パソコンやスマートフォンの使用時間が増えるとともに、目の健康が気になっている人が多いのでは?目の疲労感や視力低下、ドライアイなど、多くの人が抱えているであろう目の不調。毎日酷使してしまっている目の健康のこと、しっかり考えていますか?健康な目のために日々できることや目の健康によいとされるビルベリーやブルーベリーについて、今回わかさ生活の浅野さんに詳しくお話を伺った。
浅野 智哉さん
株式会社わかさ生活 品質保証部/研究開発部門
本記事のリリース情報
WEBメディア「Wellulu (ウェルル)」にて、当社従業員がブルーベリーやビルベリーについてのインタビューをお受けいたしました。
パソコンやスマートフォン…現代人の悩み!目の健康状態がよくない?
──本日はよろしくお願いします。早速ですが、現代人の目の健康状態についてお伺いしたいです。
浅野さん:はい、とくに20歳以下の若者に視力の低下が顕著に現れています。昔からこの傾向は見られたものの、とくに最近はその割合が増えています。実は歯の健康では虫歯が減少しているのに対し、目の健康は理解が十分に進んでおらず、視力低下が続いている状況です。
──実感としてあります。やはり原因には、スマートフォンやパソコンの普及が影響しているのでしょうか?
浅野さん:そうですね。1つの原因として、スマートフォンやLEDの普及によるブルーライトや紫外線の影響が挙げられます。また、現代の社会では遠くを見る機会が減り、近距離の画面を見続けることが多くなっていることもあります。これが目のピント調節機能に影響を与え、視力低下を引き起こしているのです。たとえば、一定の焦点を見続けた場合、肩こりと同じように、目の疲労は蓄積されてしまいます。
──たしかに、遠くを見る機会が減っているように思います。視力低下だけではなく、ほかにも目の健康で注目されることはありますか?
浅野さん:視力低下と同時に、ドライアイも増加しています。これはパソコンやスマホを長時間見ることで瞬きの回数が減り、目が乾燥しやすくなること、さらに、食生活やストレスも影響して涙の成分バランスが崩れることで、ドライアイが発生しやすくなっています。
──涙の成分バランスというのは初耳です。
浅野さん:はい、涙には水だけでなく、ムチンなどの成分が含まれています。これらの成分がバランスよく混ざり合うことで、眼球を潤す役割を果たしているのですが、食生活やストレスによってこのバランスが崩れると、目が乾燥しやすくなり、ドライアイの原因となってしまいます。
──症状として出ているにも関わらず、目の健康への理解は進んでいないのですね……。
浅野さん:そうなのです。歯の健康つまり歯磨きの習慣のように、目の健康に対する習慣はまだ普及していないと感じます。目の健康のためには、たとえば、目の体操や遠くを見る習慣、適切な食事などが重要なのですが、実際にこれらを実践している人はまだまだ少ないのが現状です。
──たしかに、歯の健康に関しては近年意識の高まりを感じていましたが、目についてはまだまだかもしれません。子どもの視力低下についてはいかがですか?
浅野さん:子どもの視力低下には遺伝的な要因もありますが、適切なケアがあれば改善も可能です。まずは目の健康についての教育や習慣作りが重要で、小学生や中学生の時期にしっかりとケアすることで、将来的な視力低下を防ぐことができます。
──私の経験でも、小学校高学年から視力が急激に悪くなる人が多い印象です。
浅野さん:そうですね。個人差はありますが、とくにゲームやテレビなど近距離の画面を見る時間が増えることで、視力が悪くなる傾向があります。これはスマートフォンの普及以前から見られる現象ですので、現代のデジタル機器が影響を加速させていると言えると思います。
目の疲労回復や視力改善?ビルベリーとブルーベリーについて
ビルベリーに含まれるアントシアニンの量はブルーベリーの約5倍
──ビルベリーについて教えていただけますか?ブルーベリーとよく似ている気がするのですが、どう違うのでしょうか?
