1970→2025の万博

Wellulu 編集部プロデューサー

堂上 研

はじめての太陽の塔

先日、2025の万博テーマ事業プロデューサーの中島さち子さんをWelluluで鼎談させていただいた。教育とウェルビーイングというテーマでWelluluで取材させていただいた斎藤みずほさんにご紹介いただいたのだ。さち子さんのオフィスにお邪魔させていただいたら、映像を観ながらみんな笑っている。パソコンの向こうに写る自分自身が海の中にいるような映像になっているのだ。「まるで、クラゲになったようだ」という話で盛り上がった。

さっそく、鼎談の中で僕はさち子さんに「なぜ、さち子さんのモチーフがクラゲなんですか?」テーマ館のコンセプトが、『いのちの遊び場クラゲ館』なのだ。僕は、もともとさち子さんが「クラゲ好き」だったのでは、と思っていた。ところが、返ってきたクラゲの話は、つい最近の万博でのコンセプト開発の中からでてきたのだ、とのこと。

さらには、話が盛り上がり「1970年の大阪万博のときの太陽の塔って行ったことありますか?」と聴かれて、僕は大阪に18歳まで住んでいたのに一回も行ったことはなかった。これは、僕としては一度訪れたいとは思っていたのだが、なかなか意味を見いだせなかった。「太陽の塔の中に入ったら、クラゲがいたんです。」と言うので、ますます好奇心いっぱいになった。

僕は、大阪に出張をつくり、早めに東京を出て、新大阪に着くと、すぐに万博記念公園駅に向かった。あいにくの雨だが、万博記念公演のゲートをくぐってすぐにそびえ立つ「太陽の塔」の巨大さに感動した。そして、駆け足で中に入ってお目当てのクラゲを探した。(探すほどでもなく、すぐに見つけることができた)高さ41mの「生命の樹」に292体の生物模型がいるのだが、アメーバーからクラゲ、爬虫類から恐竜、猿や人間までが上の階に上がっていくたびに、進化を感じさせてくれる。

故岡本太郎氏は、この時代にどんな未来を感じていたのだろうか? 進化と調和、そして共生をこの頃から感じていたのかもしれない。クラゲが楽しそうにいる。クラゲには脳がないそうだが、そこにいるだけでなんとなく楽しそうだ。今生きている僕に、太陽の塔の中にいるクラゲは「ただそこにいるだけでいいんだよ。」と話しかけてきた。太陽の塔は、僕にもうひとつ話しかけてきた。「未来は自分で創るんだよ。」太陽の塔の腕の部分を中から観ると、永遠に続く「いのち」があるように思い、そして、片方にある階段を自分の意志で登るか登らないかは、自分で決めたらいいんだよ。と話しかけてきた。

さち子さんがきっかけをつくってくださって念願の太陽の塔を観ることができた。そして、いっしょにやっている1970年の万博の記念館を観にいった。僕は1975年生まれなので、70年の万博はまだ生まれていなかった。けれども、何かどこかで出会ったことがあるような風景と懐かしさを感じつつ、タイムスリップした気分だった。展示されている写真や映像を観ていて、半世紀でこんなに変わるのか、とあらためて実感した。1970年に、今の状況を誰が創造できただろうか? 当時のコンセプトは「人類の進歩と調和」

次の50年で言うと、2075年。僕が生きていたら、99歳。案外、生きていそうな気もする。どんな未来が待っているのだろうか?「いのち輝く未来社会のデザイン」をコンセプトに未来社会を自らの手で共創する。僕は、万博はウェルビーイングの祭典だと思った。

2025年を皮切りに、たくさんの遊び場でクラゲのように浮遊しよう。そして、そのたくさんの遊び場をWelluluがつくっていけたらいいな、と思う。太陽の塔からたくさんのパワーをいただいた。

 

 

堂上 研 Wellulu 編集部プロデューサー

1999年に博報堂へ入社後、新規事業開発におけるビジネスデザインディレクターや経団連タスクフォース委員、Better Co-Beingプロジェクトファウンダーなどを歴任。2023年、Wellulu立ち上げに伴い編集部プロデューサーに就任。

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