走る・止まる・切り返す。あらゆる動きは、地面に触れる足から始まる。それは、毎日「立つ・歩く」を繰り返す私たちも同じ。
今回は、約20年BMZのインソールを使い続けた元プロサッカー選手の宇賀神友弥さんと、BMZ代表の山中保さんが対談。プロ生活でほとんどけがをしなかったという宇賀神さんは、その理由に「足元との向き合い方」を挙げている。なぜトップアスリートは足元にこだわるのか。新作「GRABBING SHOES」は、宇賀神さんの目にどう映ったのか。二人の対談をお届けする。

宇賀神 友弥さん
元プロサッカー選手

山中 保さん
株式会社BMZ 取締役社長
BMZ代表。もともとは美容師として働いていたが、足と身体の関係に魅了され、インソール・シューズの開発に携わる。「足元から身体を支える」という考えのもと、アスリートから一般の方まで幅広く足元のサポートを行う。
普段は意識しない「足元」が、身体の動きを支えている

山中:今日は宇賀神さんに「足元」の話をじっくり伺いたいと思っています。サッカー選手にとって、足とはどんな存在でしたか?
宇賀神:一番大切にしていたのは、自分の足としっかり会話をすることです。今の自分がどういう状態なのか、疲れているのか、それを知るためのセンサーが、僕にとっては足でした。
山中:足の状態とパフォーマンスには、やはり相関があると感じていますか?
宇賀神:僕はもともと足底筋膜炎(そくていきんまくえん)だったので、そこには特に敏感でした。BMZのインソールを履いていると、サポート感がはっきり分かるんです。練習で履き込んでインソールがへたってくると、また足底筋膜の症状が出てくる。足元の状態は、そのまま身体に影響するんだなと実感していました。
山中:足底筋膜炎は、足裏のアーチを支える筋膜が伸びて起こります。原因の一つは、きつい靴で足を固めてしまうことです。足は片側で26本もの骨があるほど、本来よく動く構造なので、固めると動くべき場所が動かせなくなります。
宇賀神:確かに、ホールドされすぎると指が使えないんですよね。
山中:指が使えないと、地面をつかめません。地面をつかめなければ、一歩目も、止まることも、切り返しもできないですよね。
宇賀神:そうなんです。試合中に足を滑らせて転ぶ選手は、たぶん地面をつかめていない。僕はそこには自信がありました。パワーもスピードも、止まることも、一番の源は足元なんです。
山中:地面をつかめていれば、無理な身体の使い方も減りますよね。宇賀神さんは、けがも少なかったですよね。
宇賀神:サッカー人生で唯一自慢できるのは、けがをしなかったことです。手術も一度もなく現役を終えられました。10年以上プロをやった選手の中では、ほとんどいないんじゃないでしょうか。シーズンオフには毎年、BMZで身体のチェックを受けていて、インソールを1枚入れるだけで骨盤が立つのを実感しました。自分の身体と向き合う時間が、支えになっていたと思います。
山中:足元と姿勢は、切り離せない関係なんですね。
20年間、大きな怪我なくプレーしたプロが大切にしてきた足元へのこだわり

山中:宇賀神さんとは、もう約20年のお付き合いになりますね。初めて出会ったときのこと、覚えていますか?
宇賀神:大学のときでしたね。地元のスポーツ店さんから「BMZのインソールを選手に試してほしい」と話があったんです。部員が200人くらいいる中で、手を挙げたのは本当に数人でした。僕はたまたまその場にいて、「試させてください」と伝えたんです。
山中:当時はまだ、メンテナンス込みのカスタム対応だったんですよね。開発段階のインソールを、使っていただいていました。
宇賀神:はい。当時は第五中足骨を骨折する選手がすごく多かったんです。人工芝がどんどん普及して、それに対応できない選手が増えていた。僕はプロのサッカー選手になりたかったので、骨折でシーズンを棒に振ってしまうのは厳しいという思いで、「やらせてください」と手を挙げたのがきっかけです。
山中:プロになってからは、いろいろなスパイクを履かれましたよね。宇賀神さんにとって、「これだ」と思える一足って、どんな感覚ですか。
宇賀神:プロの場合、新しいモデルが出ると、プロモーションも含めて履かなきゃいけない環境にあったんです。形が少し変わったりと、本当に細かいことですが違いがある。その中で「これだな」と思える1足は、地面をつかめている感覚があるんです。自分の本来の100%の力を出せているという感覚ですね。
山中:自分に合った服を着ますが、足も同じだと思うんです。自分に合った靴選びができたときに、最大限の力が発揮できます。
宇賀神:実は他のメーカーのスパイクも履いていたんですが、少し違和感があったんです。最初は、フィット感の強いスパイクを履いていたので、BMZはちょっと緩いなという印象でした。でも、指を使うには、まずパーの状態にならないといけない。きつい靴で固めると、指が使えない。そこに気づいてからは、他のメーカーのスパイクだと違和感を感じるようになりました。
山中:うれしいですね。面白いのは、一流の選手ほど足が頑丈です。指を使えている選手の足は、本当にすごいんですよ。
宇賀神:身体に対してすごく繊細でしたね。自分の身体をどう支えるかについては、ちゃんと考えて選んでいました。
山中:だからこそ、宇賀神さんの感覚をお聞きしたいんです。今日は新作の「GRABBING SHOES」を履いていただきたいと思っています。スパイクで磨かれた感覚を、どう感じていただけるか、是非感想を聞きたいと思います。
立つ、歩く、ひねる。GRABBING SHOESを実際に試してみた

