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フルスクワットの正しいやり方!重量・効果・鍛えられる部位

太ももが床と水平になる通常のスクワットより、さらに深くしゃがみ込むフルスクワット。下半身全体へ強いストレッチ刺激が入り、大腿四頭筋だけでなく大殿筋・ハムストリング・ふくらはぎまで効率的に鍛えられる。

この記事では、フルスクワットの正しいやり方を紹介。また、Wellulu編集部スタッフが、スクワットの深さによる効果の違い、重量の目安について検証しているので参考にしてみて。

この記事の監修者

おぜき としあきさん

パーソナルトレーナー

青山学院大学在学中の1988年から指導をスタート。指導歴30年で女優、役者、アイドル、女子アナ、ミスワールド日本代表モデル、プロサーファー、新体操選手などのスポーツ選手なども含め20000人超の指導を経験。2003年OZEKIパーソナルトレーナー養成スクール(現Shapesアカデミー)開設。2005年Shapes(現ShapesGirl)を東京渋谷に開設。メディア出演のほか、「腹凹は太もも運動でつくれる 1日3分週3日でOK!」(SBクリエイティブ)「5秒姿勢矯正ダイエット」(マガジンハウス)など多数の著書を執筆。

この記事の検証者

吉田 健二さん

Wellulu編集部

学生時代は運動部に所属。過去にトレーニングの継続を二度挫折したが、6ヵ月前から再びジム通いをスタート。現在は「続けられる筋トレ習慣」をテーマに、週2〜3回の全身トレーニングを中心に実践している。

目次

どこまで下げる?フルスクワットと他スクワットの違い

フルスクワットは、通常のスクワット(パラレルスクワット)より下半身を深く沈み込ませるトレーニング。可動域を限界まで使うことで下半身全体の筋肉を総合的に鍛えられ、太もも前面だけでなく、ハムストリングや大臀筋などの筋肉も刺激される。

【しゃがむ深さ別】スクワットの種類

種類 しゃがむ深さ
ハーフスクワット ひざの角度が90度
パラレルスクワット 太ももが床と水平になる深さ
フルスクワット 太ももがふくらはぎにつく

監修者:おぜき

フルスクワットで期待できる効果は3倍!

フルスクワットは可動域が大きく、その分下半身全体をより広く使える点が大きなメリットです。重量が同じであれば他スクワット種目と比較したときに、ざっくり3倍くらいの効果アップが期待できると感じています。しかし、初心者がいきなりバーベルを担いで深くしゃがむと、フォームをコントロールできず安全性が下がることがあるので注意しましょう。

【検証】フルスクワットとパラレルスクワットの比較

▼フルスクワット

▼パラレルスクワット

しゃがむ深さの違う2種のスクワットを比較した結果、以下のような違いが感じられた。

フルスクワットとパラレルスクワットの違い

種類 トレーニング効率 扱える重量 大腿四頭筋への刺激 大殿筋の刺激 ハムストリングの刺激 ふくらはぎの刺激 体幹力への刺激
フルスクワット 高い 低~中重量 強い 強い 強い 中程度 高い
パラレルスクワット 中程度 中~高重量 強い 強い 中程度 低い 中程度

検証者:吉田

複数部位への刺激はフルスクワット、高重量種目を狙うならパラレルスクワット

フルスクワットの方が、下半身全体に強いストレッチ刺激が入りました。特にお尻やハムストリングまでしっかり使われている感覚があり、体幹の安定性やバランスもより求められます。身体全体の連動性が高く、1回あたりのトレーニング効率は高いと感じました。

パラレルスクワットは比較的重い重量を扱いやすく、安定感もあり筋力アップを狙いやすい種目だと感じました。

監修者:おぜき

ハムストリングやふくらはぎへの刺激は、可動域を広く使えるフルスクワットほど入りやすくなります。また、純粋な筋力アップ(高重量を持ち上げる力)を重視する場合は、ハーフスクワットやパラレルスクワットの方が適しています。

