walkeyは、一般的なジムとは一線を画する。「歩くこと」に特化し、足裏や関節・筋肉など約70箇所の状態をチェック。1人ひとりの歩行力チェックの結果に合わせて、walkeyが独自に開発した約120種類のトレーニングの中からカスタマイズしたトレーニングを行う。専用の機器とアプリを自宅で使いながら、「歩く力」を身につけていく。今回は「walkey Lab 自由が丘店」で体験トレーニングとインタビューを実施した。
今回体験した場所
【walkey Lab 自由が丘店】
- 住所:〒152-0035東京都目黒区自由が丘1-14-14原田ビル2F
- 公式サイト:https://walkey.co.jp/
歩行トレーニングサービス「walkey Lab 自由が丘店」へ
今回体験にやってきたのは、「walkey Lab 自由が丘店」。駅から程近い場所にある「原田ビル」2階にある。自由が丘に住んでいる方々はもちろん、横浜方面や都内在住の方など、通勤途中に通う方も多いという。
店内は白とグリーンを基調とした明るい雰囲気。トレーニング着に着替え、早速体験していく。
カウンセリング
- 運動不足や、体の疲れやすさを感じているのですね。普段運動は全くされないですか?
齋藤:全くしていないです。仕事でも自宅でPCに向かっていることが多いので、体は凝り固まっていると思います。学生の頃はテニスをしていて、社会人になってからはヨガやジムに通ってみたのですがあまり続かなくて…
- なるほど。今は30代なので感じられないかもしれませんが、40代頃から筋肉が衰え始めると、疲れやすくなったり、足の可動域が狭まっていくことで、つま先をあげることができずに躓いたりすることが多くなったりと、どんどん歩くことが難しくなっていってしまうんです。walkeyではまず、そういった関節の可動域や筋力のトレーニングから始まり、持久力をつけた後に、スポーツができる体が出来上がっていきます。
齋藤:今はまだ躓いたりすることはありませんが、階段を登ると疲れやすくなったと感じることが多いです。基礎の筋力や持久力はどんどん衰えている実感があります。
- 体の土台づくりをせずにいきなりスポーツをしてしまうと、怪我につながる恐れもあります。だからこそ、私たちはまず体の土台づくりをしていくサポートをしています。また、ジムなどでは基本的に週に数回ジムでトレーニングをして、それ以外の自宅などではトレーニングをされない方が多いですが、walkeyは逆の「反転ジム方式」。walkeyのスタジオに来ていただくのは月に2回のみ、トレーニングを習得するために来ていただき、習得したトレーニングを毎日自宅で行っていただきます。毎日やることで、筋肉の貯金をしていくことができるんです。
- 歩行は本来、床反力と言われる地面を押す力で歩くものです。ただ近年では機能的で歩きやすい靴も多くなってきたことで、床反力が衰えてきてしまっている方が多いです。walkeyでは足の指や足裏のバランスなど、床反力を鍛えるトレーニングも行っていきます。walkeyでは20代から90代まで様々な年代の方が通っています。年代に合わせてサポートをしていくので、一緒にやってみましょう!
齋藤:よろしくお願いします!
トレーニング体験:足・歩いている状態のチェック
- まずは、足圧計という足の裏側にかかる圧力を測定する装置を使って体のバランスを見ていきます。歩いていただいて、体の使い方の癖も見ていきたいと思います。
齋藤:緊張しますね。
- いつも通り歩いてくださいね!
- 体の左右のバランスは、やや偏りがあるくらいで、概ね良さそうですね。足裏のバランスも良いです。ただ歩く時、通常は足の指全体を蹴って歩くのですが、指を全く使えていなさそうですね…。厚底の靴を履く方は足の指を使えなくなることが多いです。
齋藤:厚底はあまり履かないのですが、いつもペタペタと歩いてしまっていて、蹴れていない実感があります。映像を見てみるとより分かりますね。
トレーニング体験:専用機器を使用したトレーニング
- 足の状態が分かったところで、トレーニングに移っていきましょう。まずは足の裏をしっかりとほぐしていきます。足の内側のアーチの部分にポールをフィットさせて動かしてみたり、外側を当ててみたりしてください。
齋藤:見た目よりも結構痛いですね!
