テクノロジーの進化によりデジタル社会へと急速に変化している現代。そんな混沌とした時代で、自分を信じて幸せに生きていくためにはどうしたらいいのだろう。
ウェルビーイングテクノロジーの可能性を信じ、ベンチャー投資を通じて、人の健康や幸せを応援する人がいる。シリコンバレーを拠点に投資活動を行うNIREMIA Collectiveの奥本直子さんだ。今回は、Welluluアドバイザーの宮田裕章さんと共に「ウェルビーイングとテクノロジーの関係性」についておこなった対談の様子をお届けする。
奥本 直子さん
NIREMIA Collective マネージングパートナー兼創業者/Amber Bridge Partners CEO兼創業者
宮田裕章さん
慶應義塾大学医学部教授/Welluluアドバイザー
2003年東京大学大学院医学系研究科健康科学・看護学専攻修士課程修了。同分野保健学博士
2025日本国際博覧会テーマ事業プロデューサー
Co-Innovation University(仮称) 学長候補
専門はデータサイエンス、科学方法論、Value Co-Creation
データサイエンスなどの科学を駆使して社会変革に挑戦し、現実をより良くするための貢献を軸に研究活動を行う。
医学領域以外も含む様々な実践に取り組むと同時に、世界経済フォーラムなどの様々なステークホルダーと連携して、新しい社会ビジョンを描く。宮田が共創する社会ビジョンの 1 つは、いのちを響き合わせて多様な社会を創り、その世界を共に体験する中で一人ひとりが輝くという“共鳴する社会”である。
AIが人と人のコミュニケーションをブリッジさせる
宮田:奥本さんはWellulu編集長の堂上さん、孫泰三さんとの対談に続き3回目の登場ですが、私との対談は初めてですね。
奥本:実は私、インタビューであまり緊張したことがないんですけど、珍しく緊張しているくらい宮田先生のファンなんです! 本日はどうぞよろしくお願いいたします。
宮田:そう言っていただけると嬉しいです。まずははじめに、直子さんの活動について教えていただけますか?
奥本:はい。私はボストン大学大学院修士課程修了後、シリコンバレーに拠点を移し、米マイクロソフトを経て、米Yahoo本社でバイスプレジデントを務めました。2014年からベンチャー投資の世界に入り、World Innovation Labのファンディングメンバーとして活動したり、日米クロスボーダー・ビジネスのコンサルティング会社であるAmber Bridge Partnersを起業したりしました。
シリコンバレーで感じたのは、強烈な競争社会であることに加えて、テクノロジー中心の世界になってきていることで、人々が右往左往して疲れ果てていることでした。コロナ禍もあり、「すべての人が、健康的、精神的、社会的に満たされ、自分らしく、“最高の真の自分”になるための旅路に寄り添うテクノロジーを通して、新たな産業を創出し、誇りを持って未来の世代に受け継ぐことができる社会を実現したい」という気持ちが強くなり、2021年にウェルビーイング・テクノロジーに特化したファンド「NIREMIA Collective(ニレミア・コレクティブ)をニコル・ブラッドフォードと共同創業するに至りました。投資を通じて、ウェルビーイングに生きる人たちを増やす応援をしています。
宮田:会社名の「NIREMIA」は造語ですか?
奥本:ギリシャ語で「心の平和、穏やか」を表す「IREMIA」という単語に、創業者である私とニコルのイニシャル「N」を頭に付けました。投資先のベンチャー、LP、大学、企業などスタートアップを取り巻くエコシステムと共に、ウェルビーイングな世界をつくっていきたいという想いから「NIREMIA Collective(※)」と名付けました。2023年12月に設立以降、2,250万ドル(36億円)規模のファンドとして、シリコンバレーを中心に18社へ投資活動をしております(2024年8月現在)。
※Collective=共同体
宮田:素晴らしいですね。SNSやゲームの多くが滞在時間の最大化モデルであるのに対して、ウェルビーイング業界は活動もマーケットも多くの場合が逆になります。基本的に新しいものというより、既知のものを繰り返し見る形になってしまうので、どんどんタコツボ化が進み、これが分断するひとつの原因になっているように思われます。
そのためリコメンデーションのアルゴリズムを含めて、その人自身の未来やウェルビーイングにどうつながっていくのかを可視化して組み込んでいかないといけませんよね。テクノロジーの活かし方を問い直していくことが、ウェルビーイングテックを豊かにするために重要なことなのかもしれません。
奥本:NIREMIA Collectiveが定義するウェルビーイングテックは、「人の健康」と「心の豊かさ」の2つの軸があります。「自分は最高だ!」と思って生きていけたら良いのですが、他人と比較してしまい劣等感を抱えて生きている人が多くいます。
そうではなく、周囲の多様性を受け入れることで、自分をひとつの“個”として認めることもできるようになります。コミュニティのつながりや、人とのコネクションの中で「自分は最高だ!」と信じられたら幸せですよね。私たちは人が関わるウェルビーイング全域のベンチャー投資を通じて、ウェルビーイングテックの可能性を追及していきたいと思っています。
宮田:「相対比較の幸せは長く続かない」という研究データが多くあります。自分自身の中に基準を持って生きるパターンのほうが幸せは長続きしますし、健康にも良いそうです。たびたび、SNSがいかに人を不幸にするかという論争がありますが、そこが一番大きな原因じゃないかともいわれています。SNSを通じて他者とつながり、共有すること自体は本来素晴らしいことですが、今後はこれまでと違うスタンスや在り方が必要になってきているように感じます。
奥本さんが投資されているスタートアップで、注目するウェルビーイングテックの取り組みはどんなものになりますか?
