自分にあったヨガの種類を見つけるには?初心者向けから運動量の多いものまでご紹介
ヨガには「1日を前向きな気持ちでスタートさせてくれる」「副交感神経を優位に働かせて気持ちを落ちつかせてくれる」「姿勢や腰痛の改善に効果が期待できる」などその種類や効果もさまざま。
今回はヨガの種類やその特徴・効果について紹介。さらに「Veda Tokyo主宰」ヨガマスターでウェルネスメンターの吉川めいさんに「ヨガのルーツ」や「自分にあったヨガを見つける方法」について話を伺った。
吉川めいさん
ウェルネスメンター
ヨガのルーツ
ヨガのルーツは古代インドを起源として、心と身体と精神のトータルな統一をはかるための方法として知られる。
全体的な統一を目的とする心身の健康法だったヨガは、その後欧米に伝わっていく中で、ヨガの哲学的な部分を除いた身体的なヨガとして発展。ダイエットやフィジカルな動きを目的とした、パワーヨガなどのアレンジヨガも生まれる。
日本では、2005年ごろに欧米の影響を受けてヨガブームが到来し、人気が広まっていった。
運動量の少ない初心者でも始めやすいヨガ
ハタヨガ
ポーズ(アーサナ)と呼吸法に重きをおいているヨガ。ポーズをとりながら正しい呼吸法をおこなうことで、心をリラックスさせ、精神面のバランスをコントロールして整える効果がある。
数種類あるヨガの流派において、多くのヨガの基礎となっている。
クリパルヨガ
ポーズ(アーサナ)だけでなく、呼吸法、瞑想などの内面的な意識に重きをおいているヨガ。クリパルヨガではゴールを設定せず、異なる方法や動きを追求することで、できる選択肢を増やしていくことを目的としている。
集中力向上や心身のバランスの安定、リラックス効果がある。
インナーマッスルを鍛えたい人におすすめのヨガ
アシュタンガ ヨガ
呼吸と体の動きを連動させて、ダイナミックに体を動かしながら、流れるように決められた順番でポーズをとっていくヨガ。
ポーズをとる順番や呼吸法、視点の位置も決まっているため、自然と集中力が高まり、心を落ち着かせたりストレスを軽減したりする効果がある。活力が高まり、意識が冴えるので朝活に向いている。
パワーヨガ
アシュタンガヨガをベースとし、さまざまな流派のヨガの要素を混ぜ合わせて考案された米国発祥のヨガ。
呼吸と瞑想によって「静」と「動」のメリハリをつけて次々とポーズを展開していく。エネルギーを消費して新陳代謝が良くなるので、短期間での体づくりや適正体重を得ることの効果がある。
シヴァナンダヨガ
ポーズ(アーサナ)だけでなく、呼吸法、瞑想、さらに食事にもフォーカスして総合的に心身のバランスを整えるヨガ。
シヴァナンダヨガは、アーユルヴェーダ(インド・スリランカ発祥の伝統医療)を用いて自分の体質を知ることで、肉体面と精神面での自分の”クセ”を認識し、自分をコントロールできるようにすることを目的としている。
集中力や柔軟性の向上、リラックス効果がある。
リラックス効果を高めるのにおすすめのヨガ
陰ヨガ
1つのポーズを長く保ちながら、身体と精神の深部に働きかけるヨガ。1つのポーズを3分〜5分、深い呼吸とともにゆっくりと保持し、心身を緩めることを目的としている。筋肉や関節の柔軟性の向上、リラックス効果がある。
リストラティブヨガ
身体と心をリラックスさせて、精神的にも肉体的にも元気な状態へと回復させるヨガ。リストラティブヨガはプロップス(補助道具)を使って1ポーズあたり約20分程度の長い時間をかける。
深い呼吸をしながらポーズを長時間ホールドさせることで、ストレスを軽減したり、血流を促進したりする効果がある。
マタニティヨガ
妊娠中でもおこなうことができる妊婦さんの心と身体の安定をはかるヨガ。ゆったりした呼吸でポーズをとることで、妊娠中の運動不足解消、腰痛・むくみなどの不快症状を緩和するほか、妊娠中の不安定な気持ちをリラックスさせる効果がある。
また、ヨガのポーズや呼吸法がお産の姿勢の練習にもなり、出産をスムーズにさせるメリットもある。
非日常なヨガ
SUP(サップ)ヨガ
ハワイで発祥したマリンアクティビティ「SUP」とヨガを組み合わせた新感覚ヨガ。「SUP」とは「Stand Up Paddle board(スタンド・アップ・パドルボード)」の略で、サーフボードよりも大きく浮力の高いボードに立ち、パドルを漕いで水上を進む。
水上に浮かばせたボードの上でヨガをおこなうことで、地上に比べてより体幹を鍛える効果がある。高いフィットネス効果に加え、大自然の中でヨガをおこなうことでリフレッシュ効果もある。
エアリアルヨガ
ハンモックを使用して空中でおこなうヨガ。ヨガスタジオの天井に吊るされたハンモックにぶら下がりながらポーズをとることで、独特の浮遊感を味わえる。
ハンモックの力で、床でおこなうよりも筋肉や関節が伸び、身体の柔軟性が向上する効果がある。また、空中に浮いてバランスをとるので、綺麗に筋肉がついたり、逆さのポーズでは血流促進や骨盤矯正の効果も期待できる。
多くの種類がある中で自分にあったヨガを見つけるには?
最後に「自分に合ったヨガを選ぶポイント」や「スタジオレッスンの選び方」などを吉川めいさんに伺った。
Q:自分にあったヨガの見つけ方や選び方はありますか
A:ヨガに求めることを明確にしよう
ヨガに何を求めているのかをハッキリさせると見つけやすいです。たとえば、痩せたい、健康になりたい、リラックスしたいなど、自分が求めているものがクリアになると、どこからトライすればいいのかも見えてくると思います。
まだ自分がヨガに求めているものが漠然としているという方は、観点を変えて、どんな先生から教わりたいかという視点で選ぶのもおすすめです。先生のプロフィールを見て、人柄や経歴を知って「共通点がある人や、共感したポイントが多い」先生を選んでみてもいいと思います。
Q:スタジオレッスンの種類も多いので、どれを受けるか迷ってしまいます。
A:どれくらいの運動量を求めるかを基準にしよう
基本的にはどのヨガも初心者〜経験者まで対応しているので、どれくらいの運動量を求めるかを基準にしてみるのをおすすめします。
最初は、運動量の少ないハタヨガ、クリパルヨガなどのクラスがおすすめですよ。
Q.体質に合っているかはどのように判断すればいいですか。
A:自分が心地よいと感じるかどうかを大切にして
自分の感覚で判断するのがいいと思います。そのヨガをして気持ちいいと感じるのか、そこまでと感じるのか、自分の感覚を大事にして選んでみてください。
途中で違和感を覚えたりしたら、無理して続けずにインストラクターに相談しましょう。
Veda Tokyo主宰。日本で生まれ育ちながら、幼少期より英語圏の文化にも精通する。母の看取りや夫との死別、2人の息子の育児などを経験する中で、13年間インドに通い続けて得た伝統的な学びを日々の生活で活かせるメソッドに落とし込み、自分の中で成熟させた。ヨガ歴21年、日本人女性初のアシュタンガヨガ正式指導資格者。『Yoga People Award 2016』ベスト・オブ・ヨギーニ受賞。adidasグローバル・ヨガアンバサダー。