CWO(チーフ・ウェルビーイング・オフィサー)である小林正忠さんの元、ウェルビーイングな組織づくりに取り組む楽天グループ株式会社。社員のヘルスケア・メンタルケアから、社員同士のオープンなコミュニケーションの活性化、地域・社会でのウェルビーイングの実現まで、様々な取り組みが実施されている。
今回は楽天社員の皆さんに、Wellulu編集部の堂上研と左達也が話を伺った。
堂上 研さん
Wellulu編集部プロデューサー
左 達也さん
Wellulu編集部プロデューサー
福岡市生まれ。九州大学経済学部卒業後、博報堂に入社。デジタル・データ専門ユニットで、全社のデジタル・データシフトを推進後、生活総研では生活者発想を広く社会に役立てる教育プログラム開発に従事。ミライの事業室では、スタートアップと協業・連携を推進するHakuhodo Alliance OneやWell-beingテーマでのビジネスを推進。Wellulu立ち上げに伴い編集部プロデューサーに就任。毎朝の筋トレとランニングで体脂肪率8〜10%の維持が自身のウェルビーイングの素。
楽天本社にある本格的なフィットネスジムに潜入!
楽天社員の健康をサポートしてくれるのが、本社「楽天クリムゾンハウス」にあるフィットネスジム。二子玉川の自然豊かな景色を眺めながら、外国人社員も満足する本格的なトレーニングマシーンでトレーニングが行える。
平日にアルバイトを含めた全ての楽天関係者が利用でき、プランによってはレンタルウェアの貸し出しも。ジャグジーやサウナ、アメニティまで取り揃えられているため、仕事が終わった後に汗を流し、シャワーを浴び、サウナに入って帰宅するのがルーティンの社員も多いという。
月曜日から木曜日は、昼と夜に全米公認アスレティックトレーナーの資格も持つウェルネス部の下竹純(ニコル)さんによるプログラムを開催。昼は私服で参加できるヨガなど穏やかなプログラム、夜はサーキット形式の筋トレに特化したプログラムを実施しており、週に1回通う社員もいれば、毎日通う社員もいる。
取材日の昼にはリラックスできる香りと暗がりの中で行うヨガプログラムが実施されており、20名ほどの社員が集まっていた。プログラムは英語と日本語のミックスで、多国籍な社員たちが参加。朝会でもストレッチを担当するニコルさんのファンも多い。
楽天ではフィットネスだけでなく、美容院やネイルサロン、マッサージ施設も併設。多くの社員でひしめき合うカフェテリアでは、多国籍な社員に対応するためハラル料理やベジタリアン向けの料理も提供する。カフェテリアは朝昼夜営業しており、基本的には無料で提供されるから驚きだ。企業がいかに健康・食の観点からもウェルビーイングに注力しているかが見て取れた。
楽天社員のウェルビーイングの根幹を支える、ウェルネス部の活動とは?
下竹 純(ニコル)さん
楽天グループ株式会社 ウェルネス部
全米公認アスレティックトレーナー。フィットネスジム内のプログラム開発や朝会でのストレッチの開発・実施を担当。
ユセフィアン アドーラさん
楽天グループ株式会社 ウェルネス部
ウェルネス部でのサーベイ実施やメンタルヘルスにまつわる施策の実施を担当。
堂上:ニコルさんはアスレティックトレーナーの資格を持ち、アメリカで活躍されていらっしゃったと伺いました。なぜ楽天に社員として入社するに至ったのでしょうか?