- 足は体の体重を支えているので、すごく疲れているのですが、なかなか悲鳴を上げない場所でもあります。こうやってみると実は疲れていることが分かると思います。
- 次に専用機器を使ってトレーニングをしていきましょう。専用アプリに使い方の動画も載っているので、自宅でも迷わず使っていただけます。
齋藤:シンプルな白でインテリアの邪魔をしないし、コンパクトなので自宅に置きやすいですね。
- こちらを使って、スクワットのような状態でバーを引き上げてみてください。前に体が持っていかれるので、肩をしっかり後ろに持って行って、お尻を落としていきましょう。脛と上半身が平行になるように。
齋藤:しんどいです…!!!!
- 結構疲れやすいですね。これは日々のトレーニングが必要そうです。
齋藤:普段いかに体を使えていないかが分かりました。
- これから少しずつやっていけば、鍛えていけますよ。まずは足の指を蹴って歩くところから意識してみてください。
walkey代表・渡辺さんにインタビュー
齋藤:健康寿命というテーマに着目した理由を教えてください。
渡辺:実際の寿命と健康寿命は差が大きく、高齢者が増えている日本では特に課題となっています。コロナ禍になってからは特に健康寿命への意識が高まっている一方で、運動不足の方も増えています。そこで当初は足に装着して歩行をサポートするような装具の開発を考えていたのですが、装具の開発企業や利用者に調査をしてみると、大袈裟な装具はたとえ機能が改善したとしても、恥ずかしくて着けたくないと感じている方が多いことが分かりました。そこで、日常生活で非常に重要な「歩く力」を身につけ、体を内側から改善していくトレーニング事業を考え始めました。
齋藤:測定方法やトレーニング内容はどのように作っていかれたのでしょうか?
渡辺:共同開発者である齋藤トレーナーや、理学療法士の先生方など、様々な方の知恵と力をお借りしながら作っていきました。
齋藤:サービスのローンチは2022年5月ということで、約1年経ちましたが反響はいかがですか?
渡辺:お客様の数も徐々に増えてきています。自分の親御さんの介護生活に入った世代、50代・60代のお客様が「自分はもう少し健康でいたい」「趣味の山歩きを続けたい」と思われて、入会いただく方が多いです。デザインやサービス設計を含めて男女問わずどなたでも使いやすいサービスを心がけて作ってきましたが、健康への意識が高い方が多いことから、現状ではお客様のほとんどは女性となっています。
齋藤:お客様からはどのようなお声がありますか?
渡辺:生活の意識が変わったという声が多くあります。walkeyでは歩く時にどの筋肉を使うかなど、歩き方を意識的に変えていける内容をお伝えしていくため、体のバランスが整ってきたのを実感したり、片足では履けなかった靴下を履けるようになったり、ずっとキッチンで立ちっぱなしで料理していても疲れにくくなったりと、日常生活での変化を感じているようです。
齋藤:トレーニングを短期・単発で行うよりも、少しずつ長期的に行うことがポイントなのでしょうか?