以下の比較表を元に、目的に合わせて使い分けてみてください。

【目的別】フルスクワット・パラレルスクワット・ハーフスクワットの比較

種類 全身の筋肥大 ハムストリング・ふくらはぎの筋肥大 お尻・太ももの筋肥大
フルスクワット
パラレルスクワット
ハーフスクワット

▼パラレルスクワット(ノーマルスクワット)の詳しいやり方

「スクワット」の正しいやり方!効果・回数・重量・種類別の特徴

「スクワット」の検証ポイント 【難易度】 トレーニングレベルに関わらず、正しいフォームを習得できるか? 何回目の練習で正しいフォームを習得できたか? どの部分が.....

フルスクワットで鍛えられる部位

フルスクワットは下半身全体をまんべんなく刺激するトレーニングで、主に大腿四頭筋・ハムストリング・大臀筋に強く作用する。しゃがみの深さによって筋肉への負荷が変化し、動作中の重心コントロールが重要。

部位 負荷の強度(※)
大腿四頭筋 ★★★★★
大殿筋 ★★★☆☆
ハムストリング ★★★★☆
ふくらはぎ ★★☆☆☆

※負荷の強度=各部位にアプローチできる負荷量の差

大腿四頭筋

大腿四頭筋は太ももの前側に位置する。しゃがむ動作で強く働き、ひざを伸ばす瞬間に負荷が集中する。

【目的別】大腿四頭筋を鍛えるメリット

ボディメイク 大腿四頭筋が発達すると下半身のシルエットが引き締まる。モデル体型にもマッチョ体型にも影響し、服のシルエットが崩れにくくなる。
ダイエット 下半身で最大級の筋肉で消費エネルギーが大きい。基礎代謝の底上げに直結し、脂肪燃焼効率が高まりやすい。他部位と比べ影響度は特に高い。
健康や体力 歩行・立位を支えて疲れにくさや全身の活動量向上に影響する。
身体能力 ジャンプ・ダッシュなど下半身の瞬発動作を強く支える。競技全般でパワー発揮に効果的。

監修者:おぜき

大腿四頭筋への刺激を強めたい場合、フルスクワットでやや前足部(母指球)に重心を寄せる意識が有効です。バランスを崩しやすくなりますが、【フルスクワットの種類】で紹介しているつま先立ちでのフルスクワットなどで大腿四頭筋へ負荷を集めやすくなります。

▼大腿四頭筋を鍛えられるおすすめの筋トレ

大腿四頭筋を鍛える筋トレ9選!自重・ダンベル・マシンを使ったメニュー・ストレッチ方法

大腿四頭筋を構成する筋肉 大腿四頭筋はひざ関節の伸展機能を担い、歩行やランニングなどの動きにも関与する身体の中でもっとも大きな筋肉。以下の4つの筋肉から構成され.....

大臀筋

大殿筋はお尻の大部分を占める筋肉。脚を後ろに引く動作に関わり、立ち上がる、階段を上るなどに関わる。

【目的別】大殿筋を鍛えるメリット

ボディメイク 大殿筋が引き締まるとヒップ位置が上がり、下半身のシルエットが立体的に整う。モデル体型にもマッチョ体型にも影響し、パンツのラインも崩れにくくなる。
ダイエット 下半身でも特に大きい筋肉で消費エネルギー量が高い。基礎代謝の向上や脂肪燃焼のしやすさに作用し、他部位と比べても影響度は高め。
健康や体力 骨盤や腰まわりの安定に関わり、歩行・階段動作の疲れにくさへつながりやすい。腰痛対策としても影響が期待されるが、肩こりへの直接効果は小さい。
身体能力 ダッシュやジャンプの推進力を強め、下半身のパワー発揮に直結しやすい。スプリント系や跳躍系など多くの競技で動きを支えやすい。

監修者:おぜき

大殿筋は腰を深く落とした位置から立ち上がる局面で力を発揮します。背中と腰を反らさず丸めずに保ち、体幹を安定させたまま動作することで、お尻への刺激が逃げにくくなります。刺激が弱い場合は、可動域を優先したうえで重量を微調整するのがおすすめです。

▼大殿筋を鍛えられるおすすめの筋トレ

大臀筋(お尻)の筋トレメニュー8選!ストレッチ方法・同時に鍛えたい部位も紹介

大臀筋とは? 主な役割 「歩く」「走る」といった日常動作に欠かせない存在で、股関節の安定性に影響する。日常生活において、階段を上る時や坂道を上る時に関わる。 位.....

