
全身の筋肉量の約10%を占め、太ももの内側に位置する「内転筋」。下半身を強化でき、姿勢やぽっこりお腹の改善など嬉しい効果が多い。
この記事では、内転筋を鍛えることで得られる効果、隙間時間に自宅で簡単にできるものからマシンを使った本格的な筋トレメニューを紹介。また、筋トレ効果を高めるストレッチのやり方も解説。
この記事の監修者

おぜき としあきさん
パーソナルトレーナー
この記事の検証者

山本 祐志郎さん
6年前に始めたハンドボールで培った瞬発力や体力を活かして、日々の生活や仕事にも前向きに取り組む。朝の公園ランニングやHIITトレーニングを日課とし、時にはヨガで心身を整えるなど、アクティブな日々を過ごしている。
そもそも内転筋とは?
主な役割 | 周辺の筋肉バランスを整え、股関節の可動域を広げる役割。さまざまな動作や姿勢改善に関わる。 |
位置 | 太ももの内側 |
構成筋肉 | 大内転筋(だいないてんきん)・長内転筋(ちょうないてんきん)・短内転筋(たんないてんきん)・恥骨筋(ちこつきん)・薄筋(はっきん) |

監修者:おぜき
内転筋は動作の質を高め、さらにはケガの予防にも役立つ、健康的な身体づくりには欠かせない筋肉です。
ジャンプやキックの際の力強い動きを生み出すためのパワー源にもなっており、スポーツの動作では、素早い方向転換や急停止といった動作を支えています。
内転筋の筋トレをする前に知りたい3つのこと
内転筋は意識して鍛えないと衰える
日常生活において、人は主に前に進む際に大腿四頭筋などの前側の筋肉やふくらはぎを使うが、内腿の筋肉は横歩きやカニ歩きをしない限り使わない。そのため、他の筋肉に比べて意識して鍛えないと衰えやすい。
とくに内転筋が弱い人は以下の通り。
弱くなりやすい人 | 理由 |
ハイヒールを履く人 | 普通より太ももの筋肉が使いやすくなり内転筋がさらに使われなくなる。 |
脚を組む人 | 多くの場合は骨盤後傾の姿勢になり、股関節が内側に閉じやすくなる。内転筋が常に緩んだ状態になり筋力低下につながる。 |
筋肉の成長に必要なキーワードは「酸素」と「負荷」
筋肉の成長には「筋肉中の酸素がすべて使われること」と「負荷がかかること」の2つの条件が必要といわれている。
筋トレ中に酸素が足りなくなると、嫌気的代謝に切り替わり乳酸や水素イオンが筋肉内に蓄積する。これにより成長ホルモンの分泌が促進され、筋肉が成長する。
また、回復させる過程で筋肥大されるため、負荷を与えて筋繊維を損傷させることも必要といわれている。
これら2つを組み合わせることで、効果的な筋肥大が起こる。
嫌気的代謝とは、酸素を必要としないエネルギー代謝のこと。通常酸素供給が不足した場合や、短時間の激しい運動時に切り替わる。
筋トレを「ゼロにしない」工夫が大切
大切なことは、筋トレを「ゼロにしない」工夫。人間の脳は一度習慣が途切れると、それを再開することに大きなエネルギーを必要とする。
一度休んだことでトレーニング自体が億劫になってしまう可能性もあるため、途切れさせないように意識しよう。

監修者:おぜき
とくに女性は、生理周期におけるホルモンバランスの変化により不調に悩まされやすいです。
体調が悪い時に無理におこなう必要はありませんが、少しトレーニングできそうなときは普段10回なら3回に減らすなど、「少しでもやればOK」と柔軟に考えるのが大切です。
内転筋を鍛えることで得られる効果
下半身が引き締まり美脚が手に入る
内転筋を鍛えると太もも内側のたるみが解消され、横から見ても美しいシルエットになりやすくなる。ただ脚を細くするだけでなく、下半身のラインがすっきりしていくのも内転筋トレーニングの魅力の1つ。
また、内転筋の強さやバランスは「X脚」や「O脚」といった脚の形にも影響する。これらの脚の形は、筋肉のつき方のバランスと骨盤の傾きが関係している。
一般的に、骨盤が前傾になると閉じ気味になり「X脚」になりやすく、骨盤が後傾になると開き気味になり「O脚」になりやすい。下半身の筋肉のバランスを意識して鍛えよう。
その他の効果
基礎代謝が上がる | 内転筋は全身の筋肉量の約10%を占めているため、鍛えることで瘦せやすい身体づくりにつながる。 |
下腹部がスッキリする | 内転筋を鍛えると骨盤底筋群が活性化され、内臓を支える力が向上するため下腹部のたるみを予防できる。 |
股関節が安定する | ランニングやジャンプといった運動時のパフォーマンスが向上すると同時にケガの予防にもつながる。 |
姿勢が改善する | 内転筋が弱いと身体が内側に入り込む傾向にある。鍛えることでバランスよく筋肉がつき姿勢が改善される。 |
【自重】内転筋の筋トレメニュー3選
- レッグスクイーズ
- 仰向けレッグアダクション
- ワイドスクワット
レッグスクイーズ
難易度 | ★☆☆☆☆ |
続けやすさ(※1) | ★★★☆☆ |
トレーニング効率(※2) |
★★★☆☆ |
- ※1:続けやすさ = トレーニングができる場所の自由度/器具や設備の必要性
- ※2:トレーニング効率 = 複数部位にアプローチできるか/負荷調整できるか
- 仰向けになり足裏全体を床につける
- 脚を腰幅に開く
- 腰幅よりも大きめのサイズのボール、もしくは2枚以上のバスタオルをひざで挟む
- 脚幅が腰幅になるまでひざを閉じる
バリエーション | 約2種類 |
ケガのリスク | 低い傾向 |
実施できる場所 | 自宅・ジム |
器具・設備 | ボール・床マット |
鍛えられる部位 | 内転筋 |
負荷の調整 | 可能 |
- ひざの少し上の太ももの内側の間で挟む
ひざの少し上の太ももの内側の間で挟む
レッグスクイーズの種類
座位レッグスクイーズ |
|

