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社会課題に挑戦する人たちを支える。インパクトスタートアップ協会が目指す未来

「社会課題の解決」と「持続可能な成長」を両立させるビジネスモデルは、どのようにして生み出すことができるのか。

インパクトスタートアップ協会は、ポジティブな影響を社会にもたらすスタートアップのエコシステムの構築を目指し、2022年に発足。現在は325社のスタートアップが正会員として所属。社会課題のソリューションを幅広く社会実装させることを目的に集うプラットフォームとしての機能を持ち、これまでインパクトエコシステムを形成し会員同士でのナレッジ共有や、政策提言、協会主催のカンファレンスの開催などの発信活動を行い、より良い社会の創出を目指して活動を続けてきた。

今回は、同協会の共同代表を務める「READYFOR」の代表である米良はるかさん、「ヘラルボニー」の財務戦略顧問をはじめ、上場会社の財務戦略アドバイザーやスタートアップの社外取締役などを務める星直人さんに、Wellulu編集長・堂上研が話を聞いた。

 

米良 はるかさん

インパクトスタートアップ協会 代表理事/READYFOR株式会社 代表取締役CEO

慶應義塾大学経済学部卒業。2011年日本初のクラウドファンディング「READYFOR」を開始。2014年に株式会社化し、代表取締役CEOに就任。2011年に世界経済フォーラム「グローバル・シェイパーズ」に選出。日本人として史上最年少でダボス会議に出席し、2025年には「ヤング・グローバル・リーダーズ」に選出される。これまでに「人生100年時代構想会議」「未来投資会議」「新しい資本主義実現会議」等の有識者構成員を務める。2022年、一般社団法人インパクトスタートアップ協会代表理事に就任。

https://readyfor.jp/

星 直人さん

財務戦略アドバイザー/インパクトスタートアップ協会 代表理事

外資系証券会社であるモルガン・スタンレー証券に新卒入社。投資銀行本部のM&Aチームにて、国内大型経営統合案件や1兆円超の大型クロスボーダー案件等を主導。東京・ニューヨークオフィスで約12年間勤務後、ユニファ株式会社の取締役CFOに就任。約100億円の資金調達やセカンダリー取引を含む財務戦略や戦略的施策の立案と実行を牽引。
現在は、PIVOT株式会社の社外取締役、株式会社ヘラルボニーの財務戦略顧問、コクヨ株式会社の財務戦略アドバイザー、CPAエクセレントパートナーズ株式会社の財務戦略アドバイザー、一般社団法人インパクトスタートアップ協会代表理事等を務める。

https://www.heralbony.jp/

堂上 研

株式会社ECOTONE 代表取締役社長/Wellulu 編集長

1999年に博報堂へ入社後、新規事業開発におけるビジネスデザインディレクターや経団連タスクフォース委員、Better Co-Beingプロジェクトファウンダーなどを歴任。2023年、Wellulu立ち上げに伴い編集長に就任。2024年10月、株式会社ECOTONEを立ち上げる。

https://ecotone.co.jp/

目次

スタートアップとクラウドファンディング。強力なシナジーが事業成長を加速させる鍵

堂上:「Wellulu」を立ち上げてから2年半ほど経ちますが、スタートアップだけでも100社近く取材させていただきました。新しいビジネスに挑戦する皆さんは、本当に“ウェルビーイングな人”が多い。そうした方々の声を届けることは、この媒体のテーマのひとつでもあります。

今日は「インパクトスタートアップ協会(以下、ISA)」の代表理事でもある米良さんと星さんにお話を伺っていきます。どうぞよろしくお願いします。

米良よろしくお願いします。

堂上:お二人とも取材経験は豊富だと思いますが、今日はあまり構えず、自由にトークできたらうれしいです。まずは米良さんから、自己紹介も兼ねて現在の仕事について教えていただけますか?

米良:「READYFOR」というクラウドファンディングサービスのプラットフォームを運営する会社の代表をしています。立ち上げてから、もう15年ほどになります。

堂上:じつはその頃、一度だけ米良さんとお会いしてるんですよ。ちょうど僕も新規事業に取り組もうとしていた時期で、知人から「米良さんには会ったほうがいい」と言われて。当時はまだ「クラウドファンディング」という言葉も今ほど浸透していなかった。それがここまで成長するなんて素晴らしいです。

