「セルフメンテナンスが、自分の可能性を広げる」という力強いコンセプトを掲げる「IMPHY」。常に自分軸を持ち、出る杭と言われても決して折れることのない代表・森平さんの強さの裏側とは……。
学生時代の挫折や、苦手を克服した経験から、今の仕事や生き方につながるヒントを深掘り。
自己管理は、健康だけでなく、自分の人生をも作り上げるもの。一度きりの人生を悔いなく幸せに生きるための、自己管理の重要性を森平さんに伺った。

森平 茂生さん
「人は、みんな弱い」。健康ブランドの代表が語る「易き」に流れない理由

──まずは、森平さんの仕事の流儀について教えてください。「易きに流れず、正しきを追え」という言葉を大切にされていると伺いましたが、そう考えるようになったきっかけはあるのでしょうか?
森平さん:特別なきっかけがあるわけじゃないんです。ただ、自分の経験や周りを見ていても、やっぱり人間ってみんなそう強くはないと感じていて。
──強いというよりも、むしろ「弱い」存在であると。
森平さん:人は、つい楽な方に流されてしまいがちです。時間をかけない、手間をかけない、自分の技術や知識を使わない。そうすると、よい結果は出ていないのに、「一応、仕事はやった」という顔になるんですよ。
──確かに!少し耳が痛いです……。
森平さん:働く以上、社会人はみんなプロであり、結果を出さなくてはいけない。たとえ困難であっても、「自分は何を大事にしているのか?」と自分自身の在り方をそのままビジネスに反映することを大切にしています。
自信は、自分に「思い込ませる」もの

──自分を表現する、その強さはどこから来ているのでしょうか?
森平さん:昔から周りにも「どこからそんな自信が出てくるんですか?」とよく言われてきました。でも、先ほども言ったように、自分も一人の人間、みんなと同じように弱いんです。
──え、また「弱い」!?
森平さん:そう、弱い。ただ、その中でも「こうありたい」という想いを持っているんです。普段私が書(しょ)にしている言葉は、そのような想いを自分自身に言い聞かせるつもりで書いています。
同時に、自分の息子や社員にも同じ想いを持っていてほしい。その気持ちや思い込みの強さが、自信として表れているのかもしれませんね。
「出る杭」として堂々と物申す!

──独立や新しい挑戦をするとき、判断の軸にしていることはありますか?
森平さん:「自分らしくいる」という原点に戻るようにしています。
やりたいことを心地よく進められて、自分の良さを引き出してくれるような組織に恵まれたら理想的ですが、実際にはなかなか難しい。私の場合は、その環境を自分で作り上げるしかないと思い、独立しました。
──自分らしくいるあまり、日本では「出る杭は打たれる」と言われることもありますよね。
森平さん:そのとおり。だから私、ずっと「出る杭」なんですよ。はっきりズバズバと言うタイプなので、最初に入った会社でもずっと打たれていました。とくに日本の社会ではそのような風潮がありますよね。
──言いたいことを言う、怖さはないんですか?
森平さん:会社で「出る杭」でいると、トラブルを抱えるリスクもありますが、どうしても自分に嘘をつくのが嫌なんです。
間違っていると思ったら言う。自分らしくいる姿勢を大切にしたいと思っています。
──「あのときはっきり言ったな」と思い出すエピソードはありますか?
森平さん:前職でのできごとですが、世界中の幹部が集まるカンファレンスで、マーケティングの本部が「新しくアパレルを始める」とTシャツを披露したことがありました。
そこで、「ナンセンスだと思います」と発言したことがありますね。
──世界中の幹部が集まる場で!?それは勇気がいりますね。
森平さん:それが、周りからは「よく言った!」と言われたんです。みんなもなんとなく思っていたんでしょうね。
ただ、やはり発言には影響力がともないます。人に文句を言う分、実績を見せて初めて信頼を得られますし、自分の発言には責任感と重みがあるということを常に意識しています。
悔いのない人生のための自己管理

