社会のウェルビーイングを創る「楽天」

Wellulu 編集部プロデューサー

堂上 研

Dialogue for Change with Rakutenのコミュニティに参加

週末にある楽天主催のイベントにお誘いをいただいた。今年で3年目になるという「対話」を通して、ウェルビーイングな社会を創っていくプログラムだ。楽天グループと言えば、Welluluで最初に「対話」してお話させていただきたいと思ったのが、楽天CWOの小林正忠さん。そのときにいっしょにお話しさせていただいたKazさんこと川那さんにお誘いいただいた。1年くらい前に楽天のウェルビーイングな取り組みにびっくりすることがWelluluでの企業のウェルビーイングを探求するきっかけになったのである。

正忠さんとは、いくつかのイベントでもご一緒させていただいて、その度にいろいろな視点を提供してくださる。彼の中にある「人を慮る心」が、個人のウェルビーイング、社員のウェルビーイング、社会のウェルビーイングにつながっていくのだろう。そして、その行動が、まわりの行動につながり、どんどん人を巻き込んでいく求心力を持っていく。イノベーションは、ファーストペンギンの後に、フォロワーが生まれたとき拡がっていくと言われるが、まさに「最初のきっかけ」だけ創って、あとはどんどん自発的にいろいろな人が新しいことに挑戦している、そんな感じだった。

Dialogue for Change with Rakutenとは

多様なステークホルダーの皆様と楽天が共に手を取り合い、社会を変革し、未来に向けてポジティブなインパクトを生み出していくための、対話を起点にしたプログラム。この対話を起点に様々なアクションを行っていくことを通じて、未来に向けたビジョンを発信していく。

この「対話」が大事だ。宮田裕章先生とも対話させていただいていると、「対話」の重要性をいつも語ってくださる。僕自身がウェルビーイングを探求しはじめたときに、ウェルビーイング学会のみなさまが、「自分と対話し、他者と対話し、自然と対話する」ことからはじまるという言葉が出たのをよく覚えている。対話は、戦争の対義語でもある、というような話も出たくらいだ。

それであれば、イノベーションを育むためには、対話を通して「変化」を楽しむことができることが重要になる。僕たちは、「変化」を恐れてしまい、保守的になって、今までの既得権益を守ろうとしてしまう防衛本能がある。けれども、ここで挑戦しなければ、未来は変えられない、という気持ちにどう切り替えられるのかも「対話」からしか学べないように感じる。

2022年から自発的にはじまった本プログラム、最初のテーマは、「女性のリーダーシップとエンパワーメント」。翌年は、「多様な幸せを実現するアントレプレナーシップ」。そして、今年が「多様な幸せを実現する地域のレジリエンス」。3つとも、社会課題であり、変革しないといけないテーマである。今回のテーマを長野県といっしょに取り組むことで、様々な地域課題をとらえて、6つのグループが半年かけて対話を重ねながら実行に写していくプログラムとなっている。このチーミングも面白くて、多様なメンバーが参加することでお互いがお互いを知るところから対話は進んでいく。

最初に長野県立大学の東俊之先生の「対話」がどんな可能性を見出すかのお話があった。

 対話は「内省」を促す。
 対話は「現実」を生み出す。
 対話を通じて、「自分」を知り、「現実」をつくることができる。

まさに、自分たちがこういう「対話」を通して、「自分の変化」に気が付き、その先に「自らがプロジェクトの運営側」「コミュニティリーダー」になっていくということだ。この活動自体が、「地域との共創」により、「地域のレジリエンス」をつくっていくことになるのを感じるものだ。

それから、6つのグループの発表が、それぞれ個性に富んでいて楽しかった。そして、そのチームの活動「対話」と「行動」を通して、何よりも最初に「変化」したのは、そこに参加した「自分(私)」であることに気がついているメンバーが多かった。そうなのである。バックグラウンドの違う、価値観の違う人たちとの対話は、他者理解をしようとするだけでなく、「自分との対話」にもつながっていくことが、このプログラムの最高の成果だと思う。

僕が対話に参加したチームは、「好きなことに何度でも挑戦できる場(地域)がたくさんある状態」を未来の地域のレジリエンスを高めるあるべき姿と捉えて、「自分たちの小さな挑戦」をInstagramで発信することに挑戦した。グループの中の何人かが、「発信するって大切だ」と気が付いたと話していた。まさに、僕らはこの発信を通して、様々な可能性を見つけることができるし、ひとりの発信が、ひとりでも多くの人を勇気づけることにつながっているのである。

僕も、さっそく「自分ができる挑戦を内省の中」で決めた。
地域の「ウェルビーイングに働ける会社」をWellulu内で、まずは今年中に100社対話して、紹介(発信)することに挑戦しよう!
このブログを読んでくれている人で、我こそはという企業の方、ぜひご連絡ください。
ken.donoue@ecotone.co.jp 

とにかく楽しかった。あっという間に時間が過ぎた。そして、みんなの熱気で身体が熱くなった。この熱気がどんどん拡がっていくことで、日本にも地域にも可能性の渦を大きくかき混ぜることができると感じられる時間を過ごした。多様な人たちが集まり、「問い」から「問い」が生まれ、そのうちに、どんどんと「新たな挑戦」へと行動していく人たちが増えていく。そんな世界を描いていた。

まさに、僕自身がECOTONEでやりたいことのひとつを既にやっている感じだ。地域の企業のウェルビーイングを高めることができれば、働く人のウェルビーイングも高まる。ウェルビーイングな組織をつくるためには、1:リスペクトある対話 2:オープンに、且つ透明性 3:挑戦できる主体性 が重要だと思っている。ウェルビーイングな地域を増やす活動に、僕もどんどん挑戦していきたい。

楽天のメンバーのみなさま、昨日お話させていただいたみなさま、ぜひいろいろなところで新たな挑戦ご一緒しましょう。どうもありがとうございました。

 

堂上 研 Wellulu 編集部プロデューサー

1999年に博報堂へ入社後、新規事業開発におけるビジネスデザインディレクターや経団連タスクフォース委員、Better Co-Beingプロジェクトファウンダーなどを歴任。2023年、Wellulu立ち上げに伴い編集部プロデューサーに就任。

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