米良:ありがとうございます。今は、READYFORとISAの代表を中心としながら、社外取締役などもさせていただいています。

堂上:ISAの活動ともつながっていると思うのですが、社会課題解決に向けた「新しい官民連携」ということで、積極的に政策提言もされていますよね。

では、続いて星さんにもお聞きします。星さんとの出会いは、以前「Wellulu」でも取材させていただいた「Unifa(ユニファ)」がきっかけでした。

星:私は新卒でモルガン・スタンレー証券に入社し、約12年間M&Aのチームで仕事をしていました。その後、Unifaというチャイルドケアテック領域のスタートアップで、約6年間、取締役CFOを務めました。

現在は、障害のある方が生み出すアートをIP化して、プロダクトとして展開する「ヘラルボニー」の財務戦略顧問をはじめ、ビジネス映像メディア「PIVOT」の社外取締役、や、公認会計士受験の専門学校等を運営する「CPAエクセレントパートナーズ」の財務戦略アドバイザー、プライム上場企業である「コクヨ」の財務戦略アドバイザーなどを兼任しています。

堂上:「ヘラルボニー」も2年前に取材で伺いました。常にコアの提供価値はファイナンスでありながらも、関わる業界とステージの幅がとても広いですね。

リーダーに必要なのは、巻き込み力と固定概念にとらわれずに社会を見る眼

堂上:ここからは、今の仕事につながるような出来事や原体験を振り返っていきたいと思います。まずは幼少期についてお聞きしたいのですが、米良さんはどんなお子さんでしたか?

米良:私は小学校から高校卒業まで、都内の一貫校に通っていました。みんなで力を合わせて目標に向かうことが好きで、スポーツならチーム競技が向いていましたし、受験勉強もそれほど苦ではなかったですね。

ただ、リーダーシップが強いほうでもなく、人にあれこれ指示されるのも得意ではありませんでした。その代わり、やりたいことを実現するために周囲を巻き込むのは得意だったと思います。常に目的をもって動く姿勢は、今とあまり変わっていないかもしれません。

堂上:ちなみに、これは皆さんにもよくお聞きする質問なんですけど、ご両親からの関わり方で印象に残っていることはありますか?

米良:特別に何かを強く言われた記憶はありませんが、私が自発的に考えて行動を起こしたときは、必ず肯定してくれていました。母は心配性なんですが、最終的には私の判断を尊重してくれましたし、父も「やりたいことがあったらやればいい」という考え方でした。二人とも私の選択を否定しなかったことには、とても感謝してます。

堂上:理解のあるご両親ですね。幼少期に寛容な大人が身近にいることは、ウェルビーイングなマインドが育まれるうえでも大切だと思います。そういえば、海外留学の経験もありますよね。

米良:はい。大学時代はロンドンに、大学院時代はシリコンバレーに留学していました。短期間ではありましたが、同世代の人たちと一緒に学べたことは、自分にとってとても大きな経験でした。特に日本とのギャップを強く感じたのは、社会における性別的役割に対する価値観でした。

米良:ロンドンで仲良くなった友人の女性が、パイロットを目指していたんです。当時の私は「女性がパイロットになる」という選択肢に無意識のバイアスを持っていて、日本ではまだ働き方や役割がラベリングされていると感じた瞬間でした。その後、彼女は夢を叶えてパイロットになり、出産も経験して、キャリアと子育てを両立している。その姿を見て、自分の中の固定概念が大きく覆されました。

堂上:海外に出て日本を見ると、今までと視点が変わったり視野が広がったりするというのも、とても共感します。

「俯瞰することの大切さ」はサッカーと経営の共通点。巻き込み力とチームビルディング

堂上:星さんの10代のころはどんな感じでしたか? 僕は、ずっとサッカーに明け暮れていました。

星:私も同じですね。小学校から中学までは、幼心ではあるものの、プロのサッカー選手を目指したいなと思うくらい打ち込んでいました。東北出身なのですが、県大会では決勝やベスト4に残ることもありました。今振り返ると、サッカー部ではキャプテンを務め、学校では生徒会長等も経験していて、幼い頃はリーダー的な役割が多かったですね。ただ、成長するとともに「自分は本質的にはそのポジションじゃないほうが性に合っているな」と感じるようになりました。

堂上:サッカー経験者なら「鳥の目・虫の目」という言葉はよく聞きますよね。鳥の目でグラウンド全体を俯瞰しながら戦略を立て、状況に応じて判断する。その感覚は、経営やビジネスにも通じるものがあると思います。星さんの今の仕事にも近いのでは?