──そんな森平さんでも、「もし昔に戻れたら」と思うことはありますか?
森平さん:もちろん、後悔の連続ですよ。自分がパフォーマンスを出しきれない、目標としていたところまで行けない、その連続。でもその経験が、「ゴールまで行きたい」と思えるために必要なんです。100%できていないからこそ、そこを目指したい。そのための自己管理なんです。
──具体的にはどういった後悔がありましたか?
森平さん:とくに、学生時代のスポーツでは後悔が多いですね。水球をやっていたのですが、毎シーズン肩関節を痛めてしまい、パフォーマンスを出しきれませんでした。
今度は、肩を強化するトレーニングをすると可動域が狭くなってしまったり。そして、思ったようなパフォーマンスが発揮できない……。それを繰り返していました。
──身体のコンディションが、プレーに直結していたんですね。
森平さん:そうなんです。当時から、ちゃんと自己管理やコンディショニングをやっていれば、「もっと効率良くできたのに」「もっと高く飛べたのに」と思うことはあります。
──もし、学生時代に戻れたら、どうしたいですか?
森平さん:自己管理を徹底して、全日本のメンバーとして活躍してみたいですし、海外の学校に行ってチームを作ったりしたいですね。あとは、オリンピック選手になれたら最高ですよね。
──学生時代の後悔が、現在のブランドに対する想いやセルフメンテナンスという発想の源にもつながっていたりしますか?
森平さん:そうですね。その悔しさが、今の仕事や生き方につながっていると思います。
オリンピック選手にリリースの仕方を伝えて、次の日「パフォーマンスが上がりました」と言われると、ものすごく嬉しいですし、自分は日本代表にはなれなかったけれど、現在の立場を通じて選手のお手伝いができることに、幸せを感じています。
自己管理が、100%の自分を引き出す

──現在、ご自身の自己管理として、2ヵ月に一度の血液検査を続けていると伺いました。かなりストイックに健康管理をされているんですね!
森平さん:自分ではストイックにやっているつもりは全然ないんですよ。健康には興味があるので、ストレスなく、むしろ「ふつうのこと」として捉えています。
それに、健康に関わる商品を扱う会社として、自分自身が健康で説得力のある存在でいたいという想いがあるので。
──自分自身が、健康の見本であり実験台のような。
森平さん:自分の身体がどう変化するかを研究すると、人にアドバイスできたり、すぐに答えが出なくてもヒントになったり。継続することで、いろいろとつながってくることがあると感じています。
スピーチが、自分を変えるきっかけとなった

──森平さんは人前で話すのがお上手な印象ですが、もともと得意だったのですか?
森平さん:いえ、もともとスピーチは苦手で、自分の想いを人にうまく伝えられないことに歯痒さを感じていましたね。
──意外です。どうやって克服したのでしょう?
森平さん:とにかく場数を踏むしかないなと、積極的にスピーチの練習をしました。練習しようと決めてからは、毎月2〜3回、北海道から沖縄まで、100名ほどの社長の前でスピーチをして、とにかく話し続けました。
また、自分が気に入った外国人のスピーチを何回も見て、言語は違っても人に訴えるのが上手い人について研究しました。
──「やる」と決意してからの行動力が素晴らしいです!続けているうちに、「できない」が「できる」に変わっていったのですね。
森平さん:自分の人生でギャップを作ることが、おもしろいんですよ。たとえば、年収300万円の人が年収400万円になった話より、元ホームレスだった人が億万長者になった話のほうが聞きたいですよね?
スピーチの経験を通して、できなかったことを克服することが「人生をよりおもしろく、感動的なものにしてくれる」と思いました。
まずは自分を見つめる