ハムストリング

ハムストリングは太ももの裏側に位置する。ひざを曲げる動作に関わり、歩行や走行をスムーズにおこなうために必要。

【目的別】ハムストリングを鍛えるメリット

ボディメイク ハムストリングが引き締まると脚の裏ラインが整い、太もも全体がシャープに見えやすくなる。ヒップ位置も高く見える。
ダイエット 下半身でも大きい筋群で消費エネルギー量が高め。基礎代謝の底上げに影響し、脂肪燃焼効率の向上にも関係する。大腿四頭筋ほどではないが効果は期待しやすい。
健康や体力 骨盤を支えて腰の負担軽減に働きやすく、歩行時の安定にも影響。疲れにくい身体づくりにもつながりやすい。
身体能力 ダッシュやジャンプでの推進力を高め、瞬発系の動きに影響しやすい。走力が求められる競技や下半身の切り返し動作が多い種目との相性が強い。

監修者:おぜき

ハムストリングはしゃがむ深さによって刺激の質が大きく変わります。腰を深く落とすほど、筋肉が伸ばされながら力を発揮する「伸張性収縮」が強まり、張り感やキレのあるラインづくりにつながります。コントロールできる深さまでていねいに動作することが重要です。

▼ハムストリングを鍛えられるおすすめの筋トレ

ハムストリングを鍛える筋トレ15選!自重やマシンを使ったトレーニングや鍛え方のコツ

ハムストリングとは? 主な役割 ひざの屈曲などに関わり、走る跳ぶ・しゃがむなどの動作に影響する 位置 太ももの裏側 構成筋肉 大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋 監.....

ふくらはぎ

ふくらはぎは腓腹筋とヒラメ筋の総称。つま先で地面を押す動作や、歩行・ランニング時の前進力に関わり、姿勢保持にも影響する。

【目的別】ふくらはぎを鍛えるメリット

ボディメイク ふくらはぎのラインが引き締まり、下半身全体のシルエットがシャープになりやすい。
ダイエット 筋肉量こそ大きくはないが、日常の歩行や階段動作で常に使われるため活動代謝が高まりやすい。
健康や体力 骨盤を支えて腰の負担軽減に働きやすく、歩行時の安定にも影響。疲れにくい身体づくりにもつながりやすい。
身体能力 ダッシュ時の蹴り出しの強さ、ジャンプの着地安定などに関わり、競技動作の質向上に直結する。

監修者:おぜき

ふくらはぎはスクワット種目の主働筋ではありませんが、下半身の引き締まり感や安定性に影響する重要な筋肉です。スクワットだけでは刺激が不足しやすいため、カーフレイズなどで個別に刺激を入れることで、ラインのはっきりした下半身づくりにつながります。

▼ふくらはぎを鍛えるカーフレイズのやり方

「カーフレイズ」のやり方や効果は?効率的にふくらはぎを鍛える方法を紹介

「カーフレイズ」の効果やメリット ふくらはぎは「第二の心臓」ともいわれ、下半身からの血液を心臓へと送り返す役割がある。そのため、全身の血流を改善し疲労感を軽減す.....