浅野さん:よく似ていますよね。ビルベリーはブルーベリーと混同されることが多いのですが、いくつか異なる点があります。ビルベリーはおもに北欧に自生する野生のブルーベリーに似た植物で、膝丈ほどの高さの低木です。森の中で育つことが多く、ブルーベリーとは異なる環境で育っています。
一方、ブルーベリーは日本を含む世界中で栽培されている果実で、栽培種として多くの品種が存在します。ブルーベリーの木は人の身長よりも大きくなることがあり、赤道直下の暑い地域では育ちませんが、広範囲で栽培されています。
──ビルベリーはおもに北欧に自生しているのですね。
浅野さん:はい、ビルベリーとブルーベリーの最大の違いは、成分の濃度と種類です。ビルベリーにはアントシアニンという抗酸化物質が豊富に含まれており、とくに目の健康によいとされています。
ブルーベリーも同様にアントシアニンを含んでいますが、ビルベリーに比べてその濃度が低いため、効果が若干劣ると言われています。ただし、ブルーベリーも健康によい果実であることには変わりありません。
──なるほど、ビルベリーにはブルーベリーよりもアントシアニンが豊富に含まれているのですね。
浅野さん:ビルベリーにはブルーベリーの約5倍ものアントシアニンが含まれているんですよ。この高濃度のアントシアニンが、弊社がとくに注目している理由なのです。
アントシアニンで目の疲労回復・視力改善
──約5倍も!アントシアニンが持つ目の健康効果にはどのようなものがあるのでしょうか?
浅野さん:目の疲労回復や視力の改善に効果があるとされています。網膜の血流を改善し、目の細胞を保護する働きがあります。また、夜間の視力を向上させる効果も期待できるため、暗い場所での視認性が向上するとされています。
まず、目のピントを調節する筋肉である毛様体筋(もうようたいきん)の凝りをほぐす作用があり、遠くを見たり近くを見たりする際のピント調節がスムーズになります。これは肩こりの筋肉をほぐすのと同じ原理です。
もう1つは、目の網膜にあるロドプシンというタンパク質の再合成をサポートする働きです。ロドプシンは視力に重要な役割を果たしており、これがスムーズに再合成されることで、視力の維持や改善に寄与します。また、アントシアニンは抗酸化物質でもあるため、血液中の活性酸素を除去し、目の健康を守る働きもあります。
──現代の人々の目の健康において、どちらがより影響を受けているのでしょうか?
浅野さん:やはり近距離の画面を長時間見続けることが多いため、目のピント調節に直接関わる筋肉、毛様体筋の影響がとくに注目されていますね。
──疲労回復に視力改善…どれもありがたい効果ですね。子どもたちの視力低下にはどのような影響があるのでしょうか?
浅野さん:子どもたちの視力低下は、ピントを調節する筋肉の凝りが原因であることが多いのですが、アントシアニンがこれをほぐすことで、視力の改善が期待できます。
ただし、注意点として、大人になると目の形自体が変わってしまう軸性近視(じくせいきんし)というものがあり、これは食品では改善できません。軸性近視は目の形が変わることでピントが合わなくなる状態で、外科的手術が必要となることもあります。
──ビルベリーに関しての最近の研究トピックがあれば教えてください。
浅野さん:最近のトピックでは、機能性表示食品としてのビルベリーが注目されています。とくに目の疲労感に対する効果が多く研究されています。
──やはり豊富に含まれるアントシアニンが持つ抗酸化作用による影響があるのでしょうか?
浅野さん:そうですね、アントシアニンの活性酸素を除去する働きは、血流を改善し、筋肉の凝りをほぐす働きにつながるため、肩こりやほかの部位の筋肉など身体全体によい影響を与える可能性もあります。
──これほど強い抗酸化作用を持つビルベリーですが、あまり知られていない気がします。
浅野さん:そうなんです、ビルベリーの認知度はまだまだ低いと感じます。ブルーベリーは多くの人に知られていますが、ビルベリーについては、サプリメントなどを通じて知っている人は増えているものの、一般的にはあまり知られていないのが現実です。
目の健康への意識を向上させよう!習慣的な目のケア
──ビルベリーの摂取方法を教えてください。日本でも生の果実は手に入るのでしょうか?
浅野さん:生のビルベリーは日本ではなかなか手に入りにくいため、サプリメントやジャムで摂取するのが一般的です。
──ビルベリーの推奨摂取目安量はどのくらいですか?