──社内において、社員の方々との接し方で意識されていることはありますか?
森平さん:正直、昔は厳しさで引っ張っていたこともありましたが、今は考え方が変わりました。
──どのように変わったのでしょう?
森平さん:たとえば、「この人はもっとできるはずだ」と思っている社員ができていないときがあるとします。知識も技術も持っているはずなのに、できていない。
そこで、ただその社員をしかるのではなく、社員のパフォーマンスを引き出せなかった自分に原因があるのではないかと、まずは自分を見つめるようになりました。
──矢印を、相手ではなく自分に向けるようになったんですね。
森平さん:考え方を変えた今は、怒りを感じたらまずは3秒立ち止まり、「自分の教育が足りなかった」と考え直すようにしています。
そして、時間を置きよく考えたうえで、社会人のマナーとして注意すべきところはしっかり伝えています。
授かった心と身体を、悔いなく使い切る

──最後に、会社やブランドを通して、森平さんが一番伝えたいことは何でしょうか?
森平さん:「健康も人生も、自分で作り上げるもの」というメッセージに尽きるのではないかと思います。
──健康も人生も自分次第だなんて、とても印象的な言葉ですね。
森平さん:健康じゃなかったら、仕事も続けられないし、家族も養えませんよね。だからこそ、日頃からの自己管理がすごく大事なんです。一方で、日頃から自己管理を意識できている人は、決して多くないのが現状です。
ほとんどの人は、体調が悪くなってから病院に行きますよね。でも、そのころには症状が進んでしまっていることも少なくありません。
ちなみに、スポーツクラブにちゃんと通っている人って、何%くらいだと思いますか?
──うーん……。1割くらいですか?
森平さん:私の記憶では、ほんの数%、100人に数人くらいなんですよ。さらにその中で、運動の前後に真剣にストレッチをしている人が何人いるかというと、ほとんどできていないのが現状ですよね。
せっかくジムで運動しているのに、ストレッチをせずに身体が硬いままだと、痛めやすいんですよ。そうすると、それまで積み上げてきたものが、無駄になってしまう……。
──だからこそ、自己管理の重要性を伝えたいんですね。
森平さん:運動だけでなく仕事も同じで、自己管理は「自分のパフォーマンスを100%出しきる」ために必要なことです。
さらに、普段の生活の全部が自己管理につながっていると言っても、言い過ぎではないと思います。
神様から授かった「心と身体」

──自己管理は、単なる健康法ではなく生き方そのもの。森平さんはブランドを作っているようで、人生を作っているように感じてきました。
森平さん:実は、子どものころから「死」が怖いんですよね。世の中から存在がなくなる、ゼロになるという恐怖。
それと同時に、今こうして授かった身体で生きていることの奇跡を強く感じる。だからこそ、「精一杯生きないともったいない!」という想いが、根底にあります。
──死に向き合っているからこそ、生にも真剣に向き合えているんですね。
森平さん:死ぬ寸前に、自分の人生を振り返ったとき、「精一杯やれたな」と思えたら満足じゃないですか。日々を無駄に過ごすよりも、小さくても結果を出した方が幸せに生きられる。
ブランドを通じてお客様に提供したいことも同じです。自己管理を通じて、心身のパフォーマンスと生活の質を上げ、幸せな人生を送っていただきたいと考えています。
メンテナンスで自分を強くする

