
お腹周りを鍛えられる「プランク」は、特別なマシンを必要としない体幹トレーニング。「スポーツジムに通う」「パーソナルトレーニングを受ける」などをしなくても、自宅で手軽におこなえるのが魅力。この記事では、プランクのやり方・効果・注意点などを解説。また、30種類以上のバリエーションから、初心者向け・中級者向け・上級者向けの3つに分けて、おすすめの種類も紹介。
この記事の監修者

つむら みおさん
パーソナルトレーナー
プランクってどんな筋トレ?
プランクとは、自重を利用した静的トレーニングの一種。「サイドプランク」や「ヒップアッププランク」などさまざまな種類があるが、いずれも特別な器具などは必要なく、どこでも手軽に実践できる。
また、プランクは関節への負担が少なく、ケガをしにくい点も魅力の1つ。時間や回数の調整で柔軟に負荷を変えられるので、「運動が苦手な人」や「普段、運動習慣がない人」でも実践しやすい。種類によって難易度や鍛えられる部位が変わるので、自分のレベルや目的に合ったプランクを選ぼう。
プランクで鍛えられるおもな筋肉
体幹を鍛えられるトレーニングとして知られるプランク。とくに効果的に鍛えられるのは、「腹直筋」「腹斜筋」「脊柱起立筋」などの筋肉群。これらの筋肉を鍛えると、姿勢の改善や腰痛予防、歩行時のバランスを保ちやすくなるなどの効果が期待できる。
プランクのやり方を知る前に、まずは各筋肉の特徴を見ていこう。
- 腹直筋
- 腹斜筋
- 脊柱起立筋
腹直筋
いわゆる「シックスパック」と呼ばれる、腹筋の中心部にあたる筋肉。背中を丸める体幹屈曲動作や正しい姿勢をキープする際に使われ、内臓を保護する役割もある。プランクの「体幹を一直線に保つ姿勢」は、腹直筋が大きく働くため、効果的に腹直筋を鍛えることができる。
腹斜筋
脇腹に位置する筋肉で、「外腹斜筋」「内腹斜筋」と呼ばれる2つがある。おもに「ひねる」動作と体幹の安定に関わり、鍛えることで「テニス」「ゴルフ」「野球」など、身体をひねる動作が多いスポーツのパフォーマンスアップにもつながる。
とくに「サイドプランク」「ローテーションプランク」などの種類は腹斜筋に大きな負荷をかけられるため、ウエストを引き締めたいときや、くびれを作りたいときにもおすすめ。
脊柱起立筋
脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)は、背骨の両側にある縦に細長い筋肉。姿勢の維持や背骨を立てる際に使われる。
脊柱起立筋を鍛えると姿勢がよくなることから、上体のブレが少なくなる。そのため、「デスクワーク時の背中の疲労感が軽減」「重いものを持ち上げる際の安定感が増す」などのメリットがあり、日常動作が楽になる。
プランクの効果
プランクは性別や年齢を問わず、幅広い人におすすめの体幹トレーニング。ダイエットやエクササイズにも活用でき、健康的な身体づくりに役立つ。ここでは、プランクのおもな効果を4つ紹介。
- お腹周りを引き締める
- 基礎代謝が高まり痩せやすい身体になる
- 姿勢がよくなり頭痛や肩こりの解消・予防ができる
- 体幹の安定による腰痛改善・ほかの筋トレの効果アップ
お腹周りを引き締める
数ある筋トレの中でも、プランクは「お腹周りの引き締め効果」が高い。腹直筋や腹斜筋など腹部の筋肉群を集中的に鍛えることで、「ぽっこりお腹を解消」「たるんだウエストラインがすっきり美しく整う」などの変化が期待できる。
とくに、くびれのあるボディラインを目指す人にとって、プランクは効果的なトレーニング方法。インナーマッスルを鍛えられるので、一般的な腹筋運動よりも効率的にくびれを作れる。
基礎代謝が高まり痩せやすい身体になる
プランクは体幹の筋肉を鍛えられるため、基礎代謝が向上する。ほかの運動や食事管理と組み合わせれば、理想的な体型を維持しやすくなる。
なお、基礎代謝は痩せやすく太りにくい身体づくりに欠かせない要素。基礎代謝量は筋肉量に比例して高まり、余計な脂肪の燃焼効率がアップする。同じ体重でも筋肉量が多い人ほどカロリー消費量は増えるので、ダイエット中の人はぜひプランクを習慣にしてみよう。
姿勢がよくなり頭痛や肩こりの解消・予防ができる
プランクは背筋や腹筋、肩回りの筋肉をバランスよく鍛えられる。その結果、正しい姿勢を長時間保ちやすくなり、首や肩の負担が軽減。頭痛や肩こりなどの不調が起きにくくなることで、ストレスや疲れの蓄積を防げる。
また、プランクは肩甲骨周りの筋肉の緊張をほぐして血行をよくする作用もある。血の巡りがよくなると酸素や栄養素が細胞にしっかり行き渡り、運動後の疲労回復が早くなるため、次のトレーニングに対する意欲も維持しやすい。
体幹の安定による腰痛改善・ほかの筋トレの効果アップ
体幹が安定すると日常生活やスポーツの動作がスムーズにおこなえるようになる。これにより腰やひざなど関節の負担が軽減し、慢性的な腰痛の改善・予防につながる。とくに、「デスクワークが多い人」「長時間立ち仕事をする人」は、積極的にプランクを取り入れるのがおすすめ。
また、体幹の安定はほかの筋トレの効果を高める効果も期待できる。
たとえば、「スクワット」や「デッドリフト」など大きな動作でおこなう筋トレの場合、体幹が安定しているとフォームが崩れにくくなり、より効果的なトレーニングができる。結果として全身の筋力がバランスよく鍛えられて、体力や持久力アップにつながる。
プランクの基本的なやり方
プランクにはさまざまなバリエーションがあり、それぞれ強度が異なる。そのため、まずは基本のやり方をマスターし、難なくできるようになったら次のステージに進もう。
- 両ひじを床につき、うつぶせの姿勢になる
- かかとを持ち上げて、ひざと腰を床から浮かせる
- 腹筋に力を入れ、頭からかかとまで一直線の状態をキープする
レベルにもよるが、基本はこれを「1回30秒 × 3セット」おこなう。筋肉に十分な負荷がかかるよう、1日分のプランクはまとめておこなうのがおすすめ。セット間の休憩は30秒~1分ほど取り、呼吸を整えてから次のセットにのぞもう。

