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電気は買う時代から作る時代へ。災害と高騰に負けないエネルギー自給の暮らし方【スマートソーラー株式会社】

電気代の上昇が続くいま、契約の見直しや節電に取り組む家庭は少なくない。しかし、災害による停電や今後の価格変動を考えると、「節約」だけでは解決できない課題も見えてくる。そこで注目されているのが、自宅で電気を作り、ためて使うというエネルギーの自給自足という考え方。

今回は、AI搭載の蓄電システムで家庭のエネルギー自立を支援するスマートソーラー株式会社代表取締役・手塚博文氏に、「家族の命と暮らしを守る電気との付き合い方」について伺った。

手塚 博文さん

代表取締役

1980年に京セラ(旧京都セラミック)入社。1996年京セラソーラーコーポレーション社長就任。2007年スマートソーラー設立、代表取締役社長。太陽光分野で学会・団体役職や国内外大学の客員教授を歴任し、特許等150件以上。

HPなど:https://www.smartsolar.co.jp/

目次

ライフラインを守る。電気を買う以外の選択肢とは

── これまでは電気がつくのが当たり前だと思っていましたが、最近は災害も多いですし、電気代も上がっています。私たちの身近な電気の存在って、変わりつつありますか?

手塚さん:明らかに変わっています。電気は単なる便利なエネルギーではなく、今や命を支えるライフラインです。電気が止まれば、生活はほぼ機能しなくなります。

── たしかに。スマートフォンも使えなくなると、何もできなくなってしまいます。

手塚さん:そうなんです。私が電気がないことに強烈な不安を感じたのは、2011年の東日本大震災のときでした。当時、計画停電がありましたよね。

私はマンションの14階に住んでいたんですが、エレベーターが止まってしまって、階段で上がるしかなかったんです。

── 14階まで階段ですか……。それは過酷ですね。

手塚さん:ええ。やっとの思いで部屋に入っても、電気がないから何もできないんです。テレビもつかない、お湯も沸かせない。結局、布団に入って寝ているしかありませんでした。

こんな停電が毎日続いたらどうなるんだろうと、本当に怖くなりましたよ。

── 当時の計画停電の地域で過ごす夜の時間は本当に不安でした。街が真っ暗になる怖さは、経験した人にしかわからないものがありますよね。

手塚さん:その経験をして初めて、当たり前だった電気が、暮らしや命を守るインフラなんだと気づかされたんですよね。

2019年、千葉で台風15号による大規模な停電がありました。そのときに当社の蓄電池を導入していた道の駅は電気がついたので、地域の防災拠点として機能しました。やはり自分たちで電気を守る備えが必要なんです。

電気を買わないという防衛策。値上げが止まらない理由

── 災害時の備えとして、電気を自分で確保する必要性が高まっているんですね。一方で、普段の電気代も気になります。今後も値上げは続くでしょうか?

手塚さん:構造的に見ると、上昇リスクは続きます。日本は燃料を海外に依存しており、円安や国際情勢の影響を直接受ける構造です。

── なるほど。価格が改善される見通しはありますか?

手塚さん:あまりないですね。燃料費として毎年何十兆円ものお金が海外に出ていっています。これを2050年まで続けると、莫大な富が失われることになります。

一方で、再生可能な太陽光発電であれば、燃料費ゼロで日本国内で完結する発電になるんです。自宅で発電できれば、外部環境に左右されにくくなります。リスクヘッジのために、太陽光発電を進めていかなければならないと考えています。

── 太陽光なら、燃料費はかかりませんもんね。

手塚さん:その通りです。国全体で再生可能エネルギーにシフトしていけば、燃料がいらないため、将来的には電気代は安くなります。自分の家で電気を作れば、火力発電の燃料費が上がって電気代が高騰してもほとんど影響を受けません。

── 電気を買わない生活が、大きなリスクヘッジになるわけですね。

手塚さん:そうです。今は太陽光パネルや蓄電池のコストも下がってきていますから、住宅購入時のタイミングで設置してしまったほうが、20~30年のスパンで見れば間違いなく安くなります。

天気予報と連動?AIが管理する「電気の執事」

── 先ほど電気を買わない生活というお話がありましたが、太陽光発電だけだと、夜や雨の日は電気が作れませんよね。そこはどうすればいいのでしょうか?

