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「お尻歩き(ヒップウォーク)」のやり方や効果は?骨盤矯正ストレッチの方法も紹介

「お尻歩き」は、座った状態でお尻を使って移動するトレーニング方法。骨盤周りの筋肉を中心に、お腹からお尻にかけて効率よく鍛えることができる。本記事では「お尻歩き」で鍛えられる筋肉や効果、正しいやり方などを解説。また、骨盤矯正に効果的なおすすめストレッチも合わせて紹介するので参考にしてみて。

この記事の監修者

つむら みおさん

パーソナルトレーナー

ハーティネス株式会社代表
フィットネス勤務から独立し、現在はダイエット迷子に正しい知識を伝えるためのオンライングループレッスン運営中。
コンプレックスを強みに変える!ボディメイク運動指導やリバウンドなしで、理想の体を手に入れる食事指導をおこなっている。

2チャンネル目となるYouTube「みおGYM」にて週2回エクササイズ配信中
著書4冊/各種雑誌、テレビ出演
JBBF 日本ボディビル・フィットネス連盟 2年連続優勝経験を持つ

目次

骨盤矯正に効く?「お尻歩き」の7つの効果

ここでは、「お尻歩き」の効果や鍛えられる部位を紹介。気になる人はチェックしてみよう。

・臀部やお腹の筋肉を鍛えられる
・骨盤の歪みを治す
・腰痛の改善・予防に繋がる
・下半身スッキリ、太りにくい身体に
・お腹周りを引き締めくびれを作る
・便秘解消
・美しい姿勢を維持する

臀部やお腹の筋肉を鍛えられる

「お尻歩き」は、大臀筋(だいでんきん)や中臀筋(ちゅうでんきん)などの筋肉を活発に動かし、お尻からお腹までを一気に鍛え上げることができる効率のよいトレーニング。このトレーニングは、座っている状態からお尻を地面につけたまま前後に移動することで、おもに「骨盤周りの筋肉」をターゲットにしている。

「お尻歩き」をおこなうことで、普段あまり使われない臀部の筋肉が刺激され、引き締まったヒップラインをつくれる。また、お腹まわりの筋肉も同時に鍛えられることで、姿勢の改善や腰痛の予防にも効果的。

骨盤の歪みを治す

「お尻歩き」のトレーニングを続けるほど、骨盤周りの筋肉の柔軟性が高まるため、骨盤が正しい位置に戻っていく効果が期待できる。

また、産後の骨盤矯正にも効果が期待できるが、身体に負担がかかっている出産直後におこなうのは避け、産後2ヵ月を過ぎてから取り組むのがいい。

腰痛の改善・予防につながる

「お尻歩き」をはじめ、骨盤にアプローチする体操やエクササイズは、腰痛の予防に効果的。「お尻歩き」によって、お尻の筋肉が柔らかくなり、骨盤の位置が整いやすくなることで、腰への負担も減少する。

筋肉を効率的に柔らかくするためには、運動前にストレッチをおこなうといい。

ただし、腰痛がある状態で運動をおこなうと、症状が悪化してしまう可能性がある。そのため、腰痛がある人は、医療専門家のアドバイスを受けてから、適切なストレッチやトレーニングに取り組もう。

下半身がスッキリ、太りにくい身体に

「お尻歩き」は、お尻の中で最も大きい大臀筋を中心に、下半身をまんべんなく鍛えられるため、下半身をスッキリさせる効果がある。さらに、筋肉量がアップすることで、基礎代謝が上がり、太りにくい身体づくりもできる。

また、引き締めやダイエット目的で「お尻歩き」をおこなう場合は、時間より歩数に注目し、「毎日50〜100歩程度」のトレーニングを継続するといい。効果的に結果を出すためには、全身を使うのではなく、骨盤だけを使って歩くことを意識しよう。

お腹周りを引き締め、くびれをつくる

「お尻歩き」は、お尻だけでなくお腹の筋肉も動かすことができるため、習慣的におこなうことで、お腹周りの「引き締め」や「くびれづくり」にも効果が期待できる。

とくにお腹に効果を感じるためには、「上半身をひねりながらおこなう」、「腕を上げておへそを伸ばしながら歩く」、「腕を後ろに組んでおこなう」など、お腹の筋肉をより刺激できる姿勢で取り組むのがおすすめ。