セット間の間隔が空きすぎると筋肉が回復してしまい、十分な筋トレ効果が得られにくくなります。筋トレをするときは、筋肉がしっかり疲労するまでおこなうことが大切です。数分あれば1日分のセットは終わるので、ぜひ連続しておこなってください。
プランクの効果を高めるコツ
さまざまな効果があるプランクだが、自己流でやっても十分な効果は期待できない。プランクの効果を十分に引き出すには、正しいやり方でおこなうことが大切。ここでは、プランクをおこなうときにおさえておきたいコツを5つ紹介。
- お尻が上がらないように気をつける
- 目線はやや斜め前にして、首に負担をかけない
- こぶしを握って体幹に力を入れる
- 息は止めず自然な呼吸を意識する
- トレーニングマットの上でおこなう
お尻が上がらないように気をつける
プランク中にお尻が上がってしまうと体幹に負荷がかかりにくくなり、トレーニング効果が半減してしまうことも。腰に余計な負担がかかる可能性もあるため、お尻の位置は常に低い位置をキープできるよう心がけよう。
なお、お尻が上がってしまうのは骨盤を前に傾けているのが原因の一つなので、骨盤を後ろに傾ける意識が必要。
骨盤後傾の感覚は、ひざを立てた状態で仰向けに寝転がり、腰の隙間をお腹で埋めるように意識するとつかみやすい。「鏡を使って姿勢をチェックする」「壁に足をつけておこなう」など、いろいろと工夫しながらやりやすい方法を探してみよう。