手塚さん:おっしゃる通り、太陽光は変動電源なので、必ず蓄電池とセットで考える必要があります。発電できない夜間や災害時に電気を使うためには、電気をためておく貯金箱である蓄電池がどうしても必要なんです。

── 蓄電池というと、なんとなく大きくて場所を取るイメージがあります。

手塚さん:昔はそうだったんですよ。私が1994年頃に京セラで働いていたときは、四畳半の部屋いっぱいに蓄電池を置く必要がありました。

価格も1000万円くらいして、水素ガスが出るから危険性もあったんです。ところが、今は技術が進歩してコンパクトで安全なリチウムイオン電池になりました。

屋外のちょっとしたスペースに蓄電池を置けるようになっています。

── 四畳半が埋まるサイズから、そこまで進化したんですね!

手塚さん:ええ。そして蓄電池だけでなく、太陽光発電の制御技術も進化しています。それが当社のスマートAIです。

これは、AIがお客さんの代わりに電気の管理を自動でおこなってくれる仕組みなんです。

── AIが管理するというのは、具体的に何をしてくれるんですか?

手塚さん:気象庁のデータと連携して、明日の天気を予測して動くんです。

たとえば、気象庁から雪になりそうというデータが連携されたときは、発電できないだけでなく、重みで電線が切れて停電するリスクもあります。そうなると明日は発電できないから、今のうちに安い深夜電力を買って、蓄電池を満タンにしておこうと自動で判断して、充電してくれるんです。

台風が来る前日も同じように充電してくれます。

── 蓄電する判断を人間がやるのではなく、全部自動でやってくれるんですね!

手塚さん:そうです。天気予報を見て、明日は雨だから設定を変えなきゃなんてやるのは大変ですよね。AIが勝手に計算して、最適な電気の使い方にコントロールしてくれます。

── まるで家に電気の執事がいるみたいですね。

手塚さん:まさにそうです。さらにこのAIのデータを活用して、将来的には離れて暮らす家族の見守りサービスも提供しようと考えているんです。

たとえば、真夏なのにエアコンが使われていないとわかれば、熱中症のリスクがあることを離れた家族に通知する。そんな仕組みを開発しているところなんです。

── なるほど。単なる節約機器ではなく、家族の安全を守るツールにもなるんですね。

手塚さん:そうなんです。高齢の親御さんに太陽光発電パネルや蓄電池、スマートAIをプレゼントすれば、「電気代を気にせずエアコンを使っていいよ」と言えますよね。

失敗しない蓄電池選び。全負荷型と15キロワットアワーが安心の理由

── カタログを見ると専門用語が多くて迷ってしまいます。とくに特定負荷型と全負荷型はどちらを選ぶとよいのでしょうか?

手塚さん:結論から言うと、これから選ぶなら間違いなく全負荷型をおすすめします。

特定負荷型だと停電したときに冷蔵庫はつくけど、お風呂は沸かせない、リビング以外は真っ暗という状態になります。これでは生活の質がガクンと落ちてしまいますよね。

── 特定負荷型だと、災害時はやはり不便そうですね。

手塚さん:そうなんです。一方、全負荷型は家中のコンセントが普段通り使えます。

50アンペアで契約しているなら、停電時でも同じように50アンペア使えますから、どの部屋にいても照明がつきますし、キッチンで温かい料理も作れます。

災害時のストレスを減らすためにも、家全体をカバーできる全負荷型がよいと私は考えています。

── では、一般的な家庭ならどれくらいの蓄電容量があれば安心ですか?

手塚さん:目安としては15キロワットアワーをおすすめしています。少なくとも10キロワットアワーは欲しいですね。

一般的な4人家族の電気使用量は、1ヵ月で約300キロワットアワーと言われています。これを30日で割ると、1日あたり約10キロワットアワー使っている計算になります。

つまり、10キロワットアワーあれば計算上は1日分の電気を賄えます。

── なるほど。それなら10キロワットアワーでも足りそうですが、なぜ15キロワットアワー推奨なのでしょう?

