子どものウェルビーイングを考える

Wellulu 編集部プロデューサー

堂上 研

サッカーの朝練、復活。

今の子どもたちは忙しい。毎日、何かの習い事に行っていると聞く。塾だったり、スポーツだったり、音楽だったり。僕の小学生の息子たちもサッカーを5歳からはじめて、サッカーを楽しんでいる。

コロナ禍、国も学校もパンデミックだ、外出禁止だとなっているときに、学校側(東京都)が判断した行動が「校庭の使用禁止」。今度は、いつ再開するかの議論が行われていた。それが行政によってバラバラだったのもあるし、同じ区内でも、学校によっても判断が違うことになっていた。

誰も正解が分からないし、誰も責任が取れないから、判断基準がなく、校長先生は区に委ねる、と言うし、区は学校に委ねる、と言う。そして、さらには東京都だったり国だったりの判断を待つ、となる。

僕は、子どもたちにとって運動できる環境をつくってあげたいと思って、いろいろな関係者に交渉・相談を進めた。けれども、返ってくる答えは「もしも、なにかあったら誰が責任取るんですか?」というリスク回避の会話ばかり。

ある程度、街に出てOKになったタイミングでも、学校の校庭が使えない状況は続き、ストレスのたまった子どもたちは、近くの公園で遊ぶ。ただ、公園はボールを蹴ってはいけないという理由から、ゲームを持ってきて、みんなでゲームを囲んでいる。この状況は、なんなんだろうか?公園で密になっているのを見て見ぬふりをして、もっと広い学校の校庭が使えない状況。

大人の責任回避で、子どもたちが犠牲になっているのは悲しい。

残念な気持ちと共に、子どもたちにどういう環境を与えるのか、めちゃくちゃ考えた。そこで、ボールを蹴って良い公園まで行き、サッカー仲間といっしょに朝練をすることにした。近くにいるサッカーコーチが企画してくださり、ボールを止める・蹴るの基本を教えていただく機会をいただいた。

サッカーボールを朝蹴ってから、学校に行く生活が日常になった。

今は、僕が近くの公園に行って、子どもたちとサッカーボールをいっしょに蹴っている。僕自身コーチ役になりながら、運動にもなっていて楽しい。昔のチームの仲間たちがいっしょにボールを蹴りに来てくれている。一度辞めていた朝練を復活した。

子どもたちは、楽しいからどんどんやりたくなる。上手になるからどんどん好きになる。褒めるから学ぶ。そして、僕もいっしょにボールを蹴っていて、子どもたちから学ぶことも多くある。

子どもたちにとっては、自分の好きなものを見つけて熱中できる環境をつくってあげたい。そんな環境がウェルビーイングになっていくと思っている。

おみくじでさえも、マインドを変える。

先週、子どものサッカーの試合があったときに、近くの神社で参拝してから向かった。息子がおみくじ引きたいと言ったので、2人でおみくじを引いた。

占いやおみくじって、僕の中では「いいことは信じるし、悪いことは信じない」そんな感じで軽く考えたいと思っている。とはいえ、過去に「凶」とか出るとやはり落ち込んで、もう一回おみくじを引いたりする。

最近、スポーツカウンセラーともお話させていただいた中で、メンタルの持ち方がスポーツなどの結果に大きく影響を与えると聞いた。いかに「ポジティブなメンタル」を持てるかというところで勝負が決まってくるらしい。

おみくじは、2人とも「大吉」だった。これは、今日の試合勝てるね、と言って試合にのぞんだ。結果、見事勝利をした。

朝練の成果が出ているか分からないけれども、人よりも努力できるものを見つけた子どもたちはどんどん成長するのを感じる。

おみくじひとつでも、気持ちをあげたり、気分を変えたりすることができる。おみくじで悪い結果が出たとしても、「注意せよ」ということだね、と話しておけばよいということか?

けれども、やっぱり単純に大吉とかだとうれしい。やる気が出る。

会社で「痩せましたよね?」の言葉かけでより効果を実感

子どもを褒めると成長する、というのは、大人でも当てはまる気がする。自力整体をはじめて1か月と1週間、今の体重は、81.6㎏。

会社で「堂上さん、痩せましたね。」と言っていただく。やはり、見た目も変わってきているのであれば、やはりうれしい。そして、また頑張ろう、という気持ちになる。

「Welluluのブログを観たよ。腰痛がすぐに治って良かったね。お大事に。」と言ってくれる。そんな言葉かけもうれしい。

人はちょっとした周りの人たちの気づかいや思いやりを相手に伝えることで、感謝の気持ちも生まれ、やる気も生まれることを実感できた。

「あれ、髪切りました?」「なんか、今日の服めちゃ格好いいですね。」「今日のプレゼンめちゃ良かったよ。」会社で、このコミュニケーションができているチームは、生産性も業績も上がる気がする。

子どものサッカーチームでも、子どもたちを褒めるコーチのほうが楽しんで強いチームになっていく。先日の森保監督への取材のときも感じた。相手によってコミュニケーションの仕方を変える。それは、ウェルビーイングな人を増やしていくひとつの手がかりになりそうだ。

 

堂上 研 Wellulu 編集部プロデューサー

1999年に博報堂へ入社後、新規事業開発におけるビジネスデザインディレクターや経団連タスクフォース委員、Better Co-Beingプロジェクトファウンダーなどを歴任。2023年、Wellulu立ち上げに伴い編集部プロデューサーに就任。

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