「骨盤後傾 = 腰を丸めている」と考えると、イメージが湧きやすいかもしれません。骨盤を後ろに傾ける意識を持てば、プランク中のお尻は下がります。プランクの姿勢で骨盤を後ろに傾けるのは慣れていないと難しいので、事前に仰向けで練習しておくのがおすすめです。
目線はやや斜め前にして、首に負担をかけない
目線の位置を意識すると首に負担がかかりづらく、プランクの効果も高まる。
プランク中はつい首を下にしてしまいがちだが、長時間おこなっていると首に負担がかかる。逆に真正面を見ると今度は首が反りすぎてしまい、首に不要な負担をかけてしまう可能性がある。
プランク時の適切な目線の位置は、「床から30~50cmほど前方」。少し前に目線を置くと自然な首のラインを保ちやすくなり、首に負担がかかりにくくなる。はじめは難しいかもしれないが、練習を重ねて適切な位置をキープしよう。
こぶしを握って体幹に力を入れる
安定したプランクフォームを維持するため、両手はこぶしを握った状態で床につける。体重は手のひらで支えた方が安定する場合もあるが、手首やひじの負担を考えるのであれば、こぶしは握っておこなうのがおすすめ。
腕や肩に余計な力が入らないよう心がけ、意識は体幹に向けるのが正しいプランクのコツ。ゆっくり深く呼吸して「腹筋」「背筋」「腰」の筋肉を意識的に引き締めるイメージでおこなうとよい。

ひじを少し外側に向けて、カタカナの「ハ」の字のようにすると、肩や手首の負担が少なくなります。痛みも感じにくくなるので、プランクが長続きしない人はぜひ試してみてください。
息は止めず自然な呼吸を意識する
プランク中はつい息を止めてしまう人も多いが、息を止めて酸欠になってしまうと過度な疲労の原因になる。
また、筋肉に不要な緊張が生じると正しいフォームが維持できなくなり、プランクの効果も十分得られない可能性がある。効果的にトレーニングを進めるためにも、プランク中は普段と同じく自然な呼吸を意識しておこなうことが大切。

プランクをするときは、はじめにゆっくり息を吐き切り、腹圧を十分感じられたら自然な呼吸リズムに切り替えましょう。適切な呼吸法を意識すると、プランクの質が高まります。慣れないうちは難しいかもしれませんが、なるべくリラックスした状態でおこないましょう。
トレーニングマットの上でおこなう
理想的なフォームを長く維持できるよう、プランクはトレーニングマットの上でおこなうのがおすすめ。硬い床の上でプランクをおこなうと「ひじ」「ひざ」「足首」などに過度な負担がかかり痛みが出やすい。
一方、ベッドなど柔らかすぎる場所では身体が不安定になり、正しいフォームを維持できない。
理想的なプランクをおこなうには、床が硬すぎるのも柔らかすぎるのもNG。おすすめは、床の硬さが伝わりにくい「厚さ6~10mm程度」のもの。滑り止め加工されたマットなら安定感がさらに増すので、理想的なものを探してみよう。