奥本:最近投資をした「Complex Chaos」という会社は、AIを活用してディシジョンメイキングプロセス(=意思決定のプロセス)を構築するプラットフォームサービスを作っています。たとえば産官民で共創するとなった場合、意思決定までの工程がそれぞれ大きく異なるため、双方にとってストレスになっていました。そこでAIが間に入り、打ち合わせの会話やログを分析し最適なアジェンダを作成したり、ネクストステップの提案を行うことで、異なるステークホルダーが満足してディシジョンメイキングすることを可能にしたんです。これまで社内のコラボレーションを促すツールはありましたが、社外とのコラボレーションを進める技術はあまりなかったんですね。こういったサービスはビジネスシーンだけではなく、国際政治の場でも活用されていくのではないかと期待しています。
宮田:ポストコロナの今、遠隔会議が盛んなため全てのダイアログが逐語録として自動的に溜まりやすくなりますね。こういった膨大なビジネスログデータは活用できる幅が非常にあるんです。
まず、会話の記録を生成AIが分析すると各コミュニティにおけるホットキーワードを可視化することができます。すると異なるコミュニティをブリッジするために必要なキーワードも見えてきますよね。対話においても同様で、相手が大事にしているキーワードを学ぶことで他者への寄り添い方を見直すことができ、コミュニケーションがスムーズになるはずです。
奥本:本当におっしゃる通りだと思います。初対面のシーンで、自分と相手の間に重なる部分があると、そこから共通項が見えてきて、信頼構築や発展した話につながっていくことが多いですよね。ビジネスシーンでも同じです。
宮田:AIのサポートによって人と人がブリッジできるようになってきているのが、テクノロジーの素晴らしい点ですね。
AIは「私を映し出す鏡」。ウェルビーイングの追及は、人と人とのつながりの中で見出されるプロセス
奥本:近年のAIの著しい成長によって、テクノロジーの更なる加速を感じています。
宮田:「AIに何を期待するのか」というのも、ひとつの論点ですよね。たとえば「ChatGPT」は、集合知を集めること以上に、それぞれのユーザーの個性を持っていることが素晴らしい点なんです。私は、ChatGPTのヘビーユーザーなのでクールタイムを待たなくても良いように複数のアカウントで使い分けているのですが、同じ質問をしても全く違う答えが返ってくるんですよ。
生成AIに「好きな色は何色ですか?」と尋ねると、好きな色ではなくて、私がよく尋ねる質問や生成している画像データの傾向から勘案し、私がたくさん使ってる色を答えます。膨大にたまったログの中から、その人の思考を分析してくれるんです。
つまり自分のウェルビーイングをミラーリングしたような存在が、もうすでに生成AIの中にログとして蓄積していることになります。対話を通じて、自分自身すら気づかなかったウェルビーイングの手がかりを、すでに生成AIは持っているということなんですよ。
奥本:その通りだと思います! 人には何も努力しなくてもできる「Zone of Genius(天才のゾーン)」というものがあるのですが、本人はそれが得意分野だと認識できていないことが少なくありません。そういう方がAIを活用することで、自身の思考回路や行動パターンを学び、ウェルビーイングをミラーリングしてもらうことができたら、自分らしい働き方に出会えるかもしれませんね。
宮田:消費的思考とは違い、主体性が引き出されるものですよね。AIによって知識を習得して課題を整理する能力などが代替されていく一方で、問いの立て方のようなものは個人の癖が出てくるので、そのスタイルが個人の能力であり個性になってきます。これらは人材能力の発見や開発分野でも非常に使えそうですよね。
奥本:そうですね。よくAIによって人の仕事がどんどん取られていくんじゃないかといわれていますが、問いの立て方など多様なデータの中から何を引き出すのかという点は、まだまだ人間の知識や直感力が重要なんじゃないかという気はしますね。
宮田:産業革命の頃には、多くの人たちが人間の仕事は無くなると思い込んでいました。それは正しくもあり、間違ってもいました。何が正しいのかというと、その当時仕事だとされていたことは確かにほぼ無くなりましたが、機械の登場により大量消費・大量生産のメカニズムが生まれ、代替されたことで、これまでになかった価値が生まれ新しいビジネスが生まれたんですよ。
AIの登場により、これまで私達が仕事だと思っていたものは無くなるかもしれませんが、AIのおかげで新しい仕事が生まれていくことでしょう。これは私の仮説ですが、人を幸せにするような新しい価値をつくるというのが、今後すごく重要になっていくのではないかと感じています。