フルスクワットの効果

フルスクワットは、筋力・代謝・柔軟性など多方面に作用する。下半身の大筋群やハムストリングを同時に動かすことで、基礎代謝の向上やお尻の引き締め、血流改善などの効果が得られる。

  • 基礎代謝アップ
  • ヒップアップ
  • 筋力の向上
  • 柔軟性の向上
  • 血流改善

基礎代謝アップ

フルスクワットは全身の中でもエネルギー消費量が大きい下半身の筋肉を集中的に使うため、基礎代謝を底上げする効果が高い。特に大腿四頭筋や大臀筋といった大筋群が活発に働くことで、トレーニング後もエネルギー消費が持続する。

ヒップアップ

お尻の形を整えたい場合、フルスクワットは極めて有効。深くしゃがみ込む動作で大臀筋の可動域を最大限に引き出し、下から押し上げるような刺激を与えられる。継続することで筋繊維が引き締まり、下垂しがちなヒップラインを上向きに整える。

筋力の向上

フルスクワットは単一の筋肉だけでなく複数の筋群を連動させて動かすため、総合的な筋力向上につながる。下半身の出力が高まることで、立ち上がりやジャンプ動作などのパフォーマンスが大きく変わる。可動域を広く取る動作は神経系への刺激も強く、筋肉を効率よく動かす感覚を養うトレーニングとしても優秀。

柔軟性の向上

フルスクワットは股関節・ひざ・足首の可動域を広げる動作が繰り返されるため、自然と柔軟性が高まる。特に深くしゃがむことで、筋肉や腱が引き伸ばされ、関節周辺の動きがスムーズになる。下半身の動作がしなやかになることでフォームの安定性が向上し、他のトレーニング種目にもよい影響を与える。

血流改善

深い屈伸動作によって下半身の筋肉がポンプのように働き、血流が全身へと循環しやすくなる。筋肉内の老廃物が排出されやすくなり、むくみや冷えの改善にも効果的。継続することで末端まで酸素が行き渡りやすくなり、疲労回復や代謝促進にもつながる。座りっぱなしが多い人ほど、日常動作の中で意識的に取り入れたい運動。

フルスクワットの正しいやり方・フォーム

難易度 ★★★☆☆
続けやすさ(※1) ★★★★★
トレーニング効率(※2) ★★★☆☆

※1:続けやすさ = トレーニングができる場所の自由度/器具や設備の必要性
※2:トレーニング効率 = 複数部位にアプローチできるか/負荷調整できるか

【やり方】
  1. 足を肩幅に開き、つま先を少し外へ
  2. 背中をまっすぐにして、深く腰を落とす
  3. 床を押すイメージで立ち上がる
バリエーション 約4種類
ケガのリスク 低い傾向
実施できる場所 自宅
器具・設備 特になし
鍛えられる部位 大腿四頭筋、ハムストリング、大殿筋、ふくらはぎ
負荷の調整 不可

STEP1:足を肩幅に開き、つま先を少し外へ

検証者:吉田

足幅やつま先の向きを事前に調整しておくだけで、安定感が変わります。また、セットアップの段階で体幹を軽く締めておくと、しゃがみ動作に入ったときも下半身の筋肉がスムーズに連動しやすかったです。

監修者:おぜき

セットアップの段階では、目線の位置も意識してほしいポイントです。鏡がある場合は、動作中ずっと自分の「おでこ付近」に視線を固定するのがおすすめ。目線が上下に動くと姿勢が崩れやすくなるため、安定したフォームづくりにつながります。

STEP2:背中をまっすぐにして深く腰を落とす

検証者:吉田

背中をまっすぐ保ったまま深く腰を落とすことで、大殿筋にもしっかり負荷が入ります。また、疲労が溜まるにつれて、ひざが内側に入りやすくなるため注意した方がよさそうです。

監修者:おぜき

ひざが内側に入る主な要因は、①ひざまわりや股関節周囲の筋力不足②骨盤が後ろに倒れてしまう姿勢③正しい動きを身体が覚えていないことが挙げられます。正しいフォームを繰り返しおこなうことで、自然と安定した動きにつながっていきます。

STEP3:床を押すイメージで立ち上がる

検証者:吉田

立ち上がる動作では、つま先やかかとに偏らず、足裏全体で床を押す意識を持つことで安定感が高まりました。ひざを伸ばすのではなく、大殿筋とハムストリングを使って押し上げると、下半身全体に均等な刺激が入ります。