トレーニングマットがない場合は、絨毯(じゅうたん)の上や畳の上など、適度な硬さと安定性がある場所でおこないましょう。
ひじや腕が痛いと感じるときは、床と身体の間にタオルを挟むと痛みが和らぎます。身近にあるものを活用すれば自宅でも効果的にプランクができるので、ぜひ無理なくできる工夫をしてみてください。
【初心者向け】プランクの種類6選
基本のやり方をマスターしたら、ほかの種類のプランクにも挑戦してみよう。ここでは、数あるプランクの種類のうち、比較的低強度なものを6種類ピックアップ。基本のプランクより「簡単なもの」「難易度を少し上げたもの」など幅広く紹介するので、できそうなものを探してみよう。
- ひざつきプランク
- ハイプランク(ストレートアームプランク)
- ニーインプランク
- ヒップアッププランク
- スパイダープランク
- ハイリバースプランク
ひざつきプランク
- 両ひじを肩の真下につき、ひざを床につける
- 頭からひざまでが一直線になるように、お腹に力を入れる
- 20〜30秒間同じ姿勢をキープする
「ひざつきプランク」は、プランクの中でもとくに初心者向けの種類。ひざをついた状態でおこなうため、腰や背中に不安がある人でも安心しておこなえる。
下半身の引き締め効果はあまりないが、上半身と体幹に意識を集中できるのは大きな魅力。「正しいフォーム」「体幹への意識の向け方」を学びたいときに実践しよう。
ハイプランク(ストレートアームプランク)
- 肩幅に開いた手を床につき、ひじを伸ばすようにする
- 身体が一直線になるようにお腹に力を入れて腰を上げる
- 20〜30秒間同じ姿勢をキープする
「ハイプランク」はプランクの基本形の1つで、腕を伸ばした状態でおこなう。基本のプランクより体幹の負荷が少なく、慣れていない人でも取り組みやすいのが特徴。
手のひらで体重を支えることで「肩」「胸」の筋肉をより積極的に刺激でき、上半身全体の引き締め効果も期待できる。初心者は無理のない範囲で始めて、徐々に時間をのばしていこう。
ニーインプランク
- 肩幅に開いた手を床につき、ひじを伸ばすようにする
- 片方のひざを胸に引き寄せるようにする
- ひざを元の位置に戻し、反対の脚でも同様におこなう
「ニーインプランク」は、基本のプランクにひざの動きを加えたプランク。基本のプランクより腹斜筋を鍛える効果が高いのが特徴。
体幹の安定性を保ちながら、交互にひざを胸に引き寄せる動作を繰り返す。「股関節の柔軟性を高める」「脂肪燃焼効果を促進する」などの要素もあるため、幅広い目的の人におすすめできる。
ヒップアッププランク
- 通常のプランク姿勢からスタート
- 腰をゆっくり上げてヒップを持ち上げる
- ひざを元の位置に戻し、反対の脚でも同様におこなう
「ヒップアッププランク」は、基本のプランクの姿勢から交互に足を持ち上げるプランク。「大臀筋(だいでんきん)」「太ももの裏」を効果的に刺激でき、その名の通り、ヒップアップ効果が期待できる。
また、片足で体重を支えることで、バランス能力の向上にも効果的。脚を上げ下げする動作によって股関節の柔軟性も高まるため、下半身全体の強化につながる。
スパイダープランク
- 肩幅に開いた手を床につき、ひじを伸ばすようにする
- 片方のひざを外側に上げるようにし、ひじに近づける
- ひざを元の位置に戻し、反対の脚でも同様におこなう
「スパイダープランク」は、ハイプランクの姿勢からひざを外側に開き、胸に引き寄せるプランク。「腹斜筋」「腸腰筋」を刺激し、下半身の柔軟性向上にも役立つ。
体幹が安定していないうちは難易度が高いため、まずは「ハイプランク」などほかのプランクをマスターしてから挑戦するのがおすすめ。動作中は体幹が崩れたり、腰が落ちたりしないよう注意しよう。
ハイリバースプランク
- 肩幅に開いた手を床につき、脚を伸ばして身体を仰向けにまっすぐにする
- 身体が一直線になるように、お腹に力を入れながら腰を上げる
- 20〜30秒間同じ姿勢をキープする
「ハイリバースプランク」は、基本のプランクとは逆向きの姿勢でおこなうプランク。背中を下にした状態で腕を伸ばし、「手のひら」と「かかと」で体重を支えるのが特徴。
「広背筋」「三角筋」「上腕三頭筋」など後面の筋肉を強く刺激できるほか、「お尻」や「もも」の筋肉を鍛えるのにも役立つ。10秒程度から始めて、慣れてきたら徐々に時間をのばそう。
【中級者向け】プランクの種類9選
初心者向けをマスターしたら、中級者向けのプランクに挑戦してみよう。中級者向けのプランクは、片足や片手で身体を支えたり、ややダイナミックな動きをしたりするものが多い。
- サイドプランク
- ハイサイドプランク
- リバースプランク
- つま先タッチプランク
- シングルレッグプランク(ワンレッグプランク)
- ツーポイントプランク
- バランスボールプランク
- ヒップリフトブリッジ
- プランクウォーク
サイドプランク
- 片方のひじを肩の真下に置き、足を揃えるかクロスして身体を横向きにする
- 身体が一直線になるように腰を持ち上げる
- 20〜30秒間同じ姿勢をキープし、反対側も同様におこなう
「サイドプランク」は、身体を横向きにして片ひじで支えるプランク。「腹斜筋」「腸腰筋」「肩回りの筋肉」に効果的にアプローチでき、バランス能力の向上やくびれ作りにも役立つ。上側の腕を上に向けて伸ばすとさらに難易度が上がるので、通常のサイドプランクで物足りない人は試してみよう。
下記の記事では「サイドプランクの効果・やり方・種類」などを紹介しているので、詳しく知りたい人は参考にしてみよう。
サイドプランクの効果・やり方!初心者から上級者向けの種類も紹介
サイドプランクはどこの筋肉に効く? サイドプランクで鍛えられる筋肉は複数あるが、おもには以下の5つ。お腹周りの筋肉を中心に、「背骨周り」「お尻」の筋肉にも効果的.....
ハイサイドプランク
- 片手を肩の真下に置き、足を揃えるかクロスして身体を横向きにする
- 身体が一直線になるように腰を持ち上げる
- 20〜30秒間同じ姿勢をキープし、反対側も同様におこなう
「ハイサイドプランク」は、片方の手のひらで身体を支えるプランク。サイドプランクよりも体幹の安定性・上半身の筋力が求められるため、サイドプランクをマスターしてから挑戦するのがおすすめ。
なお、上側の腕を上に向けて伸ばすとバランス感覚も鍛えられる。お尻が下がってしまったり、身体が前後に傾いたりしていないか確認しながら進めよう。
リバースプランク
- ひじを肩幅ほどに開いて床につけ、脚を伸ばすようにして座る
- 身体が一直線になるように、お腹に力を入れながら腰を上げる
- 20〜30秒間同じ姿勢をキープする
「リバースプランク」は基本のプランクを仰向けでおこなう種目で、上半身を持ち上げ、ひじとかかとで体重を支える。
ハイリバースプランクと同じく背筋をメインに鍛えるため、体幹強化だけでなく腰痛予防にも効果が期待できる。顔を上げてしまうと首に負担がかかるので、あごは軽く引いた状態をキープしよう。
つま先タッチプランク
- 肩幅に開いた手を床につき、ひじを伸ばすようにする
- 片手を反対側のつま先にタッチできるように伸ばす
- 手を元の位置に戻し、反対も同様におこなう
