
「血糖値の急上昇を防ぐ」「脂肪燃焼を促進する」などダイエットに嬉しい効果が期待できる「りんご酢」。この記事では、りんご酢のダイエット効果や、りんご酢ダイエットのやり方について紹介。また、りんご酢と純りんご酢の違いや注意点も解説しているので、参考にしてみよう。
この記事の監修者

金丸利恵さん
おうちごはん研究家 管理栄養士
りんご酢ダイエットとは?
りんご酢ダイエットは、りんご酢を日常的に摂取するダイエット方法のこと。りんご酢を水や炭酸水で希釈して飲むのが一般的で、食事と一緒に摂取することで、「血糖値の上昇を抑制」「脂肪燃焼」などの効果が期待できる。
即効性は感じづらいものの、継続しているうちに徐々に「体質改善」「腸内環境の改善」などの効果が期待できる。
ダイエットに嬉しい!りんご酢の効果
ダイエット中に取り入れることが多い「りんご酢」。ここでは、りんご酢のおもな効果を5つ紹介。
- 血糖値の急上昇を抑える
- 新陳代謝が活性化・脂肪燃焼の促進
- むくみの改善
- 満腹感が続き食べ過ぎ防止に
- 消化機能が高まり便秘が改善
血糖値の急上昇を抑える
りんご酢に含まれる酢酸には血糖値の急上昇を抑える働きがある。そのため、食事と一緒にりんご酢を摂取することで、糖質の吸収をゆるやかしてくれる。
また、血糖値の急上昇を抑えることで、インスリンの過剰分泌が防止される。インスリンは脂肪を蓄積するホルモンでもあるため、分泌を抑えることで脂肪の蓄積を抑制することにつながる。
さらに、血糖値が安定することで、空腹感を抑える効果も。結果として、過食を防ぐことになり、余分なエネルギー摂取を抑えることにもつながる。

食物繊維にも血糖値の急上昇を抑える働きがあります。食前に食物繊維が豊富な野菜を酢で漬けたものを食べるのがおすすめです。たとえば「酢キャベツ」「酢たまねぎ」「ピクルス」「海草の酢の物」などがあります。また、食前の酢は胃酸の分泌を促し、消化吸収を助けてくれます。
新陳代謝が活性化・脂肪燃焼の促進
りんご酢に含まれる酢酸が体内で分解される際にエネルギーを消費するため、基礎代謝の向上につながり、新陳代謝が活性化する。また、酢酸には脂肪を分解する酵素の活性化を促す作用もあるため、脂肪燃焼が促進される効果が期待できる。
さらに、酢酸には筋肉でのエネルギー生成を促す効果も。筋肉の代謝が活発になることで、より多くのエネルギーを消費するため、脂肪燃焼がしやすくなる。
運動が苦手な場合は、りんご酢を取り入れながら、「階段を使う頻度や歩数を増やす」など日常的な動きを意識的に増やすという手も。筋トレを取り入れた運動をする場合は、疲労回復に「りんご酢+はちみつ」のドリンクがおすすめ。

運動後にりんご酢を飲むと、疲労回復効果が期待できます。一方、もし脂肪燃焼効果を期待する場合は、運動前の摂取がおすすめです。「プロテイン」や「アミノ酸ドリンク」と同様に好きなタイミング、飲みやすいタイミングで飲む形でも問題ありません。
むくみの改善
りんご酢に含まれる「カリウム」は体内の余分なナトリウムを排出し、水分バランスを整える効果があるため、むくみの改善に効果的。むくみの改善は見た目の体型変化だけでなく、代謝の向上にもつながる。
また、体内の余分な水分が減ることで、細胞の働きが活性化され、脂肪燃焼効率が上がる効果も。さらに、カリウムには血圧を下げる作用があり、ダイエット中の健康管理としても役立つ。

りんご酢を多量に摂取するのは難しいので、カリウムが豊富な食品と組み合わせるのがおすすめです。「バナナ」「いちじく」「キウイ」などをりんご酢と氷砂糖で漬けてフルーツ酢にしたり、砂糖が気になる場合は、「レーズン」「プルーン」などのドライフルーツを酢に漬け込んでヨーグルトに混ぜるなど、間食にもおすすめです。
満腹感が続き食べ過ぎ防止に
りんご酢に含まれる酢酸の作用により、食物の胃内の停滞時間が長くなることで、満腹感が持続する。この効果により間食・過食を抑えることができ、結果として1日の総カロリー摂取量を抑えることにつながる。
また、りんご酢を水で薄めて飲むことで、水分摂取量も自然と増加する。水分補給による一時的な満腹感も加わり、ドカ食いや食べすぎの防止にもなる。