監修者:おぜき

トレーニング効率を高めるなら、動作テンポも大切になってきます。適切なテンポは目的によって変わりますが、筋肥大を狙う場合はボトムポジションに向かう局面をゆっくり動作するのがおすすめです。

▼筋肥大のおすすめ動作テンポ

途中まで早く、徐々にゆっくり腰を落とす

フルスクワットの種類

種類 難易度 おすすめの人
つま先立ちフルスクワット ・初級向け ・大腿四頭筋を集中して鍛えたい人
ダンベルフルスクワット ・初級〜中級向け ・フォームを整えながら負荷も確保したい人
・バーベルに移行する前に基本動作を固めたい人
バーベルフルスクワット ・中級〜上級向け ・筋量アップや筋力向上を主目的とする人

つま先立ちフルスクワット

難易度 ★★☆☆☆
続けやすさ(※1) ★★★★★
トレーニング効率(※2) ★★☆☆☆

※1:続けやすさ = トレーニングができる場所の自由度/器具や設備の必要性
※2:トレーニング効率 = 複数部位にアプローチできるか/負荷調整できるか

【やり方】
  1. 足を肩幅に開き、つま先立ちの状態をつくる
  2. 背中をまっすぐにしたまま、ゆっくり深く腰を落とす
  3. つま先で床を蹴るように立ち上がる
ケガのリスク 低い傾向
実施できる場所 自宅
器具・設備 特になし
鍛えられる部位 大腿四頭筋、内転筋群、ハムストリング、大殿筋、ふくらはぎ
負荷の調整 不可
【注意点】
  • つま先立ちのまま腰を落とす

つま先立ちのまま腰を落とす

検証者:吉田

つま先立ちの状態をキープしたまましゃがむことで、足首やふくらはぎの柔軟性が低い人でも可動域が取りやすいと感じています。大腿前面に強い刺激が入り、通常のフルスクワットとは負荷のかかり方がはっきり違う印象でした。

監修者:おぜき

つま先立ちにすることで足首の角度が確保され、深くしゃがみやすくなる点が特徴です。ひざが自然につま先より前に出ますが、つま先立ちにすることで、ひざへの負担も軽減できます。

ダンベルフルスクワット

難易度 ★★★★☆
続けやすさ(※1) ★★☆☆☆
トレーニング効率(※2) ★★★★☆

※1:続けやすさ = トレーニングができる場所の自由度/器具や設備の必要性
※2:トレーニング効率 = 複数部位にアプローチできるか/負荷調整できるか

【やり方】
  1. 足を肩幅に開き、つま先を少し外へ向ける
  2. 両手にダンベルを持ち、体の横(または胸の前)で安定させる
  3. 背中をまっすぐにしたまま、ゆっくり深く腰を落とす
  4. 太ももとお尻に負荷を感じながら、床を押すイメージで立ち上がる
ケガのリスク 高い傾向
実施できる場所 自宅・ジム
器具・設備 ダンベル、ケトルベル
鍛えられる部位 大腿四頭筋、ハムストリング、大殿筋、ふくらはぎ
負荷の調整 可能
【注意点】
  • ダンベルは腰の位置か肩に乗せる

ダンベルは腰の位置か肩に乗せる

検証者:吉田

検証者の場合はダンベルを肩に乗せた方が重心が安定しやすくフォームを崩しにくいと感じました。バーベルよりも重量を細かく調整できるため、重量をあげる段階のステップとして取り入れるのがおすすめです。

監修者:おぜき

胸の前に抱える方法も踏まえて、ダンベルの持ち方を工夫することで安定感を保つことができます。また、足幅を微調整しながら、自分なりの深く・安全にしゃがめるフォームを見つめ直す方法もおすすめ。