「つま先タッチプランク」は横向きに足を開き、つま先を床にトンとタッチして元の位置に戻すという動作を繰り返す種目。腹筋や下半身の引き締めに効果的。回数をこなしていくと負荷を実感できる。上半身は動かさず、お尻が下がらないよう注意しておこなおう。
シングルレッグプランク(ワンレッグプランク)
- 両ひじを肩の真下につき、つま先を床に立てるようにしながら片方の脚を上げる
- 身体が一直線になるようにお腹に力を入れて腰を上げる
- 20〜30秒間同じ姿勢をキープし、反対側も同様におこなう
「シングルレッグプランク」は、基本のプランクの姿勢から片足を浮かせておこなうプランク。かかとはお尻の高さでキープして、左右交互におこなう。
とくに効果的に鍛えられるのは、「大臀筋」「太ももの筋肉」「腹斜筋」「背筋」など。バランスを取るために全身の筋肉が動くため、全体的なバランス能力の向上にもつながる。慣れてきたら、持ち上げた足で小さく円を描くように動かすなどをしてみよう。
ツーポイントプランク
- 両ひじを肩の真下につき、つま先を床に立てるようにする
- 片腕と反対の脚を持ち上げ、身体が一直線になるようにお腹に力を入れて腰を上げる
- 20〜30秒間同じ姿勢をキープし、反対側も同様におこなう
「ツーポイントプランク」は、基本のプランク姿勢から片手とその逆側の脚を浮かせておこなうプランク。体勢を保つのが難しいため、重心がブレないよう意識したい。
中級者向きのプランクではあるが、体幹が安定していない場合は上級者でも難しい。はじめは片足もしくは片腕だけ浮かせるなどして練習し、バランスを保てるようになったら両方浮かすようにするのがおすすめ。
バランスボールプランク
- 両ひじをバランスボールの中央に乗せるようにし、つま先で身体を支える
- 身体が一直線になるようにお腹に力を入れて腰を上げる
- 20〜30秒間同じ姿勢をキープする
「バランスボールプランク」は、足またはひじをバランスボールの上に乗せておこなうプランク。身体との設置面が不安定な分、体幹の安定性とバランス力向上に効果的で、全身の筋肉を鍛えられる。
バランスボールに足を乗せれば上半身が、ひじを乗せれば下半身に大きな負荷がかけられるので、目的によって乗せる部位を選ぼう。慣れてきたらボールで小さく円を描くように動いたり、片足や片手を上げたりなど、さらなる動きを加えてみよう。
ヒップリフトブリッジ
- 両ひじを肩の真下につき、つま先を床に立てるようにする
- 身体が一直線になるようにお腹に力を入れて腰を上げる
- おへそをのぞき込むようにして、お尻を上に持ち上げる
- 元の位置に戻し、同じ動作を繰り返しおこなう
「ヒップリフトブリッジ」は基本のプランクの姿勢からお尻を高く上げておこなうプランク。つま先を見るように身体を曲げたら、ゆっくり元に戻ることを繰り返す。
お尻は限界まで上げ、つま先を立てるのがポイント。体幹のほか、「背筋」「大腿四頭筋」「腹筋」などを鍛えられる。片足でおこなうと難易度が上がるので、慣れてきたらバリエーションの1つとして取り入れるのもおすすめ。
プランクウォーク
- 肩幅に開いた手を床につき、ひじを伸ばすようにする
- 床についた手を一歩ずつ手前に出す
- 手を前に出しきったら元の位置に戻る
「プランクウォーク」はハイプランクに歩く動作をプラスした種目。通常のプランクより腹斜筋や肩回りの筋肉が強く刺激されるので、より効率的な筋力アップにつながる。
肩からかかとまで一直線に伸ばしたら、そのまま両手を一歩ずつ前に。余裕のある人はもう一歩ずつ前に進み、ゆっくり元の位置に戻るのを繰り返そう。
【上級者向け】プランクの種類4選
ここでは、上級者向けの高度なプランクを4つ紹介。プランクの中でも負荷が高く、普段トレーニング習慣がない人は難しく感じるものが多い。「体力に自信がある人」「中級者向きのプランクが物足りない人」は、ぜひ挑戦してみよう。
- プランクジャック
- プランクプッシュアップ
- オープンリバースプランク
- プランクトライアングル
プランクジャック
- 両ひじを肩の真下につき、つま先を床に立てるようにする
- 脚を肩幅より広く開き、ジャンプしながら脚を閉じたり開いたりを繰り返す
「プランクジャック」は基本のプランクの姿勢で両足を左右に開いて戻す種目。脚の開閉時に軽くジャンプをすると、全身の筋力アップが効率よくおこなえる。
おもに鍛えられる筋肉は、「内転筋」「外転筋」「大臀筋」などの下半身の筋肉。素早く動くとフォームが崩れやすいので、なるべく腰を上下させないよう心がけ、呼吸もしっかり意識するのがポイント。
プランクプッシュアップ
- 両ひじを肩の真下につき、つま先を床に立てるようにする
- 腕を立てるようにして身体を持ち上げる
- ひじを元の位置に戻し、同じ動作を繰り返しおこなう
「プランクプッシュアップ」はプランクと腕立て伏せを交互におこなう種目。プランクの状態からひじを伸ばし、左右順番に身体を持ち上げて落とすのが基本的な姿勢。
「腹筋」「大胸筋」「上腕三頭筋」「三角筋」などおもに上半身の筋肉が鍛えられ、体幹の安定性が高まる。左右どちらかに体重がかかると肩への負担が大きくなるため、正しいフォームでおこなうことが大切。
オープンリバースプランク
- ひじを肩幅ほどに開いて床につけ、脚を肩幅に開いて座る
- 身体が一直線になるように、お腹に力を入れながら腰を上げる
- 20〜30秒間同じ姿勢をキープする
「オープンリバースプランク」はリバースプランクの姿勢で脚を大きく開いて横に広げる種目。「腹横筋」「広背筋」「大腿四頭筋」など幅広く筋肉を鍛えられ、体幹の強化に役立つ。腰が落ちやすいため、腹筋にしっかり力を入れておこなうのがポイント。
プランクトライアングル
- 両肘を肩の真下につき、つま先を床に立てるようにする
- 片方のひざを反対側のひじに向けて引き寄せる
- ひざを元の位置に戻し、同じ動作を繰り返しおこなう
「プランクトライアングル」は脚を大きく動かしながらバランスを保つプランク。片方のひざをひじに引きつけたあと、反対側の足をまたいで外に大きく振る動作を繰り返す。そのため、プランクの中でもカロリー消費が高いのが特徴。
身体全体の引き締めに役立つので、ダイエット中の人にもおすすめ。ひじ・外・ひじの3つの動きはメリハリをつけておこなうと、より高い効果が期待できる。
ダイエット目的でプランクをする際の注意点
習慣的なプランクは基礎代謝の向上につながるため、ダイエット目的でおこなう人も多い。ここでは、プランクをダイエット中の運動メニューとして加えるときの注意点を解説。
- 短い時間・少ないセット数から始めて徐々に増やす
- 有酸素運動と組み合わせて脂肪燃焼を促進する
- ほかの筋トレもおこない全身をバランスよく引き締める
- タンパク質を意識してとる
- 中長期的な減量計画を立てて、無理なく続ける
短い時間・少ないセット数から始めて徐々に増やす
初めてプランクをするときは短い時間からスタートし、徐々にのばしていくのがおすすめ。
初心者が長時間のプランクに挑戦すると、正しいフォームを維持できずに効果が半減したり、ケガのリスクが高まったりする可能性がある。時間をのばすときは体調や疲労に配慮して、無理のない範囲で設定しよう。