便秘解消

「お尻歩き」は、内臓の動きを促進し、お腹への刺激を通じて腸の活動を活発にすることで、便秘解消にも効果的。とくに、お尻を使って前後に移動することで、普段あまり使われない腸周りの筋肉が動き、内臓機能が刺激される。

ただし、「お尻歩き」を始める前には、正しいフォームを把握し、無理のない範囲で行うことが大切。痛みや不快感を感じた場合は、すぐに中止して必要に応じて専門家からアドバイスをもらおう。

美しい姿勢を維持する

「お尻歩き」を継続することで、骨盤と股関節の柔軟性が向上し、それに連動して上半身も自然とよい姿勢に導かれる。ほかにも、背中や腕、肩甲骨周りの筋肉にポジティブな刺激を与え、姿勢改善の後押しに。

とくに、日常生活で無意識のうちに癖づいてしまった悪い姿勢は、骨盤の歪みや筋肉のバランスの乱れが原因であることが多い。美しい姿勢を維持するために、正しいフォームを心がけ、日常的なエクササイズとして取り入れよう。

「お尻歩き」の正しいやり方・フォーム

「お尻歩き」の「基本のやり方」と「より負荷を強めたやり方」を紹介。初心者の人はまず「基本のお尻歩き」から試してみて。

基本の「お尻歩き」

<やり方>

  1. 床に脚を伸ばして座り、骨盤を持ち上げ前方へ押し出す感覚で、左右のおしりを交互に動かして前進する
  2. 同様に、骨盤を上げながら後方に引く感じで、左右のおしりを交互に動かし後退する
  3. 一畳程度のスペースを使い、この前進と後退を繰り返す

効果を高めるためには、腰を反らしたり、丸めたりせず、骨盤の位置をニュートラルに保つことが重要。さらに上半身を動かすのではなく、骨盤をゆりかごのように左右に動かすことを意識すれば、下半身の筋肉へ正確に効かせることができる。

また、下半身を引き締めるためには、片方のお尻に体重が乗ったときに、もう片方のお尻を上げ、左右のお尻を交互に使うようにすると効果的。

適切な負荷をかけるために、歩数は「8歩進んで8歩戻る」を目安にするのがおすすめ。骨盤を正しい位置に保ちながら、適切な歩数で「お尻歩き」をおこないましょう。

より負荷を強めた「お尻歩き」

腕を胸の前でクロスする

腕を胸の前でクロスすると、上半身の動きが制限されるため、上半身の反動を使わずにお尻の力だけで前に進むことができる。下半身への負荷が集中し、トレーニング効果を高められる。

また、普段使われにくい下半身の深層筋肉に刺激が入るので、バランス感覚を養うことができ、身体の安定感が高まる効果も。腕をクロスすることで自然と胸が張るため、姿勢の改善にもつながる。

腕を後ろに組んでおこなう

腕を後ろに組むやり方も、トレーニング効果を高めることに有効。上半身の動きが制限されるため、下半身に負荷が集中する。

とくにお腹周りに負荷がかかりやすく、「お腹周りの引き締め」や「美しいボディラインをつくる」効果があることはもちろん、腹部の筋肉が活性化されることで、内臓の位置が整う効果も期待できる。

ただし、背中が反りやすくなるので、背中がどうしても丸くなってしまう人以外は「胸の前で手をクロスさせたり」、「両手を頭上に上げたり」する姿勢で取り組むのがおすすめです。

【骨盤矯正に効く】自宅で簡単にできる3つのストレッチ

骨盤矯正に効果的なトレーニングは「お尻歩き」だけではなく、上半身を起こした状態でひざを左右に倒す「左右ひざ倒し」や、四つん這いの姿勢で背中を丸めたり反らしたりする「キャッツアンドドック」など、さまざまある。

骨盤が歪んでいると身体の筋肉を正しく活用することができず、運動効果が低下してしまうため、日常的に取り入れるようにしよう。

トレーニングをおこなった際に「狙った筋肉以外に筋肉痛が出る」「左右の足の太さや肩の高さに差がある」場合は、骨盤が歪んでいる可能性が。また、「むくみやすい」「疲れやすい」「肩こりや腰痛がある」などの症状について、骨盤の歪みが原因となっていることも。

