ウェルビーイング・トランスフォーメーション

Wellulu 編集部プロデューサー

堂上 研

ウェルビーイング産業の夜明け

本日、博報堂DYホールディングスの研究開発部門・博報堂新規事業開発部門のミライの事業室から「ウェルビーイング・リコメンドアルゴリズム」の特許取得のリリースを出させていただいた。

僕が新規事業開発に携わらせていただいてから、ずっとやりたかった事業開発は「生活者ひとりひとりをウェルビーイングにする事業」だ。

数年前は、ウェルビーイングという言葉も浸透していなかった。僕は様々な有識者にヒアリングをさせていただいたり、講演に出たり、本を読ませていただいて、ウェルビーイングとは何か探求してきた。

けれども、コロナ・パンデミックの影響で「生きる」ことに貪欲になること、新たな生き方への探求がはじまったのだろう。ウェルビーイングという言葉がだんだんと浸透してきたのを実感している。

また、あるスタートアップが集まる会で「すべての産業は、ウェルビーイング・トランスフォーメーションする。」という話をしている講演があった。つまり、企業活動などあらゆる活動は、誰をどうやってウェルビーイングな状態にするかが大きなパーパスになりうる社会に転換しているということだ。

ここでよく聞かれるのが「ウェルビーイングってなんですか?」だ。

僕は、ウェルビーイングを定義しようとは思わない。ただ、ひとりひとりのウェルビーイングは違うことを前提に、僕の中では「自分らしく、居心地よいコミュニティの中で生きる生活」ということにしておきたい。生活者それぞれ、企業それぞれ、国それぞれのウェルビーイングがあって良いのだ。

昨年、ミライの事業室のオフィシャルページで「ウェルビーイング産業の夜明け」というタイトルで寄稿させていただいた。

ウェルビーイング産業の夜明け | ミライの事業室 (mirai-biz.jp)

生活者ひとりひとりをウェルビーイングにすることができる事業やサービスがたくさん生まれたら、「ウェルビーイング産業」と呼んでもいいと思っているし、ウェルビーイングな生活者をひとりでも増やすきっかけになればと願っている。

生活者一人ひとりのウェルビーイングの実現には、主観的なウェルビーイングに基づいた「究極のパーソナライズド」と「習慣化のデザイン」の設計が重要であることが分かった。僕は、3年前に博報堂の研究開発部門に過去のデータと獲得するべきデータをどう分析すると、ウェルビーイングな人が増えるか相談をはじめた。

そこで、僕たちは、生活者がウェルビーイングになるためのデータを読み込み、ウェルビーイングのリコメンドをするアルゴリズムを研究開発し続けたのだ。多様な生活者とウェルビーイングに携わる事業やサービス、商品をつなぐことができる仕組みをつくりたかったのだ。この特許のネーミングは「Well-Giving Cycle」と名付けた。Wellな状態をつくり続けるサイクルを生んでいくエンジンだと思っている。

ぜひ、事業共創を考えている方たちは、この「Well-Giving Cycle」を活用してほしい。いつでも問い合わせいただければと思う。興味がある方は、下記にご連絡いただきたい。

bettercobeing@hakuhodo.co.jp

じゃあ、どういった事業があるのだろうか? 僕は、我々が理想としているライフモデルをつくることからはじめている。その先に、誰をウェルビーイングにしたいか顧客をまず設定することからはじめる。

ウェルビーイングな事業共創が生まれて、ひとりでも多くの人たちがウェルビーイングになってほしい、と切に願っている。

料理もウェルビーイング

主観的ウェルビーイング21因子を設計したときに、バランス良い食事の因子と、おいしい食事の因子を「食事」というカテゴリーで2つ分けた。それは、おいしい食事の中には、何を食べるかということと合わせて、誰と食べるか、それを考えて料理をすることもウェルビーイングにつながることがデータから分かったからだ。

昔、僕は食品会社さんを担当させていただいて広告コミュニケーションをつくらせていただいていた。昨日、お世話になったクライアントの役員の方とふたりで会食に行かせていただいた。クライアントだけど、僕にとっては、尊敬できる恩師でもある。

僕は、そのクライアントを通して、「事業」に触れることができたし、「研究開発」の部門の人たちと話すこと、「組織」をつくることなど、広告マーケティングにとどまらず多岐に渡って取り組ませていただいた。

そこで、「健康的な生活」には、「バランス良い食事」「適度な運動」が特に重要だという話を常に聞いていた。ということもあり、「食事」カテゴリーの因子をふたつに分けたのはその影響だ。そこに「良質な睡眠」や「適度な休養」、そして「家族やコミュニティとのつながり」など因子分解をしていったのだ。

いっしょに食べる人たちのことを考えて料理をする。どういう器にのせるか、盛り付けをどうするか、味加減はどうするかなど、人のことを想い料理をする。そんな時間もウェルビーイングなのだ。僕は担当させていただいているクライアントから多くの学びを得た。これも、ウェルビーイングだ。

夏休みで、子どもたちにはお弁当をつくっている。僕はこの時間もウェルビーイングだと思っている。妻が子どもたちのお弁当箱を、わっぱ弁当箱にした。わっぱ弁当箱になったら、急にお弁当が美味しくなった(と思う)。お弁当は面倒ではなく、冷凍食品とかもうまく活用して、子どもたちがお弁当を楽しんでもらえるようにつくっている。

今回、Welluluで「ウェルビーイングいろいろ診断」というものを設計させていただいた。これは、この特許のアルゴリズムを少しだけ活用させていただいている。30問の質問を通して、ウェルビーイングなタイプ診断で、自分のおすすめの体験やサービスにトライしてほしい。

ウェルビーイングいろいろ診断 (wellulu.com)

これからも、引き続きウェルビーイングな体験をWelluluで紹介させていただく。そして、ひとりでも多くの人をウェルビーイングにしていきたい。

 

堂上 研 Wellulu 編集部プロデューサー

1999年に博報堂へ入社後、新規事業開発におけるビジネスデザインディレクターや経団連タスクフォース委員、Better Co-Beingプロジェクトファウンダーなどを歴任。2023年、Wellulu立ち上げに伴い編集部プロデューサーに就任。

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