浅野さん:アントシアニンの量に基づいてお伝えすると、ビルベリーの果実なら手のひら山盛り1杯くらいが目安です。ブルーベリーの場合はその約5倍量と考えてください。
ビルベリーエキスの場合は1日160ミリグラム、だいたいアントシアニン量としては約58ミリグラム分に相当します。
──ちなみに、ビルベリーはブルーベリーと同じような味なのでしょうか?
浅野さん:ビルベリーは非常に渋くて酸っぱい味がします。ポリフェノールの一種であるアントシアニンが多く含まれているため、ブルーベリーに比べるとおいしくないと感じる人が多いです。現地では砂糖を加えてジャムにしたり、料理に使うのが一般的で、味の面ではブルーベリーのほうが好まれていますね。
──冷凍ブルーベリーをよく見かけますが、栄養成分に変化はあるのでしょうか?
浅野さん:冷凍しても栄養成分には大きな変化はありません。最近の研究では、冷凍することで栄養成分が増える可能性も示唆されていますが、まだはっきりしていません。少なくとも冷凍することで栄養は減少しないとされています。
目の体操でこりをほぐそう!
──現代の生活習慣において、視力低下や目の疲れに対してどのような対策をしたらよいでしょうか?
浅野さん:そうですね、定期的に遠くを見る習慣を持つことや、目の体操を取り入れることが重要です。目の体操は、遠くと近くを交互に見る練習や、目を回す運動が効果的なのでぜひ試してみてほしいです。
そのほかにも、適切な食事が重要です。サプリメントを利用することでも、必要な栄養素を効率よく摂取できます。もちろん、アントシアニンを豊富に含むビルベリーやブルーベリーの摂取も有効です。
──浅野さんやほかの社員の方が目の健康のためにおこなっていることがあれば知りたいです。
浅野さん:目の健康を保つためには、ブルーベリーやビルベリーだけではなく、さまざまな栄養素が必要なため、ルテインやカシス、アスタキサンチンなども意識して摂取しています。ルテインはとくに目の奥で紫外線を防ぐ作用があり、長期的に目の健康を維持するために重要な栄養素です。
──ルテインもたしかに目の健康によいイメージがあります。ビルベリーやブルーベリーとは異なるアプローチなのでしょうか?
浅野さん:そうですね。ビルベリーやブルーベリーのアントシアニンはその日の目の健康に対して重要なのですが、ルテインは10年後、20年後の長期的に目の健康を維持するために役立ちます。
──目のケアについての取り組みもされているとのことですが、どのような活動なのでしょうか?
浅野さん:弊社では、目の健康を保つためにさまざまな取り組みをおこなう中で、たとえば、学校や幼稚園で目の体操の習慣を身につけてもらうよう努めています。
──目の体操ですか!とても気になります。
浅野さん:眼球を動かす運動なのですが、たとえば、右から左、上から下を見る運動や、遠くと近くを交互に見る運動などです。これは、普段あまり眼球を動かすことがないため、筋肉をほぐすのに効果的なんですよ。
©わかさ生活
──早速今日からやってみようと思います!子どもたちの目の健康のためにほかにもできることはありますか?
浅野さん:まずは、先ほどの目の体操やストレッチの習慣化が重要です。また、食生活の改善や定期的な検診も重要です。とくに、夕方になると視力がぼやけるような症状がある場合は、早めに対策を取ることが必要です。
──目の健康悪化のサインや見逃してはいけない症状などあれば教えてほしいです。
浅野さん:目が充血したり、ぼやけて見えることが頻繁にある場合は注意が必要です。ただし、目の健康は自覚症状が出にくいことが多いため、定期的な検診が重要です。年に1回の定期検診を受けることで、早期発見が可能になります。とくに、視野が欠けるなどの症状は自覚しにくいため、検診でしっかりと確認することが大切です。
Wellulu編集後記
パソコンにスマートフォン、現代人とは切っても切れない目の健康問題。毎日目に負担がかかっているからこそ、しっかりケアを怠らないことが大事だと感じました。これからは目の健康に対する意識をもっと持ち、長く健康な目を保っていけるよう、運動や栄養摂取を心がけたいですね。