食物繊維と組み合わせてとることで、食物が胃内により長く留まり、さらなる満腹感の持続が期待できます。
消化機能が高まり便秘が改善
りんご酢には消化機能を高める効果もある。酢酸の作用により胃酸の分泌が促進され、食物の消化がより効率的に。
また、りんご酢には腸内環境を整える働きを持つ「食物繊維」も含まれている。腸内環境が整い便秘が改善されると、老廃物の排出が促進され、体重減少や肌質の改善にもつながる。

「食欲増進」「消化吸収能力の低下」「下痢・便秘を繰り返す」などの症状がある場合、十分に胃酸が分泌されていないことが多いです。りんご酢を食前に摂取することで、胃酸の分泌が活発になり、小腸の蠕動運動を促され、正常な腸の動きが期待できます。
リンゴ酢ダイエットのやり方
ダイエット中にりんご酢を取り入れる場合、「どのくらいの量」「どのタイミング」で取り入れるのが効果的なのだろうか。ここでは、リンゴ酢ダイエットのやり方・飲み方のコツを紹介。
- 1日大さじ1杯を目安にする
- 食中・食後のタイミングで取り入れる
1日大さじ1杯を目安にする
りんご酢ダイエットをおこなう際、りんご酢の1日の目安摂取量は大さじ1杯(約15ml)。少ないと感じるかもしれないが、この量で「酢酸」「ポリフェノール」などの成分を十分に摂取でき、ダイエット効果が期待できる。
ただし、原液での摂取は避けて、水や炭酸水で「5〜10倍」に希釈して飲もう。希釈することで酸味が和らぎ、飲みやすくなるだけでなく、胸焼けを防ぐことができる。
飲用のお酢製品は味や飲みやすさが魅力的だが、これらは「砂糖」「果汁」などの糖類を添加することで甘くしており、血糖値を上げる「ブドウ糖果糖液糖」が含まれてることが多い。ダイエットにはむしろ逆効果になってしまうため注意しよう。

お酢の製造過程で、糖類は分解されるため、お酢自体の糖質量はそれほど多くありません。しかし、市販の飲用りんご酢製品は、砂糖や果汁などを添加している場合もあることから、ダイエット時は必ず「無糖」のものを選ぶようにしてください。
また、りんご酢を料理に使いたい場合は、小さじ1杯程度(5ml)を酢の物、炒め物などかけて、1日3食(3回)に分けて使うのもおすすめです。
食中・食後のタイミングで取り入れる
りんご酢を食事と一緒に飲むことで、糖質の吸収をゆるやかにし、血糖値の急上昇を抑制する。食後に飲む場合は、「食事から15〜30分以内」がおすすめ。このタイミングに摂取することで、消化を助けて、脂肪の吸収を抑える効果が期待できる。

りんご酢を飲むタイミングは下記を参考にしてみてください。
- 食欲を抑えたい場合:食中・食後
- 消化吸収能力を高め脂肪の蓄積を抑えたい場合:食前
食中・食後の摂取は、血糖値の上昇をおさえて満腹感の維持が期待できます。また、消化吸収能力が低い場合、代謝に必要な栄養が体内で吸収されず、結果として脂肪が蓄積されやすくなるので、食前の摂取がおすすめです。
「りんご酢」と「純りんご酢」の違い
市販されているりんご酢にはさまざまな種類があるが、大きく分けると「りんご酢」と「純りんご酢」の2種類がある。この2つのおもな違いと、ダイエットにはどちらが向いているのかを解説。
- 製造方法の違い
- 成分・栄養の違い
- ダイエット向きなのは「純りんご酢」
製造方法の違い
- りんご酢:りんご果汁にアルコールを添加することで発酵を促して製造
- 純りんご酢:100%りんご果汁から作られ自然発酵によって製造
純りんご酢は添加物を使用しておらず、りんご本来の栄養成分や風味が自然な形で保たれているという特徴がある。
成分・栄養の違い
【りんご酢】
- 成分:酢酸、添加物 など
- 栄養:純りんご酢と比べると栄養が劣る
【純りんご酢】
- 成分:酢酸、ポリフェノール、ミネラル、ペクチン など
- 栄養:りんご由来の栄養成分を豊富に含む
「純りんご酢」にはりんご本来の香りや風味が残るため飲みやすく、ダイエット中に続けやすいのが魅力。
ダイエット向きなのは「純りんご酢」
ダイエット目的であれば、りんご酢よりも「純りんご酢」がおすすめ。
【純りんご酢に含まれる成分の効果】
- 酵素・ポリフェノール:脂肪燃焼、代謝促進
- ペクチン:腸内環境を整える
上記のことから、「純りんご酢」の方がダイエット効果が高い。さらに、純りんご酢は添加物を含まないため、長期的に摂取しても身体への負担が少ないのも特徴。
ただし、純りんご酢をとっても、食べるものが「加工品」や「ファーストフード」などばかりだとせっかくの効果も減退してしまうため、意識的に「自然なもの」「加工度の少ないもの」を選ぼう。
消化吸収の視点では、肉や魚などの「タンパク質」と相性がよく、血糖値上昇による肥満を予防するには「糖質」との組み合わせがよい。おかずに酸味のあるもの、食前に酢の物を食べる習慣づけをするのもおすすめ。