ニコル:アメリカのカリフォルニアで生まれ育ち、大学院に通いながらサンフランシスコ州立大学のサッカーチームとソフトボールチームのアスレティックトレーナーをしていて、選手の毎日の活動のチェックやマッサージ、怪我をした後のリハビリのサポートなどを行っていました。その後、ジムのトレーナーの仕事もやっているうちに楽天から声がかかって、ジムでプログラムを行うようになりました。
堂上:朝会では、三木谷さんを含めた楽天の全社員にストレッチをレクチャーされているんですよね。
ニコル:はい。1分半くらい、体を動かすストレッチを行ってもらっています。目の前には社長の三木谷もいますよ。
堂上:ウェルネス部では、ほかにも睡眠改善やメンタルヘルスにも取り組まれているんですよね。
アドーラ:そうです。10月にはメンタルヘルス月間を企画し、エンパシーをテーマに様々なイベントを実施しています。まずは社員の皆さんがどんなことに悩んでいるのか、アンケートを実施し、みんなが共通して悩んでいることに対して臨床心理士さんに回答いただくという企画を行いました。
堂上:アドーラさんも心理学を勉強されていたんですよね。
アドーラ:カナダで心理学を学んだのち、楽天に入社する前は日本で病院のカウンセラーの仕事をしていました。
左:会社でネガティブな感情をオープンにしてはいけないという意識を持っている人も多いのですが、悩みをオープンにするというのも大事ですね。
アドーラ:おっしゃる通りです。メンタル領域において課題なのは、話してはいけないというタブーのような感覚があることです。自分の思うことを安全に話せる環境づくりというのは、私たちが今とても注力していることです。
左:昨年は睡眠をテーマにされていたとのことですが、どのような取り組みが行われ、どのような結果が出たのでしょうか?
アドーラ:睡眠の専門家によるセミナーの実施をはじめ、睡眠計測アプリで睡眠の質や自分のタイプを測り、オンライン上のコミュニティサイトで気軽に専門家に質問ができる場所を用意しました。その結果、500人以上の参加者のうち96%の睡眠の質や時間が改善されています。
堂上:2023年はメンタルヘルスの数値の変化も見ているのでしょうか?
アドーラ:はい。ウェルネス部では、ウェルビーイングに重要だと考えているフィジカル・メンタル・ソーシャル・ファイナンスの分野でサーベイを実施しながら取り組みを進めています。
堂上:ファイナンスも含めているのですね!
アドーラ:そうです。ファイナンスに関する質問に答えるセミナーを積極的に実施しています。
左:楽天はウェルビーイングに関する取り組みに対して、社員も積極的に参加されている様子が伺えます。企画してもなかなか社員が集まらないという企業も多いと思いますが、楽天ではなぜ皆さんポジティブに参加されていると思いますか?
アドーラ:国籍を含め、とてもダイバーシティな組織なので、様々な背景を持つ人たちが高め合うことができているのだと思います。自分らしく生きやすい環境なのではないでしょうか。
ニコル:ジムでは定期的に通いやすいように、単発のプログラムで終わらないことも意識しています。フィジカルに関して関心の高い人は自分からジムに来てくれるのですが、そうではない社員ももちろんいます。そういった方たちにどうアプローチしていくかは今後チャレンジしていきたいです。
(座談会)楽天社員が語る「私のウェルビーイングのつくり方」
栃木 ひかるさん
楽天グループ株式会社 クラウドプラットフォーム統括部
楽天のデータ活用が主領域で、データ活用に関する社内での3ヶ月集中トレーニングを開催。トレーニングを通して全組織横断のコミュニティ形成にも寄与している。
森 紗恵子さん
楽天グループ株式会社 エンプロイー・エンゲージメント部
ダイバーシティ&インクルージョンにフォーカスしたチームに所属。楽天の各サービスのUIUXや接客体験において、ユーザーの多様性に対応したサービスづくりを行う。
吉永 昌弘さん
楽天グループ株式会社 サステナビリティ部
楽天のステークホルダー全てに対する人権の尊重における戦略と実行を担う。サステナブルなバリューチェーンが実現されているかの監査から社内の人権の尊重まで幅広く担当。
堂上:ここからは様々な部署に所属する皆さんに、楽天という組織の中でどのように個人のウェルビーイングを実現しているかを伺っていきたいと思います。まずは、役員も含めて非常に風通しの良い組織だと感じていますが、実際どうなのでしょうか?