──年齢を重ねると、やはりできることはだんだんと減っていきますよね。
森平さん:人は、年齢を重ねるにつれて経験は増えていく一方、身体は衰えていきます。だからこそ、自分に対してどれだけメンテナンスできているかが重要で、きちんと自己管理ができていれば、できることも増えていくはずですよ。
──年齢を理由に諦める必要はないということですね。
森平さん:子どものころ、60歳はおじいさんというイメージがありませんでしたか。でも、ある人に言われた「60歳は生まれたて。61歳は1歳と変わらない」という言葉でその概念がまったく変わったんです。
「今まで積み上げてきたものを発揮するのはここから!」と、元気をもらいました。
──ここからも、準備万端に迎えられるための自己管理だと。
森平さん:身体のメンテナンスや自己管理は、年齢を重ねても、社会の中で活躍できる自分を作ること。
私たちのブランドを通じて、誰もが健康寿命を延ばし幸せな人生を送る、そんなWell-beingな社会を作っていきたいと思っています。
【ジュートブランド 6つの資質】
| 革新的である事 |
今まで無かった差別化のできる革新的な要素を必ず持たせます。
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| 品質が良い事 |
お客様が満足する品質を追求します。
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| ストーリー |
スペックではなく、お客様の心を打つストーリーを大事にします。
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| 魅了する商品 |
「ただ使える」だけでなく魅了されるデザインや機能を持たせます。
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| 夢のある商品に育てる |
消費者、販売店、社員などすべての関わる人たちが夢を抱ける商品に育てます。
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| 顧客深層心理志向 |
存在しなかった商品を表現することは難しいですが、深層心理の中に「これがあったら良かったと思われるような商品を開拓・開発してきます。
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Wellulu編集後記
「悔いのない人生を生きたい」──人間として生きている以上、誰もが持つ強い目標であり、想いではないでしょうか。それに必要なのは、何よりも「健康な身体」であり、そのための「自己管理(セルフメンテナンス)」であると。
自分の身体も人生も、一度きりの自分だけのものだからこそ、自己管理をしっかりして、毎日のパフォーマンスを上げて幸せな人生を作ってほしい。今回の取材で森平さんの力強いメッセージを受け止め、セルフメンテナンスには、スポーツだけでなく人生をも変える力があるということを改めて感じました。
株式会社ジュート代表取締役
市場への導入と、自社商品の企画・開発を手がけるブランドプロデューサー、プロダクト開発者。
成城大学経済学部を卒業後、コンピューター周辺機器会社を経て、株式会社モリダイラ楽器に入社。
営業、商品企画、輸出入業務に携わり、海外ブランドの開拓やマーケティング、ブランディングの経験を積む。その後、モーリス楽器製造株式会社の社長に就任し、モーリスギターの新シリーズを立ち上げ、ブランドの再構築に取り組んだ。
2005年に株式会社ジュートを設立。同年、仕事で訪れたハワイでクロックスと出会い、その商品力と可能性に着目。日本支社であるcrocs asia pte. Ltd.の設立に携わり、日本代表として、日本ではほとんど知られていなかったクロックスの市場をゼロから開拓した。販売網の構築、ブランド戦略、マーケティング、PRを主導し、立ち上げから約3年で年商100億円規模の事業へと成長させた。
クロックス退社後は、国内外の優れた商品を発掘し、日本市場に適した形で育てる事業を展開。海外ブランドの単なる輸入販売にとどまらず、商品の価値を日本の消費者に伝えるための市場づくり、販売戦略、ブランディングを一貫して行っている。
自身が長年、腰痛や肩こりに悩んだ経験から、「自分自身が本当に使いたいと思えるものをつくる」という考えのもと、2015年にセルフケアブランド「IMPHY」を立ち上げた。既存商品の改良ではなく、身体の悩みや使う人の動きを深く観察し、これまで市場になかった機能や構造を形にすることを商品開発の軸としている。
IMPHYの商品は国内外で多数の特許を取得し、一般ユーザーに加えて、トップアスリートやプロダンサーにも愛用されている。東京オリンピックでは約70名の選手が日常のコンディショニングに使用し、その使用選手から5個の金メダルが生まれた。Kバレエ、新国立劇場バレエ団、海外のプロダンサーなどにも採用されている。
また、脱ぐ、履く、締める、調整するという一連の動作をハンズフリーで行えるシューズブランド「upalee」の輸入代理店として、日本市場での販売とブランド展開を手がけている。履きやすさだけでなく、足に合わせて締まり具合を調整できる独自性に着目し、年齢や身体の状態にかかわらず、より快適に行動できる靴として普及に取り組んでいる。
商品やブランドを選ぶ基準は、世の中にまだ十分知られておらず、使った瞬間に価値が伝わること。森平茂生が一貫して目指しているのは、「今まで無かったけど、すごくいいね」と感じてもらえる商品を生み出し、または発掘し、新しい市場とともに世の中へ広めることである。