りんご酢を料理に活用するならば、「南蛮漬け」や「マリネ」のように和えると消化しやすくなります。また、骨付き肉を煮込む際、りんご酢を少量加えることで、骨から栄養素が溶け出しやすくなり、肉はホロホロになり「ミネラル」も摂取できます。
ダイエットにおすすめ!りんご酢を使ったレシピ3選
ここでは編集部おすすめのりんご酢を使った「飲み物」や「おかず」のレシピを紹介。手軽に作れるものから、ダイエット中の食事の満足度を上げられる自炊レシピまで紹介しているので、気になる人は参考にしてみよう。
- りんご酢ハニーキウイソーダ
- 酸辣湯風春雨スープ
- 白身魚とりんごの南蛮漬け
りんご酢ハニーキウイソーダ
【材料】
- りんご酢:大さじ1.5
- はちみつ:大さじ1
- ゴールドキウイ:1/2個
- 炭酸:200ml
【レシピ】
- グラスにはちみつとりんご酢を入れてよくかき混ぜる
- 角切りしたゴールドキウイ、炭酸水を入れ軽く混ぜる
編集部コメント

りんご酢の酸味を和らげ飲みやすくするために、はちみつとゴールドキウイを加えたソーダ。キウイの風味が合わさってさっぱりと飲むことができます。また、ゴールドキウイには「ビタミンC」「ビタミンE」が含まれているので美肌や抗酸化作用など、美容に嬉しい成分も摂取できます。
酸辣湯風春雨スープ
【材料】
- 春雨:20g
- 舞茸:40g
- たけのこ:20g
- にら:3本
- 卵:1個
- 調味料
- 鶏ガラスープの素:小さじ1
- 水:200ml
- 醤油:大さじ1/2
- りんご酢:大さじ1
- 塩:少々
- 水溶き片栗粉:適量
- ラー油:適量
【レシピ】
- 鍋に水、鶏ガラスープの素を入れ舞茸、たけのこを加え軽く煮る
- 醤油、りんご酢を入れ、ニラと春雨を加える
- 水溶き片栗粉でとろみをつけ、溶き卵を入れる
- お好みでラー油と塩で味を調節する
編集部コメント

酸辣湯をりんご酢でアレンジしてみました。りんご酢はまろやかな酸味で、スープにもよく合います。また、血糖値の急上昇を抑える効果もあるので食前から摂取するのもおすすめです。
白身魚とりんごの南蛮漬け
【材料】
- 白身魚:1切れ
- 片栗粉:大さじ1
- ピーマン:15g
- 玉ねぎ:15g
- 人参:10g
- えのき:10g
- 調味料
- りんご酢:大さじ1
- 濃口醤油:小さじ2
- 砂糖:小さじ1
- 唐辛子(輪切り):好み
- 本だし:小さじ1/2
- 水:100ml
【レシピ】
- ピーマン・玉ねぎ・人参・は千切り、えのきは割く
- 白身魚の水気をふきとり、塩コショウをし片栗粉をまぶす
- 調味料をすべて混ぜておく
- 鍋で1をさっとゆで、3の調味液に漬ける
- トースト板にアルミホイルをしき、2をのせサラダ油を少しかける
- トースターで火が通るまで焼き、出来たら4に入れ絡め器に盛る
編集部コメント