バーベルフルスクワット

難易度 ★★★★★
続けやすさ(※1) ★☆☆☆☆
トレーニング効率(※2) ★★★★★

※1:続けやすさ = トレーニングができる場所の自由度/器具や設備の必要性
※2:トレーニング効率 = 複数部位にアプローチできるか/負荷調整できるか

【やり方】
  1. 足を肩幅に開き、つま先を少し外へ向ける
  2. バーベルを担ぎ、肩甲骨を寄せて背中をまっすぐに保つ
  3. 体重を足全体に乗せたまま、深く腰を落とす
  4. 床を強く押すイメージで立ち上がる
ケガのリスク 高い傾向
実施できる場所 ジム
器具・設備 バーベル、スミスマシン
鍛えられる部位 大腿四頭筋、ハムストリング、大殿筋、ふくらはぎ
負荷の調整 可能
【注意点】
  • 背中を反らさない

背中を反らさない

検証者:吉田

腰を反らし動作だと腰椎にストレスが集中しやすいと感じました。背中から腰までを一直線に保ち、腹圧を入れて体幹を固めることで、しゃがみ込みから立ち上がりまで安定しやすかったです。

監修者:おぜき

腰が反りやすくなる原因の一つに、バーベルを支える手首の角度の問題があります。手首を反ると、無意識に腰を反らせてバランスを取ろうとしがちです。

フルスクワットができないときの対処法

フルスクワットを深くしゃがめない多くの原因は、股関節や足首の柔軟性不足があげられる。改善のためには、関節を動かしやすくするストレッチや補助動作を取り入れることがおすすめ。ここではフルスクワットができないときの対処法を紹介。

  • トレーニング前にストレッチする
  • 壁を使った方法で可動域を広げる
  • プレートでかかとを持ち上げる

トレーニング前にストレッチする

▼股関節を動かす動的ストレッチ

▼ヒラメ筋下部を伸ばすストレッチ

可動域を広げるには、トレーニング前のストレッチが欠かせない。特にふくらはぎ・ハムストリング・股関節まわりを重点的に伸ばすと、動作が安定しやすくなる。ストレッチは静的ではなく、動きを伴う「ダイナミックストレッチ」を選ぶと効果的。関節の動きをスムーズにすることで、フォームが整いやすくなり、深くしゃがむ動作が自然に行える。

監修者:おぜき

トレーニング前に股関節を動かす動的ストレッチ、ヒラメ筋下部を伸ばすストレッチがおすすめです。ヒラメ筋下部のストレッチは上部のストレッチと違い、足幅を狭くして伸ばすようにしましょう。

▼ヒラメ筋下部を伸ばす足幅

壁を使った方法で可動域を広げる

可動域を広げる方法として、壁で身体を支えるフルスクワットもおすすめ。背中を当てることでバランスが安定し、フォームを崩さずに「深くしゃがむ姿勢」を練習できる。可能なところまでしゃがみ込むことで、足首と股関節に徐々に余裕が生まれる。

監修者:おぜき

フルスクワットができるようになるには、「深くしゃがむ動作に慣れる」ことも大切です。壁を使うことで深いポジションを取りやすくなるため、神経回路形成にも役立ちます。可動域を無理に広げるのではなく、正しい姿勢で深くしゃがむ経験を積むことが改善への近道です。

プレートでかかとを持ち上げる

足首の可動域が狭い場合、プレートや薄い台を使ってかかとを少し持ち上げると動作が安定する。フォームを崩さず可動域を確保できるため、初心者にも有効な方法。

監修者:おぜき

かかとにプレートを入れる方法は、足首の可動域不足を一時的に補う方法です。しかし、あくまで補助的な方法のため、最終的にはプレートなしでも動作できる状態を目指すことが理想です。ストレッチで柔軟性を高め、壁を使ったフルスクワットで身体の使い方を覚えていきながら可動域を広げていくようにしましょう。

【目的別】フルスクワットの重量・回数目安

トレーニング効果を最大化するには、目的に合わせた回数とセット数の設定が大切。筋肥大、引き締め、代謝アップのいずれを目指すかで、負荷やインターバルも変わる。目的に応じて強度を調整し、自分に合ったプランを組み立てよう。

  • 【筋肥大が目的】高重量×8~12回を3セット
  • 【引き締め目的】中重量×15~20回を2~3セット
  • 【エネルギー消費目的】低重量×20回を3~5セット

検証者:吉田

トレーニング歴6ヵ月の検証者が各目的別の重量を検証!