検証者:山本
ボールを挟む際、腰が浮かないようお腹を軽くへこませることを意識しました。
仰向けレッグアダクション
難易度 | ★★★☆☆ |
続けやすさ(※1) | ★★★☆☆ |
トレーニング効率(※2) |
★★★☆☆ |
- ※1:続けやすさ = トレーニングができる場所の自由度/器具や設備の必要性
- ※2:トレーニング効率 = 複数部位にアプローチできるか/負荷調整できるか
- 仰向けに寝て、両脚を天井に向かってまっすぐ上げる
- ひざを伸ばしたまま、両脚をゆっくりと左右に大きく開く
- 開いたところで少しキープし、ゆっくりと元の位置に戻す
ケガのリスク | 低い傾向 |
実施できる場所 | 自宅・ジム |
器具・設備 | 床マット |
鍛えられる部位 | 内転筋 |
負荷の調整 | 可能 |
- 腰をそらさない
- ひざを完全に伸ばしきらない
腰をそらさない
ひざを完全に伸ばしきらない

検証者:山本
勢いよく脚を上げると腰が浮いてしまったので、腰が浮かないように意識しながらおこないました。
ワイドスクワット
難易度 | ★★★☆☆ |
続けやすさ(※1) | ★★★☆☆ |
トレーニング効率(※2) |
★★★★★ |
- ※1:続けやすさ = トレーニングができる場所の自由度/器具や設備の必要性
- ※2:トレーニング効率 = 複数部位にアプローチできるか/負荷調整できるか
- 脚を肩幅より広く開き、つま先を外側に向ける
- お尻を後ろに引くようにしてひざを曲げ、腰を下ろす
- 足の裏全体を使って、ゆっくりと立ち上がる
バリエーション | 約2種類 |
ケガのリスク | 低い傾向 |
実施できる場所 | 自宅・ジム |
器具・設備 | なし |
鍛えられる部位 | 内転筋・大胸筋 |
負荷の調整 | 可能 |
- ひざが内側に入らない
- つま先を外側に向ける
- ひざが足先より前に出ない
ひざが内側に入らない
つま先を外側に向ける
ひざがつま先より前に出ない
ワイドスクワットの種類
ゴブレットワイドスクワット |
|

検証者:山本
通常のスクワットと比較して脚幅を取ることでより内転筋に効いている感じがしました。
【ジム】内転筋の筋トレメニュー3選
- レッグプレス
- アダクション
- ケーブルアダクション
レッグプレス
難易度 | ★★★☆☆ |
続けやすさ(※1) | ★★★☆☆ |
トレーニング効率(※2) | ★★★★★ |
- ※1:続けやすさ = トレーニングができる場所の自由度/器具や設備の必要性
- ※2:トレーニング効率 = 複数部位にアプローチできるか/負荷調整できるか
- ひざの角度が90度になるようにシートの位置をセットする
- 足を肩幅程度に開き、背中とお尻をしっかりとシートにつける
- ひざを伸ばしながら、完全に伸び切る一歩手前までゆっくりと押し上げる
- ひざを曲げてゆっくりと戻す
- 同じ動作を繰り返す
バリエーション | 約5種類 |
ケガのリスク | 低い傾向 |
実施できる場所 | ジム |
器具・設備 | レッグプレスマシン |
鍛えられる部位 | 大腿四頭筋・ハムストリングス・大臀筋・内転筋 |
負荷の調整 | 可能 |
- つま先を30度ほど外側にむける
- シートぴったりに背中をつける
- 足の位置はひざ裏が90度になるようセットする
つま先を30度ほど外側にむける
シートぴったりに背中をつける
足の位置はひざ裏が90度になるようセットする
レッグプレスの種類
レッグプレス(大腿四頭筋中心) | ・足幅は20度程度外向き |
レッグプレス(ハムストリングス中心) |
・ひざが90度になる位置より一足分上に足を置く ・足の幅を腰幅より少し広めにとる |
レッグプレス(大臀筋) | ・ひざが90度になる位置より一足分上に足を置く |
レッグプレス(内転筋) |
・つま先はまっすぐにする ・足幅は拳1個分程度にする |

