系、より良い人生系などが当てはまる感じか?

僕は生活者ひとり一人のウェルビーイングを5つのカテゴリーに分けてみた。
①子どものウェルビーイング
②女性のウェルビーイング
③高齢者のウェルビーイング
④従業員のウェルビーイング
⑤地域のウェルビーイング

病気を患った人たち、介護や認知症家族のウェルビーイングなど、もう少しセグメントできるであろうが、ある程度カテゴリー化させることで、それぞれのウェルビーイングの興味分野が分かりやすくセグメントできればと思ったのだ。もちろん、こうやってセグメントしていること自体がナンセンスかもしれない。

この辺の研究をもっと深めていきたい。
合わせて、フィナンシャル・ウェルビーイング、テクノロジー・ウェルビーイングなども深堀していきたい。

娘は、留学先で「ウェルビーイング」を意識してくれていた。なので、多分ウェルビーイング実感力が高く、ウェルビーイングな生活を送ってくれているだろう。

 

堂上 研 Wellulu 編集部プロデューサー

1999年に博報堂へ入社後、新規事業開発におけるビジネスデザインディレクターや経団連タスクフォース委員、Better Co-Beingプロジェクトファウンダーなどを歴任。2023年、Wellulu立ち上げに伴い編集部プロデューサーに就任。

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