そのため、ここでは自宅で簡単にできる3種類の骨盤矯正ストレッチを紹介。

・座っておこなえる「あぐらストレッチ」
・寝ながらできる「骨盤矯正ストレッチ」
・ストレッチポールを使った「骨盤ストレッチ」

座っておこなえる「あぐらストレッチ」

<やり方>

  1. あぐらを組んで座り、足裏を合わせる
  2. かかとを身体から離して、ひし形の形を作る
  3. 両手をすねの下に滑り込ませる
  4. 息を吸いながら背中を真っ直ぐにし、息を吐きつつゆっくりと上半身を前に傾ける

「あぐらストレッチ」は、股関節を柔らかくし、日常生活での動作の柔軟性を高めるのに役立つ。股関節だけでなく、下半身全体の柔軟性向上にも効果的。

とくに座る時間が長い人は、股関節が硬くなりがちで、身体に不調が起きてしまうこともある。「あぐらストレッチ」を日常的におこなうことで、よりスムーズな動きが可能になり、不調の予防にもつながる。

実践する際は、床に座り、足を前に伸ばしてからゆっくりと両脚を曲げ、あぐらを組む。このポジションから、背筋を伸ばしながら深呼吸をし、リラックスした状態で股関節周りの筋肉を伸ばす。

寝ながらできる「骨盤矯正ストレッチ」

<やり方>

  1. 背中を地面につけて横になり、足裏を合わせる
  2. そのままの状態で、おしりを床から持ち上げる
  3. この持ち上げた姿勢を3秒間維持する

寝ながらおこなう「骨盤矯正ストレッチ」は、骨盤のインナーマッスルに働きかけることができるため、内側から骨盤を引き締める。さらに骨盤内の血行が促進されることで、代謝の向上も期待できる。

リラックス効果もあるため、寝る前におこなうことで、睡眠の質の向上にも効果的。

日常的に取り組むことで、骨盤周りの筋肉が鍛えられ、健康的な身体を維持するための基盤をつくることができる。

ストレッチポールを使った「骨盤ストレッチ」

<やり方>

  1. ストレッチポール上で仰向けになり、ひざを立てる
  2. 一方の脚を伸ばし、かかとを床につけ、つま先を内側に回す
  3. かかとが床から浮かないように、ひざを曲げて身体の方へ引き寄せる
  4. ひざを外に倒しながら脚を伸ばして初期の位置に戻る
  5. この動作を片脚につき「10〜20回」を「1〜3セット」おこない、反対の脚でも同じことを実施する

ストレッチボールを使った「骨盤ストレッチ」は、骨盤のバランスを整え、柔軟性を高めるのに効果的。

ポールの上で片脚ずつカエルのように足を動かすことで、骨盤周りの筋肉が刺激され、骨盤の歪みが整っていく。また、骨盤底筋を含むインナーマッスルも鍛えられるので、日常生活での姿勢の改善や維持にも効果が期待できる。

「お尻歩き」に関するQ&A

40代の人は「お尻歩き」や「骨盤矯正ストレッチ」がおすすめ?

A:「お尻歩き」をとくにおすすめする年齢層は、30〜50代。

20代までは、若いため身体の柔軟性や回復力が高いですが、30代以降は意識して身体をメンテナンスすることが大切です。

年齢を重ねるとともに、生活習慣による運動不足や中年期の体型変化に直面しやすく、女性の場合は妊娠や出産によって身体に大きな変化が起こることも。

骨盤周りの筋肉を効果的に鍛え、骨盤の歪みを整えることで、全身のバランスを改善し、健康を維持することにつながります。また、妊娠や出産を経験した女性にとっては、骨盤底筋を強化することで、産後の回復をサポートする効果も期待できます。

産後にトレーニングする場合、気をつけた方がよいことは?

A:産後2カ月を過ぎてから取り組むのが適切

産褥期間中は、とくに身体を動かすことに積極的になる必要はなく、産褥体操程度に留め、その後徐々にエクササイズを始めるようにしましょう。出産後すぐの身体は内臓が傷ついていたり、緊張状態にあります。体調が戻り、自然に動かせる筋力が回復するまで、およそ2カ月程度かかるといわれています。

出産前のトレーニングは、妊娠中の体調や経過が正常であれば、骨盤周りを軽く動かすエクササイズは問題ありません。股関節を軽く動かすようなエクササイズは、柔軟性を保つのに有効な場合もあります。ただし、動作は妊娠中の身体の状態を十分考慮して、無理のない範囲でおこないましょう。

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