検証者:山本
ひざが伸び切らないことで、常にどこかしらの筋肉に負荷がかかり続けているように感じました。
アダクション
難易度 | ★★★☆☆ |
続けやすさ(※1) | ★★★☆☆ |
トレーニング効率(※2) |
★★★☆☆ |
- ※1:続けやすさ = トレーニングができる場所の自由度/器具や設備の必要性
- ※2:トレーニング効率 = 複数部位にアプローチできるか/負荷調整できるか
- 背中をシートにつけてしっかり座り、脚を開いた状態でひざをパッドにあてる
- グリップを握ったらゆっくりと脚を閉じる
- 脚を閉じ切ったら1〜2秒ほどキープする
- ゆっくりと元の位置に戻す
- 同じ動作を繰り返す
バリエーション | 約2種類 |
ケガのリスク | 低い傾向 |
実施できる場所 | ジム |
器具・設備 | ヒップアダクションマシン |
鍛えられる部位 | 内転筋 |
負荷の調整 | 可能 |
- 腰を反らさない
腰を反らさない
アダクションの種類
前傾姿勢のヒップアダクション |
|

検証者:山本
脚を閉じたときに腰が反ってしまったり身体がブレてしまわないように、お腹にも軽く力を入れました。
ケーブルアダクション
難易度 | ★★★★★ |
続けやすさ(※1) | ★★☆☆☆ |
トレーニング効率(※2) |
★☆☆☆☆ |
- ※1:続けやすさ = トレーニングができる場所の自由度/器具や設備の必要性
- ※2:トレーニング効率 = 複数部位にアプローチできるか/負荷調整できるか
- ケーブルの高さを足首の高さに設定し、足首用のアタッチメントを片方の足首に巻く
- ストラップをつけた方の脚を内側に引く
- 1〜2秒ほどキープする
- 反動を使わず、ゆっくりと脚を戻す
- 同じ動作を繰り返す
ケガのリスク | 低い傾向 |
実施できる場所 | ジム |
器具・設備 | ケーブル |
鍛えられる部位 | 内転筋 |
負荷の調整 | 可能 |
- 背筋を伸ばす
背筋を伸ばす

検証者:山本
最初はケーブルを脚にかけるやり方を間違えてしまい、うまくできませんでした。脚をゆっくり動かすことでしっかり鍛えられている感じがしました。
【スキマ時間に鍛える】内転筋の筋トレメニュー
1セット20秒・休憩10秒、合計3分で終わる内転筋の筋トレメニュー。内転筋を集中的に鍛えられ、ストレッチも取り入れているため、仕事の合間などのスキマ時間におすすめ。
トレーニング前後は椅子を使用して内転筋を伸ばしてからおこなうのがおすすめ。
コラム:他にスキマ時間でできるトレーニングは?
シンプルな「カニ歩き」も内転筋に効果的だが、自宅ではスペースも限られている。そのため、補助的ではあるが立ちながらペットボトルを脚に挟むトレーニングもおすすめ。脚を閉じる動作は主にお尻の筋肉を使用するが、内転筋もサポートとして働く。
内転筋の筋トレに関するQ&A
どのくらいで身体に変化がみられるようになる?
A:2〜3ヶ月程度

トレーニング中に内転筋がつりやすい場合はどうしたら?
A:つった場合はトレーニングをやめて水分補給する

内転筋が痛い場合は筋トレはしないほうがよい?
A:休養して痛みがなくなってから再開する

青山学院大学在学中の1988年から指導をスタート。指導歴30年で女優、役者、アイドル、女子アナ、ミスワールド日本代表モデル、プロサーファー、新体操選手などのスポーツ選手なども含め20000人超の指導を経験。2003年OZEKIパーソナルトレーナー養成スクール(現Shapesアカデミー)開設。2005年Shapes(現ShapesGirl)を東京渋谷に開設。メディア出演のほか、「腹凹は太もも運動でつくれる 1日3分週3日でOK!」(SBクリエイティブ)「5秒姿勢矯正ダイエット」(マガジンハウス)など多数の著書を執筆。