奥本:この仕事を始めてから「人の幸せとは何か」を考えることが増えました。ハーバードビジネススクールで人気なのが、アーサー・C・ブルックス教授の「Happiness」をテーマにした講義なんです。そこでは「Happinessというのは、目的地ではなく、方向性である」、つまり、昨日よりも今日が少しHappierであることが大切だとおっしゃっています。苦しい状況があったとしても、その苦しさがあるから、人はより小さな幸せでも感謝することが出来るようになるのです。
私は苦しいことがあっても、その揺らぎみたいなものをバランス良く保つことができ、自分のコアとなる価値観に戻って来れることが、今後とても大事になってくると思っています。「Doing(やり方)」ではなく「Being(あり方)」を大事にできるのが、ウェルビーイングなのかもしれません。
宮田:非常に重要なポイントをありがとうございます。まさに私が「Better Co-Being」を謳っている理由と同じですね。私がBetter Co-Beingを目指している理由は、デジタル革命と一連の流れの本質のなかで、「人と人」「人と社会」が互いにつながり合うことが必要だからです。やはり“共に生きる”という感覚はすごく大事だろうと感じています。一人ひとりの「Being」がつながって、未来をつくっていくのです。
たとえば、もし明日亡くなるとしても、果たして希望を持って今の瞬間を生きていけるのでしょうか。そう考えた時に、上部の「Doing」だけで折り合いつけることは、非常に難しいですよね。なので「Co-Being」を考えることが大事なのです。共に未来を歩んでいくためにはどう生きていくべきかを考えることで、お互いのウェルビーイングを実現し合う社会になっていくはずです。
奥本:とても共感します。先日、東日本大震災の伝承館「南三陸311メモリアル」を訪れた際に、「あのときのあの人に“ありがとう”を伝えたい」という企画展に出会いました。震災中に伝えられなかった感謝の気持ちを述べた作文がたくさん掲示されていたのですが、一つひとつ読み進めていくうちに「人間にはどんなに苦しい中でも光を見出す力があるんだ……!」と涙が止まらなくなりました。光を見出す力は自分一人でもたらされることもありますが、宮田先生がおっしゃったように、その多くは人と人との関係性の中から生まれていくものなのでしょうね。
宮田:ここ数年の震災関連の取り組みは「命のともしびを消さない支援」というよりも、奥本さんのお話のような「希望を見出す支援」に近いですよね。つまり、どんな生きがいを持って生きていくべきかを考えるほうが有効だということです。これは、今後の「Beyond SDGs」を考える上でもとても重要な概念になるのではないかと思います。
ウェルビーイングと茶道は近い? 戦国時代に生まれた日本独特の美学「侘び寂び文化」
奥本:宮田先生は教育現場や都市構想にも精通されていらっしゃいますが、「Better Co-Being」を実現する上で、どのような社会や街のあり方が必要になってくると思いますか?
宮田:現在、岐阜県飛騨市を拠点にしながら、複数の地域と連携する大学をつくるプロジェクトを進めています。これまで行政支援はステークホルダーごとにおこなわれており、それぞれ個々のビジネスを通じて地域課題解消に取り組んでいました。しかし、私たちは地域の多様な世代や価値観をもったステークホルダーをつなげながら、持続可能な未来と、一人ひとりの新しい豊かさをつくるエコシステム構築にチャレンジしていこうと思っています。つまり、彼らが共になって前向きに未来に向かっていくためのBetter Co-Beingな取り組みをおこなう予定です。
デジタル革命によりグレート・リセットされている今、これまではデジタルをマネーゲームにどう活用するかが注目されていました。しかし今後デジタル革命の本番になっていくと、既存のエコシステムだけに留まらず、新しい価値を創造できるかどうかが非常に重要になっていきます。つまり「人々をより豊かにできたのか」というポイントがビジネスになっていくはずです。これからはリーディングカンパニーの条件も、「次の豊かさ」をつくれるかがポイントになってくるのではないかと予想しています。時代は変わりつつありますね。
奥本:まさに、Z世代以降の方々の働き方の価値観にも変化が現れていますよね。「世界経済フォーラム」のセッションで、若者の過半数が会社に求めるものを「ウェルビーイング」だと答えたという話を拝見しました。かつては出世してたくさんのお給料をもらうことが価値基準だった上の世代を考えると、変化の波を感じざるを得ません。