森:部内でも気軽なミーティングであるハドルが頻繁に行われたり、研修で知り合った社員とランチに行くといったことが当たり前に行われたりしていて、オープンなコミュニケーションを常に感じます。私は中途入社ですが、自分の部署以外の方とのコミュニケーションも多いです。
吉永:私も中途入社で、楽天に入ってみて役員がとてもフラットなのが新鮮でした。楽天にいると、自分もミーティングの冒頭5分は必ず雑談を入れて仲間を知る機会をつくろうとか、「間」を意識して動けています。
左:他部署の社員とつながるために心がけていることはありますか?
栃木:私はトレーニングを実施する中で、皆さんに偏愛マップを作ってもらっています。個々人が偏愛しているものをマップにしてもらうことで、よりパーソナルな部分を知り合うことができます。
堂上:良いですね。皆さんお忙しいと思うのですが、プライベートな時間や「間」「余白」を確保するためのコツはあるのでしょうか?
森:私は愛犬の散歩をするのが自分のウェルビーイングにつながるので、犬の散歩とジムの時間はスケジュールでブロックしています。
吉永:私もジムや習い事をする時間はあらかじめスケジュールに入れていますね。またミーティングは11時から15時のコアタイムにしか入れないようにしています。
栃木:私も先に予定を入れておいたり、朝と帰りに時間をかけて歩いて帰るようにしたりしています。どんなに忙しくても家まで30〜40分かけて歩いて帰っているので、外の空気を吸えてスッキリするんです。歩いていると新しいお店を見つけて入ってみるとか、発見があって楽しいです。
堂上:皆さん意識的に自分の時間をデザインされているのですね。繁忙期には自分の時間を非優先にしてしまいがちだと思うのですが、その辺りの工夫はありますか?
森:業務の負荷が高まる時期はどうしてもあると思うので、仕事を優先する時期があっても良いと考えています。ただそれが2週間以上続くようであれば自分でアラートをあげるようにしていて、上長と掛け合って業務量の調整をするようにしていますね。また、落ち着いた時に意識的に自分の時間を取るようにしています。
堂上:それも気軽に相談できる組織だということですよね。今後ウェルビーイングな生活を送るために、楽天で取り組んでいきたいことはありますか?
吉永:楽天にはボランティア休暇があって、ボランティアをするための休暇がもらえるんです。年間で最大5日間の特別休暇を取得することができるので、農業のボランティアなどに挑戦してみたいです。
栃木:楽天では毛髪に含まれる生体データからストレスチェックをするイベントもあるので、それらを活用して、もっとストレスをマネジメントしていきたいです。また、ランチタイム中に資産形成やマネーリテラシーを学べる講座もあるので参加していきたいですね。ファイナンシャルとウェルビーイングには大きな関連性があって、お金の知識がないとウェルビーイングになれないことも多いので、そこをしっかり学んでいきたいと思っています。
地域とつながる、楽天のウェルビーイング
川那 賀一さん
楽天グループ株式会社 サステナビリティ部
自治体やNPO・NGO、大学、楽天従業員などの多様なステークホルダーとサステナビリティ領域に関する事業のパートナーシップ連携や共創事業の企画推進を担当。
藤田 さやかさん
楽天グループ株式会社 地域創生事業 共創事業推進部 エバンジェリストグループ
楽天と新潟県長岡市による包括連携協定における次世代育成に携わったのち、長岡市の地域活性化および地域創生事業の推進のため、産学官連携のコーディネーターとして長岡市に出向中。
堂上:楽天では社会のウェルビーイングも掲げており、特に地域に対する取り組みはサステナビリティ部と地域創生事業部が先頭に立って推進しているとお伺いしました。お二人は、なぜこれらの事業に関心を持ったのでしょう?
川那:私はもともと新卒で地方自治体職員として働いていました。たまたまご縁があり自治体職員として民間企業に出向する経験を経て、行政と民間それぞれの言語の違いやスピード感の違いによって生まれる齟齬に課題を感じていました。そこで構造的な仕組みが異なるために生まれる言語・文脈の違いを越えて、多様な関係者同士のコラボレーションを促進できないかと思い、現在はサステナビリティ部で共創事業に携わっています。
藤田:私は三重県伊勢市出身なのですが、観光地以外の商店街に元気がなく、地元の人たちが「何もないから」と話していたのを残念に感じていました。素敵な場所や美味しいものもたくさんあるのに悔しくて。もっと地域で仕事がつくれるのではないかと思い、楽天のミッションに共感しました。
川那:フロントに立って直接地域と接しているのは地域創生事業部ですが、私たちのチームはそのような事業部と密に連携しながらサステナビリティの観点からコミュニケーションを支援しています。
左:地域によってカルチャーが異なり、自治体のトップによっても方針が異なるかと思います。産学官連携を目指していても、実情として難しいことが多いですよね。中長期で求める結果が異なるという課題もあると思います。ステークホルダーとの対話で気をつけていることはありますか?
