火の用心。マッチ一本、火事の元。
年末、地域の町会でキッズパトロールがあって、末っ子(小4)が、学校の友達と一緒に参加させていただいた。
昔、僕も小学生の頃、年末の冬の寒い夜中に、拍子木(ひょうしぎ)を持って、「火の用心。マッチ一本、火事の元。」と大きな声で街を練り歩いたのを思い出した。
東京の都会でも同じような催しが開かれていた。さすがに、「マッチ一本、火事の元。」は言っていなかった。
子どもたちは、大きな声で「火の用心!」と言って街を歩いてパトロールした。拍子木を持って、キッズパトロール用の遮光ベストを着させてもらって、子どもたちは楽しそうだ。
東京の街で、近所付き合いが少ない中で、親戚とも違う地域の町会の人たちと触れ合う機会が素晴らしい。
子どもたちが歩いてパトロールしていると、すれ違う街の人が、「がんばってるねぇ。」と声をかけてくれる。こういう交流もなんか良い。
ふと、今どきの子どもたちはマッチの刷り方とか知ってるのか、と思った。僕の息子たちは、キャンプで焚き火をしたりした経験があるので、知っているだろうが、ライターも触ったこともない子どももいるかもしれない。
もうひとつ、昔の経験を思い出した。
僕が小学5か6年生の頃だっただろうか? 僕の母親が、兄のお弁当を朝からつくっていたときに、火事になりかけたのだ。
母は、朝から唐揚げをお弁当に入れようと油で揚げていた。そこで、誰かから電話がかかってきて、キッチンから離れて電話で話しているときに、油に火が引火して、鍋の上で火が燃え上がってしまった。(携帯電話や子機がない固定電話だったから、電話がリビングにあって、キッチンが死角になってしまったのだろう)
火が油に引火して燃えているのを発見した母は、急いで僕と兄を起こしにきた。びっくり飛び起きた僕は、キッチンの火事の現場を見て、兄の部屋のベッドまで行って、布団のシーツをはがした。そして、そのシーツをお風呂の水にジャボンとつけて、そのまま火が出ている鍋の上に被せた。
火は消された。キッチンと家の中は煤(すす)だらけで、口の中から鼻や耳まで一日中真っ黒だった記憶がある。
兄は、同時に消化器を取りに行って消そうと駆けつけたが、僕の消化の方が早かった。実は、学校で、油が引火したときの火の消し方をちょうど教えてもらっていたのだ。僕は習い立ての知識を使って、火を消すことに成功した。
あとから、笑い話になったのだが、「なんであんたは、お兄ちゃんの部屋まで行って、お兄ちゃんのシーツをはがしたんや?」「お兄ちゃんのシーツは背が高い人用の大きいやつやから、高いシーツなんやで。」と言われた。
僕は、咄嗟に自分のシーツは嫌だと思って、兄のシーツにしたのだろうか? 自分の行動の理由を説明しようと思っても理由が分からない。無意識に行動に出たのだが、いやらしい性格だったんだろう、と反省した。
火の用心。
子どもたちが、冬休みに入って、大人がいない間に火を使って自分たちで料理しているときとか、まだ怖いものである。今どきは、勝手にガスが止まってくれたり、火災報知器があるから火事も少なくなったのかとも思うが。。
お弁当ワッパ飯
ということもあり、極力火を使わないでお昼を食べてもらうために、冬休みはお弁当をつくっている。
唐揚げとかの食材も、朝から油で揚げるのではなく、冷凍食品だ。最近の冷凍食品は、本当に美味しいし手軽で助かっている。
ただ、マンネリ化してくるので、飽きないように工夫するのが大変だ。とはいえ、朝ごはんと昼ごはんはほぼ同じおかずになってしまう。
ここ3日間のお弁当
今日か明日で仕事納めの人も多そうだ。年末年始、また新たな目標とともに歩むきっかけにしたい。
堂上 研 Wellulu 編集部プロデューサー