宮田:昔は会社をすぐ辞める社員は優秀ではないとされていましたが、今は優秀な人ほど「この会社はつまらないな」と思ったら辞めてしまいますよね。少子化問題が逆に社会をドライブする要因になっていて、現在人材は売り手市場にあります。そうなると、若者たちの考え方をキャッチできない企業には人材が集まらなくなり、会社の未来が無くなります。なので今、人事や経営陣は若者の価値観を一生懸命取り込んでいこうと動いているわけです。そういった点からもウェルビーイングを改めて考えることは重要ですね。
奥本:日本企業は、まず多様性を認めるところからスタートしたいですね。
宮田:本来はレギュレーションの中でどう個性を表現するのかがドレスコードだったと思いますが、逆に「いかに出る杭を打つのか」に重きを置き、単一化されてしまいました。右向け右の時代は良かったかもしれませんが、社会全体が大きく変容し、多様性の中に新しいイノベーションを考えていく時代においては合理的ではなくなっています。
奥本:お話を聞いていて、ファンドを立ち上げた背景に重なるなと感じました。私が海外に渡った約30年前は「ジャパン・アズ・ナンバーワン」の時代でしたが、徐々にアメリカ企業に淘汰され、現在は「失われた30年」と呼ばれる時代になっていきました。私は投資活動を通じて、ウェルビーイングテクノロジーで日本を元気にして、みんなが幸せで健康に生きてる社会をつくっていきたいと思っています。
そういった意味でも宮田先生が手がけられている大阪・関西万博も、ウェルビーイングの文脈が強いのでとても楽しみにしています。
宮田:ありがとうございます。アーティストとのコラボレーションや建築体験を通じて、「Better Co -Being」を感じてもらえるといいなと思い設計をしています。たとえば、これまでの建築における壁は権威を保持したり公私を分断したりする役割でしたが、そういうセキュリティ的な部分はテクノロジーによっても体現されてきたので、“広がりながら、つながっていく”未来的な空間デザインを模索しました。なので、今回は壁も天井もない概念だけの建築になっています。
奥本:茶道の話に通じるものを感じました。じつはシリコンバレーで茶道を習っているのですが、通う前まで亭主とお客様の関係性は「おもてなしする」「おもてなしされる」という対の構造になっていると思っていたんです。ですが、空間の中に入ってみると「一緒に場をつくる」関係なのだと思い直しました。お茶室にいると、立場によって関係が左右されるのではなく、共にその場をより良くしようとするスピリットコラボレーションのようなものをすごく感じるんです。きっと、今に始まった事ではなく日本古来から共創の文化は築かれていたのでしょうね。
宮田:価値観が異なる武将たちが争う殺伐とした戦国時代に大成させた「侘び茶」の文化は本当に素晴らしいですよね。建築空間を考える上で、茶の湯をつくる方ともディスカッションしているのですが、侘び茶の概念はこれ以上ないひとつの完成形だと思います。
万博の建築空間でやりたいことは、先ほども伝えた通り“広がりながら、つながっていく”ことなんです。世界そのものである環境や他者と共鳴しながら響き合う、茶の湯みたいなものが必要なのではないかと考え、作品に想いを込めました。
奥本:アメリカの大企業の方々から聞いたのですが、ヨーロッパは商業進出しやすい一方で、日本展開は憧れるものの少し身構えてしまう傾向にあるようです。なのでビジネスシーンでも、侘び茶文化に倣って日本から広がりを持ってつながりを伝えていけるようになると良いですよね。
宮田:そうですね。1970年の大阪万博を思い出すと、あの頃は高度経済成長期の真っ只中で、日本は必死に世界に追いつこうとしていましたが、その世界自体がどこに向かってるかが見出せていませんでした。どこに向かうかを今一度フラットに考えるという意味では、これまでと違うグローバリゼーションは、人がつながっていくための絶好の機会になるんじゃないかと思います。
奥本:本当にその通りだと思います。今後もテクノロジーを通じて、健康とこころの豊かさを大切にするウェルビーイングな社会を実現し、みなさんと手を携えながら未来の世代に受け継ぐことのできる社会を共創していければと思います。
宮田:これからぜひ何かご一緒できたらいいですね。本日は貴重なお話をありがとうございました。
奥本:今日は憧れの宮田先生とお話させていただけて嬉しかったです。ありがとうございました!
ボストン⼤学⼤学院修⼠課程修了後、シリコンバレーに拠点を移し、米国Yahoo!本社にてジョイント・ベンチャー担当バイスプレジデントを務める。その後、2017年に独立し「Amber Bridge Partners」を創業。2021年にはウェルビーイング・テクノロジーに特化したVCファンド「NIREMIA Collective」を共同創業。ウェルビーイング推進のために幅広く活動している。
https://www.niremia.vc/