目安として、はじめは10~20秒程度からスタートするのがおすすめです。一般的に、プランクは「1回30秒×3セット」おこなうのが基本といわれていますが、慣れないうちは難しいと感じる人も少なくありません。目標は30秒に設定して、できる範囲で取り組むことが大切です。
有酸素運動と組み合わせて脂肪燃焼を促進する
種類にもよるが、プランクは「無酸素運動」の要素が強い。無酸素運動は基礎代謝向上に効果的な反面、カロリー消費はそれほど多くないため、有酸素運動と組み合わせておこなう方がダイエットには効果的。
なお、脂肪燃焼効果は「無酸素運動 → 有酸素運動」の順番でおこなうとより高まる。効率的に痩せるためにも、プランクは有酸素運動の前に取り入れよう。

プランクをおこなうと成長ホルモンの分泌が促進されるため、有酸素運動による脂肪燃焼効果が高まります。また、プランクで体幹を安定させておくと運動パフォーマンスも向上し、正しいフォームで運動ができます。より効率的かつ安全にトレーニングをするためにも、プランクは他運動の前におこなうのがおすすめです。
下記記事では、おすすめの有酸素運動の種類や有酸素運動でダイエット効果を高めるためのポイントを紹介しているので、気になる人は参考にしてみよう。
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ほかの筋トレもおこない全身をバランスよく引き締める
難易度が高いものを除き、プランクで鍛えられるのはおもに体幹。そのため、ダイエット目的でおこなうなら「スクワット」「腕立て伏せ」「腹筋」などほかの筋トレと組み合わせておこなうのがおすすめ。
複数のトレーニングを組み合わせることで全身の筋肉がバランスよく鍛えられ、効率的に脂肪を燃焼できる。複数の筋トレを組み合わせて、プランクの効果を十分に引き出そう。