白身魚には「ビタミンB群」「ビタミンD」「ミネラル」も豊富に含まれているので免疫機能や肌の健康にも役立ちます。また、低脂質で高タンパクな食材でもあり、ダイエット中におすすめな食材。ただし、揚げてしまうと脂質のとりすぎにつながるのでフライにするのは控えましょう。
りんご酢ダイエットをする際の注意点
ダイエット効果が期待できるりんご酢だが酸性が強いため、飲み過ぎると身体に悪影響を及ぼす可能性も。ここでは、りんご酢ダイエットをおこなう際の注意点を4つ紹介。
- 栄養バランスよい食事・適度な運動も心がける
- 飲み過ぎは厳禁
- 歯への影響にも気を遣う
- 原液での摂取は避ける
栄養バランスよい食事・適度な運動も心がける
ダイエット効果を高めるためには、「りんご酢」だけに頼るのではなく、バランスの取れた食事と適度な運動を組み合わせることが大切。「主菜」「副菜」「主食」が揃った食事を心がけ、「タンパク質」「ビタミン」「ミネラル」などを意識して栄養バランスを整えよう。
また、適度な運動をおこなうことで、りんご酢の代謝促進効果をさらに高めることができる。「脂肪燃焼」と「筋力向上」の相乗効果で効率よく痩せられるよう、「有酸素運動」と「筋トレ」を組み合わせるのがおすすめ。
下記の記事では「ダイエットに効果的な有酸素運動・筋トレメニュー」などを紹介しているので、取り組む際の参考にしよう。
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飲み過ぎは厳禁
りんご酢を飲む量は適切な範囲を守ることが大切。過剰摂取は「胃酸の過剰分泌」「胃腸の不調」を引き起こす可能性があり、ダイエット効果が高まることもない。
前述したが、一般的に1日の適切な摂取量は「大さじ1程度」。この量を守ることで、ダイエット効果を得つつ、身体への負担を最小限に抑えられる。
歯への影響にも気を遣う
りんご酢の強い酸性は、歯のエナメル質を傷つける可能性がある。酸の影響で歯の表面が溶けたり、知覚過敏の原因となることも。歯への影響を少なくするためには、りんご酢を「しっかり水で薄めて飲む」「ストローを使用して歯に直接触れる機会を減らす」などの工夫をしよう。
また、りんご酢を飲んだあとは、すぐに歯を磨かず、水でうがいをするのがおすすめ。歯磨きは酸によって軟化したエナメル質が回復する「30分ほど」待ってからおこなうのがよい。
原液での摂取は避ける
りんご酢の原液摂取はさまざまなリスクを伴う。強い酸性が食道や胃の粘膜を傷つけてしまい、「胸焼け」「胃痛」の原因となることも。
りんご酢は適切に希釈して飲むことが重要。製品によっても異なるが、一般的に「りんご酢大さじ1杯(約15ml)に対して水200ml程度」で薄めるのが理想的。この比率で薄めることで酸性度が緩和され、安全に摂取できる。
りんご酢に関するQ&A
りんご酢はどのように選ぶべき?
A:成分や製造方法を確認

りんご酢を選ぶ際は、成分表示を確認するのがポイントです。「調味されていないもの」「糖類が含まれていないシンプルなもの」を選ぶのがおすすめです。また、可能なら長期発酵させた「熟成りんご酢」を選ぶとよいです。
りんご酢を飲むことで、ダイエット以外の効果は期待できる?
A:胃酸の分泌促進、疲労回復、腸内環境改善、食欲コントロール

りんご酢を飲むことで胃酸の分泌促進や疲労回復はもちろん、悪玉になる菌の増殖を抑え、腸内細菌のバランスを整える効果が期待できます。また、食欲を適正にコントロールする効果もあります。
1995年給食会社に入社し、給食管理、レシピ開発などの業務に携わる。出産を機に退職し、育児中は特定保健指導員として生活習慣改善の支援をしながら、料理教室を主宰し、地域で食育活動を広げる。2020年に分子栄養学認定カウンセラー取得。オーソモレキュラーの特徴である個体差を重視した栄養指導でダイエット、体調不良改善のカウンセリングを行う。コロナ禍を機にオンラインにて、料理教室、栄養講座、社内研修などに関わる。オンライン料理教室「4品×4人分作れる!管理栄養士のカラダが喜ぶ絶品おうちごはん」は、3年間で受講者1900人を超える。執筆活動は、WEB媒体にレシピ・コラムの掲載、会員誌、ムック本など。料理のプロが教えるサイトE・レシピに料理家登録して866人のファンを集める。野菜とスパイスを活用したレシピに定評がある。
【資格】
・管理栄養士
・分子栄養医学研究会 認定指導カウンセラー
・臨床分子栄養医学研究会 PNTトレーナー
・ナチュラル&ミネラル食品アドバイザー
・食生活アドバイザー2級(FLAネットワーク協会認定)
・国際薬膳食育師3級(国際薬膳食育学会認定)
・スパイスコーディネーターマスター(SCA認定)