渡辺:そうですね。できる限り毎日続けられるよう、1回あたりは短く、運動しやすいプログラムをご提案しています。もちろん我々が目指すのは「100年歩ける人生」なので、お客様とも長く付き合っていけるのが理想。ある程度改善されたら一旦トレーニングから離れて、また悩みが出てきたら再開する、といったやり方も歓迎しています。例えば、夏は山登りをして、オフシーズンになったらwalkeyで歩き方を調整する、といった方もいらっしゃいますよ。
齋藤:なるほど。本当の意味で、長期的に付き合っていけるシステム作りをされているのですね。私の父はスマートフォンで見られる歩数を意識していて、「今日は1万歩歩いた!」などと達成感を感じているのですが、正しい姿勢で歩けているのか心配です。
渡辺:筋力を衰えさせないという観点では歩数も大切ですが、正しい歩き方で歩いていかないと、どんどん体が歪んでいってしまいます。ウォーキングしているから自分は大丈夫、と思う方もいるのですが、歩けば歩くだけ体が歪んでいる可能性も。そうすると膝や腰を痛める原因にもなり得ます。
齋藤:父はよく腰を痛めているので、正しい姿勢で歩けていない可能性が高いですね。
渡辺:歪みをまずトレーニングで直してから、たくさん歩いてもらうのが理想的です。
齋藤:歩くことは日常生活で欠かせないことですから、ウェルビーイングとの関係性も高いように感じています。walkeyが提供するウェルビーイングについてはどのようにお考えですか?
渡辺:お客様のお話を聞いていると、歩けること、歩くことに自信が持てることで、行動範囲が広がっていくのを感じています。そうすると色々な人と出会い、美味しいものを食べたり、新しい世界に出会ったりと、自然とウェルビーイングに繋がっているのではないでしょうか。
齋藤:世界を広げていくために、コミュニティ運営もされていると伺いました。
渡辺:はい。お客様にはFacebookグループに参加いただいていて、一緒にウォーキングをするイベントがあったり、他の方が遠出している投稿を見て刺激を受けたりされています。会員限定のクローズドな環境だからこそ、「今日はサボっちゃいました」といった報告をされる方もいて、1人でやっているのではないのだと感じられる空間になっています。
齋藤:今後のサービス展開・展望を教えてください。
渡辺:walkeyというプロダクトとプログラムを広げていくために、店舗の増加はもちろん、出張型のサービスの可能性も感じています。機器が小さく場所を取らないので、例えば集合住宅などで出張サービスが展開できたら良いですね。また、介護や医療・リハビリの現場でも使っていただけるサービスに成長していければと思っております。
齋藤:渡辺さんご自身が、ヘルスケアの領域に興味を持たれたきっかけは?
渡辺:大学時代からバイオテクノロジーを専攻しており、関心は高かったです。また自分の親が衰えていく様子を見ていて、何か改善できるサービスがあれば、と思ったこともきっかけの一つです。
齋藤:ご両親もwalkeyを使用されているのですか?
渡辺:はい。母親が使ってくれています。真面目にやる時期もあれば、体調が悪い時はお休みしている時期もあるのですが、長く健康な時間を過ごすために、無理せず続けてもらいたいと思っています。
齋藤:1度やめても再開できるよう、サービス設計として工夫されている点はありますか?
渡辺:デザイン・プロダクトも含めて、日常に馴染む・寄り添うサービスであることを心がけています。励ましてモチベートすることが大事な局面もありますが、それがプレッシャーになったり、逆に体を痛めてしまったりすることがないよう、無理に押し付けすぎず、寄り添うということを1番大切にしています。
齋藤:渡辺さんご自身がウェルビーイングを感じる瞬間は?
渡辺:walkeyと同様に、新しい人と出会うことや、大切な人と新しい世界を見るということにはとてもウェルビーイングを感じます。昨年子供ができ、私の親にとっては孫ができました。そうすると親も孫ともっと元気に遊びたい、という気持ちが出てきて、walkeyに取り組むモチベーションになっているようです。そういう大切な人たちとの新しい世界を、もっともっと楽しんでいけると良いですね。
渡辺 達哉さん
株式会社walkey 代表取締役社長
齋藤 優里花さん
ライター
2022年5月、朝日インテック株式会社との合弁会社、株式会社walkeyを創業し、代表取締役に就任。「100年歩ける人生を届ける」をミッションに歩行機能を改善するトレーニング機器・プログラムの開発、サービス提供を行なっている。