普段のスクワットトレーニングは、パラレルスクワットで60~70㎏×10回を3セット。このパラレルスクワットの重量を基準に、高重量を扱いにくいフルボトムスクワットだと何回できるのか?目的別の重量設定を検証してみました。

【筋肥大目的】高重量×8~12回を3セット

筋肥大を狙う場合は、8〜12回で限界がくる重量設定が理想。高負荷・中回数で筋繊維に強い刺激を与えることがポイント。休息はセット間1〜2分を目安に、筋肉が回復する前に次のセットへ入ると効果が高まる。フォームを維持しながら動作をゆっくりおこなうことで、筋肉への緊張時間を長く保ち、成長を促進できる。

検証者:吉田

パラレルスクワット10回の7〜8割程度の重量がおすすめ

フルボトムスクワットで10回を安定してリフトアップできた重量は約50kgでした。パラレルスクワットと比べると、可動域が広がる分だけ負荷の体感が大きく、同じ重量では動作が雑になりやすい印象です。目安としては、パラレルスクワットの使用重量の7〜8割程度から始めると、フォームを保ったまましっかり追い込めそうだと感じました。

【引き締め目的】中重量×15~20回を2~3セット

体を引き締めたい場合は、中程度の負荷で15〜20回を目安におこなう。動作のテンポを一定に保ち、呼吸を合わせることで全身の連動が生まれる。筋肉を追い込みすぎず、フォームを崩さない範囲で継続するのがコツ。休息は30〜60秒程度と短めに設定し、筋持久力を高めながら体全体をバランスよく引き締める。

検証者:吉田

パラレルスクワット10回の5割程度の重量がおすすめ

15回以上になると一気にきつくなり、安定して行えた重量は30kg前後でした。普段あまり高回数トレーニングをしていない人は、パラレルスクワットの約5割程度の重量を目安にすると、フォームを崩さず続けやすいと思います。

【エネルギー消費目的】低重量×20回を3~5セット

代謝を上げたい場合は、軽い負荷で回数を多めに設定する。20回以上をリズミカルにおこない、下半身の大筋群を連続的に使うことで心拍数が上がり、エネルギー消費が増加する。インターバルは短く、サーキット的におこなうとより効果的。フォームを保ちながら動作を続けることで、脂肪燃焼とスタミナ向上の両方を狙える。

検証者:吉田

自重(重量なし)でも十分

20回以上かつインターバルが短い設定では、重量を持つと動作の質が一気に落ちました。正直なところ、エネルギー消費を目的にするなら、自重またはごく軽い重量でおこなったほうが動き続けやすいと感じます。

フルスクワットに関するQ&A

フルスクワットがきつい人向けの軽負荷メニューは?

A:自重フルスクワット・パラレルスクワット。

監修者:おぜき

負荷を軽減したい場合は、自重でおこなう・パラレルスクワットから始めるのもおすすめ。筋肉は重さに応じて発達するため、フォームに慣れてきたら軽重量で少しづつ負荷を増やしていきましょう。

フルスクワットはひざに悪い?

A:正しいフォームであれば、ひざへの負担は少ない。

監修者:おぜき

正しいフォームを守れば、フルスクワットがひざに悪影響を与えることはありません。可動域を無理に広げず、自分の柔軟性に合わせて行えば、ひざまわりの筋肉が強化され、むしろ安定性が増していきます。

フルスクワットは毎日やっても大丈夫?頻度の目安は?

A:週2〜3回が適切。毎日する場合は重量を調整しよう。

監修者:おぜき

筋肉が回復する時間を確保するため、週2〜3回が適切な頻度。毎日おこないたい場合は、軽い負荷や部分的な可動域トレーニングに切り替えるのが理想的。

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