川那:産学官それぞれでの違いがあるのは、誰が悪いわけではなくそれぞれの構造の仕組みの違いなので、粘り強く対話することが重要だと考えています。お互いが腹を割って、いかに本心で話し合えるか。お互いの違いを理解し、同じ未来を向いて話し合っていけるかが大切だと思います。
左:地域の方にとってはいきなり企業が来ることで「よそ者」感がある方もいると思います。どのように潤滑油的な立ち位置を確立されていくのでしょうか?
藤田:私がまさに試行錯誤しているところです。市役所でノートパソコンを持って歩いていると「IT企業の人が来た」という印象を与えてしまうなど、行ってみて感じる違いも色々とありました。そこで重要だと感じるのはやはりコミュニケーションを重ねるということです。名刺交換しただけでは距離感は縮まりません。例えば、関わる大学の先生が開催するイベントに足を運んで理解を深めようとしたり、懇親会に参加して自分の思いを開示したり。なぜ楽天から長岡市に来たのか、一人ひとりに伝えていくことが大切だと感じています。
堂上:素の自分をオープンにするというのは、地域とのウェルビーイングにとっても重要ですね。藤田さんは長岡市との二拠点生活ですか?
藤田:そうです。なるべく長岡市役所にいる時間を長くするように心がけています。
堂上:その場所に住むというのも重要なように感じます。川那さんは東京から地域と関わっていますが、工夫されていることはありますか?
川那:サステナビリティ部は商材のセールスチームではないので、ビジネスとは一歩引いた視点でコミュニケーションができるため警戒されることは少ないように感じます。またサステナビリティ的な中長期の視点や社会貢献の視点で、関係者の皆さんとお話できるのも良いのかなと感じています。何十年後の未来の話もできるので、行政の方とお話ししても目線が揃いやすいのではないかと思います。ビジネスサイドとの良い潤滑油になれたらと思っています。
堂上:地元の人と外から来た人の中で対立構造が生まれてしまうというのは私も経験があるのですが、価値観を押し付けあってしまったり、お互いを変えようとしてしまったりしたとき、どうしたら良いのでしょうか。
川那:相手を変えるというのは難しいですよね。変えられないものを変えようとするよりも構造やシステムにアプローチするのがポイントだと思います。1対1ではうまくいかなくても、社会には様々なステークホルダーがいるので、社会システムとしてアプローチすることが必要ではないでしょうか。例えば、人の関係性をシンプルにじゃんけんに例えた場合、社会構造として相手がグーでこちらがチョキで、1対1では何を言っても受け入れてもらえなくても、そこにパーの人が加われば意思決定のバランスが変わります。1対1で永遠に戦い続けるのではなく、どの構造にアプローチすれば変化が起きるのか、構造へのアプローチの視点を入れてみると良いと思います。
堂上:素晴らしい考えですね。楽天がウェルビーイングにおいて重視している「三間」の視点から、地域でこれからチャレンジしてみたいことはありますか?
藤田:楽天の良いカルチャーは自治体にもお伝えしていけると良いなと思います。自治体の職員の方々はとても真面目で、決まった時間にしか休憩をしない傾向を感じています。ミーティングの合間に外の空気を吸いに行ったり、ランチの時間を活用して部署を越えたコミュニケーションの機会にしたりということが増えていくと、地域のウェルビーイングに貢献していけるのではないかと思っています。まずは1on1やハドルなどを私が携わっているチームにも取り入れてみたいです。
堂上:楽天で働いていて、役職関係なくフラットに言いやすい環境というのは感じますか?