星:チームのパフォーマンスを最大化する、という目的はまさに同じですね。その意味では、共通項があると思います。

堂上:縁の下の力持ちというか、リーダーを支える戦略家タイプなのかもしれないですね。そういうご自身の適性には、どのように気づいたのでしょうか?

星:ウェルビーイングという文脈でいえば、「できる・できない」よりも、それをやっている自分がしっくりくるかどうか。言い換えれば「好きかどうか」が大事だと思っています。

ISAでは共同で代表理事を務めていますが、リーダーはあくまで米良さんだと僕は思ってます。私は一緒に前進しながら、支える立場かなと。物事を客観的かつ冷静に捉え、今どんなアクションが最適か、攻めと守りのバランスを見極める。協会ではCFOという呼称はないのですが、実質的にはそれが自分の役割だと考えています。

堂上:ISAの発起人は米良さんとのことですが、どんな経緯で始まったのですか?

米良:以前、経営者合宿に参加したときに、皆さんとの飲みの席で話していた「こんなことができたらいいな」というアイデアが、少しずつ形になっていきました。誰かと何かを始めるときは、だいたいそんな自然な会話から始まることが多いんですよね。

世の中にはこういう課題があるけれど、どう向き合うべきかと話しているうちに、「それは確かに必要だよね」という共通認識が生まれました。だったら、必要なものは迷わず自分たちでつくってしまおう、と思ったんです。

堂上:その行動力がすごいなあ。米良さんの周りにいる人がどんどん巻き込まれていくのがわかります。その行動力と冒頭で話していたような目的意識が合致すると、物事が一気に動いていくんだろうと感じます。

米良:正直なところ、自分のリーダーシップだけで物事を動かしていくのは、とても難しいと感じています。共通の目的意識を持つ人たちは、指示を待つのではなく、自分のミッションをちゃんと理解して、自分の言葉で主体的に語りながら動ける。そういう人たちが集まっているチームなんです。

堂上:米良さんは、チームアップのセンスも素晴らしい。それってやっぱり自発的に行動する人たちだからこそなんでしょうね。

星:シナジーが強いメンバーですよね。現在は理事が7人いるのですが、一人ひとりが違った得意分野や個性をちゃんと持っているからこそ、パーパスの実現に向かって力強く進んでいけるチームになっていると思います。

米良:チームビルディングにおいて、メンバーそれぞれの強みをどう活かすかが大切で、その点では「メルカリ」の小泉会長がおっしゃっていた「アサインメント(人材配置)はアートである」という考え方に強く共感しています。あわせて大事にしているのは、社会に対してピュアに向き合うことや、挑戦しようとしている人たちのことを心からリスペクトしていること。その温度感や熱量の近さがないと、よいチームはなかなかつくれない気がします。

星:その人の個人の能力だけに頼るのではなく、コンビネーションの重要性もあると思います。何が良くて何がダメということではなくて、常に建設的に議論してより良いアウトプットを出そう、という考え方とカルチャーが土台になっているんじゃないでしょうか。

周りと同じである必要はない。どんな人と、どんな仕事をしながら生きていきたいかを考える

堂上:米良さんは、大学時代から起業しようと決めていたんですか? クラウドファンディングサービスを日本で始めようと思ったきっかけを聞いてみたいです。

米良:両親がクリエイティブな仕事をしていたこともあって、自分の好きなことをやるための延長に仕事があるという感覚の人が周りに多かったんです。一方で、私は自分のやりたいことがなかったんですね。やりたいことっていうのは将来自分にとって武器になるわけですけど、それを持たずに社会に出るイメージが持てませんでした。

どうしようかと進路を模索していた頃に、東京大学の松尾豊先生と出会いました。私が所属していた慶應義塾大学の研究室との共同研究が始まり、そこで松尾先生たちと一緒にインターネットサービスの仕組みやビジネスモデルについて学び始めたんですが、それが面白くて気づけば夢中になっていました。

堂上:そんな出会いがあったんですね。READYFORを立ち上げたのは大学院のときですか? シリコンバレーへの留学も大きなきっかけになったということですが、起業するって相当チャレンジングなことですよね。

米良:起業したいとか社長になりたいと思ったことはなく、会社はあくまで「やりたいことを実現するための手段」だと考えています。だからこそ、クラウドファンディングのような仕組みは日本にとって不可欠だという強い確信が行動の原動力になっていました。

ISAを立ち上げたときも同じです。さまざまなスタートアップがもっと世の中に出てきて、民間で社会課題を解決できる社会になっていくほうが今よりも良いに違いない、という確信めいたものがあったんです。ただそれは私たちだけで実現できることではないので、同じ考えを持つ人たちと協力しながら、社会にどのような価値を創出していけるかに挑戦してみたかったんです。

堂上:会社はやりたいことを実現するための手段というのは、本当にその通りですね。まさにそういった考え方がウェルビーイングな働き方にもつながると思います。

思考を“OR”から“AND”に転換し、二項対立を作らずに物事を多角的に捉える

堂上:星さんは、さまざまな企業から悩みを相談される立場でもあると思うんですが、どんな軸でご支援するかを判断されているのですか?