手塚さん:余裕を持つためです。最近はIHや大型家電が増えていて、電気の使用量が増える傾向にあります。

災害時にギリギリの状態で過ごすよりは、15キロワットアワーあれば普段通りに近い生活を送れます。ギリギリではなく、余裕が安心を生むんです。

── 確かに、災害時にあと少しで電気が切れると心配しながら過ごすのは辛いですもんね。安心のための容量と考えれば納得です。

手塚さん:そうして導入されたお客さんからは、安心感だけでなく、生活そのものが楽しくなったという声をよくいただきます。

── 具体的にどんな生活の変化があるんですか?

手塚さん:大きなところでは電気の見える化ですね。スマートフォンのアプリで今の発電量や売電量がリアルタイムで見られるようになります。そうすると、自然と節電意識が高まるんです。

── 数字で見えると、ゲーム感覚で楽しめそうです。

手塚さん:まさにそうです。お子さんが興味を持って、「今日は天気がいいから発電したね」と家族の会話が増えたり、奥さんが電気代の明細を見るのが楽しみになったり。

単なる機械の導入ではなく、家族のコミュニケーションや意識を変えるきっかけになっているのが嬉しいですね。

エネルギーの自立が、次の世代への贈り物になる

── ここまでは太陽光発電を導入する家庭のメリットを中心にお聞きしてきましたが、もう少し視座を広げて、社会全体にとっての意味も教えていただけますか?

手塚さん:各家庭がエネルギーを自給自足できれば、日本のエネルギー資源のほとんどを海外からの輸入に頼っている課題を解決できると考えています。

ウクライナ危機のように国際状況に応じて、影響を受けてしまうんです。

太陽光発電を導入すれば、国内のエネルギー自給率も上がります。実は私、かつて京セラに勤めていたころ、稲盛和夫さん(京セラ創業者)が上司だったんです。

稲盛和夫(いなもりかずお)
京セラ、KDDIの創業者であり、日本航空(JAL)の会長として再建にも尽力した実業家。「経営の神さま」とも呼ばれ、利他の心を経営の根幹に置くフィロソフィで知られる。手塚社長は京セラ時代、稲盛氏の直下で太陽光発電事業に従事していた。

── 経営の神さま、稲盛さんですね!

手塚さん:彼から常々、「世のため人のためになる仕事をしなさい。そうすれば永遠に繁栄する」と教わりました。太陽光発電は、まさにその教え通りの仕事だと思っています。

二酸化炭素を出さず環境を守り、災害から人の命を守り、国の経済も守る。これほど世のため人のためになる事業はないんじゃないかと。

── エネルギーの自給は、自分たちのためだけでなく、社会貢献そのものなんですね。

手塚さん:ええ。そして太陽光発電は、次の世代への教育にもつながります。親がエネルギーを大切にする姿を見れば、子どもたちも自然と環境意識を持つようになります。

自分の家が発電所という環境で育った子どもたちが、未来の社会を作っていくわけですから。

── 素敵なお話をありがとうございます。では最後に、導入を迷っている読者へメッセージをお願いします。どうしても初期費用の面で足踏みしてしまう人も多いと思います。

手塚さん:お金がかかることですから、迷うのは当然です。ただ、長い目で見れば、太陽光と蓄電池は単なる出費ではなく、将来の暮らしを支える備えになります。

── 災害の備えとしての価値があるんですね。

手塚さん:はい。何より、お金には代えられない家族の安心が手に入ります。もし災害が起きても、うちは明かりがつくし、温かいご飯が食べられる。その安心感こそが一番の価値ではないでしょうか。

そして、自分たちで電気を作る生活を続ければ、環境にも貢献できますし、いつか電気代を払い続ける生活から卒業できる日も来るかもしれません。

── 自分たちの暮らしを守ることが、地球や未来を守ることにもつながるんですね。貴重なお話をありがとうございました。

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