息子の卒業式

Wellulu 編集部プロデューサー

堂上 研

感動の小学校卒業式

今日は長男の小学校卒業式だった。久しぶりにネクタイをしてスーツを着て地元の6年通った小学校にむかう。外はあいにくの雨。

朝、神棚に6年無事に楽しく小学校に通ったお礼を伝えて、朝ごはんを食べていたら、カナダに留学中の長女から7分くらいの動画が届いた。娘は、過去の画像や映像を繋いで、卒業祝いメッセージ動画を送ってくれた。もう、この時点で僕の涙腺は緩みっぱなしで、息子の卒業式を無事に終えられるか不安になった。

娘の卒業式は、2020年。そう、コロナによる休校になって、卒業式も中止するか否かという判断がギリギリまで行われた年だった。必死の交渉により、片親だけの参列。在校生はなし。45分くらいの短い卒業式だった。そこで、僕はPCからzoomを繋ぎ、オンラインで卒業式を見られるようした。

ところが、zoomでミュートにしないおじいちゃんが入ってきて、卒業式の途中で「つながってる? 映った!?」と大きな声で入ってくる。こっちの音量を消すのを忘れたり、ドタバタの卒業式だった。もちろん、謝恩会もなし。感動する暇もなく、みんな卒業していった。

長男の卒業式は、ひとことで言うと、素晴らしかった。僕は、卒業生一人ひとりが発することば、歌、全てに感動して、ずっと泣きっぱなしだった。息子の両隣の友だちもすすり泣いている。そのお友だちを見ただけでも、こっちも泣けてくる。(息子は、クールに涙のひとつも見せていないが。。)

卒業式が終わって、外は雨だったので、教室で黒板アートの前で、友だちと楽しく写真撮影をした。黒板アートのメッセージも、素晴らしかった。

あばよ 友だち。

ここに込められた想いは、ここで出会った仲間たちは、ずっとつながっている、という意味を感じる。素晴らしいメッセージに、感激だった。

お昼を食べに家に帰ってから、息子の親への手紙を読んだ。中身は薄っぺらいありがとうだった。けれども、息子が書いてくれた「ありがとう」は、何よりも嬉しく、何よりも僕の心に響いた。短いことばの中に、彼なりの想いを綴ってくれた。僕は再び涙が溢れた。

そして、謝恩会。PTAの卒業対策委員会のみなさんの尽力もあり、笑いと涙の謝恩会だった。息子たちの学年は1クラスで6年間ずっと同じ仲間と過ごす。そんな中、3、4年生のときの担任の先生と、5、6年生のときの担任の先生が来てくださった。

最後の最後まで、先生方は、子どもたちを愛してくださった。そして、その愛を子どもたちは感じ取って、素直に成長していった。僕が小学校のときと比べると、卒業式や学校の雰囲気なんかも40年近く何も変わっていない気もする。けれども、先生と親と子どもたちの関係はあきらかに変わったように思う。みんな仲間のような感じだ。

子どものウェルビーイングを考えたとき、親も先生もウェルビーイングじゃないと、子どもたちにもウェルビーイングじゃないが感染してしまう。逆に、ウェルビーイングな親や先生の周りは、子どもたちもウェルビーイングになる。

子どもたちにどんな環境をつくっていけるだろうか? 子どもたちは、何をしているときに生きることを楽しめるだろうか?

2060年には、彼らは48歳。僕の今の年と同じになる。どんな未来を見据えて、どんな生活を送っているのだろう?

卒業する息子へ。

息子よ。小学校卒業おめでとう。

あなたが生まれた年、2011年は、東北の震災があった年でした。あなたはお母さんのお腹の中にいて、お母さんはお腹の中のあなたと、職場から歩いてお姉ちゃんの保育園に迎えに行きました。

朝の5:00ぴったりに産まれてきたあなたは、助産師さんに「キリいいね!」と笑顔で声をかけられて、元気よく外の世界に出てきてくれました。

生まれてきてくれて、ありがとう。頑張ったね。最初にあなたにかけた言葉です。

あなたは、4つ違いのお姉ちゃんの真似ばかりして、女の子のように育っていました。バレエをやっていた頃が懐かしいです。そして、4歳で保育園のお友だちに誘ってもらったサッカーにのめり込みましたね。

はじめて、あなたがボールを蹴ったときのことを今でも覚えています。誰よりもボールを早く追いかけて、誰よりも姿勢がよく、誰よりもシュートをしてゴールを決めていました。お父さんは、あなたはめちゃくちゃ才能あるんじゃないかと思って嬉しくなりました。

なんでも、はじめてのスポーツも器用にできるあなたを見て、すごく嬉しかったです。

弟が2歳下に生まれて、あなたは中間子となり、長男であり、男の子ということで、だんだんとお父さんは、あなたに期待が大きくなったのかもしれません。

あなたは「やる気スイッチ」が入ったら、一生懸命やるのに、そのスイッチがなかなか入らない。サッカーにおいても、勉強においても、すぐラクをしたり、サボっているように思って、よくお父さんは怒りました。

そんなやる気ないんだったら、辞めてまえ!

そんなセリフをよく言っていました。あなたはお父さんを睨みながら、目に涙を浮かべて何か不満そうな顔をしていました。

あなたには、あなたなりの考えがあって、行動していたのかもしれないのに、お父さんの考えを無理強いしていたのかもしれません。ついつい、あなたに期待してしまい、ついつい言い過ぎてしまって、親子喧嘩になってしまいました。

それでも、あなたはいつもお父さんとお母さんの話しに耳を傾け、自分の意見を伝えてくれました。

そして、小学校で出会った仲間たちとの時間を大切にしていました。学校行事でも、真剣に楽しそうに挑戦しているあなたが誇らしかったです。

今、中学受験を終え、新たな目標に向かって歩き出そうとしているあなたは、小学校6年間で、何を感じとりましたか?

お父さんは、あなたが常に人に優しく、そして、常に周りのことを意識しながら行動していることを知っています。そして、誰とも仲良くできる人だと知っています。小学校で出会った仲間たちとの関係は、ずっとずっと繋がっていきます。

自分に正直に、そして自分の意志を持って、これからも生きることに貪欲になってください。友だちを大切にしてください。お父さんもお母さんもお姉ちゃんも弟も、家族みんなあなたと共に、楽しく生きていきたいです。

あなたは、なんでもできる!失敗を恐れず、挑戦し続けてください。あなたは家族の誇りです。あなたがこの世界に生まれてきてくれてありがとう。

一緒におもろい世界をつくろうぜ。卒業おめでとう。お父さんより。

 

 

 

 

 

 

 

 

堂上 研 Wellulu 編集部プロデューサー

1999年に博報堂へ入社後、新規事業開発におけるビジネスデザインディレクターや経団連タスクフォース委員、Better Co-Beingプロジェクトファウンダーなどを歴任。2023年、Wellulu立ち上げに伴い編集部プロデューサーに就任。

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