星:ファイナンスが大変な時期に伴走していると、お互いの人となりも見えてきますし、自然と信頼関係が生まれますよね。人間の本質って、すごく苦しいときに見えるものだと思うんです。外からは見えないだけで、どんな会社もいろんな苦しみを抱えています。汗を流し、涙を流し、ときには血を流しているようなところがあって、そういう部分までわかったうえで一緒にやりたいと思えるかどうかが大事だと思います。

堂上:社会性はもちろん、持続可能性という意味では経済性も大事なわけで、そこを両立していかないといけないですもんね。それがまさにISAの考え方でもあると思うのですが、米良さんはその辺りの課題感をどのように捉えていますか?

米良:私は社会の「ペイン」をどう解決できるかを考えたいと思っています。誰が一番苦しい状況にあって、そこを解決できるようなビジネスモデルは何か? これをやることによってどんな変化が起こり、世の中にポジティブなインパクトを起こせるか? そうした仮説を立てながら考えていくのが、私のスタイルです。

それぞれの起業家が、パッションを持って課題解決と向き合うこと自体が本当に意味のあることであって、チャレンジすることを誰からも否定されない環境をつくりたい。その想いこそがISAの意義だと考えています。

大きなインパクトはなくても社会にとって必要なことはたくさんあり、ビジネスとして大きくなるかならないかというのは市場規模の違いでしかないと思うんです。そうした中でどうお金を循環させていくかを考えることが、READYFORのミッションだと思っています。

星:米良さんが話しているように、事業領域や市場規模が大きく関わってくるので、すべてのケースで上手くいくといえるほど資本市場は甘くないという現実は大前提としてあります。ただファイナンスの観点からは、さまざまな手段があるはずなので、そこを上手く使って、いろんな仕掛けを一緒に考えていけたら良いのかなと。

それから私は、社会性と経済性のどちらかだけを追求する考え方も悪いとは全く思わないです。そこを両立できるんだったら一番良いよねという話であって、決して簡単なことではないけれども、チャレンジする意味は大きいと私は思います。一度だけの人生の中で、思考を“OR”から“AND”に転換してその目標を達成できたら、納得感も高まるように思います。

堂上:チャレンジでいうと、星さんにとってのキャリアチェンジの大きなきっかけは何だったんですか? 大企業でM&Aのアドバイザーとして長く働きながら、その後に未上場スタートアップの経営やマネジメント側に移られている理由を聞いてみたいと思いました。

星:理由はひとつではないですが、大きな契機のひとつは子どもができたことです。私には子どもが二人いて、一年間のニューヨーク赴任中に娘が生まれたんですけど、現地の上司が全員女性だったんです。これが日本だと、トップマネジメントのほとんどが男性になっていて、違和感を感じました。当時の外資系の投資銀行というのも部分もあるとは思いますが。

それから帰国すると、娘が保育施設に全く入れないという問題に直面し、パートナーが一度仕事を辞めざるを得ない状況になったんです。日本は少子高齢化でどんどん人口が減っていく中で、働きたい女性がいるのに働けない状況はアンフェアであり、かつ、非合理的だなと思いました。私個人としても、機会の平等を重視しており、フェアな社会を目指していくべきだと思っていた点も大きいです。

堂上:ご自身の体験がその後のキャリアを考えるきっかけになったということですね。続けることもできたけれど、そこからUnifaさんのような保育や子育てに関わる分野のスタートアップの経営やマネジメントにチャレンジされた。

星:そうですね。自分としては、振れ幅が大きいことも重要だと思っており、複数の側面が分かればひとつの物事がより立体的になるし、キャリアとしても短期の非合理に見える意思決定が、長期の合理性にもつながるかなと思っています。「Connecting the dots(点と点をつなげる)」みたいに、後から見たら線になっているということも当然ありますが、とはいえ、私の場合は最低限その時その時で、深く考えながら動いている面もあるという感じです。情理と合理、社会性と経済性といったように、二項対立を作らずにどうやって物事を考えるかっていうのは、頭の中に常にあることなんですよね。