藤田:感じます。上司と部下という関係だけでなく、斜めや横の関係性、別の部署の方々との交流も多いです。川那さんと飲みに行くことも多いですよね。
川那:はい。サステナビリティに限らず一般の社員も参加できるイベントやサークルがあり、僕自身も色々なコミュニティに属していられるので、何かあった時にも逃げ場があるというのも良いのかもしれません。
堂上:お互いにオープンなコミュニケーションを取り合い、リスペクトされながら働いている様子がとても伝わりました。お二人にとって個人のウェルビーイングな状態はどういう状態ですか?
藤田:私個人のウェルビーイングは、いきいきと仕事ができていることなので、ワクワクしながら仕事ができているかどうかは大切にしています。長岡に出向し、楽天を少し客観的に見られるようになったことで、地域を元気にしたいという創業理念をさらに実感できるようになりました。また地域の課題をより感じたことで、楽天はもっとこんなことができるのではないかと気づき、これまで以上に仕事が楽しくなったんです。楽天の社内でも、東京にいる企業の方々にも、こういった仕事があることを知ってもらえたらと思います。
川那:様々な選択肢が自分で決められる状態、自分ごと化できることが僕のウェルビーイングです。大変なことも自分で選んだなら頑張れますし、納得できます。全部の選択を自分でできるような環境をつくっていきたいですね。そのためには、一人ひとりの視野を広げ続けることに尽きるのかなと思います。自分だけの凝り固まった考えではなく、色々な人の気持ちに寄り添うことで自分ごと化する、その輪が広がっていくことで、自分らしい選択を取れる人が増えていくのではないかと考えています。サステナビリティ部として、そういった広い視野を持てる人をいかに増やしていけるか、様々な人のことを知る機会をつくっていけるかに挑戦していきたいです。
編集後記
今回、企業のウェルビーイング経営の取り組みをお伺いするときに、最初にインタビューさせていただくのは、楽天の小林正忠CWOと決めていた。そもそも、チーフ・ウェルビーイング・オフィサーを設置している企業は日本では3社といわれているそうだ。正忠さんとの対話は、あまりにも楽しくて、脱線しまくりで、予定の時間を大幅に超えた。
取材が終わった後、正忠さんから「お昼、みなさまどうされます?いっしょに行きませんか?」とお声がけいただいた。まだまだ正忠さんのお話を聞きたい僕らは二つ返事でおいしいお昼ご飯をご一緒させていただいた。家族との週末の過ごし方や、社員との時間の過ごし方、すべてがウェルビーイングな行動になっている。
そもそも、正忠さんの人柄が大きいように思うが、社員のみなさんは役員とお話するということでかしこまっている感じもなく、なんでも相談や雑談ができる仲間という感じだった。
そして、僕は午後から楽天の社員のみなさまのお話をお伺いするときに、ひとつだけ意識したことがある。「本当に楽天社員はウェルビーイングか?」と本音を聞き出そうと思ったのだ。それが、ことごとく楽しそうに仕事をされていたのだ。
三間と余白の話を、社員のみなさんが意識をして生活をしている。そのために、あらゆる取り組みを用意している。
三木谷社長に直接、問いをたてる朝会からはじまり、プロのインストラクターを社員にして、フィットネスジムやサウナまで用意された施設、そして、ひとりひとりの働き方を意識した個々人の行動、オフィスに来たくなる空間や食事の無料制度、ダイバーシティを意識した配慮、すべてが思いやりの中で設計されていることが分かった。
楽天を取材させていただき、僕たちの会社でも真似できることはたくさんあると思った。これから、日本の企業にCWOが増えると、よりウェルビーイングな働き方ができる人が増えていくように感じた。
楽天のみなさま、取材楽しかったです。どうもありがとうございました。
堂上研
1999年に博報堂へ入社後、新規事業開発におけるビジネスデザインディレクターや経団連タスクフォース委員、Better Co-Beingプロジェクトファウンダーなどを歴任。2023年、Wellulu立ち上げに伴い編集部プロデューサーに就任。