腹筋運動はプランクとの相性がとくにいい筋トレです。プランクのあとに腹筋運動をおこなうと、アウターマッスル(表層の筋肉)が効果的に鍛えられます。また、「スクワット」もプランクで鍛えた体幹の安定性を活かせるので、より効果的なトレーニングができますよ。
下記の記事では「ダイエットに効果的な筋トレメニュー・効果を高める方法」などをくわしく紹介しているので、ほかの筋トレに取り組む際は参考にしてみよう。
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タンパク質を意識してとる
ダイエット成功には、「適切な栄養摂取」と「食事管理」が必須。とくにタンパク質は筋肉の修復と成長に欠かせない栄養素であり、ダイエット中は意識して摂取したい。
タンパク質の摂取量目安は、「体重1kgあたり1.2~1.8g」。たとえば、体重60kgの人の場合は1日に72~102gのタンパク質が必要になる。「鶏むね肉」「魚」「卵」「大豆製品」など、高タンパクでヘルシーな食材を上手に活用して、健康的な食生活を心がけよう。
また、野菜や果物、全粒穀物なども積極的に取り入れて、偏りのない食事を意識しよう。下記の記事では「ダイエット中のタンパク質摂取の基礎知識・高タンパク食材やメニュー」などを紹介しているので、気になる人は参考にしてみよう。
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中長期的な減量計画を立てて、無理なく続ける
短期間での急激な減量はリバウンドのリスクが高く、健康にも悪影響。せっかくのダイエットを無駄にしないためにも、減量計画は中長期的な期間で設定しよう。
一般的に、1ヶ月で痩せてよい体重の目安は「体重の5%程度」といわれている。最終的なゴールをしっかり設ければ、ダイエットは健康的におこなえる。目標体重は「3~6ヶ月程度」の期間で設定し、定期的に進捗を確認しよう。
下記の記事では「ダイエットを継続するためのモチベーションを上げる方法」を紹介しているので、減量計画とあわせて参考にしてみよう。
ダイエットのモチベーションを上げる方法!継続するコツやおすすめグッズも紹介
ダイエットのモチベーションが下がる原因・NG行動 痩せたいと思っているのに、「なぜかいつも挫折してしまう」「ダイエットが続かない」という人は、無意識にモチベーシ.....
プランクに関するQ&A
プランクは毎日やっていい?
A:不調がなければ毎日おこなって問題ない。