社会課題と向き合い挑戦する人が増えることで、「インパクトスタートアップ」が当たり前の社会に

堂上:プライベートでも仕事でも、お二人がウェルビーイングを感じる瞬間というのはどんなときか、お聞きしてみたいです。

米良:私は考え込み過ぎてしまう癖があるんです。何か自分に引っかかるモヤモヤだったりストレスを感じたりしたときに、考え抜いて答えを導き出そうとします。そんな中で、誰かと話しているときに「それだ!」と腑に落ちる瞬間は、大きな達成感を得られます。自分なりに問題に向き合い、解決への糸口や突破口を見出せた時に一番そう感じるのかもしれません。

堂上:経営者ならではという感じがします。星さんはいかがですか?

星:私もわりと米良さんと近いですね。わかりやすい例でいうと、自分だったらサッカーをしていたり、サウナに入ったり、旅行をしたりする時間は楽しいし、心地良さを感じる瞬間ではありますが、私にとっての本質的なウェルビーイングって、そういうことだけじゃないような気がしていて。ストレスってネガティブと捉えられがちですけど、そこと向き合うことでひとつ上のステージに行けるんじゃないかなと。自分にとっての壁を乗り越えて成長を実感できたときが、心から豊かな感覚を得られるような気がします。

堂上:星さんや米良さんのように、新しいことに挑戦しようとしている人は、常に何かを考えて突き詰めようとしているんですね。

では、最後の質問です。お二人が目指す未来について、どんな社会をつくって次世代に残していきたいか、それぞれのビジョンをお話していただけますか。

星:私は将来、「インパクトスタートアップ」という言葉が自然となくなっている未来になってほしいと思っています。ISAの活動は徐々に認知されつつありますが、まだまだ市民権は得られていません。経済性と社会性の両立を志すスタートアップがどんどん増えていって、最終的にはISAとしての役割も終えられている状態が理想ですね。それが豊かで美しい社会の姿だと思うんです。

米良:まさにISAの目指すところですね。インパクトスタートアップが特別な存在ではなくなっている社会。社会課題と向き合いながら挑戦したい人がいたら、まずは自らが能動的に動いてみること。そしてその人を応援していくこと。社会的意義があるのにビジネスとして上手くいかないというのは、持続可能とはいえません。これからさらに、ISAの分母を増やしていきたいです。

堂上:同じ経営者としても、ISAの裏側というか、業界ならではの苦労や悩みはもっと聞いてみたいですね。こういったコミュニティの必要性を感じます。

星:これは私自身が感じていることなんですけど、ISAでの活動を通じて久しぶりに友人がたくさんできました。大人になると、ビジネスパートナーや知人もたくさんできるんですけど、友人ってなかなかできにくい。本当に良い仲間に恵まれている組織だと思いますね。

米良:本当に。私もそう思います。

堂上:今日はなんだか僕もお二人の仲間に入れてもらえたような気持ちです。ぜひどこかで第2弾もやりましょう! 素敵なお話をありがとうございました。

堂上編集長後記:

僕は、米良さんとは2013年にお会いしていた。それは、僕が博報堂で新規事業という道を選んで進むときに、クラウドファンディング事業の研究をしていたときだった。当時、米良さんが格好よくて、僕もスタートアップを起業したいと思う志を持ったときのことを思い出す。

憧れの起業家の米良さんと、再度お会いしたのは、インパクトスタートアップ協会の設立のタイミングである。博報堂の新規事業組織、ミライの事業室として賛同会員として仲間に入れて頂いたのである。

スタートアップと大企業、ベンチャークライアントの本にあるように、お互いのリスペクトを通してオープンイノベーションを育む。そんな共創をつくろうと試みた。そこに、もう1人の憧れの星さんというCFOがいた。

「Wellulu」でニコンの徳成社長と対談させて頂いた後に、星さんと徳成さんの対談記事(※1、2)を拝見して、僕はECOTONEのCFOに星さんに就任していただきたいとずっと思っていた。(もう少しECOTONEが成長したら、相談しようと思っている。)

※1 セミナーサマリーレポート前編
※2 セミナーサマリーレポート後編

僕らECOTONEは、インパクトスタートアップの正会員になった。社会課題を解決しながら、ビジネスも拡張していく。まさに、ウェルビーイング共創社会の実現だ。

米良さん、星さん、これからも日本からインパクトスタートアップをどんどん輩出していきましょう。どうもありがとうございました。

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