山中:こちらが新作のGRABBING SHOESです。ぜひ履いてみてください。
宇賀神:めちゃくちゃ軽いですね!一目でBMZらしい形になっていますね。普段履いてる靴は、足の形をしていないものが多いですよね。
山中:足が履くものなのに、不思議な現象だなと思います。宇賀神さんも、最初にBMZのスパイクを履いたときは、周りから「なんだその形」って言われませんでしたか。
宇賀神:言われましたね(笑)。今ではもう見慣れた形です。履いていないのと同じくらい、つま先が自由に動きますね。
山中:素足に近い感覚で立ってみてください。足を揃えて、手を胸の前で組みます。そのまま、体を右に、次は左にひねってみてください。どこまで回せるか、覚えておいてくださいね。
宇賀神:覚えました
山中:では、GRABBING SHOESを履いた状態で、同じように回してみてください。
宇賀神:全然違います。さっき見えないところまで見えてますね!

山中:見える景色が変わるんですよ。実はこれ、可動域と体幹の使い方の話なんです。足元から体幹の動きを変えるために作ったのが、このGRABBING SHOESです。立方骨(りっぽうこつ)がしっかり支えられていて、かつ地面をつかめる構造になっているから、これだけの可動域が出せる。
宇賀神:なるほど。足元の基盤が整っているので、身体の動きも自由になるんですね。
山中:骨盤の前傾も変わりますし、これは普段の生活の姿勢にも直結してくるんです。
宇賀神:立ってみて懐かしい感覚です。地面にちゃんと身体が乗っかっている感じがします。僕は結構敏感なので、すぐに分かりました。
山中:それは宇賀神さんの足の機能なんです。この靴は、それを引き出しているだけなんですよ。
宇賀神:これ履いてたら、猫背にはならないですね。自然と、姿勢が整う感じがします。
山中:そうなんです。トレーニングの姿勢が大事なのと同じで、普段の生活の姿勢もすごく大事なんです。
次は歩いてみてください。この靴は、指を使わないと前に進めないようになっています。
宇賀神:確かに、後ろ重心になると、前に進みにくいですね。だから自然と指を使う。
山中:日常でいうと、階段を上るときもつま先から歩きますが、それが自動的にできる設計になっています。足の機能が一番使える状態を、意識しなくてもつくれるようにしたかったんです。足のケアやトレーニングを選手に伝えても、続けられる人はごく一部なんです。でもプロになっている人たちは、それができている人たちなのかなと思っています。意識しなくてもできる環境を作れたら、もっと多くの人の役に立つと考えています。
特別な運動だけじゃない。毎日の一歩から、足元を見直そう

山中:運動をしていない人でも、足元や靴を意識することは大切だと思いますか?
宇賀神:そう思います。僕は最近、人の歩き方や後ろ姿を見ることが多いんです。引退後は若い選手の身体づくりにも関わりたいと思っているのですが、後ろ姿を見ると、ケガをしやすい選手には特徴がある。例えば歩くときに、片方だけつま先が外を向いている。街を見ていると、姿勢が崩れている人にも同じ傾向がすごく多いんですよ。
山中:電車に乗っていても、つい人の足元を見てしまうんです。足元を見ると、その人の生活や身体の状態が見える。サッカーでもけがをしている選手は、バランスが崩れていることが多いです。ここには日常と競技の境目はないんです。
宇賀神:歩き方を見ていると、普段の歩き方とサッカーの動きは、共通していると感じます。歩いていればいいのではなくて、どう歩くかが実は重要です。それを一番分かりやすく体感できるのが、GRABBING SHOESだと思います。
山中:家を素足で歩いても困らないですよね。でも、靴を履くと困る人はたくさんいる。自分の足に合った靴を履いていないことで、足の機能が正しく使えていないかもしれない。歯磨きはちゃんと勉強するのに、足のことを学ぶ場はまだ少ないんです。
宇賀神:たしかに、毎日の歩き方なんて、誰も教えてくれませんもんね。
山中:だからこそ、日常の中で、意識しなくても足の機能が使える靴を作りたかったんです。
宇賀神:このシューズは、これまで足元に気を使ってこなかった人ほど履いた方がいいと思いますね。履いてみると自分で実感することもあるし、他の人に「姿勢がいいね」と言われて初めて気づくこともあるはずです。
山中:朝の散歩をされている方も多いですよね。そこでこの靴を履いて歩くと、散歩がさらに健康につながる。歩いているだけでは足の機能は使われないこともありますから。
宇賀神:あらゆるシーンで履けるシューズですよね。街でGRABBING SHOESを履いている人とばったり出会える。そんな日が来ることを願っていますし、その手助けを僕もできればいいなと思います。
山中:本日は、ありがとうございました。
「GRABBING SHOES ROOTS(ルーツ)」が、2026年10月26日(月)より横浜高島屋にて展示・販売されています。「足元から地面をつかむ」をコンセプトに、足本来の機能を引き出すことを目指したシューズです。
会場では、実際にシューズを手に取り、履き心地や足元の感覚を体験いただけます。日々の「立つ・歩く」を見直すきっかけとして、ぜひお立ち寄りください。

【展示・販売概要】
・店舗:横浜髙島屋 5階 スポーツ・ゴルフ用品売場販売開始日:2026年10月26日(月)
・住所:〒220-8601 神奈川県横浜市西区南幸1丁目6番31号
・営業時間:10:00~20:00
元プロサッカー選手。大学時代にBMZのインソールと出会い、以来約20年にわたり愛用。プロとして10年以上活躍し、手術を必要とする大きなけがなく現役生活を終えた。引退後は、若い選手の身体づくりや足元の重要性を伝える活動にも関心を寄せている。