プランクは筋肉の長さを変えずに収縮させる「等尺性運動」の1つで、筋肉痛が起きにくいのが特徴です。もし筋肉痛がある場合はお休みしてもいいですが、とくに不調がなければ毎日おこなって構いません。
プランクだけでも痩せられる?
A:プランクだけで痩せるのは難しい。

痩せるにはカロリーを消費する必要がありますが、プランクは時間をかけておこなうトレーニングではないため、消費カロリーが少なめです。たとえきついと感じても、消費カロリーが多いわけではありません。ダイエット目的の場合は、ほかの運動や食事管理も並行しておこないましょう。
プランクは子どもでもできる?
A:可能。遊び感覚でやってみるのがおすすめ。

プランクはお子様でもできます。楽しんで続けるにはトレーニングとしてやるよりも、遊び感覚でチャレンジしてみるといいですね。「こんな動きできるかな?」など、チャレンジ精神を刺激するような形で取り入れるのがおすすめです。
プランクの効果が出るのはいつから?
A:個人差もあるが、一般的には1ヶ月程度で変化を感じられることが多い。

「なんとなくお腹が引き締まってきたかも」と感じるまでには、プランクを始めてから1ヶ月ほどかかります。ただし、効果を実感できるまでの期間は個人差が大きいため、あくまで目安としておさえておきましょう。効果をしっかり実感するには、正しいフォームでおこなうことが大切です。
プランクはジムでおこなう必要はない?
A:自宅で十分おこなえるため、あえてジムに行く必要はない。

プランクは自宅でできるため、あえてジムに通う必要はありません。床を使えるジムはそもそも多くなく、プランクのように床を使う運動には適していないところが多いでしょう。ジムでは器具を必要とする「ウエイトトレーニング」や「マシンを使った有酸素運動」など、特別な設備を使う運動をおこなうのがおすすめです。
妊娠中の人・高齢者の人にプランクはよくない?
A:妊娠中はお腹の筋トレ全般を避けるべき。高齢者は難易度の低いプランクから始めてみよう。

妊娠中の場合、プランクのようにお腹に圧がかかるトレーニングは避けてください。また、高齢の人は体幹を支える力が落ちている可能性があるため、ひざつきプランクなど難易度の低いものを選ぶのがおすすめです。
難易度が低いプランクでも難しい場合は、ひざ上げ運動やクランチなどで筋肉を動かすこと。はじめは簡単なものからチャレンジして、徐々に強度を上げていくことが大切です。
ハーティネス株式会社代表
フィットネス勤務から独立し、現在はダイエット迷子に正しい知識を伝えるためのオンライングループレッスン運営中。
コンプレックスを強みに変える!ボディメイク運動指導やリバウンドなしで、理想の体を手に入れる食事指導をおこなっている。
2チャンネル目となるYouTube「みおGYM」にて週2回エクササイズ配信中
著書4冊/各種雑誌、テレビ出演
JBBF 日本ボディビル・フィットネス連盟 2年連続優勝経験を持つ